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原作のサブタイトル一覧。単行本に収録されたものを対象とする。 話数は大字を使った表記となっている(第184話以降を除く)。ただし「伍」と「五」の表記についてはばらつきがある。 ここでは「第6.5話」などの「おまけ」の話のサブタイトルは除いてある。 また、各話について対応するテレビアニメ版の話数も記載する(対応するアニメがない場合は「未アニメ化」と表記)。 第1巻 第2巻 第3巻 第4巻 第5巻 第6巻 第7巻 第8巻 第9巻 第10巻 第11巻 第12巻 第13巻 第14巻 第15巻 第16巻 第17巻 第18巻 第19巻 第20巻 第21巻 第22巻 第23巻 第1巻 第壱話:ケロロぐんそーであります。…の巻 対応するアニメ:第1話Bパート、フラッシュアニメ1話、フラッシュアニメ2話 第弐話:日向家大隊長登場。…の巻 対応するアニメ:第1話Bパート、フラッシュアニメ2話 第参話:多重人格少女・西澤桃華登場。…の巻 対応するアニメ:第2話Aパート 第四話:軍曹御宅拝見。…の巻 対応するアニメ:第1話Aパート 第伍話:日向家(+α)近況報告。…の巻 対応するアニメ:第2話Bパート 第六話:軍曹監視計画。…の巻 対応するアニメ:第3話Bパート、フラッシュアニメ3話 第七話:梅雨之修羅降臨。…の巻 対応するアニメ:第4話Bパート 第八話:軍曹、桃華、南海大作戦。…の巻 対応するアニメ:第6話Aパート 第九話:有給・悠々・遊休休暇。…の巻 対応するアニメ:第6話Bパート 第拾話:壮絶日向家黙示録。…の巻 対応するアニメ:第7話Aパート 第2巻 第拾壱話:新生命体襲来。…の巻 対応するアニメ:第3話Bパート・第8話Aパート 第拾弐話:ケロロ対ギロロ空中大決戦。…の巻 対応するアニメ:第4話Aパート 第拾参話:軍曹臨界点突破。…の巻 対応するアニメ:第3話Aパート 第拾四話:極秘大作戦決起集会!!…の巻 対応するアニメ:第8話Aパート 第拾伍話:冬樹、桃華愛之地獄大脱出。…の巻 対応するアニメ:第8話Bパート 第拾六話:日向家大清掃顚末記録。…の巻 対応するアニメ:第39話Bパート、フラッシュアニメ4話 第拾七話:肉親来訪迎撃大作戦。…の巻 対応するアニメ:第27話Aパート 第拾八話:チョコレート電撃大作戦。…の巻 対応するアニメ:第45話Bパート 第拾九話:六弐参事件勃発!!…の巻 対応するアニメ:第9話Aパート 第弐拾話:四番目之宇宙人。…の巻 対応するアニメ:第9話Aパート 第3巻 第弐拾壱話:我的放送強攻発信!…の巻 対応するアニメ:第19話Bパート 第弐拾弐話:夏美絶体絶命!…の巻 対応するアニメ:第50話Aパート・第50話Bパート 第弐拾参話:日向母青春再生大進撃。…の巻 対応するアニメ:第9話Bパート 第弐拾四話:夏美全開御宝奪取作戦。…の巻 対応するアニメ:第18話 第弐拾伍話:恐悦至極! 恐怖対決!!…の巻 対応するアニメ:第17話Bパート 第弐拾六話:モア突撃恋愛大作戦。…の巻 対応するアニメ:第7話Bパート 第弐拾七話:爆誕! 真・西澤桃華「裏」!!…の巻 対応するアニメ:第15話Aパート 第弐拾八話:新生、地球侵略選手団!…の巻 対応するアニメ:第15話Bパート 第弐拾九話:快打! 我輩式贈呈品。…の巻 対応するアニメ:第39話Aパート 番外編:すもも上等!…の巻 対応するアニメ:第12話Aパート(ただしほぼオリジナル) 第4巻 第参拾話:謹賀新年衝撃映像!!…の巻 対応するアニメ:第40話Aパート 第参拾壱話:赤鬼号泣一斉掃射!!…の巻 対応するアニメ:第43話Aパート・第43話Bパート 第参拾弐話:死闘! 第一次雪合戦。…の巻 対応するアニメ:第28話Aパート 第参拾参話:永劫普遍的来訪者!…の巻 対応するアニメ:第5話 第参拾四話:悪魔在住第三大臼歯!!…の巻 対応するアニメ:第10話 第参拾伍話:我貴君也貴君我也。…の巻 対応するアニメ:第85話Aパート 第参拾六話:郷愁強襲! 異星人師弟物語。…の巻 対応するアニメ:第30話Aパート 第参拾七話:日向一家帰郷顚末記録。…の巻 対応するアニメ:第21話Bパート 第5巻 第参拾八話:灼熱脱出! 地底怪進撃!!…の巻 対応するアニメ:第27話Bパート 第参拾九話:大体育祭典乱入大作戦!!…の巻 対応するアニメ:第26話 第四拾話:宇宙旅行者捕獲大作戦!!…の巻 対応するアニメ:第11話 第四拾壱話:質疑応答! 誕生会大作戦!!…の巻 対応するアニメ:第35話 第四拾弐話:賀正! 双六大合唱!!…の巻 対応するアニメ:第41話Aパート、フラッシュアニメ10話 第四拾参話:桃華転校!? 父襲来!!…の巻 対応するアニメ:第25話 第四拾四話:恐怖大王GO! GO! GO!…の巻 対応するアニメ:第16話Aパート・第16話Bパート 第四拾伍話:閑話休題、只前進!!…の巻 対応するアニメ:第34話Bパート 第6巻 第四拾六話:東京日向家之怪宇宙人!!…の巻 対応するアニメ:第24話Aパート 第四拾七話:緊急指令! K66降格命令!?…の巻 対応するアニメ:第22話 第四拾八話:蛙vs夏美水中大決戦!!…の巻 対応するアニメ:第17話Aパート 第四拾九話:海底探検危機遭遇!!!…の巻 対応するアニメ:第20話Aパート・第20話Bパート 第伍拾話:祭対決! 鉄人vs宇宙人!!…の巻 対応するアニメ:第19話Aパート 第伍拾壱話:迷惑千万! 曹長伝説。…の巻 対応するアニメ:第28話Bパート 第伍拾弐話:人情一途! 伍長伝説。…の巻 対応するアニメ:第12話Bパート 第伍拾参話:史上最小之侵略。前編…の巻 対応するアニメ:第51話 第7巻 第伍拾四話:史上最小之侵略。後編…の巻 対応するアニメ:第51話 第伍拾伍話:朧転校生登場。宇宙人大混乱!…の巻 対応するアニメ:第13話Aパート 第伍拾六話:五人目参上! ドロロ伝。…の巻 対応するアニメ:第13話Bパート、フラッシュアニメ5話 第伍拾七話:緊急警戒! 東谷小雪急接近!!…の巻 未アニメ化 第伍拾八話:絢爛!! 宇宙式花博大作戦!…の巻 対応するアニメ:第14話 第伍拾九話:特撮攻略! 就職最前線!!…の巻 対応するアニメ:第24話Bパート 第六拾話:感染拡大!? 暴走五月病!…の巻 対応するアニメ:第48話Aパート・第48話Bパート 第六拾壱話:毎年恒例? 小的侵略者襲来!!…の巻 対応するアニメ:第56話Bパート 第8巻 第六拾弐話:夏美最大危機!! 新生物兵器投入…の巻 対応するアニメ:第113話Aパート 第六拾参話:電力網崩壊!? 猛暑脱出作戦!…の巻 対応するアニメ:第21話Aパート 第六拾四話:肉体改造! 訪問販売大作戦!!…の巻 対応するアニメ:第30話Bパート 第六拾伍話:衝動買! 我翼整備不良!?…の巻 対応するアニメ:第31話 第六拾六話:潜入! 漫画家的秘密強奪大作戦!!…の巻 未アニメ化 第六拾七話:地球(ポコペン)動物入隊歓迎!!…の巻 対応するアニメ:第32話Aパート・第32話Bパート 第六拾八話:取材襲来! 熱烈大歓迎作戦!!…の巻 対応するアニメ:第29話Bパート 第六拾九話:現代児童寒冷地仕様化大作戦!!…の巻 対応するアニメ:第36話Aパート・第36話Bパート 第9巻 第七拾話:温泉! 混戦! 混浴貪欲大作戦!!…の巻 対応するアニメ:第34話Aパート、フラッシュアニメ8話 第七拾壱話:合戦!! 地球子供之快進撃!!!…の巻 対応するアニメ:第55話Bパート 第七拾弐話:公開認可! 六弐参事件前夜…の巻 対応するアニメ:第112話 第七拾参話:地球!? 毛球!? 絡魂!!…の巻 対応するアニメ:第47話Bパート 第七拾四話:雨後出会後別離後晴…の巻 対応するアニメ:第42話Bパート 第七拾五話:便利生活? 自動侵略大作戦!…の巻 対応するアニメ:第58話Aパート 第七拾六話:禁断計画? 最最最大大作戦!!…の巻 対応するアニメ:第71話 第10巻 第七拾七話:戦慄恐怖…心霊宇宙大決戦! 前編…の巻 対応するアニメ:第46話 第七拾八話:戦慄恐怖…心霊宇宙大決戦! 後編…の巻 対応するアニメ:第46話 第七拾九話:宇宙式処世術大伝授!…の巻 対応するアニメ:第49話Bパート 第八拾話:日向冬樹・異星人生態研究記録報告書…の巻 対応するアニメ:第42話Aパート 第八拾壱話:決戦、ケロロ小隊24時 前編…の巻 対応するアニメ:第101話 第八拾弐話:決戦、ケロロ小隊24時 中編…の巻 対応するアニメ:第101話・第102話 第八拾参話:決戦、ケロロ小隊24時 後編…の巻 対応するアニメ:第102話 第11巻 第八拾四話:決戦、ケロロ小隊24時 完結編…の巻 対応するアニメ:第103話 第八拾五話:東谷小雪 ドロロ外伝!…の巻 対応するアニメ:第98話Bパート 第八拾六話:日向家模型大戦勃発…の巻 対応するアニメ:第82話Bパート 第八拾七話:夏美殿雨天救出作戦!…の巻 対応するアニメ:第345話Aパート 第八拾八話:再出発? 軍曹一念発起家出事件…の巻 対応するアニメ:第80話 第八拾九話:哀・地球博展示場建造計画…の巻 対応するアニメ:第97話Aパート 第九拾話:真打登場!? 若手ケロン軍大暴走!!…の巻 対応するアニメ:第94話 第九拾壱話:ママ殿癒系大作戦!…の巻 対応するアニメ:第109話Aパート 第12巻 第九拾弐話:出口無! 硬茹卵(ハードボイルド)禁止令!…の巻 対応するアニメ:第122話Bパート 第九拾参話:冬樹殿お風呂でユージョー…の巻 対応するアニメ:第116話Aパート 第九拾四話:ケロロ“発病”!? 総員大騒動!…の巻 対応するアニメ:第110話Aパート 第九拾伍話:ケロン式西瓜(スイカ)発動大作戦!…の巻 対応するアニメ:第175話Bパート 第九拾六話:激突!? 台風一過勝利宣言!!…の巻 対応するアニメ:第127話Bパート 第九拾七話:縄跳宇宙遊泳!…の巻 対応するアニメ:フラッシュアニメ7話 第九拾八話:悪戯? 侵略?(トリック オア インベーション)ハロウィン狂騒夜…の巻 対応するアニメ:第133話 第九拾九話:闇世界(ダーク・ゾーン)之使者〜冬樹救出大作戦!〜…の巻 対応するアニメ:第133話 第百話:新年早々! 正月喪失大失態!!…の巻 対応するアニメ:第142話Aパート 第13巻 第百壱話:ケロボールのオトシアナ…の巻 対応するアニメ:第151話Bパート 第百弐話:少年、南十字星(サザンクロス)を知る…の巻 対応するアニメ:第149話 第百参話:悪夢再来!? 雪上大合戦!!…の巻 対応するアニメ:第195話Aパート 第百四話:ケロン軍VS(バーサス)お雛様大決戦…の巻 未アニメ化 第百伍話:桜前線侵略最前線!!…の巻 対応するアニメ:第156話Bパート 第百六話:春一番! 宇宙戦争勃発!?…の巻 対応するアニメ:第256話Aパート 第百七話:極道(きわめよみち)! 百万人之格闘野郎…の巻 対応するアニメ:第160話 第百八話:不気味なパン屋さん…の巻 対応するアニメ:第136話Bパート 第百九話:宇宙忍者対決…の巻 対応するアニメ:第132話Aパート 第14巻 第百拾話:嫌的、嫌的、嫌的、奴的存在…の巻 未アニメ化 第百拾壱話:嗚呼、夢・遊泳場(ゆめのプール)付一戸建…の巻 対応するアニメ:第175話Aパート 第百拾弐話:暑中物語混戦模様…の巻 対応するアニメ:第173話 第百拾参話:チャレンジ! 宇宙体操…の巻 対応するアニメ:第175話Bパート 第百拾四話:宇宙心霊科学大実験!…の巻 対応するアニメ:第178話 第百拾五話:死闘!! 炭水化物大決戦!!…の巻 対応するアニメ:第183話 第百拾六話:アイツとララバイ!…の巻 対応するアニメ:第191話Aパート 第百拾七話:真説、黙示録予言…の巻 未アニメ化 第15巻 第百拾八話:年末到来!! 治安維持大作戦!…の巻 未アニメ化 第百拾九話:福笑ってる場合ですヨ?…の巻 未アニメ化 第百弐拾話:新隊長! 号令作戦第一号!?…の巻 未アニメ化 第百弐拾壱話:東谷小雪自分探求伝…の巻 未アニメ化 第百弐拾弐話:舞踏!! 有酸素運動大作戦!!…の巻 未アニメ化 第百弐拾参話:あのコがキちゃったよ!…の巻 未アニメ化(ただし第180話でのプルルの設定はこの話によるもの) 第百弐拾四話:冬樹の石像…の巻 未アニメ化 第百弐拾五話:激闘!! 絶海之孤島大決戦!!…の巻 未アニメ化 第16巻 第百弐拾六話:テディケロロに会えた日…の巻 未アニメ化 第百弐拾七話:激突!! ★暴輪具大会!!…の巻 対応するアニメ:第334話Aパート 第百弐拾八話:COME COME ガムかむ?…の巻 対応するアニメ:第236話Aパート 第百弐拾九話:毎日侵略! 侵略! 氷之世界ィ〜!!…の巻 対応するアニメ:第274話 第百参拾話:我目標、休憩地点也。…の巻 対応するアニメ:第228話Bパート 第百参拾壱話:究極心霊写真決定戦!?…の巻 未アニメ化 第百参拾弐話:悟我! 強化型防衛網突破阻止!!…の巻 未アニメ化 第百参拾参話:衝撃! サバイバル軍曹…の巻 対応するアニメ:第341話Aパート 第16巻目次には「…の巻」が表記されていない 第百参拾四話:全員整列!! 伝説開始朝日影…の巻 対応するアニメ:第240話Bパート 第百参拾伍話:激突!! 地球VS宇宙電子遊戯大決戦!!…の巻 未アニメ化 第17巻 第百参拾六話:ろくぶて! てぶくろ!…の巻 未アニメ化 第百参拾七話:戦場はメリー★クリスマス…の巻 対応するアニメ:第243話 第百参拾八話:進め! スノーケロロマン…の巻 未アニメ化 第百参拾九話:注目! 新種集中誕生中・中・中!!…の巻 対応するアニメ:第337話Aパート 第百四拾話:捕捉不可能!? 暗殺者襲来!!…の巻 対応するアニメ:第336話Aパート 第百四拾壱話:建物強襲!? 禁断之住居!!…の巻 対応するアニメ:第336話Bパート 第百四拾弐話:初回記録、大改竄計画!!…の巻 対応するアニメ:第257話 第百四拾参話:我輩錯綜! 作戦作成攻防戦!!…の巻 対応するアニメ:第335話Aパート 第百四拾四話:明日にむかって眠れ!!…の巻 未アニメ化 第百四拾伍話:我輩、超決断計画!?…の巻 対応するアニメ:第334話Bパート 第18巻 第百四拾六話:公開認可! 西澤桃華・突然炎のごとく…の巻 対応するアニメ:第282話Aパート 第百四拾七話:飛べ!! 五分の魂!!…の巻 未アニメ化 第百四拾八話:夏! 暴走!? 海上訓練総進撃!!…の巻 対応するアニメ:第338話Bパート 第百四拾九話:けろてる絵の具…の巻 未アニメ化 第百伍拾話:人類再訪? 月面宿泊計画!!…の巻 対応するアニメ:第335話Bパート 第百伍拾壱話:脱出! 予測可能、絶対安全地帯…の巻 未アニメ化 第百伍拾弐話:出発行軍、侵略旅行!?…の巻 未アニメ化 第百伍拾参話:全滅、ケロロ小隊!? 京都大決戦!!…の巻 未アニメ化 第19巻 第百伍拾四話:超時空密室! 文化大戦!!…の巻 未アニメ化 第百伍拾伍話:猛然! 猛烈変身包囲網!!…の巻 対応するアニメ:第337話Bパート 第百伍拾六話:ケロン玉ホリデー…の巻 未アニメ化 第百伍拾七話:宇宙御留守番長降臨!?…の巻 対応するアニメ:第323話Aパート 第19巻目次には「…の巻」が表記されていない 第百伍拾八話:罪な罰! であります…の巻 未アニメ化 第百伍拾九話:地球人RC化計画…の巻 未アニメ化 第百六拾話:ケロンマン誕生への道!…の巻 未アニメ化 第百六拾壱話:明日侵略! ケロケロボーズ!…の巻 未アニメ化 第百六拾弐話:激撮!? 戦場記者大訓練…の巻 対応するアニメ:第323話Bパート 第百六拾参話:サヨナラ・ケロロロボ…の巻 未アニメ化 第20巻 超劇場版2の原案が収録されている。対応するテレビアニメ版はない。 1話が7つのパートに分かれており、それぞれにサブタイトルがつけられている。 第百六拾四話:長編・深海の迷子たち 怪獣と楽園 空母と海螢 深海と王子 初夜と籠城 舞台と衣装 起動と鼓動 深海の迷子達 第21巻 この巻のみ「…の巻」の部分にある3点リーダが増えている。 第百六拾伍話:たんじょう!! 我輩の必殺技!!……の巻 対応するアニメ:第342話Aパート 第百六拾六話:虎……の巻 未アニメ化 第百六拾七話:スマッシング! パンプキン!!……の巻 未アニメ化 第百六拾八話:究極! ケロロ弁当……の巻 未アニメ化 第百六拾九話:拘束不能! 自由侵略者……の巻 未アニメ化 第百七拾話:コンバット赤信号!……の巻 対応するアニメ:第339話Aパート 第百七拾壱話:楽々侵略案内大作戦!……の巻 未アニメ化 第百七拾弐話:ケロロwww……の巻 対応するアニメ:第358話Aパート 第百七拾参話:ケロン軍式遠足大公開!!……の巻 対応するアニメ:第358話Bパート 第百七拾四話:龍の寝床……の巻 未アニメ化 第百七拾伍話:東京都武蔵市ラーメン通りのKラーメン……の巻 対応するアニメ:第340話Aパート 第22巻 第百七拾六話:シールペタペタ電撃作戦!…の巻 対応するアニメ:フラッシュアニメ11話 第百七拾七話:中秋之名月ケロン大作戦!!…の巻 未アニメ化 第百七拾八話:侵略城ケロキュラ!…の巻 未アニメ化 第百七拾九話:お正月よ永遠に…の巻 未アニメ化 第百八拾話:WHAT TIME IS IT NOW?…の巻 未アニメ化 「ホッタ イモ イジル ナウ」との振り仮名が本編にある(目次にはなし)。 第百八拾壱話:脱兎! 地球人狩り大作戦!?…の巻 未アニメ化 第百八拾弐話:時空超越!! 辛味入汁掛飯…の巻 未アニメ化 第百八拾参話:はじめからはじめようであります!…の巻 対応するアニメ:フラッシュアニメ12話 第184話:ケロン軍新局面、始動セリ(前編)…の巻 未アニメ化 第185話:ケロン軍新局面、始動セリ(後編)…の巻 未アニメ化 第23巻 第186話:あたらしいはおそろしい…の巻 未アニメ化 第187話:赤い小悪魔あらわる大作戦!!…の巻 未アニメ化 第188話:新たなるD…の巻 未アニメ化 第189話:あなたは宇宙人にさらわれた事ありますか?…の巻 未アニメ化 第190話:イルカに乗った宇宙人…の巻 対応するアニメ:フラッシュアニメ13話 第191話:とびだせ大作戦…の巻 対応するアニメ:フラッシュアニメ21話 第192話:ふたつの☆(ケロンスター)…の巻 未アニメ化 第193話:古き力…の巻 未アニメ化 第194話:みんなのチカラで…の巻 未アニメ化 過去の版は原作サブタイトル一覧/履歴を参照。
https://w.atwiki.jp/pokecharaneta/pages/489.html
インフェルノはヒードランがかなり似ていると思うんだがどうだろう -- (名無しさん) 2010-08-13 17 06 27 コンボイをヒヒダルマにしてチータスをレパルダス♂にしてラットルをミルホッグ♂にしてライノックスをエンブオー♂にしてダイノボットをクリムガン♂にしてタイガトロンをダイケンキ♂にしてエアラザーをウォーグルにするのはどうでしょうか?どれも見た目重視でイッシュ地方だけのサイバトロンメンバーにするのがポイントです! どうかお願いします! -- (オートロン) 2011-02-19 14 49 42 カーロボットにギルドー:エモンガ追加お願いします、これでデストロンガーが揃うし -- (名無しさん) 2011-05-13 15 13 21 トランスフォーマーきた!ということで早速投稿。 ビーストウォーズⅡ マッスグマ:タスマニアキッド キルリアorピクシー:アルテミス(メロメロ必須) ビーストウォーズネオ ズルズキン:スリング(色が合わないのが難点…) ビーストウォーズメタルス ポリゴンZ:トランスミューテイト マイクロン伝説 カイロス:メガトロン クチート:ダブルフェイス アニメイテッド テッカニンor色違いアギルダー:プロール ハガネール:メガトロン(わかもと繋がり) 余談だがラットルはピカチュウでもいいと思う(昔対抗心を抱いていたから) -- (名無しさん) 2011-05-13 17 41 38 バンブルビーはデンチュラ -- (41さん) 2011-07-09 08 21 17 スカイワープ→ウォーグル シザーボーイ→ペンドラー なんてどう? -- (名無しさん) 2011-07-17 20 22 32 候補をいくつか追加しました。 それと色合い的に逆が良いかもと思い タランスとブラックウィドーの候補を逆にしました。 -- (名無しさん) 2011-12-22 00 47 34 ビーストウォーズのメガトロン(初期状態)にバンギラスはどうですか?恐竜っぽいし悪タイプなので -- (名無しさん) 2012-01-23 17 32 58 メガトロンにバンギラス追加したぞ。↓ -- (マムシ) 2012-01-23 17 41 15 ギガトロン(とついでにBOTCON玩具が同型だったデスザラス)はサザンドラのほうが似てる気がする。ゴルーグでオメガスプリームとかどうかな -- (名無しさん) 2012-03-06 21 19 13 編集者ドドンガゲロゲロさん、訂正がありました。 ビーストウォーズの草案ですが、ダイノボットの草案にクリムガンと書いてありましたが、正しくはワルビアルです。エアラザーの方はウォーグルになってますが、正しくはケンホロウ♂でございます。海外版は♀必須です。どうか訂正し再追加の方を御願い申し上げます。 -- (名無し) 2012-03-30 08 31 19 ネオのセイバーバックはフシギバナ(4足&花に化けられるので)が良いと思う。 -- (名無しさん) 2012-03-30 23 14 59 カーロボのキャラは ファイヤーコンボイ エンブオー ねっとう(消防車なので)必須 ワイルドライド イワークorゴローニャ 山(デコボコ道)好きなので マッハアラート ニョロボンorウインディ パトカーなので スピードブレイカー ゴルダック ギルドー エモンガ はどうでしょう? -- (名無しさん) 2012-04-02 00 25 26 アニメイテッド アーシーはどんなポケモンですか? -- (名無し) 2012-07-29 23 09 00 草案 超生命体トランスフォーマープライム オートボット ゴースト:オライオン・パックス/オプティマスプライム 声つながり ハピナス:ラチェット 看護員なので。性別は♂で。 ゴルーグ:バルクヘッド 色違いブラッキー:アーシー 性格ゆうかん。個性きがつよい -- (ユリス) 2012-10-21 09 03 22 アニメイテッド草案 オプティマスプライム ガラガラORイワーク 城ノ内(ボンコツ)の声だけに バンブルビー スピアー アイアンハイド 色違いハリテヤマ 相撲(力士)繋がり ビークルモードはドダイトスで。 ラチェット ダイノーズ しゃべり方が九州弁なのでホウエン産必須(?) プロール テッカニンORアギルダー 前者は忍者っぽい速さから。後者は海外名が「スパイプロール」から。後者はイッシュ産必須(?) サリ コマタナ トランスフォーム時はキリキザンで。 メガトロン ハガネールOR色違いキリキザン 前者は若本。後者は雰囲気から。 スタースクリーム メタモンOR色違いゾロアーク 前者は変身でクローン作り、後者は特性イリュージョンでクローン作りを再現。 サウンドウェーブ&レーザーピーク 色違いグライオンORペンドラー&色違いワシボンOR色違いウォーグル 前者は雰囲気。後者はホミカが持っているベースギターから。レーザーピークはコンドルで青なので色違い必須。 プライム草案 オプティマスプライム/オライオンパックス レシラム/色違いレシラム 性格は冷静・控えめ。オライオンパックスの性格は意地っ張り辺りで。 バンブルビー デンチュラOR色違いデンチュラ バルグヘッド ヤナッキーORゴルーグ 性格は攻撃UPの性格(意地っ張りが最適)個性は暴れることが好き。バスラオ(赤目)も候補になる。 ラチェット タブンネOR色違いルカリオ 性格は冷静で。癒しの波導(仲間の治療)必須。 アーシー スワンナOR色違いコジョンド ボイルジャック ダイケンキOR色違いキリキザン 切り技必須 メガトロン ゼクロム オプティマスプライムと対するポケモンを意識するなら スタースクリーム サザンドラ サウンドウェーブ ガマゲロゲ エアラグニット レパルダスORシンボラー 前者はお仕置き(相手を痛め付ける攻撃)必須。 ガイアユニクロン キュレム 元オートボット クリフジャンパー クリムガンORバッフロンORケンタロス 前者は名前ネタ。中・後者は牛の角から。テラーコン化は色違い必須。 オマケ ガイアオプティマスプライム ホワイトキュレム オプティマス(レシラム)がガイアユニクロン(キュレム)と合体(吸収合体)した姿から。 ガイアメガトロンダークネス ブラックキュレム メガトロンダークネス(ゼクロム)がガイアユニクロン(キュレム)と合体(吸収合体)した姿から。 貴重なアドバイスなので追加して頂きたい。また貴重なアドバイスがあったら書き込むのでヨロシク。 -- (名無し) 2012-12-01 09 56 42 ようやくイカのポケモンが出たのでビーストウォーズⅡのスクーバとスキュウレを・・・・でも容姿的に♀っぽいので、マーイーカ、カラマネロはスキュウレのみで -- (名無しさん) 2013-09-17 22 14 45 草案 超ロボット生命体トランスフォーマーマイクロン伝説 サイバトロン オノノクス:総司令官コンボイ タブンネ:副官ラチェット リザードン:戦士ホッドロッド オクタン:戦術家グラップ アーマルド;軍曹デバスター -- (ユリス) 2013-09-19 08 38 14 初代ビーストウォーズ メガトロン→ガチゴラス(色違いの方がいいかも) ワスピーター→色違いスピアー(緑なので) -- (名無しさん) 2013-11-20 21 01 14 ビーストウォーズⅡのライオコンボイはカエンジシの方が似てるかも。 -- (ユリス) 2013-11-20 21 15 42 G1グリムロックにバンギラスも追加した方が面白いと思います アイアンヘッド(頭強い)、噛み砕く(臼歯で引きちぎる)、大文字或いは火焔放射(レーザーファイヤー)、メガシンカで2010で一時的に頭良くなった状態を再現する等の、ガチゴラスではできない事もできます -- (名無しさん) 2014-03-12 13 38 38 実写映画版もお願いします オプティマスプライム バンブルビー リベンジから ジョルト ウィーリー ダークサイドムーンから ディーノ ロストエイジから クロスヘアーズ ドリフト ハウンド グリムロック スラッグ スコーン ストレイフ でお願いします。 -- (あべ) 2014-10-26 18 35 47 草案 トランスフォーマー・ザ・リバース サイバトロン カメックス:コンボイ 声つながり コバルオン:ウルトラマグナス ペンドラー:ヘッドマスター フーディン:ハイブロウ ゴーゴート:ゴート -- (ユリス) 2014-10-27 08 38 39 デスザラスにはイベルタルに合うと思います。 BOTCONデスザラスの翼がイベルタルの翼の色が赤い はかいポケモンが(破壊大帝)、デスウィングが(デステーラー、デスカッター) 敵対するライバルのスターセイバーがゼルネアス マイクロン伝説とプライム(アームズマイクロン)のスターセイバーもゼルネアス -- (名無しさん) 2014-11-01 15 04 09 ビーストウォーズⅡで登場するガルバトロンのドラゴンモードがメガリザードンと言えます。 頭がYで、ドラゴンって言ったらX 以上、お願いします。 -- (名無しさん) 2014-11-01 15 14 22 エアラザーはファイアローでも合いそうです。モチーフがハヤブサなので。 ないしょばなし必須。 -- (ユリス) 2014-11-01 20 31 04 カーロボット ファイヤーコンボイ:特殊型メタグロス→めざ炎(ファイヤーフラッシュ)、こご風、めざ氷(ブリザーストーム) ゴッドマグナス:両刀メタグロス ゴッドファイヤーコンボイ:メガメタグロス ワイルドライド:キングラー→自慢のサウスポー マッハアラート:トゲキッス→色的に スピードブレイカー:ゴルダック ギガトロン:バンギラス→体格的に ギガバット:オンバーン→蝙蝠っぽい ギガドラゴン:サザンドラ→似てるから ギガジェット:メガボーマンダ→似てるから ギガフォーミュラ:ゲノセクト→速いから ギガハンド:ガメノデス→手? ゲルシャーク:サメハダー又はガブリアス ガスカンク:スカタンク グッシャー:ドクロッグ ギルドー:エモンガ -- (マーボ丼) 2015-08-06 00 10 49 ダイノボットはガチゴラスでも合いそうです。 -- (ユリス) 2015-08-15 23 14 24 草案 アドベンチャー バンブルビー:スピアー メガシンカでシュプリームモード ストロングアーム:マリルリorニョロボンorカメックス 性格:まじめ サイドスワイプ:ウィンディorゴウカザルorアギルダー 性格:せっかち グリムロック:バンギラスorガチゴラス ドリフト:キリキザン トリプルでコマタナ2匹と出そう フィクシット:ノコッチ スチールジョー:ヘルガーorグラエナorゾロアーク サンダーフーフ:メブキジカorオドシシ アンダーバイト:マルノームorオーダイル 前者はたくわえる、後者はかみくだく必須 フラクチャー:ドラピオン トリプルでスコルピ2匹と出そう クランプダウン:キングラー -- (名無しさん) 2015-12-19 23 12 15 草案 キュートランスフォーマー帰ってきたコンボイの謎 バシャーモ:オプティマスプライム スピアー:バンブルビー ホエルオー:デストロンシップ ガチゴラス:ダイナザウラー ゲノセクト:サウンドウェーブ -- (ユリス) 2016-05-05 10 01 13 登場人物 -- (名無しさん) 2017-10-10 17 07 05 サンムーン ナゲツケサル:コンボイ -- (ユリス) 2017-10-10 19 12 03 ダイノボット(ビーストウォーズ・ビーストウォーズメタルス) メガトロン(トランスフォーマープライム) を演じた藤原啓治さんが逝去されました。ご冥福をお祈りいたします。 -- (ユリス) 2020-06-07 21 40 47 サザンドラorイベルタルorリングマ:破壊大帝王メガトロン(ガルバトロン) -- (名無しさん) 2021-02-11 08 04 45 草案 戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー サイバトロン戦士 グソクムシャ:コンボイ ヤドラン(ガラルのすがた):ハウンド エレザード:ホイルジャック プラスル:ランボル ジュナイパー:ストリーク バリヤード:トレイルブレイカー マイナン:サンストリーカー ウーマン・サイバトロン チラチーノ:エリータ・ワン アママイコ:クロミア ブロスター:ムーンレーサー オニドリル:ファイヤースター デストロン軍団 レアコイル:リフレクター カメックス:レーザーウェーブ 地球人・他星人 主要キャラクター マリルリ:スパイク 色違いマリルリ:スパイクプラグ ランクルス:カーリー サブキャラクター ギギギアル:Dr.アーカビル トランスフォーマーザ☆ヘッドマスターズ サイバトロン サイバトロンヘッドマスター コバルオン:クロームドーム ガメノデス:ハードヘッド ワタッコ:ハイブロウ トランスフォーマー超神マスターフォース サイバトロン ゴッドマスター ガラガラ:ジンライ ジャノビー:ライトフット フライゴン:レインジャー キングドラ:ロードキング ヘッドマスターJr. ラビフット:剛秀太 ソーナノ:キャブ タブンネ:ミネルバ プリテンダー ドラパルト:ホーク バクフーン:ランダー シズクモ:ダイパー デストロン ダークライ:デビルZ スコルピ:ブラックザラック トランスフォーマーアドベンチャー オートボット アブリボン:バンブルビー ウィンディ:ストロングアーム ムクホーク:サイドスワイプ ガチゴラス:グリムロック ドリュウズ:フィクシット カモネギ:ドリフト キリキザン:スリップストリーム オンバット:ジャズ ユキメノコ:ウインドブレード ディセプティコン ルガルガン(まよなかのすがた):スチールジョー フカマルorサザンドラ:アンダーバイト 前者は犬ではないが、アニメDP編では何でもかじったので。後者は図鑑説明文が似ているので オドシシ:サンダーフーフ ゴーゴート:フラクチャー ペンドラーorマルヤクデ:エアレイザー ケケンカニ:クランプダウン ビブラーバ:キックバック バッタのポケモンは存在しないので シザリガー:ビスク ゲッコウガ:スプリングロード トゲデマル:クイルファイア ゴリランダー:グランドパウンダー インテレオン:オーバーロード グロウストライクとその一味 イルミーゼ:グロウストライク グライオン:スコルポノック ヘラクロス:セイバーホーン その他の囚人 ガバイト:ハンマーストライク オニシズクモ:チョップシップ ヤミカラスorアオガラス:フィルチ ハガネール:ペッド スカタンク:マロドール クロバット:ナイトストライク アーボックorハブネークorサダイジャ:バーテブレイク オクタンorオトスパス:オクトパンチ レパルダス:ファンシークローズ ビークイン:ジザ ツンベアー:ポーラークロー ヤレユータン:シマコア グランブル:シルバーハウンド 主題歌 オープニングテーマ グソクムシャ:TRANSFOMER~トランスフォーマー~ ホウオウ:トランスフォーマー2010~TRANSFOMER 2010~ コバルオン:ザ・ヘッドマスターズ ガラガラ:超神マスターフォースのテーマ エンディングテーマ トゲキッス:Peace Again~ピース・アゲイン~ 炎タイプのポケモン全般:燃えろ!トランスフォーマー 挿入歌 オコリザル:立て!怒りのヘッドマスター サザンドラ:デストロン讃歌 -- (ユリス) 2021-02-14 15 47 51 ビーストウォーズ デストロン ズルズキン:メガトロン -- (名無しさん) 2021-03-06 15 05 08 草案 カーロボット <人間> ヒバニー:大西ユウキ カメール:アナウンサー ポケモン4コマ大百科ネタ 超ロボット生命体トランスフォーマーマイクロン伝説 <サイバトロン> クリムガン:コンボイ ヤドラン(ガラルのすがた):シルバーボルト ラティオス:ジェットファイヤ スーパーリンク <サイバトロン> ブーバーン:グランドコンボイ <アルファQ軍団> ドラピオン:メカザラック ギャラクシーフォース <サイバトロン> カメックス:ギャラクシーコンボイ ゼクロム:フレイムコンボイ ディアルガ:ベクタープライム アニマトロス グラエナ:ファングウルフ トランスフォーマープライム <人間> マスキッパ:ジャック・ダービー ランクルス:ラフ・エスキベル タブンネ:ジューン・ダービー メック/M.E.C.H. ギギギアル:サイラス キュートランスフォーマー帰ってきたコンボイの謎 <サイバトロン> エースバーン:ホットロディマス 主題歌 オープニングテーマ サイホーン:WAR WAR!STOP IT ネイティオorゴチルゼル:GET MY FUTURE カイリュー:SUPER VOYAGER 御三家全般:始まりの唄 オーバーヒートが覚えられるポケモン全般:炎のオーバードライブ~カーロボットサイバトロン~ クリムガン:TRANSFORMER~DREAM AGAIN 鋼タイプのポケモン全般:TRANSFORMERS~鋼鉄の勇気~ ソルロックorソルガレオ:太陽のtransform!! ニドラン♂ ニドラン♀:CALL YOU...君と僕の未来 テッカグヤ:IGNITION-イグニッション!- ガラガラ:TRANSFORMERS EVO. ムーランド:SAVE THE FUTURE!! エンディングテーマ ムシャーナ:FOR THE DREAM ムンナ:夢のいる場所 デオキシス:手の中の宇宙 レックウザ:果てしないこの宇宙(SORA)に ジュペッタ:マリオネット ヌケニン:NEVER ENDING ROAD 通り名にいたみしらずがあるポケモン全般:DON'T GIVE UP!! ソーナンスorチャーレムorサーナイトorオーベムorオンバーンorヤレユータン:Calling you ゲンガー:Growing up! アブリボン:TRY☆トランスフォーマーアドベンチャー↑↑↑ 劇場版 通り名にタフネスがあるポケモン全般:HELLO!タフネス 声優ネタ ツボツボ:コンボイ オーベム:チータス バクーダ:ダイノボット ツンベアー:テラザウラー ピィorムウマ:ブラックウィドー ルチャブル:インフェルノ トリデプス:スタースクリーム エモンガ:ライオジュニア ドサイドン:メタルスランページ ゴースト:ジャガー フーディン:大西ユウキ バクフーン:ジェットファイヤー ドサイドン:オメガスプリーム ラティオス:メカザラック ミロカロス:ベクタープライム ヨーテリー:アーシー ジュナイパー:ジャック・ダービー カモネギ:ラフ・エスキベル ハリマロン:ジューン・ダービー ウルガモス:サイラス ワルビル:オプティマスプライム シルヴァディ:サウンドウェーブ リザードン:ホットロディマス シザリガー:オーバーロード スリーパー:バーテブレイク トゲキッス:ジザ 余談ですが、藤原啓治さんの出演作品にマイクロン伝説のデバスターを忘れていました。 -- (ユリス) 2021-03-06 20 49 15 ニドキング:スタースクリーム 使い手のサカキと声優繋がり+テッポウオ(メガトロン)に弱いので -- (名無しさん) 2021-08-25 21 59 12 草案 主題歌 オープニングテーマ ニドラン♂ ニドラン♀ BOYS GIRLS -- (ユリス) 2021-08-28 20 50 31 <人間> ・カバルドン:ラッド ・ソーナンス:カルロス ・メガニウム:アレクサ -- (オダマキ博士) 2024-03-20 15 36 56 ビーストウォーズメタルスでメタルス化したキャラクターの候補のポケモンは鋼タイプにテラスタルしても。 -- (ユリス) 2024-05-04 22 06 09
https://w.atwiki.jp/matomemodijital/pages/33.html
【F 免・ア・膠】 アレルギー性鼻炎:鼻汁中に好酸球↑ Quincke浮腫:じんま疹、血管性浮腫 遺伝性血管浮腫:C1inhibitorの欠損・機能不全 補体が活性化される→CH50が低値 深在性浮腫→圧痕(-) CH50:何倍まで希釈して50%溶血するか 50%溶血価、基準は30~45U/ml Sjogrenから蛋白尿、膜性腎症 慢性RA患者で蛋白尿→アミロイドーシスを考える RA:関節液はWBC↑、黄色混濁、糖↓、蛋白↑、 補体↓、粘性は低下、疾患修飾性抗リウマチ薬 DMARDsを早期から積極的に使用する NSAIDs・ステロイドは補助的な対症療法 増殖した滑膜がパンヌスを形成(肉芽組織) リウマトイド結節:圧迫されやすい関節部の伸側面 肘、膝前面、後頭部など、無痛性、活動性に一致 悪性関節リウマチ:RA+血管炎+関節外症状 高齢者、長期RA患者に多い、RAの1%以下 関節外:発熱、体重減少、間質性肺炎、皮下結節 血管炎:上強膜炎、心筋炎、皮膚潰瘍、胸膜炎 主に中小動脈に生じる、強い炎症症状、 抗リウマチの継続+ステロイド(重症ならパルス) 場合によっては血液浄化療法 Felty症候群:RA + 脾腫 + WBC↓が3徴 RA長期罹患患者、脾機能亢進による汎血球減少 RF陽性率高い、SLEとの鑑別が重要 若年性関節リウマチJRA:15歳以前、全身症状強い RF陽性率低い、これの全身型がStill病 多関接型:5か所以上、少関節型:1~4+虹彩炎 Still病:弛張熱(スパイク型高熱)が多発関節炎に 先行、リンパ節腫脹、心膜炎、サーモン 成人Still病:39℃を超える弛張熱、咽頭痛+ リンパ節腫脹、両手首の関節炎と体幹・四肢の サーモンピンク、フェリチン↑、赤沈亢進、脾腫 NSAIDsをまず投与、改善しないならステロイド 膠原病で弛張熱:SLE、成人still病、血管炎 強直性脊椎炎:仙腸骨関節炎が初発→胸腰椎の石灰化 合併症は虹彩毛様体炎、AR、A-Vブロック HLA-B27(+)、RF(-)、CRP(+)、男性に多い 竹状脊椎(靭帯骨化・椎体方形化)、脊椎傍骨化像 炎症・疼痛に対してNSAIDsを投与 適度な運動により関節の変形の進行抑制 反応性関節炎:関節外感染に対する免疫応答で発症 Reiter症候群:反応性関節炎、尿道炎・腸炎後に発症 尿道炎・結膜炎・関節炎が3主徴、NSAIDsが第1 感染から2~4週間後に発症する 乾癬性関節炎:乾癬患者の数%に合併、RAと同じ治療 乾癬に対してはシクロスポリン、PUVA SLE:硬口蓋に無痛性の潰瘍、漿膜炎(心膜・胸膜)、 顔面に好発する円板状紅斑(ディスコイド疹) 中枢神経症状・ネフローゼは治療に対する反応不良 高リン脂質APS:SLEの20~40%に見られる、 血栓症に対してワーファリン・アスピリン SSc: Scl-70、末節骨骨融解、皮膚色素沈着 糸球体虚血による腎クリーゼ(高血圧、腎不全) 間質性肺線維症→拘束性障害・肺拡散能低下 肺線維性病変に対してシクロフォスファミド 全て対症療法、Ca拮抗、プロスタグランディン CREST症候群:限局型SScの亜型、皮下石灰化、 レイノー、食道蠕動↓、強指症、毛細血管拡張 抗セントロメアが高率に陽性、予後良好 PM/DM:筋原性障害→筋電図にて振幅低下、持続短い 下肢が初発、筋の自発痛、把握痛 腫瘍摘除によってPM/DMが治ることがある PM:筋束内にびまん性にCTLとMφが浸潤 DM:血管周囲にヘルパーTとB細胞が浸潤 PMで上昇:AST、CK、アルドラーゼ、ミオグロビン 尿中クレアチン 混合性結合組織病MCTD:SLE+SSc+PM/DM U1-RNP抗体が単独で強陽性、WBC↓ 肺高血圧があると予後不良→左第2弓の突出 肺線維症をきたす:SSc、PM/DM、RA Sjogren:γーグロブリン高値、リンパ球性間質性肺炎 顔面の環状紅斑、AG正常の尿細管性アシドーシス 30%に抗甲状腺抗体(+)、対症療法が主体 腺外症状(血管炎・レイノーなど)にはステロイド 流涙:Schirmer、Rose Bengal試験 Behcet病:アフタ性潰瘍・皮膚結節性紅斑 虹彩毛様体炎・外陰部潰瘍が4主徴、HLA-B27(+) 副症状:副睾丸炎、関節炎、回盲部潰瘍 特殊病型:腸管・血管・神経、重篤化しやすい 大血管:側頭動脈炎、大動脈炎症候群 中血管:結節性多発血管炎、川崎病、Burger病 MPO-ANCA:核周辺部が染色、顕微鏡的多発血管炎 急性糸球体腎炎AGN、強皮症腎、半月体腎炎 抗好中球細胞質抗体C-ANCA:Wegenerに特異的 結節性多発動脈炎PN:中小動脈の壊死性血管炎 中高年男性、稀な疾患、血管炎による出血・梗塞 多発関節炎、筋炎、単神経炎 ステロイドで治療、臓器症状には対症療法 MPA:腎症状(RPGN)と肺症状(肺胞出血) 活性化された好中球が血管内皮を障害 アレルギー性肉芽腫性血管炎AGA:病理所見の 見られないものがChurg-Strauss症候群 Wegener肉芽腫:上気道(慢性副鼻腔炎、鞍鼻、眼球 突出、中耳炎)で発症 → 肺(多発結節状陰影)、 腎(RPGN、浮腫)症状に至る 鼻粘膜生検で巨細胞を伴う壊死性血管炎と肉芽腫 主な死因は腎不全、免抑+ステロイドの併用が著効 側頭動脈炎:こめかみの発赤、自発痛、視力低下 虚血性視神経炎、CRP強陽性、網膜綿花様白斑 巨細胞を伴う肉芽腫による肥厚、ステロイド著効 しばしばリウマチ性多発筋痛症PMRを合併 PMR:高齢女性、四肢近位部、ESR↑、CRP↑ 筋痛と朝のこわばり、筋原性酵素は正常 Weber-Christian病:脂肪織炎と多発性皮下結節 四肢に有痛性の紅斑 NSAIDs・ステロイド 川崎:発熱後3~4日の不定形発疹、回復期に 爪皮移行部からの膜様落屑、サリチル酸薬が第1、 冠動脈瘤予防にγ‐グロブリン大量静注療法 Wiskott-Aldrich症候群:血小板↓、T細胞↓ 湿疹、易感染性、下痢、IgM低下、XR ヴィスコット・オールドリッチ ADA欠損症:プリン代謝障害→重症複合型免疫不全 細胞内にアデノシンが蓄積し、細胞毒として働く プリックテスト:被検液を皮膚にたらし 針で刺して15分後に判定 Ⅱ型アレルギー:自己免疫性溶血性貧血、ITP Goodpasture、リウマチ熱、SLE、Sjogren 血球凝集反応:赤血球膜抗原に対する抗体 Ⅲ型:血清病、急性糸球体腎炎、SLE、悪性RA 過敏性肺臓炎 血清病:異種血清注射後1~2週、発熱、じんま疹、 Arthus反応:局所性Ⅲ型反応、IgG、IgMが関連 慢性肉芽腫症:好中球、マクロファージの障害で 殺菌能が障害、カタラーゼ(+)菌に易感染 薬剤熱:好酸球↑、抗生剤、リンパ球刺激試験 アレルギー:皮疹が主、パッチ試験、末梢好酸球 過敏症:マクロファージ遊走阻止試験、RAST RF(+):混合性クリオグロブリン血症、SLE、SSc、 シェーグレン 抗核抗体:抗Sm、抗RNP、抗セントロメア、Jo-1 SLE、SSc、MCTD、DM、RA、自己免疫性肝炎 WBC↓:SLE、シェーグレン、Felty 眼底の綿花状白斑:網膜小動脈の梗塞、SLE サルコイドーシス:外傷を受ける肘・膝に瘢痕浸潤 弛張熱:日差が1℃以上、最低が37℃を下回らない ⇔間欠熱:日差1℃以上で最低が37℃を下回る 皮膚感作試験:細胞性免疫能の検査 扁桃:陰窩を持つ HLA-B27(+):強直性脊椎炎、反応性関節炎(Reiter 病)、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患関連関節炎 HLA-B51(+):Behcet病→針反応陽性 Waldeyer:舌、口蓋、咽頭、耳管 NK細胞:顆粒を有する大型リンパ球、IL-2で活性化 ウイルス・腫瘍に対する防御、抗原提示能(-) CRP↑により補体価↑ 薬剤アレルギー:リンパ球刺激試験 抗ヒスタミン薬:眠気、抗コリン作用 混合リンパ節培養反応:臓器移植時の適合性判定 不明熱:38.3度以上が3週間以上持続 細胞性免疫低下でツ反陰性化 とりあえずアンピシリン・ステロイドは駄目 ちゃんと診断がついてから 脾摘→肺炎球菌、敗血症のリスクファクター 白血球左方移動:細菌感染症で好中球↑ 心不全→胸水、肺の上の方がうっ血 補体の欠損にてナイセリア(淋菌とか)に易感染 RIST:totalのIgEの定量法、非特異的 RAST:特異的なIgEの定量法 SLE:発疹の無い正常部位で免疫複合体を証明する ステロイドが第1じゃない:SjS、Reiter、 強直性脊椎炎、JRA 【G 血液】 鉄欠乏:不飽和鉄結合能UIBC↑、骨髄赤芽球比率↑ 総鉄結合能TIBC↑、フェリチン正常化まで鉄投与 TIBC=血清鉄+UIBC:カートライトの3原則 慢性炎症・感染症では3つとも低下 普通は血清鉄はTIBCの約1/3、 鉄飽和率:血清鉄/TIBCは鉄欠乏貧血で低下 フェリチン:貯蔵鉄→鉄染色 トランスフェリン:血清鉄と結合 フェリチンとトランスフェリンは逆の動態を示す 体内総鉄量:3~4g、貯蔵鉄が30% 血液1ml中に鉄0.5mgが含まれる 1日の食事での鉄吸収量は1mg=喪失分を補う 血漿鉄消失時間PIDT:静注した59Feが半減する時間 骨髄での鉄需要を示す、再生不良・癆で延長 鉄欠乏・巨赤芽球・溶血性・MDSで短縮 %RCU:赤血球鉄利用率:静注した鉄の何%が 赤血球に取り込まれたか、正常は90%前後 鉄欠乏で上昇、それ以外のでは低下 しじみ、凍り豆腐にも鉄が多く含まれる 鉄芽球性貧血:赤芽球でのヘム合成の障害、無効造血 鉄がミトコン内に蓄積して環状鉄芽球 長期の経過でヘモクロマトーシス 二相性貧血:小球性と正球性が混在 血漿鉄消失時間PIDT1/2・%RCUは低下 →VitB6(ピリドキシン)大量投与、キレート剤 無効造血:赤芽球が骨髄内崩壊、悪性貧血・鉄芽球性 →網赤血球は低下する ⇔ 溶血性貧血 慢性炎症・慢性感染・膠原病→貯蔵鉄利用障害、 血清Fe↓、フェリチン↑、Mφ中に鉄がいる、 鉄利用障害:慢性感染、悪性腫瘍、鉄芽球性貧血 再生不良性:40歳以上では免疫抑制療法を選択 抗胸腺細胞グロブリン(ATG)+シクロスポリン 軽症例or免抑無効例にはアンドロゲン療法 好中球減少に対してG-CSF 脂肪髄になるのでdry tapではない 脊椎T1強調画像で高信号 パルボB19から急性に赤芽球癆 溶血、間接ビ↑ パルボが赤血球系前駆細胞に感染して破壊する 赤芽球癆 :赤芽球のみが低形成、網赤血球↓↓、 巨大前赤芽球、胸腺腫があれば摘出 Fanconi貧血:先天性再生不良性貧血+多発奇形 不応性貧血:リング状鉄沈着、前白血病状態 巨赤芽球性:舌炎、白髪、粘膜委縮、 赤血球内に濃青紫色のHowell-Jolly小体 網赤血球の絶対数↓、血清Fe↑、Fe交替率↑ 大球性正色素、脊髄後索・側索の障害、温痛覚正常 Schilling試験(+):VitB12の吸収能低下 尿中の放射性VitB12排泄が低下 悪性貧血:内因子分泌不全、先天性か、胃壁細胞障害 VitB12筋注、胃病変は残存、胃癌のリスク 血管内で溶血:冷式AIHA、PNH、摘脾は無効 ヘモグロ・ヘミジデ尿(+)、血管外では(-) 遺伝性球状赤血球症HS:癆、ビリ胆石症、葉酸欠乏 MCHC↑、浸透圧抵抗↓、細胞骨格蛋白の異常 摘脾は5歳以上、数週間で貧血改善 サラセミア:βの軽症型が多い→HbA2・Fが高値 無効造血→PIDT1/2・%RCU低下、 HbA:α2β2、HbB:α2δ2、HbFα2γ2 PNH:尿中ヘモジデリン高値、汎血球減少 腸間膜静脈血栓による腹痛、 血中ハプトグロビン↓:溶血による消費 NAP(好中球中のALP)スコアの低下 再生不良性貧血・AMLを合併、ストレスで溶血発作 洗浄赤血球を輸血する(補体感受性の亢進) シュガーウォーターテスト(+):電解質の内容液中で 補体が赤血球に作用して溶血 Ham試験:夜間にアシドーシスにより 補体が吸着しやすくなり血管内溶血 温式:寒冷凝集(-)、直接Coombs(+) 溶血性貧血:大小赤血球が混在 AIHA:自己抗体でRBC凝集、続発性はSLEが最多 AIHAにITPを合併→Evans症候群、経過中にSLE NAPスコア:白血球増加症の補助検査 上昇:CML急性転化、PV、骨髄線維症、類白血病 減少:CML慢性期、PNH B細胞:表面マーカーは2桁 ⇔ T細胞は1桁 G-CSF産生腫瘍:肺・口腔・膀胱の扁平上皮癌に多い 可溶性IL-2受容体:悪リン、HTLLの指標 間質性肺炎、貪食症候群、RA、SLEなどでも上昇 血球貪食症候群:リンパ腫関連・ウイルス感染関連 過剰なサイトカインにより活性化したMφが貪食 AML:ALL=大人で4 1、小児で1 4 ペルオキシダーゼ:陽性が3%未満なら M0・M7、リンパ性、アズール顆粒の出現と一致 メイギムザ:芽球の30%以上なら白血病⇔MDS MPO陽性率が50%未満(M0、6、7)ほど予後不良 急性前骨髄球性白血病APL=M3 t(15;17)のためPML / RARαキメラ遺伝子を持つ faggot cell(Auer小体の束を持つ)、アズール顆粒 全トランス型レチノイン酸ATRAが極めて有効 APL細胞の分化を誘導、90%以上で完全寛解導入 WBCが多い場合、レチノイン酸症候群予防目的に アントラサイクリン投与、 DICに対してアンチトロンビンⅢ、ヘパリン投与 AMoL:核の切れ込み・波打ち・偏位 歯肉腫脹、Auer小体(+)、全身リンパ節腫大 急性GVHD:発疹、下痢、肝不全、2週~90日 Tリンパ球による拒絶 慢性GVHD:強皮症様の皮膚症状、6か月~3年 白血病で感染徴候あれば広域抗菌薬投与、G-CSF投与 白血病の寛解導入療法:アントラサイクリン系 +シタラビン(Ara-C)細胞破壊による高尿酸、K 寛解後:地固めにAra-C大量療法、維持強化は Ara-C、アントラ系を中心とした多剤併用 リンパ性白血病:ペルオキシダーゼ(-)、 中枢神経浸潤症状(予防のためにMTXやAra-Cを 髄注する)、VP療法 リンパ芽球性リンパ腫LBL:B細胞系は皮膚や骨、 T細胞系は縦隔に腫瘤を形成しやすい CML:Ph染色体t(9;22)が95%で陽性 →BCR / ABL融合遺伝子がほぼ100%に見られる 白血球破壊によるVitB12上昇、 著増した細胞が肝・脾に浸潤して髄外造血 イマチニブ(グリベック)が第一 ←チロシンキナーゼ阻害薬 50~55歳未満なら骨髄移植 CML急性転化:2/3がAML、1/3がALLへ、 それぞれの転化先の治療 CLL:B細胞の表面構造=CD5陽性 免疫異常を合併→自己免疫性貧血、 AIHAを合併したらプレドニゾロン使用 リンパ腫大、肝脾腫、続発性免疫不全 無症状なら経過観察 赤白血病:PAS陽性巨赤芽球 TdT活性:CMLのリンパ芽球性急性転化で陽性 Ph染色体t(9;22)、CMLと一部のALL、予後不良 MDS:1/3がAMLに移行、染色体異常あり FABでは芽球30%、WHOでは20%以上と定義 類白血病反応:悪性腫瘍、重症感染、骨髄線維症など WBC5万以上、幼若白血球の出現、末血に赤芽球 骨髄線維症:脾腫←髄外造血による、涙滴赤血球 NAPスコア↑、高齢者に好発、 異常増殖した巨核球のサイトカインにより 線維芽細胞の増殖→線維化 真性赤血球増加症PV:造血幹細胞の腫瘍性増殖 還元ヘモ↑によるチアノーゼ、全種類増加 高ヒスタミン血症、瀉血と抗血小板療法 ストレス赤血球増加症:循環赤血球量は正常 血漿量が低下している リンパ節可動性なし:癌の転移が多い 無痛:悪性リンパ腫 圧痛:伝染性単核球症、成人Still病 Hodgkinリンパ腫:好酸球↑,Ⅰ,ⅡA期は放射線療法 Hodgkin細胞:大型・単核で核小体が大きい Reed-Sternberg細胞:2核が鏡像、owl s eye 頸部・縦隔のリンパ節に初発が多い、連続性進展 濾胞性リンパ腫:無症状なら経過観察 リンパ節内に濾胞を形成、自然退縮あり DLBCL:50%がリンパ節に発生、濾胞構造が消失 Ann Arbor分類:横隔膜を越えるとⅢ期 悪性リンパの予後:60歳以上、PSが悪い、 LDH異常高値例では不良 Burkitt:小児に好発、白血化してL3 B症状:発熱、盗汗、体重減少、 Pel-Ebstein型発熱:数日の高熱期と無熱期を 2,3週間周期で繰り返す=間欠熱 ATL:花弁状細胞、CD4+、CD25+ 、Il-2↑ リンパ腫脹、肝腫大、皮膚に浸潤→丘疹や紅斑、 PTH様物質産生→高Ca・LDH血症 無症状なら経過観察、進行例に化学療法・移植 急性型・リンパ腫型は治療抵抗性 ランゲルハンス細胞組織球症:喫煙者・小児に好発 ランゲルハンス細胞が肉芽腫を形成しながら増殖 低年齢ほど予後不良、ステロイド、免抑 発熱+心雑音:心内膜炎、血液培養で確定 緑色連鎖、黄色ブ(急性なら)、疣贅 Bence-Jones蛋白:免疫グロブリンのL鎖のみ MM:骨融解による高Ca血症、M蛋白はGかA 過粘稠の頻度は少ない、腎障害、アミロイドーシス 原発性マクログロブリン血症:B細胞の腫瘍 リンパ形質細胞性リンパ腫 、IgMを産生 眼底静脈ソーセージ様変化、リンパ・肝脾腫 アルキル化薬+ステロイド、血漿交換 クリオグロブリン:血清を4℃以下にすると ゲル状に沈降するグロブリン、過粘稠をきたす vW因子:血小板の血管内皮下組織への粘着 偽性血小板減少:0.1%にEDTA存在下で反応性を示す 抗血小板抗体、クエン酸Na使用により正常数 血小板無力症:Glanzmann病、数は正常 凝集反応の欠如、治療は輸血のみ、ステロイド無効 von Willebrand病:優性遺伝、vWFが無いとⅧ因子 も不安定→APTT延長、デスモプレシンで治療 血小板機能異常:上記2つ、アスピリン内服、 Bernard-Soulier症候群 BSS:vWF受容体の異常、血小板減少、巨大血小板 血管内皮下組織への粘着異常 紫斑:単純性、アレルギー性、血小板減少性 前2つは血小板数正常 特発性血小板減少性紫斑病ITP:慢性失血で鉄欠乏 血小板自己抗体による寿命の短縮、凝固検査は正常 幼若巨核球の増加、自己抗体PAIgG(+) Ⅱ型アレルギー、免疫グロブリン製剤+ステロイド 血栓性血小板減少性紫斑病TTP:発熱、精神症状 血小板数↓、腎障害、貧血(5徴) 破砕赤血球→微小血管障害性溶血:間ビ↑、LDH↑ 新鮮凍結血漿、血漿交換で治療 溶血性尿毒症症候群HUS:腎の微小血管内皮細胞が べロ毒素によって傷害されて血栓形成、赤血球破砕 血小板↓、溶血性貧血、急性腎機能障害が3徴 赤血球破砕症候群:人工弁、行軍、DIC、TTP、HUS 循環抗凝固因子:IgG、→出血傾向 アレルギー性紫斑病(Henoch):腸重積、関節痛、 腹痛→関節炎・紫斑→1~3週後に腎炎 腎炎→血・蛋白尿、IgA腎症に類似、ネフローゼ XⅢが低下、自然治癒、対症療法、 Rumpel-Leede試験陽性 巨大血管腫の異常血管内皮により血小板が活性化 DIC:血栓形成でフィブリノゲン↓、ESR遅延、 二次線溶亢進でFDP↑、D-ダイマー↑ アスピリンによるワーファリン増強効果 PT時間で測定、トロンボテスト 血小板機能低下→ADP凝集能低下 抗リン脂質抗体→梅毒偽陽性、PT正常、APTT延長、 血栓傾向、Budd-Chiari症候群を合併 好中球過分葉:巨赤芽球貧血・MDS ←形態異常+無効造血 好酸球↑:アレルギー性、Addison病、Hodgkin 好酸球性肺炎 リンパ球↑:ウイルス感染、結核、百日咳、CLL アレルギー、Basedow CMLの第一はチロシンキナーゼ阻害薬 白血病裂孔:急性白血病、CMLの急性転化時 →好中球ALP↑、dry tap 幼若細胞腫瘍性増殖によるdry tap 巨大脾腫:MF、CML、真性赤血球増多、 特発性門亢症、マラリア 血友病:斑状・深部出血、AとBで症状の差はない Osler-Weber-Rendu病:常優、皮膚・粘膜に 多発する小血管拡張とそこからの出血 悪性貧血→下肢振動覚低下 デスフェラール:鉄キレート剤 直ビは上昇すると尿に出る 寒冷凝集素症CAD:自己免疫性→ステロイドで治療 Evans症候群:AIHAとITPの併発:2型アレルギー 2相性赤血球:大球性・低色素性が混在 MDSと鉄欠乏性で見られる 感染症に伴う血球貪食症候群 M蛋白↑による赤血球連銭形成 細胞内寄生菌による比較的徐脈 出血時間:2~5分、凝固時間:8~12分が正常 DIC基礎疾患:悪性腫瘍、白血病、敗血症 出生児には骨髄のみで造血、RBC産生にエリスロ必須 成人の造血:体幹部(椎骨・胸骨・肋骨) 血小板検査:EDTA、血糖値:フッ化NaEDTA 骨髄移植は同年代からが良い アルコールにより葉酸代謝障害 血管外溶血:自己免疫・HS 血中濃度はGAMDEの順、抗体 鉄剤投与1週間で網赤血球増加 広節裂頭条虫感染でVitB12欠乏、 鉤虫症で鉄欠乏 脾機能亢進では赤血球の減少はない 赤芽球として骨髄内に3~4日 顆粒球:末梢血での半減期6~8日 赤沈の遅延:多血症(赤血球同士の電荷の反発) グロブリンの低下(DICなど) ミニ移植:GVT効果を重視 CPD液:クエン酸・リン酸・ブドウ糖添加液 凝固防止・2-3DPG維持・エネルギー源 MAP液:CPD+マンニトール・アデニン 赤血球膜強化 【H 感染症】 MRSA: 3世代セフェム下に多い 黄ブ菌の60%、敗血症、肺炎、腸炎を起こす せつ:1つの毛包を中心とする化膿、小切開 癰:多数の毛嚢、十字切開で排膿 基礎に免疫低下があることが多い 顔面のせつ(面疔):炎症が中枢神経に波及する 危険があるので切開はせずに局所安静・抗菌薬療法 骨髄炎・骨膜炎:黄ブによる、5~14歳の男子に好発 長管骨、ドレナージ、病巣廓清、抗菌薬点滴 蜂窩織炎:真皮深層~皮下脂肪組織が病変の場 ブ菌、連鎖球菌が多い、拍動性疼痛 ブドウ球菌性食中毒:手の切り傷などから混入 潜伏は1~6時間(平均3時間)で食中毒中で最短 予後良好で、対症療法で1~2日で治る 毒素型>感染毒素型>感染侵入型の順に発症が早い A群β:猩紅熱、丹毒、急性糸球体腎炎、リウマチ熱 溶血毒素ストレプトリジンOに対する抗体がASO 続発症出現後にピークになることが多い B群:GBS、新生児の髄膜炎や敗血症 肺炎球菌:α溶血、肺炎、髄膜炎、中耳炎、副鼻腔炎 苺舌:猩紅熱、川崎病で生じる、猩紅熱では口囲蒼白 が見られるが川崎では口唇の発赤や亀裂を伴う 猩紅熱:咽頭炎・扁桃炎+全身に広がる発赤 続発症予防のためにペニシリン系7~10日間投与 肺炎球菌:インフル流行期の健常成人に多い 錆色膿性痰、大葉性肺炎、WBC↑、CRP↑、赤沈↑ ペニシリンGが第1選択 クレブシエラ:陰性桿菌、大葉性肺炎(均等陰影) 大酒家、喫煙家の中年男性、空洞形成しやすい ペニシリン服用歴(2次性肺炎)、粘稠痰 インフル菌:鼻粘膜損傷による鼻咽頭炎、小児に多い アンピシリン耐性が多い ジフテリア:確定診断は培養とPCR 心筋炎、神経炎の予防のため直ちに抗毒素血清投与 後遺症として心筋障害、口蓋麻痺などをきたす 放線菌類:グラム陽性桿菌、糸状菌のような菌糸形成 放線菌症:アクチノマイセス属、口腔や腸の常在菌 病巣部からはドルーゼ(硫黄顆粒)が検出 ペニシリンの大量投与や外科切除 ノカルジア:土壌中に生息する好気性細菌 経気道で肺に、外傷により皮膚に感染 日和見感染が主、ST合剤によって治療 下痢原性大腸菌:健常人からは検出されない 腸管病原性大腸菌EPEC:毒素は産生しない 腸管上皮に強固に接着することで発症、水溶性下痢 毒素原性大腸菌ETEC:易熱性(コレラに類似)と 耐熱性の2種類の毒素を産生、とぎ汁様下痢 腸管組織侵入性大腸菌EIEC:菌が細胞内に侵入 赤痢に類似した脳粘血便 腸管出血性大腸菌EHEC:べロ毒素が侵入して傷害 蛋白合成が阻害される、重症例で出血性大腸炎 約10%にHUS、急性脳症合併 発症早期の抗菌薬投与で合併症を予防可能 腸管凝集付着性大腸炎EAEC:付着や毒素産生 小児下痢症のひとつ、水溶性下痢 細菌性赤痢:国外での感染が多い、潜伏期1~3日 全身倦怠感、急激な発熱、水様→膿粘血便、 テネスムス(病変が直腸に達すると生じる) 志賀毒素は蛋白合成を阻害、べロ毒素と類似 ニューキノロン系、整腸薬(乳酸菌) チフス:薔薇疹・肝脾腫・比較的徐脈が三徴 腸管から血中へ入る、WBC低下、好酸球消失 細胞内寄生菌、Mφ内で増殖して血中に散らばる 1~2週間の潜伏、尿・血液・便から菌検出 極期には稽留熱(日差1℃以内の高熱) ニューキノロンが第1、(クロラムフェニコール) パラチフスは腸チフスよりも軽症 サルモネラ:夏季に鶏卵、マヨネーズ、加熱不十分な 食肉の摂食後、ミドリガメとの接触後1~3日で発症 悪心・嘔吐、緑色水様下痢、腹痛、発熱全部あり 基本的に対症療法のみ、免疫不全者には抗菌薬投与 赤痢>腸チフス>コレラ>パラチフスの順の頻度 コレラ:河口に生息、魚介類や水から経口感染 潜伏期1~3日で突然の発熱・腹痛(-)の水溶性下痢 と悪心を伴わない嘔吐、腸液喪失で代謝アシ 適切な輸液、重症例にはTC、ニューキノロン投与 腸炎ビブリオ:好塩菌、水温15℃以上で増殖 潜伏は12時間前後、激しい腹痛と水様~粘血便 食前の加熱が有効、数日で自然治癒 カンピロバクター:家畜の腸内に高率に生息 食肉、生乳、ペットとの接触で感染、2~7日の潜伏 コイル状菌体のらせん運動、細菌性食中毒では最多 細胞内侵入型、発熱、腹痛、水様→粘血便 ペニシリン・セフェムに耐性、エリスロが第一 感染後にギランバレー、反応性関節炎の発症 百日咳:発熱(-)の感冒症状が1~2週間継続 夜間に特有の咳発作(痙咳発作)とリンパ球優位の WBC増多、気道粘膜のみの炎症、CRP陰性 カタル期が感染力大、エリスロマイシンが第1 回復期に咳が消失するまで登校禁止 成人での発症例が増加傾向 緑膿菌感染:肺炎、敗血症が多い、他に尿路感染症 皮膚感染症、外耳炎、角膜炎、眼内炎など 多剤耐性緑膿菌MDRP:カルバペネム、 ニューキノロン、アミノグリコシドに耐性 セラチア:寒天培地で赤色の集落、赤色色素産生 日和見感染症、湿潤環境を好む、陰性桿菌 手指への菌の付着から院内感染 レジオネラ:胸膜炎(肺野浸潤影、胸水貯留) 多彩な病型(精神神経症状、下痢、血清CK↑など) 比較的徐脈、喀痰培養での検出率は低い 尿中抗原の検出、PCR法などで抗原を直接証明 急速に進行するため迅速診断が必要 セフェム系無効、ニューキノロン+マクロライド リファンピシン、テトラサイクリンも有効 ヒト-ヒト感染はない ブルセラ症:人畜共通、持続する波状熱と倦怠感 保菌動物との接触や乳製品摂取がリスクとなる ストレプトマイシンとテトラサイクリンの併用 野兎病:人畜共通、野ウサギやげっ歯類から感染 発熱、筋肉痛、侵入部位の潰瘍とリンパ節腫脹 猫ひっかき病:猫からの受傷、丘疹や膿疹、痂皮と 所属リンパ節の有痛性腫脹、発熱は無い 通常自然軽快、必要ならマクロライド系を投与 淋菌:陰性球菌、子宮頚部粘膜や尿道円柱上皮に 付着して増殖、潜伏は2~10日間、菌は低温で死滅 髄膜炎菌:髄膜炎、敗血症、電撃型敗血症の原因 モラクセラ:鼻腔内常在菌、上気道や中耳に感染 ボツリヌス毒素:神経末端からのAch遊離障害 12~36時間で発症、球麻痺、外眼筋、呼吸筋麻痺 運動神経・副交感神経の機能低下、熱に弱い 破傷風:早期発症ほど重篤、光・音で発作誘発 抑制性の入力をブロックすることで強直性痙攣 外傷後4日~3週間、発症時の致死率は20%以上 沈降トキソイドとγグロブリン投与 ガス壊疽→高圧酸素療法、抗毒素血清、創解放・除去 ウェルシュ菌:調理後の冷蔵保存中に外毒素産生 100度の高温にも芽胞で耐える、カレー、シチュー 結核:胸膜炎によりリンパ球増加、ADA上昇 血行散布で骨、髄膜、関節、骨へ波及する 粟粒結核:肺紋理の不明瞭化、稽留熱 眼底、肝生検、骨髄生検を行う MAC症:結核様の空洞形成や中葉・舌区型の肺病変 抗結核薬は効きにくい、クラリスロを中心に治療 らい:病原性は非常に弱い、乳幼児期に感染する 類結核型T型:知覚麻痺が主、 らい腫型L型:皮膚のらい腫 Weil病:レプトスピラ、湿地帯、鼠の尿から感染 肝・腎障害、黄疸の割に肝酵素上昇は軽度 血管内皮の障害、Rumpel-Leede試験で異常 ストレプトマイシンが第一 ライム病:マダニ刺咬から数日~数週後に発症 遊走性紅斑出現後に関節痛や筋肉痛、神経症状 ペニシリン、テトラサイクリンで治療 梅毒トレポネーマ:生体外では容易に死滅 1期:初期硬結、硬性下疳、無痛性横痃 (所属リンパ節腫脹) 2期:全身リンパ節腫脹、薔薇疹、丘疹性梅毒疹 扁平コンジローム、梅毒性乾癬 3期:結節性梅毒疹、ゴム腫 4期:神経梅毒、大動脈炎、大動脈瘤 血清梅毒反応 STS:脂質抗原法、カルジオリピンに 対する自己抗体で、膠原病罹患などで偽陽性となる 感染後4週頃から陽性化、治療後は陰性化 TPHA:梅毒トレポネーマ抗原法、菌体成分と反応 1~2週遅れて陽性、治療後も陽性のまま 非定型細菌:βラクタムは細胞内移行性低いから無効 トラコーマクラミジア:trachomatis トラコーマ:濾胞形成を伴う角・結膜の慢性炎症 肺炎クラミジア肺炎:pneumoniae、幅広い世代 長引く激しい乾性咳嗽、軽度の発熱 オウム病:psittaci、39℃以上の高熱、頭痛、肝脾腫 比較的徐脈、濃厚なスリガラス~斑状・網状陰影 トリから塵埃感染、TCが第一、ペニシリン無効 ツツガムシ:刺咬後5~14日で発症、高熱 体幹から広がる麻疹様皮疹、刺し口の有痛性紅斑 所属リンパ節の有痛性腫大、比較的徐脈 刺し口の中心部に大きな黒色の痂皮を形成 WBC↓、好酸球消失、血小板↓ 治療が遅れるとDICを発症 日本紅斑熱:マダニに刺されて感染、刺し口は小さい 手掌に特に目立つ紅斑、死亡率高い マイコプラズマ:細気管支炎による乾性咳嗽、発熱、 胸痛、5~25歳の健常者、聴診所見は乏しい 寒冷凝集反応上昇、確定診断は血清抗体価 DNAウイルス:ポックス(天然痘)、ヘルペス へパドナ(B肝)、エンベロープ(-):アデノ、 パピローマ、パルボ、ポリオーマ SARSコロナウイルス:severe acute respiratory syn 主に飛沫感染、接触感染 ノロウイルス:食中毒の約20%、乳児胃腸炎の2位 吐物・便から経口感染、感染力強い 症状は1~2日で回復 ⇔ ロタは7日程度かかる ロタ:乳児下痢症の大半、吸収上皮細胞の障害 +腸管毒素による粘液分泌亢進で水様性下痢 流行性耳下腺炎:抗生剤等は無効、抗体価で確定診断 潜伏2~3週、耳下腺腫脹→血清・尿中アミラーゼ↑ 予防は生ワクチン、耳下腺腫脹消失まで登校禁止 合併症では無菌性髄膜炎が最多、難聴は予後不良 HHV1:口唇ヘルペス、HHV2:性器ヘルペス HHV3=VSD:水痘・帯状疱疹 HHV4=EBウイルス:伝染性単核症、上咽頭癌 HHV5=CMV:巨細胞封入体症 HHV6・7:突発性発疹、HHV8:KSHV、カポジ肉腫 HSV1:初感染は口腔内、三叉神経節が潜伏部位 水痘:体幹を中心にかゆみを伴う各段階の発疹が混在 帯状疱疹:回帰感染、片側肋間・顔面・三叉神経に 神経痛様疼痛→紅暈を伴う小水疱の集簇 痂皮化するまでは感染力を持つ 顔面神経膝神経節・耳神経節を侵して 顔面神経麻痺・内耳障害・味覚障害 鼓膜・耳介・外耳道にも水疱 伝染性単核症:EBウイルスEpstein-Barr 思春期以降の初感染で発症しやすい 弛張熱・全身リンパ節腫大・扁桃炎が3徴 皮膚・口蓋の紅斑、肝脾腫、アシクロビルは無効 アンピシリンは皮疹を生じさせるため禁忌 確定はEBウイルス抗体価 異型リンパ球:濃い好塩基性の細胞質 クロマチン豊富で結節状、切れ込みを持つ核 感染B細胞を排除するためのCTL EBV→Burkittリンパ腫、NK細胞リンパ腫 上咽頭癌 突発性発疹:解熱後発疹、WBC↓、リンパ球相対的↑ 体幹→頸部→顔面・四肢、紅斑→丘疹、 落屑なし 熱性痙攣、急性脳症、肝炎などを合併 成人の抗体保有率はほぼ100% サイトメガロ:喀痰に封入体保有巨細胞(owl s eye) 間質性肺炎→びまん性のすりガラス影 AIDS患者では高率にCMV網膜炎・腸炎を発症 先天性サイト:経胎盤、小頭症、内耳性難聴 脳内石灰化、肝脾腫大、黄疸、脈絡網膜炎 JCウイルス:進行性多巣性白質脳症 腎に持続感染して活性化されると稀突起細胞に感染 白質に多発性の脱髄巣、予後不良 エンテロ属:ポリオ・コクサッキー・エコー・エンテロ 無菌性髄膜炎の80%以上がエンテロウイルス コクサッキーA:手足口病・ヘルパン、B:心筋炎 日本脳炎:フラビウイルス科、発熱・頭痛→脳炎症状 発症者の1/4が死亡、灰白質、視床、黒質を障害 狂犬病:咬傷後の1~2か月の潜伏期中にワクチン接種 腎症候性出血熱HFRS: 出血傾向+腎機能不全 ハンタ、ネズミの糞尿で汚染された食品から感染 腎の毛細血管内皮が標的、対症療法のみ デング熱:フラビ、点状出血、高熱、筋肉痛、関節痛 ネッタイシマカ、血小板・WBC↓、AST・ALT↑ 重症化で血漿漏出と出血傾向を呈するデング出血熱 アスピリン投与はReye症候群や出血傾向を起こす HIV:CD4陽性T細胞に感染、200/mm3以下でAIDS 200~350で治療を推奨 HAART:highly active antiretroviral therapy 核酸系逆転写酵素阻害薬(ジドブジン)+非核酸系 逆転写酵素阻害薬(ネビラピン)+プロテアーゼ 阻害薬(ロピナビル)、多剤併用 免疫再構築症候群:病原体に対する免疫応答や 炎症が復活することで日和見感染の増悪 アスペルギルス:空洞性病変、好中球減少による Ⅰ型アレルギー、閉塞性 骨髄移植後20日目と80日目にピーク 免疫不全じゃなくても発症する アムホテリシンB、ボリコナゾールで治療 クリプトコッカス:浸潤影、結節影、結節内の空洞 AIDS患者では髄膜炎を合併 鳩から、グロコット染色で球状に黒染、サブロー アムホテリシンBとフルシトシンの併用 カンジダ:フルコナゾール、イトラコナゾールで治療 ニューモシスチス:β‐Dグルカン↑ AIDSの40%で発症 、早期から著明な低O2 急な発熱・乾性咳嗽・呼吸困難、気胸を合併 両側びまん性すりガラス~斑状陰影、 ST合剤、ペンタミジン マラリア:約2週間潜伏、間欠熱・貧血・肝脾腫 熱帯熱マラリアは発熱が一定しない、重症化 クロロキン、メフロキン、スルファミドキシン アメーバ赤痢:メトロニダゾール(フラジール) 栄養型は体外では5分で死ぬから急いで鏡検 S状・直腸を中心にタコイボ状びらん、潰瘍 トリコモナス:栄養型のみ、グリコーゲンを吸収し、 デーデルラインが枯渇して腟炎をきたす クリプトストリジウム:塩素消毒には抵抗性 ランブル鞭毛虫:旅行者下痢症、メトロニダゾール リーシュマニア:内臓・皮膚粘膜に感染、瘢痕形成 エキノコッカス:礼文・根室、潜伏10~15年 肝に卵殻状石灰化、肝嚢胞、実質障害はなし 肝吸虫症:コイ科生食後、右季肋部痛、下痢、 プラジカンテルで治療 蠕虫:国名地名がつくやつ+糞線虫が経皮感染 袋形動物→線虫類、扁平動物→吸虫類・条虫類 サケ:日本海広節裂頭条虫、 有機野菜:回虫 コイ:肝吸虫、 牛:無鉤条虫、肝蛭、包虫 豚:有鈎条虫、旋毛虫症、包虫 アユ・シラウオ:横川吸虫 カニ:ウェステルマン、宮崎肺吸虫 肝吸虫:胆管細胞癌の発症と関連 Löffler症候群:回虫・鈎虫・糞線虫の 幼虫移行による一過性肺炎、末梢好酸球↑、 肺浸潤像、喘息様症状など 全身性炎症反応症候群SIRS:以下のうち2項目以上 体温>38℃ or <36℃、脈拍>90回/分 呼吸数>2回/分、WBC>12000 or <4000 敗血症=感染症+SIRS 重症敗血症=敗血症+血圧低下・臓器循環不全 敗血症性ショック=重症敗血症+輸血無反応な低血圧 定期一類:ジフテリア(D)、百日咳(P)、破傷風(T) ポリオ、麻疹・風疹、BCG、日本脳炎 定期二類:インフルエンザ(65歳以上) 任意:水痘、流行性耳下腺炎、A・B型肝炎、 肺炎球菌、インフルエンザ桿菌 弱毒生ワクチン:ポリオ、麻疹、風疹、BCG、水痘 流行性耳下腺炎など グラム染色:陰性菌は細胞質の脂質成分が多いので アルコール処理で破壊されて染色液が流出する メトロニダゾール:膣トリコモナスとdifficileに有効 細菌に代謝されて活性酸素を形成する 肝排泄の抗菌薬:リンコマイシン系、リファンピシン メトロニダゾールなど アレルギー:ペニシリン系、セフェム系、 カルバペネム系に多い 呼吸数30以上で入院 糖尿病コントロールはカロリー制限から N95=0.3μmを95%遮断するという意味 1類:エボラ、ラッサ、ペスト等 感染力・危険性が極めて高い、日本には常在しない 2類:結核、SARS、ジフテリア、ポリオ、鳥フル 1類に次いで危険性が高い 3類:O-157、コレラ、チフス、パラチフス、赤痢 特定職業への就業により集団感染を起こしうる いずれも経口感染 4類:A肝、恙虫、日本脳炎、マラリア 動物、飲食物を介して人に感染するもの 5類:アメーバ赤痢、破傷風、HIV 全数把握(7日以内)、定点把握(翌週・翌月) 1~4類は診断後直ちに保健所長通じて知事へ 炭疽菌:皮膚炭疽・肺炭疽・腸炭疽、組織で増殖 ペスト:腺ペストが最多、鼠からノミを介して感染 脳炎を起こすウイルス:エンテロ(エコー・コク) フラビ、ヘルペス(大人は1型子供は2型) アデノウイルス:内胚葉由来細胞に親和性 咽頭扁桃炎:ヘルパンギーナ(コクサッキー)、 EB、アデノウイルス / 連鎖球菌、ジフテリア 無顆粒球症・白血病(免疫低下時) 滲出性胸水:胸水/血清総蛋白>0.5か 胸水/血清LDH>0.6 胸部に空洞:結核、黄ブ、B連、クレブシエラ 大腸菌、アスペル、クリプト、 扁平上皮癌、転移性肺癌、Wegener、RA 真菌で血液培養:カンジダ、クリプトコッカス Kaposi水痘様発疹:既存の皮膚病変状にHSVが感染 黄熱病:発疹(-)で黄疸出現 ドパミン:ショックに対する昇圧として第一 少量投与では末梢血管拡張 比較的徐脈:ブルセラずれ落ち脈拍下がる ブルセラ、髄膜、レジ、オウム、チフス 感染性腸炎:多くが発熱(+)、腹痛(+) 発熱(-)・腹痛(-):コレラ、毒素原性大腸菌 (-)・(+):ウェルシュ、セレウス菌 誤嚥性肺炎:口腔咽頭常在菌、嫌気性菌、大腸菌 →悪臭、右肺に多い 敗血症治療:抗菌薬の中枢神経系への移行が大事 腸管での異常増殖、褥瘡からの侵入が多い 肺化膿症:ブドウ球菌、大腸菌、 嫌気性菌(バクテロイデス:常在菌) 飛沫核感染:麻疹、水痘、結核、レジオネラ 飛沫感染:インフル、百日咳、ジフテリア、マイコ 風疹、ムンプス 真菌培養:カンジダかクリプトコッカス テトラサイクリン:リケッチア、クラミジア、 マイコ、ライム病、百日咳に有効 薬剤性腸炎:トマトジュース様血便 ヘモフィルス=インフル菌 バクテロイデス:内因性感染、混合感染 腹腔内膿瘍、アミドグリコシド系は無効 潜伏結核に対してイソニアジドを半年間投与 アンピシリン:グラム陽性菌・陰性球菌に有効 緑膿菌、クレブシエラ、セラチアには無効 テトラサイクリン:歯の変色、尿毒症増悪 Fanconi症候群 嫌気性に無効:アミノ配糖体、ニューキノロン、 モノバクタム ペニシリンアレルギーに対してはエリスロを使用 【I 呼吸器】 浸潤影:背景血管を透見できない濃度の陰影 ⇔すりガラス陰影:透見可能 結節影:5~30mm、5mm以下だと粒状影 細葉性陰影→小葉性→区域性→肺葉性と融合していく 気管支透瞭像:air bronchogram、肺胞腔病変により 気管支内の空気との間でコントラスト 間質性陰影:線状影→網状影→胞巣状陰影像 Kerley s line:小葉中隔の肥厚を反映 心原性肺水腫、癌性リンパ管症、間質性肺炎で出現 急性細気管支炎:細気管支上皮細胞に炎症、 細気管支が浮腫性に狭窄・閉塞、対症療法 細菌性肺炎:肺胞性肺炎による膿性喀痰、強い咳嗽 大葉性肺炎:肺炎球菌・クレブシエラ 気管支肺炎:黄ブ菌、緑膿菌、フル菌 非定型肺炎:細菌以外のもの+レジオネラ 乾性咳嗽、X線で多彩な陰影(間質性・肺胞性) 市中肺炎:肺炎球菌、フル菌、マイコ、クラミジア 上気道のウイルス感染に続発することが多い 院内肺炎:黄ブ、緑膿菌、クレブシエラ、MRSA 肺炎球菌:市中で最多、悪寒戦慄と高熱、鉄錆色喀痰 髄膜炎・関節炎・菌血症を併発 フル菌肺炎:慢性気道感染症の急性増悪時に多い 小児に好発、チョコレート寒天培地で発育する クレブシエラ肺炎:粘稠で糸を引く痰、肺膿瘍起因菌 ペニシリン耐性、第3世代セフェム ペニシリン長期投与による菌交代現象で発症 MRSAに有効:バンコマイシン(グリコペプチド系) アルべカシン(アミノ配糖体)、リネゾリド マイコ:細気管支炎による激しい咳嗽、発熱、胸痛 聴診所見は乏しい、X線は肺胞性も間質性もある 感染後にギランバレー、Stevens-Johnson症候群 レジオネラ:発症早期から傾眠・幻覚などの精神症状 筋肉痛、頭痛、比較的徐脈、胸膜炎の合併が多い 喀痰培養、尿中抗原の検出、治療を先行させる エリスロマイシン・リファンピシンが原則 ヒト―ヒト感染はない 抗酸性:一度染色されると酸・アルコールにより 脱色されにくい、Ziehl-Neelsen染色 結核:既感染発病(二次結核)が大半を占める 細胞壁が脂肪に富むのでグラム染色で染まりにくい O2濃度の高い所に感染巣=上肺野 上肺野はリンパの流れも良くない クオンティフェロン:血液を結核菌特異抗原で刺激 →その結果Tリンパから放出されたIFN-γを測定 BCG接種の有無にかかわらず感染の診断が可能 粟粒結核:2臓器以上に活動性結核病巣、全結核の1% INH:VitB6欠乏による末梢神経炎、肝機能障害 RFP:血小板減少、肝機能障害 SM:平衡障害、聴力障害、EB:球後性視神経炎 侵襲性肺アスペルギルス症IPA:免疫能低下時、 X線で急速に進展する楔状陰影、 CTにてhalo sign、air crescent sign 慢性壊死性肺アスペルギルス症CNPA:慢性進行型 肺アスペルギローマ:肺内の既存の嚢胞や空洞に 侵入・増殖、空洞壁・胸膜の肥厚、真菌球を形成 無症状か喀血、血痰、原則として外科的切除 β‐Dグルカン:真菌細胞壁構成成分、ニューモ、 アスペル、カンジダで(+)、クリプト・ムコールは(-) ニューモ:X線・CTにてびまん性の淡いすりガラス影 β‐DグルカンとKL-6が上昇、急速な進行 AIDS患者には予防的にST合剤投与 外科的切除:肺アスペルギローマと肺クリプト 喘息発作時:β刺激薬吸入、ステロイド全身+ アミノフィリン点滴、重篤発作ではO2吸入、 エピネフリン投与、気管挿管 長期管理:吸入ステロイド、テオフィリン、 抗ロイコトリエン受容体薬、長時間β刺激薬 非アトピー性喘息:成人に発症、冬に増悪 成人喘息患者の50%、症状は重症のことが多い アミノフィリン:気管支拡張、中~大発作の緩解目的 Curschmannらせん体:気管支喘息で見られる アスピリン喘息:30~50代、副鼻腔炎、鼻ポリープ アラキドン酸カスケードの障害、摂取後30分以内 急性好酸球性肺炎:喫煙のし始めに多い 急性の発熱、低O2血症、BALF好酸球↑↑(25%) 好酸球のびまん性肺浸潤によるすりガラス影、胸水 ステロイドが著効、自然軽快あり、予後良好 慢性好酸球性肺炎:数週~数か月の経過で発熱、咳嗽 X線で移動性の末梢浸潤影、末梢血好酸球↑ 少量ステロイドの長期投与にて治療 PIE症候群:Plumonary infiltration with eosiophilia 末梢血の好酸球増加を伴う肺浸潤影 アレルギー性気管支肺アスペルギルス症ABPA 肺内の菌に対するⅠ、Ⅲ、Ⅳ型の反応、PIEの3型 喘息様症状+好酸球増加を伴う肺浸潤影 ステロイドで治療、再燃予防に抗真菌薬投与が有効 中心性気管支拡張:アスペルギルス抗原への 即時型皮膚反応(+)、沈降(+)で確定診断 アレルギーⅢ型:沈降反応試験 過敏性肺臓炎:Ⅲ+Ⅳ型のびまん性肉芽腫性間質性肺炎 抗原の反復吸入により経気道的に感作 特定の場所・時期に咳嗽・呼吸困難・発熱 拘束性+拡散障害、Tリンパ球↑、ACE↑ 夏型過敏性肺炎:CD4/8比↓ CD8+T細胞が増加する 農夫肺・鳥飼病ではCD4/8比↑ 4+T細胞が増加 サルコイドーシス:血中ACE陽性、網膜静脈周囲炎 豚脂様角膜裏面沈着物(プレシピテート)、 両側性に眼底サルコ結節、霧視、眼痛、視力障害、 若年+中年女性の二峰性 周辺虹彩前癒着、寒冷地 末梢顔面神経麻痺+中枢性尿崩症、70%が自然寛解 活性化されたMφがVitD産生して高Ca血症 Mφの類上皮化→ACEを産生 神経・心臓・腎臓に症状あればステロイドの適応 Goodpasture:Ⅱ型、血痰、両側すりガラス影 Fe染色でMφ中にFe沈着→喀痰中に担鉄細胞 肺出血が腎症状に先行する ステロイド、免抑、血漿交換療法 拘束性換気障害:間質性肺炎・肺線維症など %VCが80%以下、 閉塞性換気障害:COPD、気管支喘息など FEV1%が70%以下 フローボリューム曲線:V50・V25では末梢気道の 閉塞性障害を検出できる、早期の病変 特発性間質性肺炎IIPs:特発性肺線維症IPFが典型例 慢性の経過、乾性咳嗽と呼吸困難 KL-6↑、SP-A・SP-D↑、肺拡散能Dlco<80% 間質の線維化肥厚、細気管支の代償性拡張 X線で両下肺野に輪状・網状影 CTで胸膜直下優位に蜂巣肺、肺底部から繊維化が 始まり、徐々に上肺野へ広がる 根治療法なし、対症療法が中心 SP-A、SP-D:サーファクタント特異的蛋白 間質性肺炎の活動性の指標 KL-6:間質性肺炎の活動性マーカー、Ⅱ型上皮糖蛋白 放射線肺炎:肺胞隔壁肥厚、繊維化での拘束性障害 1か月~半年で照射野に一致したすりガラス影 肺好酸球性肉芽腫症:組織にランゲルハンス細胞と その周囲に好酸球の浸潤を認める 炎症により嚢胞を形成→自然気胸を合併 下垂体浸潤による骨病変、尿崩症(まれ) 石綿肺:下肺野を中心に網状影、胸膜肥厚・波状変化 心陰影の不鮮明化(shaggy heart) ラ音、胸水、ばち指、黄色棍棒(アスベスト小体) 珪肺:上肺野に病変、肺門リンパ節の卵殻状石灰化 タマネギ状の線維性増殖(珪肺結節) 下肺野に牽引性の気腫病変、結核を高頻度に合併 ベリリウム肺:肺野末梢が障害、間質の線維化 慢性型では肉芽腫形成→肺線維症 慢性閉塞性肺疾患COPD=肺気腫+慢性気管支炎 気道病変優位型:慢性気管支炎型、低O2による チアノーゼ、右心不全による浮腫を伴い blue bloater(青膨れ)と表現 気腫優位型:肺気腫型、やせを伴い pink puffer(赤あえぎ)と表現 汎小葉型肺気腫:肺胞能が拡大、α-AT欠損症 ⇔小葉中心型:呼吸細気管支の拡張、上葉、喫煙 慢性肺気腫:終末細気管支より末梢の気腔が拡大 肺胞の破壊的変化、末梢含気区域の不可逆的拡大 気管支拡張薬後のスパイロで1秒率<70%で確定 透過性↑、滴状心、残気量↑、喀痰は少ない CTにて数mm大以上の気腫病変 気管支拡張薬・喀痰排出薬で治療、在宅酸素療法 重症例には肺容量減少術LVRS 慢性気管支炎:白色粘稠性の喀痰、気道壁の肥厚 びまん性汎細気管支炎DPB:慢性副鼻腔炎の合併多い 両肺びまん性の呼吸細気管支の慢性炎症 X線で全肺野に粒状影、check valveによる過膨脹 Ctにて小葉中心性のびまん性粒状影、気管支拡張像 1日200~300mlの粘稠性の喀痰 細菌感染は初期はフル菌・肺炎球菌→緑膿菌に移行 HLA-B54陽性、混合性の障害、拡散能は正常 エリスロマイシンの少量長期投与 α-AT欠損症:WBCが産生する蛋白分解酵素を阻害し 肺のエラスチンやコラーゲンの破壊を防御する働き 白人に多く、日本人には極めてまれ 腺癌50%、扁平30%、小細胞15%、大細胞5% 男性の1位、女性の3位 扁平上皮癌:早期から咳嗽、血痰、胸痛などの症状 肺門部腫瘍により閉塞性無気肺 PTHrP産生腫瘍→高Ca血症、QT短縮 口渇、多尿、幻覚、重炭酸イオン排泄障害で 代謝性アシドーシス 多中心壊死、空洞形成 パパニコロウでオレンジ色 SCC、CYFRA21がマーカー ⅢA 期までは手術、同側縦隔リンパ節廓清 パパニコロウ:角化細胞がオレンジでそれ以外は青 オレンジGとライトグリーンの粒子径の差 腺癌:発育は遅いが、血行性転移をしやすい 女性の肺癌の70%、放射線・化学の感受性低い X線にて末梢に淡い腫瘤影(coin lesion) CTにてspicula、胸膜嵌入像、血管収束像 小細胞癌:NSE↑、小さくて核濃染の強い細胞 鑑別のために誘発筋電図、Lambert-Eaton ACTH↑、ADH↑(腫瘍随伴症候群) 初回化学療法でCRであれば予防的全脳照射を行う Horner症候群:眼瞼下垂、縮瞳、眼球陥凹、発汗↓ Pancoast症候群:上肢神経、鎖骨下静脈圧迫で 尺骨側から広がる知覚・運動障害、筋萎縮、浮腫 嗄声:大動脈下リンパ節への浸潤 分子標的治療薬:上皮成長因子受容体EGFRの チロシンキナーゼを阻害するゲフィチニブ (イレッサ)、EGFRに遺伝子変異がある方が効く 腺癌・女性・東洋人・非喫煙者に感受性が高い 癌性リンパ管炎:リンパ管の腫瘍塞栓、腺癌に多い 間質に滲出液が貯留して浮腫性に肥厚 →病変進展によりガス交換不良、呼吸困難出現 肺過誤腫:ポップコーン状腫瘍内の石灰化 中年男性に多い、多くは無症状、 間葉成分+上皮成分、圧排症状あれば摘出 肺塞栓症:梗塞に至るのは10%以下、ヘパリンが第1 超急性期にはt-PA、ウロキナーゼで血栓溶解 X線でKnuckle sign:末梢肺動脈抵抗↑により 肺門部肺動脈主幹部が拡大 Westermark sign:塞栓部より末梢の肺野で 血管影消失 t-PA:フィブリンに対する親和性がウロキナーゼより 高いため出血傾向は少ない 原発性肺高血圧:若年成人女性に多い、右心負荷所見 機能性PRによるGraham、中膜の筋性肥厚と 内膜の線維性肥厚、蔓状病変を認める プロスタサイクリン持続静注療法 肺水腫:semi-Fowlerにより静脈環流量↓させる 上肺野血管陰影の増強、buterfly shadow 左心不全によるものが大半 急性呼吸窮迫症候群ARDS:急性に発症する 血管透過性亢進型の肺水腫、高度の低O2血症 敗血症、急性膵炎、純O2吸入、外傷により発症 PEEPをかけて肺胞虚脱を防いでO2投与、利尿薬 急性期を過ぎると間質の器質化による肺線維症 肺動静脈瘻:チアノーゼ、ばち指、呼吸困難が3徴 喀血、多血症、細菌・塞栓子による脳膿瘍、脳梗塞 X線で境界明瞭な淡い腫瘤状陰影 肺癌と間違って針生検したら大出血 右→左シャントが起きることでガス交換効率低下 無症状でも塞栓術・外科的切除術の適応 胸水:産生も吸収も壁側胸膜、生理的胸水は1~20ml 滲出性:毛細血管透過性↑によるもの、Rivalta(+) 黄褐色・血性・混濁、細胞成分多い、蛋白量多い 悪性腫瘍、結核、肺炎、膠原病など 漏出性:静脈圧↑、膠質浸透圧↓などによる うっ血性心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群など 急性膿胸:発症から3か月以内、細菌性肺炎や 細菌性胸膜炎の経過中に多い、発熱、胸痛、WBC↑ 膿性喀痰、胸腔穿刺にて確定、ドレナージ+抗菌薬 慢性膿胸:結核後遺症、急性膿胸の遷延、 チョコレート色の喀痰、膿性喀痰、排膿と抗菌薬 肺瘻の持続・抗菌薬無効の場合は手術療法 肺剥皮術、胸郭成形術、開窓術(2期的) 小児の急性膿胸:黄ブが最多、慢性は結核か真菌 持続ドレナージ、抗生物質全身投与 肺炎後のものは緊張性が多い ブラ:内弾力板の内側・ブレブ:外と内弾力板の間 →破れて自然気胸、ほとんどが肺尖部 巨大肺嚢胞:胸腔の1/3以上、肺実質に向かい凸 胸腔ドレナージは禁忌、自然気胸と鑑別 肺容量減少手術LVRSを施行 胸膜中皮腫:胸水中ヒアルロン酸上昇 カルシトニン陽性、不整な胸膜肥厚像 肺分画症:流入は下行大動脈からのものが最多 左S10に好発、肺葉外だと乳幼児期に発見される 食道・気道と交通することで感染源 無症状でも区域切除術、多発嚢胞、腫瘤像 気管腫瘍:狭窄によりピーク消失 腺様嚢胞癌が最多、50%以上が悪性 気管支カルチノイド:主気管支、緩徐、予後良好 Kultschitzsky細胞由来、セロトニン分泌 高CO2→交感の刺激により高血圧、頻脈 CO2ナルコーシス:呼吸性アシドーシス、意識障害 自発呼吸減弱が3徴、慢性Ⅱ型呼吸不全に対する 高濃度O2投与や感染症合併による 低流量(0.5L/分程度)のO2投与 →目標PaO2が60Torr以上、SpO2が90以上 急激なCO2排出により代謝性アルカローシス 延髄の中枢化学受容野のCO2反応性が鈍化 急性Ⅱ型呼吸不全ではナルコーシスは発症しない 肺胞蛋白症:肺胞洗浄液が牛乳様の白色混濁 PAS陽性、SP-A・SP-D↑、 小葉間結合組織肥厚でメロンの皮状の網目陰影 GM-CSF中和抗体により肺胞Mφが サーファクタントを分解できなくなって貯留 気管支肺胞洗浄によって全肺胞を洗浄する ステロイドは感染をおこすので禁忌 気管支拡張症:結核・アスペル症からの続発が多い 夜間に喀痰が貯留して、起床時に咳・多量の痰 肥厚した気管支壁が線状影(tram line) 感染繰り返すなら外科手術 過誤腫性肺脈管筋腫症LAM:全肺野に多数の嚢胞 →気胸、閉塞性~混合性換気障害 未熟な平滑筋細胞LAM細胞の広範な増殖 妊娠可能年齢の女性に多い、結節性硬化症に合併 胸管損傷→乳糜胸、全肺気量は上昇 気管支瘻:胸部術後1週間で咳・痰→膿胸 無気肺:右肺中葉がつぶれやすい(中葉症候群) 線維腫症:結合織と上皮成分の過剰増殖、 圧痛(-) 2~30代、悪性化は稀、被膜に覆われる 管内乳頭腫:血性分泌、触知しにくい、石灰化(-) 乳頭状突出、40代 乳腺症:腺組織の増殖・萎縮、両側性、多発、 30代後半から閉経前の女性、大小の嚢胞が混在、 乳腺に硬結、月経周期関連疼痛、男性ホルモン 乳癌:40・50>60>30代の順、視診は坐位で ハーセプチン(トラスツズマブ):HER2が標的 Paget病:表皮内癌、慢性湿疹様外観 無気肺→気管支鏡検査で喀痰吸引、 PEEPにより虚脱を防ぐ 睡眠時無呼吸SAS:体動時呼吸困難、多血、高血圧 睡眠中10秒以上の呼吸停止が1時間に5回以上 ポリソムノグラフィで睡眠状態を細かく検査→確定 睡眠中の経鼻的持続陽圧呼吸 nasal CPAP 起床時の頭痛は高CO2血症での血管拡張による 大半が閉塞性、中枢性で脳障害・心不全によるもの ではCheyne-Stokes呼吸が認められる Pickwick症候群:高度肥満による肺胞低換気症候群 肥満による換気不全と呼吸中枢のCO2感受性低下 →慢性的な低O2とCO2の蓄積 いびき:アデノイド、睡眠時無呼吸 肺性脳症:羽ばたき、うっ血乳頭(PaCO2↑)、Cl↓ 前縦隔:胸腺腫、奇形腫、甲状腺腫、悪性リンパ腫4T 後縦隔:神経原性腫瘍、消化管嚢胞 上縦隔:甲状腺腫 中縦隔:リンパ性腫瘍、気管支嚢胞、心膜嚢胞 胸腺腫:無症状が多い、胸部圧迫感、眼瞼下垂、複視 30%にMGを合併、MGの20%に胸腺腫を合併 合併:低‐無ガンマグロブリン血症、赤芽球癆 上皮成分増殖、リンパ球浸潤、ハッサル小体 一部の例で石灰化→奇形腫との鑑別 病理で良性でも経過が悪性のことがある 奇形腫:性腺に次いで縦隔に多く発生する、圧迫症状 成熟奇形腫→外科的切除、悪性胚細胞性腫瘍 (セミノーマ・非セミノーマ)は化学療法後に切除 神経原性腫瘍:肋間・交感神経が母地、縦隔腫瘍の1/4 神経鞘腫が約半数、良性のものが90% 悪性の大部分が神経芽細胞腫→尿中VMA↑ 気管支嚢胞:胎生期の前腸由来の肺芽が異所性に発育 交通なし、内腔は気道粘液上皮で内部は粘液 他の臓器の異常を合併、一般的に無症状 心膜嚢腫:後天性だと心膜炎後、心横隔膜角など 左肺S1+2、S7がない、S4,5が舌区(中葉に相当) 2μg以下の粒子は肺胞まで到達する、下気道は無菌 横隔神経:鎖骨下動静脈の間、肺門の前を通る 声帯ポリープでは呼吸困難なし 気管切開:第2・3気管輪、給湿が不十分だと無気肺 喘息→線毛細胞剥離 Kartagener症候群:線毛運動の障害、 慢性副鼻腔炎 急性反復性気管支炎→気管支拡張 結核性胸水:ADA・コレステロール↑ 痰が一日100ml以上:DPB、気管支拡張、肺胞上皮癌 慢性気道感染:フル菌、肺炎双球菌 ラ音=ラッセル音 velcroラ音:肺線維症のラ音、 coarse:吸気前半⇔fine:吸気後半(末梢気道の開放音) 解離曲線:PaCO2↑、2.3-DPG↑、H+↑、温度↑で 右方シフト=ヘモのO2親和性が低下 →組織への酸素供給が容易となる 酸素分圧較差A-aDO2=(150-PaCO2)/(0.8-PaO2) 正常は15以下 換気・血流比:0.8程度 A-aDO2:10Toor以下 Ⅰ型:低O2血症 PaO2≦60、PaCO2≦45 Ⅱ型:低換気症 PaO2≦60、PaCO2>45 HCO3再吸収の代償にCl排泄 PEEP:静脈環流量は低下、機能的残気量を増加させ 無気肺を防止・軽減する CPAP:自発呼吸+PEEP、換気障害なしで酸素濃度が 低い時、人工呼吸器からの離脱の最終段階 気管支肺胞洗浄BALの回収液がBALF 乳癌は無痛性、橙皮様皮膚 腫瘤陰影は触知腫瘤よりも小さい、放射状陰影 Brinkman index:本数×年数、600以上で重喫煙者 %RV:残気量の割合 %DLCO:拡散能、COPDでは90%以上 HOT:PaO2が55以下で適応 大葉性肺炎:レジオネラ、肺炎球菌、クレブシエラ gallopリズム:絶対的容量負荷+過度の心房収縮 線毛上皮細胞:呼吸細気管支の太い所に生える 咳反射:迷走が求心、遠心は肋間、横隔、反回 肺の伸展→迷走→吸気を抑制 上皮細胞:Ⅰ型が95%、Ⅱ型5% 杯細胞:粘液分泌細胞、炎症で増加 肺胞は80m2、肺活量3L 左肺400g、右肺500g 壁側胸膜に痛覚あり 横隔膜:発生学的には頚部由来の筋肉 解剖学的死腔:通常の呼吸では140mlで一定、 肺活量大で↑、高齢で↑、仰臥位で↓ 機能的残気量:2~2.5L 肺胞低換気:呼吸運動の低下→A-aDO2は正常範囲 25mmHg以上で肺高血圧 喫煙によって胚細胞は増加、扁平化 肺胞内出血:SLE、Goodpasture症候群 Skoda鼓音帯:胸水のために濁音を呈する所の直上 山羊音も聴取 肺に空洞→肺膿瘍、肺結核 胸腔ドレーン:先端は肺尖部、肋骨上縁から、半臥位 ドレナージ適応:急性縦隔炎、気胸、出血、感染 自発呼吸無い人用:間欠的陽圧呼吸IPPV 持続的陽圧呼吸CPPV:IPPV+呼気終末に陽圧 長期の人工呼吸で気管肉芽腫 術後疼痛による低換気に対してモルヒネ投与 気管支損傷:分岐部から2.5cm以内の断裂が多い Kohn孔:肺胞孔、肺胞中隔に存在 Lambert管:肺胞と終末気管支を交通 杯細胞:細気管支領域まで 間質性肺炎を起こす膠原病:強皮症、SLE、 RA、皮膚筋炎 PaO2:80~100、PaCO2:40±5(加齢でも無変化) 胸膜・間質病変→乾性咳嗽 Hamman徴候:縦隔気腫で心拍に一致する稔髪音 乳糜胸穿刺液にエーテルを加えると透明になる Rivalta反応:滲出液中には蛋白が多いので 酢酸添加により白色の沈殿物が見られる air bronchogram:肺炎の浸潤影、RDS、 肺胞上皮癌、肺胞蛋白症 気管切開:緊急時は輪状甲状靭帯切開 成人:第2、3気管輪 小児:成人よりも下の方で切開 【J 神経】 失外套症候群:外套=大脳皮質+白質の広範な障害 覚醒している、嚥下可能、注視・追視は不可 無動性無言症:網様賦活系の機能が部分的に制止 注視・追視は可能、睡眠のリズム(+) 閉じこめ症候群:脳底動脈閉塞による両側錐体路障害 開閉眼、垂直、輻湊運動にて意思疎通可能 四肢麻痺、下位脳神経の麻痺、感覚系は正常 血管迷走神経性失神:運動時には生じにくい 副交感の刺激で生じる 中枢性顔面神経麻痺ではしわ寄せ可能 海綿静脈洞:動眼~三叉 Tolosa-Hunt症候群、非特異的肉芽腫性病変 舌下神経:舌萎縮、舌偏位 被殻:外側にBroca野、障害で患側への共同偏視 Wallenberg:延髄外側症候群、錐体路は障害されない 椎骨動脈の閉塞によることが多い 一側の顔面温痛覚障害+他側半身温痛覚障害 交感神経下行路の障害でHornerを呈する 小脳失調、ABRは正常、深部感覚も正常 MLF症候群:核間性眼筋麻痺、健眼外側を注視すると 患側の内転障害で複視、輻湊は可能 椎骨脳底動脈虚血:めまい、脳神経症状、構音障害 前脊髄動脈症候群:前に1本後ろに2本 前2/3の閉塞、解離性知覚障害、深部覚は正常 血圧:200以上なら降圧薬投与、 過換気にしてPaCO2下げる→脳血流低下 グリセロール・マンニトール:脳浮腫の予防 視床障害:視床症候群、自発痛、表在知覚障害、 不随意運動(視床手)軽度片麻痺 舞踏病、アテトーゼ様運動 TIA:椎骨動脈系の方が内頚よりも症状が複雑 初発から1か月以内が脳梗塞移行の危険性が高い TIA既往→アスピリン低用量維持 片麻痺:視床・内包 クモ膜下出血→脳血管造影 後大脳動脈から視床への穿通枝 ⇔被殻へは中大脳動脈から 脱水は全ての虚血性脳卒中のリスクファクター 経口避妊薬による脂質代謝異常・高血圧の増悪 脳出血の手術適応:被殼・皮質下・小脳出血 クモ膜下出血:24時間以内の再出血が最多 Cushing現象:血圧↑、徐脈、緩徐深呼吸 頭蓋内圧亢進による脳の乏血に対する代償反応 骨髄穿刺禁忌:うっ血乳頭、穿刺部に感染巣 α昏睡:急性橋出血の初期、昏睡状態にもかかわらず 周囲の影響を受けないα波が出現→徐々に徐波化 小脳出血→健側への共同偏視 脳梗塞:被殻40%、視床30% 脳梗塞3時間を越えたら抗血小板薬 糖尿病で急性の動眼神経麻痺 多発脳梗塞でせん妄:低O2、低血圧、低Na、高Ca もやもや:通常は両側性、数%に家族内発症、日本人 過呼吸からの全般性連続性徐波 持続する高血圧で穿通枝が血管壊死をおこして動脈瘤 内頸動脈‐海綿静脈洞瘻CCF:外傷の既往 眼球の拍動性突出 手掌・口症候群:視床外側の障害で、手掌・口角に 限局したしびれ感、異常感覚 軽度認知症:時間の見当識障害 Alzheimer:進行性全般認知症、脳溝・脳室開大、 側頭葉海馬・頭頂葉から血流低下 コリンエステラーゼ阻害薬(塩酸ドネぺジル) MS:急性増悪の治療にステロイドパルス、 再発防止にIFN、グロブリン大量 急性散在性脳脊髄炎ADEM:炎症性脱髄疾患 ワクチン接種後(狂犬病、日本脳炎、種痘など) ウイルス感染後の遅発性アレルギー 白質にT2高信号な散在性病変、ステロイドで治療 アマンタジン:神経終末からドパミン放出促進 Parkinson:ドパミン増かAchニューロン抑制で治療 L-dopa、ブロモクリプチン、抗コリン 副作用:幻覚、舞踏様運動、口唇ジスキネジー 二次性Parkinsonism:抗精神病薬、抗潰瘍、 制吐、降圧薬の使用、脳虚血、CO中毒 抗潰瘍薬=ドパミンD2受容体拮抗薬、スルピリド L-dopaの急な投与中止で悪性症候群 進行性核上性麻痺PSP:基底核・脳幹の強い委縮 項部ジストニー、筋強剛、認知症が主症状 ミッキーマウスサイン:Huntington舞踏病で 尾状核委縮により側脳室と前角が拡大 不随意運動に対してハロペリドール L-dopaで症状は増悪 本態性振戦:半数が常優、家族性手・頭・声帯 アルコールで軽快、B blocker、筋弛緩、抗不安 動作時、姿勢保持時の振戦 多系統萎縮症MSA:オリゴデンドロサイト内に グリア細胞内封入体が含まれている OPCA(小脳失調)、線条黒質変性症(錐体外路症状) Shy-drager症候群(自律神経症状)、 オリーブ橋小脳萎縮症OPCA:中年以上、緩徐 小脳症状+Parkinson症状(安静時振戦無し) 脊髄小脳変性で最多、小脳が主症状、遺伝性(-) 線条黒質変性症:Parkinsonより経過が早い Shy-drager症候群:中枢から末梢の自律神経が変性 Machado-Joseph病:遺伝性脊髄小脳変性症で最多 小脳、脳幹が著明に委縮、認知症(-) 歯状核赤核淡蒼球ルイ体委縮症DRPLA: 小脳失調、性格変化、てんかん、舞踏運動など Friedreich型運動失調:脊髄小脳変性のひとつ 脊髄後索・錐体路・末梢感覚神経が障害 亜急性連合性脊髄変性症SCDC:VitB12欠乏による 後索・側索の障害→四肢末梢神経障害、深部反射↑ 病態はFriedreich型運動失調に近い、認知症を合併 脊髄空洞症:中心管の背側の空洞と、その周囲の グリオーシス、宙づり型感覚障害+下肢錐体路障害 脊髄損傷後:排尿筋の麻痺による尿閉、 麻痺域関節の異所性骨化 ALS:上位・下位運動ニューロン障害、 球麻痺症状(嚥下障害、舌萎縮)、呼吸障害 前角委縮による脊髄扁平化、EMGでgiant spike、 知覚・眼球運動・膀胱直腸・褥瘡は陰性 細菌性髄膜炎 4カ月未満:B連 > 大腸菌 > フル菌、 アンピシリン+3世代セフェム 4ヶ月~6歳:フル菌 > 肺炎球菌 カルバペネム+3世代セフェム 6~50歳:肺炎球菌 > フル菌 > 髄膜炎菌 亜急性(2週以上)・慢性髄膜炎:結核性か真菌性 結核性:単核球優位、糖↓、トリプトファン反応(+) ADA高値、1~6歳に好発、2次感染 真菌性:リンパ↑、糖↓、蛋白↑、 クリプトが最多 アムホテリシンBとアンコチルの併用 ヘルペス脳炎:周期性同期生高振幅徐波PSD PSDはSSPE・ヤコブでも見られる 2,3Hz 一週以内の経過で髄膜刺激+脳炎症状 ヘルペス1型、側頭葉に病変、アシクロ+Ara-A Kluver-Bucy症候群:側頭葉内側障害による 人格変化、行動変化、口唇傾向、性欲亢進、多食 HAM:ヒトTリンパ球好性ウイルス脊髄症 胸髄、側索の変性が顕著、筋萎縮(-) 亜急性硬化性全脳炎SSPE:麻疹感染・ワクチン後 ウイルスの脳細胞への潜伏持続感染、12歳以下 性格変化、知能変化で発症、5~8秒置きのPSD 髄液中IgG↑、麻疹抗体価↑、予後不良 う歯→上顎洞炎→脳膿瘍、被膜形成を確認後に全摘 髄液移行の良いセフェム・ペニシリンを併用 脊髄癆:梅毒後、下肢電撃痛、膝蓋反射(-)、Argyll 後索の障害、歩行時のふらつき ヤコブ:拡散強調で大脳皮質と基底核に高信号 認知症で発症、1回/秒のPSD⇔SSPEとの違い Duchenne:遠位筋は保たれて下腿筋の仮性肥大 3~5歳で発症、アヒル歩行、心筋障害 Becker:良性型、伴・劣、ジストロフィン遺伝子 福山型:先天型、高度の知能障害、10歳で死亡 生後半年以内に発症、全身の筋萎縮・間接拘縮 肢帯型:体幹近位部の筋の障害 筋強直性:ミオトニア、筋原性だけど遠位筋萎縮 常優、性腺低下、白内障、心伝導系異常 針筋電図:筋原性か神経原性か 重症筋無力:誘発筋電位で振幅漸減waning 女性の20~40代、男性の50歳代以上、下肢 眼症状が初発、10%に胸腺腫、65%に胸腺過形成 軽症例以外では胸腺腫の有無にかかわらず胸腺摘出 Lambert~:腸腰筋、大腿筋、四肢筋優位の脱力 Caチャネルに対する自己抗体、塩酸グアニジン 家族性アミロイドポリニューロパチー: 肝で異常トランスサイレチンを産生、生体肝移植 下痢と便秘を繰り返す、筋電図と神経生検 ギランバレー:細胞数正常・蛋白↑、糖正常 先行感染、下肢から上行する脱力 血漿交換、免疫グロブリン点滴 Charcot~:小児期~思春期に発症、末梢神経節性脱髄 下肢末梢優位、伝導速度↓、 続発性三叉神経痛:ヘルペス、髄膜腫、蛇行動脈 上顎V2 > 下顎V3 > 眼V1で好発 カルバマゼピン、神経血管減圧術 角膜反射:求心はⅤ、遠心はⅦ 後索:振動覚、位置覚、 閉眼でふらつくのは後索の障害 脊髄癆、亜急性脊髄連合変性症で障害 外側脊髄視床路:温痛覚、脊髄入ってすぐ交叉 脊髄前方が触覚 Brown-Sequard症候群:脊髄片側の障害、 →一側の運動・深部感覚障害+対側の温痛覚 身体失認:頭頂葉→構成失行、計算失行、失読失書 着衣失行:劣位半球頭頂葉 錐体路症状に対して抗痙縮薬 大発作:痙攣が主徴⇔小発作は短時間の意識消失のみ 全般発作→バルプロ酸 部分発作→カルバマゼピン ミオクロニー発作:光刺激で誘発 複雑発作:睡眠で誘発 欠伸発作:過呼吸で誘発 West:半数がLennox・大発作へ移行 乳幼児期に精神遅延+痙攣発作: フェニルケトン、糖原病、結節性硬化症、 Sturge-Weber症候群、Lennox、West てんかん重積発作:30分以上持続or1日に3回 片頭痛→セロトニン受容体刺激薬 三叉神経痛:2・3枝に多い、 脳腫瘍の初発は痙攣が多い、大脳半球腫瘍 CT造影効果:転移性、神経膠腫、膠芽腫 髄膜腫、神経鞘腫 小児小脳半球:星細胞腫⇔小脳虫部:髄芽腫 大人小脳半球:血管芽腫 小児脳腫瘍:頭上の星をずっと見て生きる 頭蓋咽頭、上衣、星細胞、髄芽、視神経膠、生殖 放射線有効:胚細胞、髄芽、膠芽、悪性星状、上衣 石灰化:頭蓋咽頭、稀突起、髄膜腫、上衣 良性で慢性のものに多い 下垂体茎・視床下部の圧迫により プロラクチン分泌抑制因子(PIF)分泌抑制 頭蓋咽頭腫:鞍上部~内部、圧迫症状、嚢胞 下垂体前葉機能低下 Parinaud sign:上方注視が障害 ←中脳上丘、松果体部の障害 神経膠腫:脳実質中を浸潤性に増殖 星細胞腫、膠芽腫、髄芽腫、稀突起膠腫、上衣腫 星細胞腫:大人は大脳、小児は小脳、橋に好発 膠芽腫:青壮年期の男性に多い、前頭葉・側頭葉 頭蓋内圧亢進症状が急速に進行 髄芽腫:小児に多い、小脳虫部、髄液を介して播種、 髄液通過障害による頭蓋内圧亢進、体幹運動失調 稀突起膠腫:地図状低吸収の中に塊状の石灰化 上衣腫:第4脳室、側脳室、第3脳室に多い、 緩徐に小脳症状を呈する、時々石灰化 胚細胞腫:松果体・鞍上部に好発、放射線が有効 ⇔奇形腫には効かん 松果体奇形腫:hcGにより早熟 鞍上部腫瘍:ほとんど胚腫、尿崩症をきたす 神経鞘腫:前庭神経のSchwann細胞由来の良性腫瘍 Rinne試験:伝音性難聴なら陰性 髄膜腫:中年女性、傍矢状洞部、大脳鎌に好発、 クモ膜顆粒が多い所にできる、外頚動脈系が支配 GH分泌:好酸性腺腫、糖尿病を合併 PRL分泌:嫌色素性腺腫、最多、 ACTH分泌:好塩基性腺腫 非分泌性は30~40%、GH→ゴナドの順に分泌障害 頭蓋咽頭腫:下垂体茎より発生→視交叉圧迫 嚢胞形成:脳は頭に血が欲しい 頭蓋咽頭腫、血管芽腫、星細胞腫 転移性脳腫瘍:肺・乳・消化器より転移 短期間に激烈な頭痛 脊髄腫瘍:神経膠腫、良性が多い、40~60代 硬膜外腫瘍:転移性 神経線維腫症:聴神経腫瘍 結節性硬化症Bourneville-Pringle病: 対称性の顔面の脂腺腫、脳室壁の石灰化 てんかん、発達遅延、木の葉様白斑、 血管線維腫、血管筋脂肪腫、心臓横紋筋腫 von-Hippel-Lindau病:常優、網膜血管腫症 +小脳の血管芽腫(小脳失調) 肝・膵・腎にも血管芽腫、嚢腫を形成 腫瘍からのエリスロ産生により多血症 全摘+放射線照射 Sturge-Weber症候群:三叉1,2枝領域の顔面血管腫 血管腫と同側の脳委縮・線状石灰化(railroad track) →反対側の痙攣発作、片麻痺、精神遅滞、緑内障 髄液鼻漏:保存的に治療、タンポンは禁忌 外傷性気脳症→髄腋漏、髄膜炎 片頭痛:三叉神経血管説、約半数に家族歴 発作時にはセロトニン受容体作動薬(トリプタン) 非発作時はβ-blocker かき氷の頭痛も寒冷刺激による反応性の頭部血管拡張 緊張型:両側性で後頭部の圧迫性頭痛、ストレス 頭頸部の持続的筋収縮による発痛物質放出 夕方に強い ⇔ 脳腫瘍の頭痛は朝に強い 群発:数日~数週間持続、1回の頭痛は数十分、同側 中年男性、アルコールで誘発、眼窩周囲拍動性激痛 同側のHorner、自律神経症状 O2吸入やトリプタン系で血管収縮させて治療 正常圧水頭症:吸収障害、SAH後に多い 脳室‐腹腔シャントで治療 致命的脳ヘルニア:テント切痕・大孔 Wernicke脳症:VitB1を含まない輸液で生じる 脳幹の障害 ChiariⅠ型:小脳扁桃のみ脊柱管内へ下降 Ⅱ型:延髄、第4脳室、小脳虫部、水頭症強い 水頭症・脊椎破裂・頭蓋底陥入症が三大合併症 解離性感覚障害:表在覚のみ低下→脊髄空洞症、 Wallenberg、アミロイドーシス、前脊髄動脈閉塞 深部覚のみ低下:Friedreich失調症、脊髄癆 内・外頸動脈の分岐は第4頸椎 椎骨動脈は鎖骨下から分岐 喘息患者にMRI造影剤使用は禁忌 白質障害=脱髄性、MS、急性散在性脳脊髄炎 視索:視交叉から外側膝状体まで 脳血流量:750ml/分、心拍出量の15% 内頚動脈瘤によって動眼神経圧迫 カーテン徴候:舌咽と迷走の障害、口蓋帆挙筋 錐体路障害:筋萎縮⇔外路:筋強剛 Romberg徴候:位置覚・深部知覚が障害 後索or末梢神経の障害 前頭葉連合野→発動性低下、感情鈍麻 前頭葉底面→脱抑制症状 Bell麻痺:特発性末梢性顔面麻痺、一側性 Meige症候群:眼瞼痙縮、口・下顎のジストニー 脳動脈瘤:内頚、後交通分岐部、前交通、 中大脳に好発 甲状腺中毒性周期性四肢麻痺:思春期の男、 近位筋が主、低K、甲状亢進のものは東洋人に多い サルコイドーシス:肉芽腫の圧迫による両側性顔面 視神経、舌咽、迷走障害 エルゴタミン:血管収縮作用 →血管性頭痛(片・群発)に有効 Fabry病:糖脂質が体内に蓄積→無汗症、反復性下痢 Gerstmann症候群:角回の病巣、手指・左右失認、 失算、失書 Adie症候群:一側対光反射・深部腱反射消失、散瞳 Argyll-Robertson瞳孔:中脳背側の障害、 対光反射(-)、輻湊は正常 Foster kennedy症候群:腫瘍が視神経を圧迫 同側視神経萎縮、嗅核脱失、対側のうっ血乳頭 Kennedy-Alter-Sung症候群:トリプレットリピート 成人男性、慢性進行性の筋萎縮症、ALSと鑑別 下位運動ニューロンの障害、性ホルモン異常 Crouzon病:冠状・人字縫合早期縫合 +顔面骨発育不良、塔状頭蓋、指圧痕、カエル 三叉神経:顔面感覚・咀嚼筋力 顔面神経:表情筋、眼輪筋、角膜、聴覚、涙、唾液 措置入院:自傷他害の恐れのとき 物盗られ妄想は思考障害 疎通性障害:統合失調症で見られる 頚静脈孔:舌咽、迷走、副(胸鎖乳突筋を支配) 総頸動脈の分岐:第6頸椎=甲状軟骨上縁の位置 プルキンエ細胞:小脳皮質中層、大脳は6層ある 球麻痺:下位障害、舌萎縮、下顎・咽頭反射↓、 ALS、MG、ポリオ、Wallenbergで出現 偽性:上位障害、反射は亢進、核上性、血管病変 ミオクローヌス:ヤコブ、SSPE、ミトコン脳筋症 坐骨神経:L4~S3、アキレス反射、Lasegue徴候 バリスム:視床下核(Luys体)の障害による 開眼:1~4、言語1~5、運動1~6 JCSでは意識内容の変化・変容に適応できない
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ソウルリーバー2 (Soul Reaver 2) 抄訳 モビウス、ケインとの会話が中心になります。一つ一つの会話が長いです。 項目 30 BC モビウス(1)/リーバーの集合/モビウス(2)/ケイン(1)/柱の地下/エルダーゴッド(1)/ヴォラドール/エルダーゴッド(2)/ケイン(2)/モビウス(3) 100 AC モビウスの幻影/アリエル/エルダーゴッド(3)/ケイン(3) 500 BC ヤーノス/エルダーゴッド(4)/モビウス(4)/復讐/ケイン(4) 30 BC モビウス(1) (タイムトラベル後) モビウス 「ラジエル・・・救い主にして破壊者・・・ポーンにして救世主。よく来た、時をかける魂よ・・・。よく来た・・・お前の運命に・・・」 「『ここはどこか?』というのが普通の問いだが、お前の場合、『いつか?』と尋ねるのが適切だろうな」 (モビウスの杖が輝き、ラジエルの霊体ソウルリーバーが消滅) ラジエル 「上等だ、老いぼれの蛇め。お望みとあらば素手で・・・」 モビウス 「こんなことは全く予想していなかった! この宝玉は、我らの敵ヴァンパイア共を無力化するためのものなのだ。体の自由と能力を奪うことでな。 それと同じ影響がお前の特別な武器にも作用するとは不思議だ。 しかし、どうか私を信じてくれ。お前に危害を加えるつもりはない」 ラジエル 「慈悲の仮面なら外しても構わんぞ、モビウス。 俺はお前が誰で、どういう奴かということも知っている。 お前が生きているなら、ここで殺しておくべきだな・・・」 モビウス 「そうすべきかもしれんな、友よ。しかしお前はそうしない」 ラジエル 「それは確かか?モビウス」 モビウス 「時の守護者という役目により、私はある程度の全知を許されているのだ、ラジエル。 いいやお前は私を殺さんよ。その栄誉は、今からおよそ30年後、お前の主ケインに与えられるものだ」 ラジエル 「ふん。お前たちは同類だな。お前も奴と同じ運命論者か」 モビウス 「死は我々に等しく訪れるのだ、ラジエル。 それは時間の問題に過ぎない」 ラジエル 「お前はどうやって俺の名前を知った?これまで会ったことはないぞ」 モビウス 「それどころか、ラジエル、私はお前のことをよく知っている・・・。 ケインがお前にした残酷な仕打ちを見て、私は悲しんだものだ。 お前がサラファン教団の一員だった時、私はお前のことを知っていたぞ、ラジエル。 我々はごく親しかった」 ラジエル 「おい、勘弁してくれ」 モビウス 「安心するがいい、もうお前は私と同盟を結ぶために、私を敬愛する必要はない・・・」 ラジエル 「ここはサラファンの聖職者たちの砦なのか?」 モビウス 「そうだ。しかし、あいにく、サラファンの栄光の日々は遙か昔に過ぎ去ってしまった。 ここはずっと・・・冷笑的で不作法な時代だ。 今この砦には私の傭兵部隊が駐在している。我々はつつましい聖戦を通して、サラファンの記憶に敬意を表しようともがいているのだ」 ラジエル 「これはヴァンパイア・ヴォラドールか?」 モビウス 「ああ、輪の災厄。奴の堕落した種族の中でも、最も邪悪で退廃的な実例だ。 奴は、この部屋で、我が同胞である守護者の内6人を虐殺した。震え上がり、無防備な彼らをな」 ラジエル 「そしてお前はどういうわけかその殺戮を生き延びたと?」 モビウス 「私の他にも2人いる。輪は破壊され、我々3人だけが助かったのだ」 ラジエル 「都合のいい話だな。 お前がよこした情報の断片を、全部はいそうですかと受け入れられるわけがなかろう。 お前は詐欺師だと評判だ」 モビウス 「誰が私をそのように中傷したのだ? お前に害をなしたケインか?お前を裏切り、破壊した者か?我ら共通の敵か? 軽率に判断する前に、情報源について考えてみるがいい。 まあよい、かつての友情を取り戻すことは諦めよう。その代わり、共通の立場に基づく同盟を考慮してみよ。 我らは共にケインの死を望んでいる。 私はその手助けができるぞ」 ラジエル 「余計なお世話だ、老いぼれめ。 お前の下劣で卑しい企みの数々はよく知っている。しかし、この件はお前が手出しできることではない」 モビウス 「私を見くびるでないぞ、ラジエル。 見せてやろう・・・」 (水盤の前で) モビウス 「今もケインはお前を待ち続けている。私がお前を時の流れからさらい、ここへ、私の元へ連れてきたことも知らずにな」 (ケインがノスゴスの柱の地で待っている場面が映し出される) モビウス 「自分で破壊する運命にある柱の前で、奴がぐずぐずしている様を見るがいい。愚かにも奴はお前の手から逃れたと信じている」 ラジエル 「この時代、柱はまだ元の姿を保っているのか?」 モビウス 「そうだ、ラジエル。柱は、この世界の生命を維持している神聖な力の化身だ。我々は柱に仕え、その繊細な調和を保っている。そしてケインは、その調和を支える要となる運命にある。 お前は、奴の忌むべき利己的な決定によってもたらされた荒廃の時代に耐えてきたのだろう。 ケインの存在自体が、この世界における癌なのだ。奴が生きている限り、全ノスゴスは危機に瀕している」 モビウス 「お前は決して再び人間になることはできないだろう、ラジエル・・・。しかし、人間性の本質と、かつてサラファンだった気高さを再び取り戻すことはできる。奴の元へ行け、ラジエル。そして終わらせるのだ。(後略)」 (モビウスと別れ、霊体ソウルリーバーに力が戻って) ラジエル(独白) 「モビウスの忌々しい杖の影響下から離れると、ソウルリーバーの力が徐々に戻るのを感じた。 もしあの宝玉がこの剣に対してと同様にヴァンパイアを弱体化させるとすれば、モビウスは敵に対して強く有利な立場にあったことになる。 ようやく俺は、どうしてモビウスの聖戦が非常に手際よくヴァンパイアを駆逐することができたのか理解した。奴が敵を動けないようにすることができるなら、彼らは奴のなすがままだ。 しかし、なぜその杖がこのリーバーにも影響を及ぼすのだろうか?」 リーバーの集合 (The Reaver Convergence) (砦の聖所にて) ラジエル(独白) 「砦内部の聖所へ近付くと、俺は奇妙な感覚に襲われた。それは、名状しがたい変位の感覚であり、俺の周囲で現実が歪み、ねじ曲がったかのような目眩の感覚だった。その妨害は、聖域のさらに奥にある礼拝堂から発されているようだった。俺が注意深く近付くにつれ、一歩ごとにその転位の感覚は強まっていった」 (ウィリアムの礼拝堂にて) ラジエル 「これは敬愛されし義人ウィリアム王の墓だった。モビウスの聖戦の殉教者にして支援者として、ここに列福されていた。 俺は、まだ駆け出しのヴァンパイアだったケインの旅を思い出した。いかにしてモビウスが奴を追い詰め、歴史を遡行させ、ウィリアムを暗殺させたか。その結果、ノスゴスの国民は、ヴァンパイアを虐殺せんとするほどの憎悪をかき立てられたのだ」 「俺はここで変位の源泉を発見した。ソウルリーバーだ。まるで聖遺物であるかのように安置されていた・・・。 そして剣は折れていた。明らかにウィリアムとケインの戦いによるものだ。 かつて俺は、そんなことが起こりうるとは考えたこともなかった・・・。 (しかし)無論その後、ケインが俺を打ち倒そうとした時、剣は俺に触れて粉々になったわけだが」 「そしてリーバーに棲まう囚われの霊魂は解放された。それは俺と結び付き、共生関係にある武器となったのだ」 「つまり(今)、リーバーは前世の自分と出会ったわけだ。まだこの物体の殻に囚われている自分と・・・。 俺は魅了されながら見た。霊体の剣が自らを解き、物体の剣に沿って蛇行していく様を・・・」 「自らの双子を、鏡像の自分を包み込んだことで、久しく眠っていた(霊体の)リーバーの霊魂は、今や完全に目を覚ましていた。 そして俺は初めて、この他なる実体の真の存在感を感じた。それは、数千年に渡る幽閉により、強情で、貪欲で、狂乱していた・・・。 今や指揮を執っているのは(霊体の)リーバーの方だった。そして俺は無力な宿主に過ぎず、(物体の)剣を修復するために自分の魂が吸われるのを感じた」 「しかし、(霊体の)リーバーは自分の宿主を破壊するほど愚かではなかった。俺が忘却の淵に近付くや、剣は俺を解放した。 俺は立ち直り、我々が危うい同盟関係で結ばれていることを認識した。(霊体の)リーバーはもはや俺と共生関係にあるただの武器ではなく、感覚を持ち、支配権を要求する寄生体だった」 モビウス(2) (近くで様子を見ていたモビウスに気付いて) ラジエル 「俺に何をした、モビウス? これは貴様の罠か?!」 モビウス 「どうして私が?! 忘れるな、お前をここに連れてきたのはケインであって、私ではない! 私はノスゴスでただ一人、進んでお前を導き、助けようとしている者だぞ。そんな私を罵っている間にも、ケインは我々の愚かさを嘲笑い、お前の狼狽に満足していることだろう」 ※「ここに (here)」が「この時代に」を意味しているならその通りだが、「この場所に」だとすると大嘘である。時間転移中にわざわざラジエルをかっさらい、サラファン砦に連れてきたのは他ならぬモビウスだからだ。 ラジエル 「今や不吉な抱擁で絡み合っているこの(2本の)剣は、これまで貴様などより遙かに強靱な化け物共を震え上がらせてきたんだぞ、老いぼれめ。 それが一つになったわけだが、この剣は貴様の魂の脆い殻に対して何ができるのだろうな。 俺はそれを想像することしかできない」 モビウス 「ラジエル、どうか剣を収めてくれ。 これは私がしたことではない。私はただお前の高潔な旅を助けようとしてきただけだ」 ラジエル 「なぜ震えているんだ、モビウス。貴様の自信はどこへ行った? 致命的なミスを犯したようだな。大切な杖を置いてくるとは。 あれがお前の勇敢さの源だというわけか?」 ※実際にはミスではない。モビウスが杖を持ってくるとラジエルの霊体ソウルリーバーは力を失うため、折れた物体ソウルリーバーを修復することができなくなる。そうなれば、ソウルリーバーが若きケインの手に渡ることも無くなり、モビウスの計画は破綻する。それ以前に、既存の歴史が滅茶苦茶になってしまう。 それではなぜモビウスは、危険を冒してまでラジエルの様子を見に来たのか。未来を見通せるモビウスでも、自由意志を持つラジエルの行動は完全に把握できない。それゆえ、歴史通りに剣を修復しているか確認しに来た、というのが一つの解釈だろうか。 モビウス 「話を聞いてくれ、ラジエル。お前は自分が何をしようとしているのか分かっておらん。 私は途方もない危険を冒してでも、無防備なままお前の前に現れたのだ。私の善意を証明しようと願ってな。 お前の中にサラファンの心がわずかでも残っているなら、こんなことをしようとはせんはずだ。 私を脅している間に、お前は真の敵を逃してしまうぞ!」 ラジエル 「ケインのことは心配するな、老いぼれ。奴もすぐに地獄でお前と会うことになる。 お前が言った通り、死は我々に等しく訪れるのだからな・・・」 モビウス 「そうだ・・・運命の車輪がそれを命ずる」 ラジエル 「何だと?」 モビウス 「運命の車輪だ。全ての者が従わねばならぬ、死と再生の不変のサイクルだ。 我々は同じ神に仕えているのだ、ラジエル。 私を殺すということは、神の従者を殺すということ。お前もそのような危険を冒すことはできまい」 ※「同じ神」とはもちろんエルダーゴッドのこと。 ラジエル 「お前とのゲームにはうんざりだ、モビウス。お前が俺を恐れていると分かった以上、お前にかかずらう必要はない。 ケインが俺を待っている」 モビウス 「行くのだ、ラジエル。ケインを探し出し、破壊しろ。我らが共に仕える神の名の下に。 お前はかつてサラファンの聖職者であった。そして殺され、汚され、破壊されたが、神の慈悲によって再び甦ったのだ。 今のお前には、神の代理人――復興と懲罰の道具――たる資格が十二分にある」 ラジエル 「動機なら俺自身の復讐で間に合っている」 (別れた後) モビウス 「本当に危ないところだったぞ、我が小さく青き暗殺者よ。 しかし、請け合ってやってもいい。あれがお前に与えられた唯一の機会だったのだ」 ※2つのソウルリーバー(ラジエルに取り憑いている霊体と物体に囚われている霊体)が集合しており、かつラジエルは自由意志を持っているので、ラジエルの意志次第で歴史をねじ曲げ、モビウスを殺すことは可能だった。 ケイン(1)-柱の腐敗 ラジエル(独白) 「ノスゴスの柱・・・本来の、完全な、腐敗無き姿。 俺はその時まで、このように純粋な状態にある柱を見たことはなかった。しかしその光景は、俺の内に何か深遠で拭い去りがたいものを思い出させた。 そしてその柱の中央で奴は待っていた。奴こそ柱を破壊するべく運命付けられた病根なのだ」 ケイン 「そこにいるのは分かっているぞ、ラジエル」 ラジエル 「モビウスが貴様の居場所を教えてくれた、ケイン。もっとも(そうでなくとも)貴様とはここで会えると見当をつけていたかもしれないがな」 ケイン 「もしモビウスが私は地獄の底に隠れていると告げていたら、お前は私を追って忘却へと身を投じたか? モビウスは無知で軽率な者たちに網をかけ、つかんだ獲物を彼らの運命の流れから手繰り寄せる。 奴の網に近寄らぬことだ、ラジエル」 ラジエル 「手の込んだ隠喩は無用だ、ケイン。 俺が貴様を追ってきた目的はただ一つ。裏切りの代償を払うがいい。そうすればノスゴスに調和が戻る」 ケイン 「それで誰の意志が果たされたことになる?ラジエルお前の意志か、それともモビウスの?」 ラジエル 「お前に操られた方がましだとでも言うのか?ケイン。 さあこっちを向いて俺を見ろ。追跡劇は終わりだ」 ケイン 「これは追跡劇などではないぞ、ラジエル。我々は運命の車輪 (the wheel of destiny) に運ばれているに過ぎん。運命の車輪はこの時点まで完全な円を描いている。我々はある理由があってここに連れてこられたのだ。しかし私は、我らの物語の始まりと終わりを見た。その物語ときたら粗雑で稚拙なものだ。我々はその終わりを書き換えねばならん。お前と私でな」 ※物語の終わりとはもちろん二人の破滅。現状の年表(2)では、この後、ケインはラジエルに殺され、ラジエルは生前の自分を殺した直後、リーバーに吸収されてその虜囚となる。 ラジエル 「俺と向き合え、ケイン。貴様とて臆病者として死ぬべきではない」 ケイン 「死刑囚には最後の望みを叶えてやるものではないか?」 ラジエル 「俺は貴様からそんな便宜をはかられた覚えなどない」 ケイン 「わがままを言わせてくれ、ラジエル。 私の望みは、お前に話を聞いてもらうことだけだ」 「今この時こそ、我々の破滅の元となる崇高な瞬間なのだ、ラジエル。我々の歴史全体は、この畏れ多い支点を中心として回転している。 (つまり)ここで全ノスゴスは裏切られることになる。 この瞬間、調和の守護者アリエルは、柱を破壊せんとする闇の勢力によって殺害される。 今頃、彼女の霊魂は遊離して駆け回り、天空をさまよい、ここに至る道を見つけようとしている。 お前は既に、どのようにして彼女が柱に出没するようになるか知っているな」 ※「崇高な (sublime)」「畏れ多い (ineffable)」というのはケインお得意の皮肉だろう。 ラジエル 「貴様が死を拒んだせいでここに縛り付けられていた。貴様こそ、この大地が病んだ元凶だ。お前が生きている限り、ノスゴスは永遠の腐敗を強いられる」 ケイン 「静かにしろ、ラジエル。これを見ろ」 「アリエルが死んだ時、私は生まれようとしていた。調和の守護者としての立場を引き継ぐために。 それが私の運命だ」 (柱が腐敗する) ラジエル 「・・・なんてことだ・・・」 ケイン 「私が産声を上げる時、アリエルの恋人、守護者ナプラプターが彼女の死体を発見する。 悲嘆に暮れ、背信の疑念に悩み、ナプラプターは狂気に陥る。その狂気は、彼と共生関係で結ばれた守護者全員を覆い、汚染していく。 私も含めてな。 アリエル暗殺の余波は巧みに計算されていたのだ・・・。 輪全体が狂気に陥り、私は誕生すると共に汚され、運命が用意していた役割を果たせなくなった」 ラジエル 「ならば、貴様が輪の残りに見せたのと同じ慈悲を、今俺が見せてやろうか? 貴様は柱を回復させるために、楽しげに彼らを殺していった。しかし最後の犠牲に至るや、その手は尻込みした。 貴様が特別扱いされる理由がどこにある、ケイン?。貴様は生き残った最後の一人だというだけだ。 貴様が勇気を欠いたためになしえなかったことを、俺が代わりにやってやるだけだ。それのどこが悪い?」 ケイン 「道徳家じみた装いは捨てようではないか。我々は共に知っている。この追跡にはいかなる利他精神も存在しない。 お前は向こう見ずな憤りによってここに来た。俺が期待したのはその憤りなのだ」 「恥じることはないぞ、ラジエル。復讐は立派な動機だ。少なくともそれは正直なものだからな。 私を憎め。ただし正直にな」 「これより30年後、私はジレンマに直面する。それを表と裏のあるコインにたとえよう。 もしコインが表を向けば、私は自らを犠牲にして柱を回復させる。 しかし、(その時)私はノスゴスで生き残った最後のヴァンパイアであり、私が犠牲になれば、我らの種族は絶滅することになる。モビウスがそう仕組んだのだ。 もしコインが裏を向けば、私は犠牲を拒み、柱を永遠の崩壊へと運命付ける。 どちらにしても、ゲームは不正に操作されている」 ラジエル 「ならば俺たちは、柱が重要であり回復されねばならない、という見解で一致しているのか?」 ケイン 「そうだ、ラジエル。だからこそ我々は一周してこの場所にやって来たのだ」 ラジエル 「ならば結局、貴様は俺に賛成だということか。このステールメイトを終わらせるために、貴様は死なねばならん。新たな守護者が生まれてこれるようにな」 ※腐敗した守護者が全員死ねば、彼らと柱の結びつきは消え、柱は腐敗から免れる。そして柱は新たに生まれた汚れなき守護者と結びつく。この後半の説明は、ここでラジエルの口を通して初めて明示的に語られた。 ケイン 「柱は彼ら(人間)のものではない、ラジエル・・・。 ・・・我々のものだ」 ラジエル 「どこまでも傲慢な奴だな、ケイン」 ケイン 「第三の選択肢がある。それは、お前がまさにここに存在しているということに隠された、途方もない秘密だ。しかしその秘密は、お前が自分自身で見つけなければならない。 自分の運命を暴くのだ、ラジエル。全てはお前のために用意されている」 ラジエル 「自分で言ったはずだぞ、ケイン。貴様のコインには表と裏しかないと」 ケイン 「その通りだ。しかし想像してみるがいい。幾度もコインを投げ続けていれば・・・ ・・・いつの日か、コインが縁で立つやもしれぬ」 (ケインが消え去った後) ラジエル(独白) 「いかなる衝動が俺に剣を収めさせたのか分からなかった。なぜ俺はみすみすケインを逃してしまったのか。あれほど長い間追跡していたというのに。 奴を信頼する理由など何もなかった。かつて奴はあれほど俺を軽んじたのだ。 しかしそれでも俺は奴の言葉に興味を引かれた。 俺はかつて軽率にも奴のポーンを演ずるために残酷に利用された。しかし、もしこの世界が本当に暴かれるべき秘密を隠しているなら、それを明るみに出そうと決意した」 柱の地下/エルダーゴッド(1) (絵の描かれた巨大な扉を発見して) ラジエル(独白) 「その様子から見て、この扉は何世紀にも渡り封印されていた。 俺は、自分がここに立っていることがただの偶然ではないと気付き始めた。そこには、青い肌と(三つに)裂けた手を備えた、翼ある者の肖像が描かれていた。それは俺自身とよく似ていた。・・・そしてこの独特な鍵だ」 (ソウルリーバーで鍵を開けて) ラジエル(独白) 「俺は厳粛な感覚と不安を覚えつつ、その古代の扉を開放し、敷居をまたいだ」 (古代人の壁画を見て) ラジエル(独白) 「部屋に入ると、俺はそこが何百年も、おそらく何千年も封印されていたのだと感じた。そしてこの部屋が作られたのは、明らかに柱が建てられた時だった。また、この場所が人間の手で作られたということはありえず、おそらく人間の目に触れたことさえなかったのだと知った。 周囲の壁画は翼の種族を描いていた。彼らは俺と酷似した特徴を備えていたが、彼らのは美しく、俺のは醜くかった・・・また彼らのは天使のようであり、俺のは悪魔のようだった・・・。 俺はこれらの絵を解読しようとした・・・ ・・・大戦争だ。しかし、彼らの交戦相手(※)は、俺がかつて見たことのある何者にも似ていなかった・・・ ・・・柱はこの翼の種族によって建てられた。そして彼らはその敵を打ち負かした・・・ ・・・また翼ある者たちだ。彼らは苦痛にもだえていた。明らかに、俺が最近まで耐え忍んでいたのと同じ血の渇きに苦しめられていた・・・ そしてこの部屋の至る所に、リーバーの絵が描かれていた。 これこそケインが俺に発見するよう促したものだったのだろうか? 俺は考えあぐねていた・・・」 ※翼の種族の敵は、ヒルデン種族である。 エルダーゴッド 「まやかしだ、ラジエル・・・」 「騙されるな」 ※古代人の壁画のことを言っているが、もちろんまやかしなどではない。 ラジエル 「ああ、俺の古い『恩人』か・・・。 もうあんたとは会わずに済むと思っていたんだがな。あんたが沈黙を保っているのは清々しかったぞ。 あんたがここにいるのは、何か都合よくも口に出来ない理由があってのことなんだろうな?」 エルダーゴッド 「無礼な口をきくな、ラジエル。 私は永遠に存在している。ここであろうとどこであろうと、今であろうといつであろうとな。 私は回転する車輪の動かざる中心、世界の運命のハブ(中心)なのだ」 ラジエル 「しかし、俺に信用させるほど全能でもないようだな。 あんたの俺に対する支配力は些細なものらしい。俺はもうあんたを必要としていない。だが、あんたはまだ俺を必要としているようだな」 エルダーゴッド 「そんな生意気な言葉はお前に似つかわしくないぞ、ラジエル。 お前にはここで果たさねばならぬ仕事があることを忘れるな。 お前は私に恩義がある」 ラジエル 「恩義だと?俺が望みもしなかった『賜物』に感謝しろとでも言うのか? あんたは、俺がこの卑しい残骸に宿るよう強制したことを忘れたのか」 エルダーゴッド 「私はお前をそのまま復活させたのだ、ラジエル。 お前を破壊したのはケインであろう。 お前はその敵をみすみす逃してしまった。 私を失望させるな、我が僕よ・・・」 ラジエル 「俺は何者にも仕えない。あんたにも、ケインにも・・・そしてあんたの追従者モビウスにもな」 エルダーゴッド 「モビウスは我がよき僕だ。 私には多くの僕がいる」 ラジエル 「もし俺がモビウスに『お前が崇拝しているのは巨大なイカだ』と教えてやったら、奴の信仰もぐらつくとは思わないか?」 エルダーゴッド 「強情になったものだな、ラジエル。 しかし気をつけるがいい。蛇を抱けば、自分の心臓に毒を招き寄せることになる。 ケインは狡猾な怪物だ。奴はお前を唆し、欺こうとするだろう。 お前は自分の自由意志を誇りにしているが、あの堕落者はお前の決意を押しとどめてしまったではないか」 ラジエル 「俺は奴の誠実さについて幻想など抱いていない。他の誰にもな。 実際俺は、四方八方から操作誘導に取り巻かれている。俺はただ真実を求めているだけだ」 エルダーゴッド 「これからその深遠な真実を示してやろう、ラジエル。 生と死と再生の苦しみ。これが運命の車輪であり、あらゆる生命を維持している浄化のサイクルなのだ。 ヴァンパイアは忌まわしいものだ。霊的な力に溢れたこの世界を搾取する疫病なのだ。 奴らは生と死の流れを妨げる。奴らの魂はその哀れな死体の内で淀んでいる。 しかし車輪は回らねばならん。死は避けられぬものであり、拒否し得ぬものなのだ。 お前の運命は否応のないものだ、ラジエル。お前は我が魂の狩人(ソウルリーバー)であり、ヴァンパイアの災厄であり、背徳の魂を収穫する者なのだ。 心を揺らすな。ヴァンパイア共の寄生虫じみた呪いを終わらせ、ノスゴスを回復させるのだ。 ケインの死はお前の手にかかっている」 ラジエル 「確かにケインは死に値する。俺をこんな不快な姿に追いやったのだからな。 しかし、俺が奴を殺すか否か、いつ殺すか、決めるのは俺だけだ」 エルダーゴッド 「ケインは僅かな良心の呵責すらなくお前を破壊したのだぞ。 奴はお前の気高い死体から魂を引きはがし、お前が奴に1千年も忠実に仕えた後、ただの嫉妬心からお前をアビスへと投げ捨てた。 怒りを思い出せ、ラジエル。そして怒りに手を委ねるのだ」 ※「1千年」というのは、500 AC~1500 ACに該当する。そしてラジエルは処刑され、五百年後の 2000 ACにエルダーゴッドの手で復活し、SR1の本編が始まったのである。 ヴォラドール ラジエル(独白) 「これで、俺をこそこそ見張っていた奴が誰か分かった。 その化け物は、俺に気付かれたと分かるや姿を消した。だが俺は奴を垣間見た。そして、その特徴からして何者かは明らかだった。 ヴァンパイア・ヴォラドールだ。砦に描かれていた怪物的な殺し屋。 おかしなことに、その化け物は一人で輪を襲撃するほど図々しいくせに、俺と対面することを避けようとしていた。 結構だ。ヴォラドールが会いに来ないなら、俺の方から会いに行ってやろう。(後略)」 ヴォラドール 「救世主とは名ばかりの見すぼらしい姿だな」 ※ヴォラドールは古代の予言に精通しており、一目でラジエルが予言されし人物だと見抜いている。しかし、予言されていたのはヴァンパイアの闘士だけでなく、ラジエルがヒルデンの闘士である可能性も捨てきれない。 ラジエル 「ヴォラドール」 ヴォラドール 「私も有名になったものだ」 ラジエル 「その通りだ」 ヴォラドール 「いい噂ばかりであればよいが」 「お前があの忌まわしい砦から姿を現して以来、私はお前を見張っていた。奇妙なことに、お前の到来は柱の腐敗と符合している。 しかし分からんな。お前は一連の出来事のきっかけなのか、それとも答えなのか?」 ラジエル 「何が言いたいのか分からん」 ヴォラドール 「ならば、はっきり言ってやろう。 私はお前の素性を怪しんでいる、見知らぬ者よ。モビウスの要塞の悪臭漂う奥底からお前が這い出してくるのを見て、私はお前の目的に疑念を抱いたのだ。 それにお前の姿をどう解釈すればよい?明らかに人間ではない。そしてヴァンパイアというよりも悪魔に近い(※)。 それから柱だ。お前があの空き地(※)に現れたことは、柱の腐敗の前触れとなった。これはただの偶然ではない。 それゆえはっきり問おう。お前は柱を破壊しに来たのか、それとも救いに来たのか?(※)」 ※ヴァンパイア種族というよりヒルデン種族に近い、ということ。 ※「あの空き地 (that clearing)」とは「柱の地」のことだろう。ノスゴスの柱は森林が切り開かれた場所に立っている。 ※この二択を言い換えると、「お前は、ヒルデンの闘士なのか、それともヴァンパイアの闘士なのか?」になる。 ラジエル 「どちらでもない」 ヴォラドール 「よかろう。ならばコインの裏側を見てみよう。私はお前の旅を追い、何千年も封印され、禁じられてきた秘密をお前が楽しげに解き明かしていくのを見た。 お前が歩んできた道は、ただ一人(※)にしか足を踏み入れることのできぬ場所なのだ・・・ お前は自分が何者なのか知らないのだろう?」 ※「ただ一人 (only one being)」とは予言されしヴァンパイアの闘士のことだと思われる。 ラジエル 「俺はいろいろな者(※)だった・・・。 俺が無知だと分かったら、俺の蒙を啓くがいい」 ※ラジエルは、かつて人間であり、ヴァンパイアであった。そして今は魂の狩人である。 ヴォラドール 「つまりこういうことだ。この世界は救いようがない。 こんなもの人間の家畜にくれてやれ」 ラジエル 「あんたには、そんな腰抜けの降伏宣言よりもましなことを期待していたんだがな」 ヴォラドール 「何世紀にも渡る迫害から十分に学んだのだ。 500年前、我々の種族はもう少しで絶滅するところだった。サラファンの狂信的な聖戦のおかげでな。 そして今、同じ吐き気を催すドラマが再び繰り広げられている。たった十年で、モビウスの無慈悲な市民軍は、サラファンが成し得なかったことをほとんど達成した。 ヴァンパイアが人間の問題に干渉すればどうなるか・・・(※) 我々の行き着いた先を見るがいい」 ※ここで言う「干渉」とは、20年前(50 BC)のケインによるウィリアム王の暗殺であろう(BO1参照)。モビウスが市民軍を結成できたのはその事件がきっかけだったからだ。 ラジエル 「では、俺が明るみに出した秘密はどう解釈すればいい?翼の種族、柱、リーバーに関する絵は?」 ヴォラドール 「おとぎ話さ、若者よ。 ある古代文明の妄想だ。世界が彼らを見捨てた後も、彼らはずっと望みを捨てなかった。 彼らの血統は徐々に絶えていった。そしてついに、古代人の内ただ一人だけが残った。責務と、古い予言に対する確固たる信仰のみに支えられてな」 「しかし分かるな、たとえお前が見た目通りのものであったとしても、もはやどうでもいい・・・。 お前は来るのがあまりに遅すぎた。 ヤーノス・オードレン――リーバーの守護者にして最後の古代人、そして私の創造主――は、およそ5世紀前(※)、サラファンによって殺されたのだ。 彼ならばお前の求める答えを知っているだろう。しかしその秘密は彼と共に葬られた。 私には分からない。彼の導き無しに、どうやってお前がこれほど遠くまでやって来たのか。あるいはリーバー無しに。それは500年前、サラファンに盗まれてしまった。 友よ、残念ながらお前は、そして我々は皆、運に見放されているようだ」 ※正確には470年前の500 BC。 ラジエル(独白) 「ヴォラドールは、俺が出会ったどんな奴よりも信頼するに値した。実際、あの古きヴァンパイアは、それまでに俺が遭遇した者の中で、最も率直だった。 もしヤーノス・オードレンが全ての鍵を握っているなら、俺は彼を見つけるつもりだった。 そしてモビウスの時空転移装置が私の道を開くだろう。(後略)」 エルダーゴッド(2) エルダーゴッド 「おお、私の意固地な息子が戻ってきたな・・・」 ラジエル 「おそらくあんたが望むよりも多くのことを暴いてからな。 世界中に散らばるこうした遺跡や、この部屋にあるこれらの絵を俺はどう解釈すればいい?」 エルダーゴッド 「滅んだ文明の欺瞞に過ぎん。 お前は誤った方向に導かれているぞ、ラジエル。 その古代種族は、ここに落書きされた偽りの指示によって、未来を操作せんと願ったのだ。 お前は注意深く歩まねばならん。 この世界では闇の勢力がうごめいている。お前の真の運命を蝕もうと決意してな」 ラジエル 「それは間違いないな。 質問はこうだ。俺はまさに今、その闇の勢力とやらの目の前にいるんじゃないのか?」 エルダーゴッド 「お前の傲慢さは死を招くぞ、ラジエル。 我が意志を拒絶してみるがいい、そうすれば、お前の運命の物語は、唐突な終焉を迎えることになる」 ラジエル 「あんたの脅しには乗らん。 今ですら、俺はあんたの手を逃れている」 エルダーゴッド 「私の手はお前が認識している以上に遠くまで届く。 お前は危険なゲームをしているぞ、ラジエル」 (光の炉で) 「これらの壁画に疑いの余地はなかった。この翼ある生き物たちは本当に柱の建設者だった。その絵は解読が困難だったが、柱は何らかの方法で彼らの敵を追い払うか、弱らせるかしたらしい・・・」 ケイン(2)-第二のパラドクス (ウィリアムの礼拝堂にて) ラジエル 「姿を見せろ、ケイン」 ケイン 「ここだ、ラジエル」 (ラジエルが礼拝堂に入ると、物体リーバーとの接近により再び歪みを感じる) 「全てはここで決する・・・。 お前にはこの瞬間の重要性を把握できんだろう。その歓喜と悲劇を・・・。 それでもお前は把握せねばならん。ノスゴスをその地獄行きの難破から引きずり出すためにはな」 ラジエル 「俺に分かるのはこれだけだ、ケイン。貴様とモビウスは俺をこの瞬間へと押しやった。その結果は単純だ。俺はお前たちのいずれも信頼できない。俺には誰が糸を引いているのか分からない。しかしもうそんなことはどうでもいい。なぜなら、俺はその糸を断ち切りつつあるからだ。ここからは、自分自身で道を決める」 ケイン 「それほど単純であればな」 ラジエル 「貴様の運命論にはうんざりだ、ケイン」 ケイン 「それに(私の運命論は)根深いものだぞ、ラジエル。 お前は理解せねばならん。我々がここに存在しても、歴史は改変されないということを。お前と私がここで出会ったのは、そのように強制されているからなのだ。我々は常にここで出会ってきた。 歴史は修正のきかぬものだ。 流れの急な川に石を落としてみるがいい。その流れはただ石の周りを通り、障害物など存在しないかのように進み続けるだけだ。お前と私は小石だ、ラジエル。時の流れを乱す望みは遙かに小さい。 歴史の連続体は、あまりにも強く、弾力的なのだ」 「ただし例外がある・・・ならば、このウィリアムのことはどう説明する? 敬愛されし若き王は暴君へと変わった。 (ケインはソウルリーバーを手に取る) 私は年若い頃、ウィリアムが権力の座に就き、ノスゴスを荒廃させる『ネメシス』へと変貌するのを目撃した」 (ケインはラジエルの方に向き直り、剣を見せつける) ラジエル 「近寄るな、ケイン」 ケイン 「数年後、私は歴史を遡る機会を偶然得る。全てがモビウスによって注意深く仕組まれていたことにも気付かずにな。 私は賢明にも、その機会を逃さず、後にノスゴスを破壊する若き王を殺害する・・・ ・・・その結果、私はモビウスにきっかけを与えてしまう。我らが種族に対する虐殺戦争を引き起こすためのな」 ラジエル 「警告する、それ以上近寄るな!」 ケイン 「そのたった一つの無思慮な行いが、歴史のもつれをほどくことになる。 ネメシスは決してネメシスにならない。ウィリアムは殉教の聖人として死ぬ。 ヴァンパイアの暗殺者である私は、自らの種を絶滅させる張本人となる。 それら全てから得をするのはモビウスだ。私は一人の暴君を殺したことで、遙かに悪しき者を生み出してしまった」 「しかし、なぜそんなことが起こりうるのか?歴史が不変であるなら、どうやって? 答えはこの部屋にある、ラジエル。 モビウスはウィリアムと私を共に駆り立てた。しかし何よりもまず、二人が確実にソウルリーバーを手にするよう仕向けたのだ。 リーバーが鍵だ。 剣の二つの化身が同じ時空で出会う時・・・パラドクスが生み出される。歴史を狂わせるほどに強力な時の歪みが」 (ケインが歩み寄ると、ラジエルの霊体のソウルリーバーが自分の意志で姿を現す) ラジエル 「これは貴様の魔法か?」 ケイン 「私のではない、ラジエル。お前のだ。 私を恐れることはない、ラジエル。 全てのカードを握っているのはお前だ」 (ケインはラジエルにリーバーを渡し、霊体と物体のリーバーが一つになる) ラジエル 「ならば俺は、貴様の誠実さを試すべきだな」 (ラジエルはリーバーでケインを脅す) ラジエル 「もしお前の言っていることが本当なら、お前は恐れるはずだ。俺は今ここでお前を殺すことができるだろうからな」 ケイン 「だからお前は実際そうするのだ、ラジエル」 ※And so you do, Raziel. もっとかみ砕いて言うと、「現状の歴史において、ラジエルはいつもここでケインを殺してきた。だから今回もラジエルがケインを殺すことは必然なのだ」ということ。もちろん、ケインはラジエルの意志とソウルリーバーパラドクスを利用して、その必然(自分の運命)に抗おうとしている(ちなみに単なる保身のためではない)。だから日本語版の「ならば殺せ」という訳は大誤訳である。これ以降の発言と合わせて、ケインの意図が意味不明になってしまう。 (剣が自らの意志を持っているかのように震える) ラジエル 「何が起こっている?」 ケイン 「我々は自分の運命に向かって突き進んでいる、ラジエル。お前が感じているのは、我々に向かって押し寄せてきている歴史の引力だ。今ここで、歴史と運命は衝突する」 「もしお前が本当に自由意志を信じているなら、ラジエル、今こそそれを証明する時だ。 今私を殺せば、我々は共に歴史のポーン(手駒)となり、人為的な運命の軌道へと引きずり下ろされる(※)。 私はノスゴスにおいて調和の守護者としての役割を引き受けるよう定められていた。そしてお前はノスゴスの救世主になる運命だった。しかし私の運命の地図はモビウスによって書き換えられた。そして次にお前のもな・・・」 ※Kill me now, and we... という形。本心で殺せなどと命令しているわけではないので、条件文「私を殺せば~」で訳しておいた。前文で、ケインはラジエルに「自由意志を証明する」よう鼓舞しており、それはすなわち、「歴史の力に抗ってケインを助命する」ことを意味する。従って、ここでケインは「今私を殺せば、こんなひどいことになるぞ、だから抗え」と説得しているわけだ。 ラジエル 「これは狂気の沙汰だ!」 ケイン 「戦え、ラジエル・・・。この瞬間が結末である必然性はない。この瞬間は序曲となりうるのだ」 ラジエル 「俺には無理だ・・・」 ケイン 「お前ならできる、ラジエル。心の中を覗き込み、ありのままに見るのだ。お前には、我々の避けられぬ未来を作り替える力がある」 (ラジエルはソウルリーバーの矛先を逸らし、ウィリアム王の石棺を破壊する) ケイン 「・・・かわいそうなウィリアム」 (突然、周囲の空間がねじ曲がり、ぼやけ、うめき声のようなもので満ちる) ラジエル 「何だこれは?」 ケイン 「歴史はパラドクスを嫌うのだ、ラジエル。 今も時の流れは、自らの進路を変えるべく懸命に努力している。お前が私を破壊するのを拒絶したことで、古い通路が閉ざされたことに気付いてな。 そして未来は、お前の重要な決定を受け入れるべく、自らを切り直している」 「ここで(=この改変された世界で)我々は自らを取り戻し、本来の運命を奪還するのだ、ラジエル。 まだ私は、調和の守護者としての役割を引き受け、柱を正当な継承者に返すことができるかもしれん」 ラジエル 「ヴァンパイアに、だな。 ではこれこそ、お前が俺に見つけるよう促した運命というわけか?」 「俺にはお前とモビウスが何のゲームを進めているのか分からん、ケイン。しかし、俺はお前たちのポーンになりたくない。 お前と違って、俺はまだ、自分がなんとか保ってきた人間性のどんな欠片にも敬意を払っているんでな。 お前の救世主的妄想の道具として使われはしない」 ケイン 「いいだろう、ラジエル。俺を信頼しろとは言わん。お前の真実はお前自身で発見するのだ」 ラジエル 「至る所で図々しく教訓をたれる奴にしては、謙虚な言葉だな」 ケイン 「では、お前の旅を続け、自分自身の教訓を学ぶことだ、ラジエル。 覚えておくがいい。お前はモビウスによってここに導かれたが、足枷を外されて立ち去るのだ。自由意志の擁護者にして、偽りの歴史の征服者よ」 「お前が見出すべきものはまだまだ沢山ある。お前に真実を求める心と、それを見る意志があるのならな・・・」 ※ラジエルが引き起こしたパラドクスにより、年表は2から3へと移る。ゲーム中では分かりにくいが、奇跡的な偉業を成し遂げたと言ってよい。年表2では、本来この時、幾度もケインを殺してきたのであり、それが運命と歴史の必然だった。ラジエルはノスゴスで自分だけが持つ自由意志を総動員して、世界を支える根本原理すらねじ曲げ、歴史改変を実現したのだ。 モビウス(3) ラジエル 「ああ、それだ。俺はお前のその表情が好きだ、モビウス。今何をしたらいいか、本当に分からんようだな、じいさん?お前はここで、あの忌々しい杖も持たずに見つけられてしまったわけだ。どうやらお前の望んだ通りに事が進んでいないと見える。 お前は自分の蜘蛛の巣に入ったハエが刃向かってくることに慣れていないようだな?」 モビウス 「ケインの狡猾な感化に心を毒されてしまったのか、ラジエル。今や裏切りは至る所で起こる。最も近しい味方の間でさえ」 ラジエル 「我々が味方同士だったことはない、モビウス。 共謀者といったところだ。束の間のな」 モビウス 「お前には機会があったものを、なぜケインを殺さなかった?奴はお前の掌中にあった!(※)」 ※原文は He was at your mercy! で、定訳だと「慈悲 (mercy)」が消えてしまうが、次のラジエルの発言はこれとひっかけられている。 ラジエル 「その通りだ。俺には選択権があった。そして俺は慈悲を選んだのだ。 そして今の俺は貴様の薄汚く卑劣な秘密を知っている。あの・・・二つのリーバーが出会った時に俺が感じた、変位の重要性だ。 おかしなことに、俺はその『狡猾な』ケインに教えられた。貴様ではなくな。 実際、俺は貴様が予想していた以上に多くのことを学んだのだ。俺は今や、貴様がどのようにして己の個人的利益のために歴史全体を操ろうとしてきたか分かっている。 しかし、もはやお前のあらゆる卑劣な企みは台無しになり、お前の周りで空転しているんじゃないか? 全ては、今回に限り俺が自分の意志を行使することを選んだからだ。魔術師や霊魂や悪魔どもの要求に従うのではなくな。どいつもこいつも、うんざりするほど同じ言葉を繰り返しさえずりやがる。『ケインを殺せ!』ってな。 これからは自分自身で道を決めることにしたんだ、モビウス。 俺は、全ての背後にある真実を見つけ出すつもりだ」 モビウス 「しかしお前は、その性急な行いで我々皆の運命を左右しているのだ!」 ラジエル 「性急なものか。俺に奮い起こせる意志の力を全て使わねばならなかった。 俺がケインの殺害を拒絶したことで、貴様が注意深く細工したカードの束も切り直されてしまったわけだな?」 モビウス 「お前は本当に自分が自由意志を行使していると思っているのか、ラジエル? お前はケインの僕に過ぎん」 ラジエル 「俺はケインに仕えてはいない。俺はただ奴を殺さなかっただけだ」 モビウス 「ラジエル、今のお前の目的を忘れるな。お前はノスゴスの救世主となる定めなのだ!」 ラジエル 「やれやれ、そのお決まりのフレーズは聞き飽きた。 今のところ、ノスゴスの救済について俺があれこれ悩まねばならん重大理由などほとんどない。 そしてこれ以後、俺は自分自身の目的を選ぶつもりだ、時の旅人よ。 今は貴様を操ることにしよう。趣向を変えてな。 行け、あの中だ」 モビウス 「何をするつもりだ?」 ラジエル 「さっさとしろ、モビウス。貴様はずる賢い蛇だ・・・じきにその(俺がしようとすることの)全貌を知るだろう。 この時代にはもう用がない。お前はその装置を作動させて、俺に道を提供するんだ。俺はもっと素朴な時代のこの世界を見てみたい。サラファンが聖戦を始める前のな」 モビウス 「それでケインはどうするんだ?自分の獲物を置いていくのか!」 ラジエル 「自分で殺せよ、そんなに重要なことならな」 モビウス 「そのスイッチの二つの極に触れるだけでよい。そうすれば装置がお前を転送する。 しかし、私は考え直すよう強く・・・」 ラジエル 「お前にはもう説得力がないんだ、ジジイ。 ここで朽ち果て、俺のことは忘れろ」 (モビウスはラジエルに背を向けてほくそ笑む) 100 AC モビウスの幻影 ラジエル(独白) 「あの不快な時間転移室から出てくるや、すぐに俺は裏切りに感づいた。 砦は空だった。放棄され、見捨てられていた」 「俺が今いる時代について疑う余地があったにせよ、それはこの不気味なタブローによって完全に払拭された。 というのも、ここには(像となった)モビウスがいたからだ。遙か昔ケインに殺されて以来、その血生臭い聖戦で殉死した指導者として、もてはやされ、列福されていたのだ。 そしてそれ以上の証拠が必要なら、そのモビウスが高く掲げている身の毛もよだつ戦利品を見るだけでよかった。それは切断されたヴォラドールの首だった。モビウスの血に飢えた暴徒が最後に仕留めた獲物だ。彼の処刑は、ヴァンパイア根絶の印だった。 モビウスは俺をノスゴスの過去へ運ぶどころか、一世紀以上も先の恐るべき未来へと送り込んだのだ」 「この小さな遠回りの背後にある意図は明らかだった。 モビウスは俺を従順な暗殺者にすることに失敗したため、俺に本当の運命を悟らせまいとしたのだ。明らかにそれはノスゴスの過去にあるというわけだ。 モビウスのペテンは、単に俺の目的を強めただけだったが、俺をここで効果的に立ち往生させたのも確かだった。 残された道は、俺が今いるこの時代を探索し、ケインの不幸な決定の後、この1世紀でどんな変化が起こったかを知ることだけだった。 おそらく時が経ち、あの山脈(※)へと至る道も開けているだろう。そこに行けば、ヤーノス・オードレンの謎の背後にあるさらなる手掛かりを見つけられるかもしれない」 ※ラジエルはヴォラドールと会う前に、北方の山脈へと至る道を発見したが、当時は通れずにいた。それから百年後の世界なので行けるようになっているかもしれない、ということ。なお、そこにはヤーノスのお膝元ウーシュテンハイムの村と、ヤーノスの隠所がある。 モビウスの霊魂? 「ラジエル・・・」 ラジエル 「今度はどういう悲劇の茶番なんだ、モビウス?」 モビウス 「茶番などではない、ラジエル。殉死した霊魂の哀願だ」 ラジエル 「貴様の懇願など俺には何の意味もない。俺を騙したんだからな。 貴様は俺をノスゴスの未来へと送り込んだんだ、モビウス。そして俺はここで立ち往生させられている」 モビウス 「本当に済まなかったと思っている、ラジエル。しかし必要だったのだ。運の尽きた男の、最後の勇気ある行いだったと思ってくれ。 お前は自分の目的から逸脱した。そして今その結果を見ているのだ。お前とケインが共に生み出した、不毛の大地を!」 ラジエル 「俺にどんな責任がある」 モビウス 「お前はケインを助命した!そうすることで、お前はこの世界に計り知れぬ恐怖を解き放ったのだ。 ケインが私を殺したことは構わんのだ、ラジエル。時の守護者として、私はそれが実際に起こるより遙か前に予見していた。 そして私は、ケインがその卑しい種族で唯一の生き残りとなることをささやかな慰めとするのだ。 しかし、お前は一人で私の犠牲を無意味なものにしてしまった」 ラジエル 「お前の議論は不誠実だな、時の旅人よ。 未来のケインを殺すか助けるかということが、どうして一連の出来事を左右することになるんだ。 この不毛の大地は、柱の地におけるケインの元々の拒絶によってもたらされたものだ。これまでの紆余曲折の間、その出来事は何も変わっていない。 貴様は狡猾な奴だ、モビウス。しかしどうやら自分の蜘蛛の巣に絡め取られてしまったらしいな」 モビウス 「ケインが恐るべき権力の座にしがみついている間、柱は腐敗の泥沼に沈み込み、ノスゴス全体を自らの巻き添えとするのだ!」 ラジエル 「俺は、これが柱や、ケインが自己犠牲を拒んだことと何か関係するとは思わない。 貴様は単に恐れているんだ。なぜなら、貴様には奴が何をしようとしているか分からんからだ。 奴はワイルドカード(不確定要素)なんだろう。だから貴様は、奴が貴様のゲームに関わって欲しくない。 それこそ、貴様が俺に奴の排除を求めた理由だ。 奴が生き残った今、貴様は次に何が起こるか分かっていない。違うか?おそらくそんなことは、貴様の生涯で初めてのことなんだろう。 貴様は恐れている。奴が本当に第三の選択肢を見つけてしまったのではないかと。貴様が奴にお膳立てしたジレンマから抜け出すための第三の選択肢をな」 モビウス 「ケインの欺瞞がお前の心を堕落させてしまった。 ここから出て行け、そしてこれ以上、我が魂を苦しめるな!」 ラジエル 「貴様が本当に霊魂であればな。 お前は忘れているようだな。俺にはそれを確かめる術がある・・・」 (ラジエルはモビウスの魂を喰らおうとするかのように、自分のカウルに手をかける) ラジエル 「・・・貴様が進んで危険を冒すというのなら」 (モビウスの幻影は姿を消す) ラジエル 「違うと思っていた。いずれにせよ、お前の負けだ」 アリエル (柱の地で) ラジエル(独白) 「これは俺の荒んだ目にとっても見慣れた柱だった。しかし、柱の真の重要性を学び始めた今、俺は、知識に基づく新たな恐怖感と共に、柱の倒壊した姿を見つめた。 そして今や俺は疑念を抱いていた。ケインの拒絶だけで、奴の野心だけで、本当にこんな荒廃が引き起こされたのかどうか。 ここにはそれ以上に邪悪な影響が作用しているように感じた。 俺は(柱に)近付くや、アリエルの霊魂を見つけた。彼女は1世紀以上ここに縛られていたのだ」 アリエル(独り言) 「私は永遠にここに縛りつけられる。希望は潰え、私の霊魂はこの場所に繋ぎ止められて・・・ 輪を破壊したものは私に手出しできなかった。私は既に死んでいて、害が及ばなかったから。 私だけが狂気に陥らずに済んだ。そしてケインだけが死の苦痛から免れた。 まだ子宮に守られていたケインがナプラプターの毒に捕らえられた時、彼の運命を遙かに超えるものが失われた。全ノスゴスが調和を失ってしまった。 今の私たちのことを考えてみなさい・・・二人とも、かつてより劣った存在になってしまった。 私は汚れていないけれど、実体を持たない。そしてケインは恐ろしいほどに実在しているけれど、堕落している」 ラジエル 「あんたはここに囚われている内に錯乱してしまったようだな、亡霊よ。 あんたがケインに固執しているのは、奴があんたをここに縛り付けた足枷だと信じているからだな。しかし分かっているはずだ。奴はあんたの苦しみの元凶ではない。 柱を堕落させたのは闇の勢力だ。そしてその闇の勢力を招き入れたのは守護者自身だろうが。 輪について学べば学ぶほど、入り組んだ操作の錯綜がますます見えてきた」 アリエル 「彼らを勝利に導いたのはケインよ。 彼らは柱を倒壊させようとした。そしてケインは進んで彼らの手先となった」 ラジエル 「いや、奴は不本意なポーンだったのかもしれんぞ? これを知ればあんたの怒りも鎮まるか?ケインのジレンマは柱を破壊するべく計算されていたのだ。奴の選択とは無関係にな。そして、もし奴があんたの示した道を選んでいたら、荒廃はさらにひどくなっていただろう、と」 アリエル 「お前は狡猾で嘘つきな化け物ね。 しかしお前の巧妙な議論をもってしても、ケインの恩赦にはならないわ。 柱が回復するためには、彼は死ななければならない。他に道はないの」 ラジエル 「ならばもっと不吉な可能性を考えてみるがいい。ケインが死んでも、柱は回復しないとしたらどうだ?もはや手遅れかもしれない。この世界は救いようがないかもしれない。 そしてあんたは永遠にここに縛り付けられるかもしれない、とな」 (アリエルは精神界に逃げ、ラジエルも追いかける) アリエル 「どうしてお前は私を追い回すのだ、悪魔よ? 見ての通り、私はここに囚われているわ。少しは慈悲を見せてちょうだい」 ラジエル 「あんたがケインをけしかけた時、仲間の守護者に見せたのと同じ慈悲か? あるいは、あんたが輪の災厄としてケインを利用しつつ、奴に自分の運命を教えなかった時に見せた慈悲か? それとも、あんたが恋人であるナプラプターをケインの最初の犠牲者にした時、彼に見せたのと同じ慈悲か?」 アリエル 「お前は残酷だわ。どうして私を苦しめるの?」 ラジエル 「俺はただ答えを求めているだけだ、アリエル。 いいだろう、そっとしておいてやる。 しかしこれだけは知っておけ。あんたと、あんたが逃れようと切望しているこの煉獄に関することだ・・・ ・・・あんたはまだその敷居すら跨いでいない」 ※ラジエルは2000 ACのアリエルと出会っている。彼女はその時もまだ柱に縛り付けられていた。従って少なくともこれから1900年間はこのままだというわけである。しかし、ラジエルがなぜこうも彼女に辛く当たっているのか判然としない。一つの想像としては、真相に近付きつつあるラジエルにとって、ケインに執着し続け、真実を見ようとしない彼女が、かつての自分と重なって見えたのかもしれない。つまり、同族嫌悪という解釈だ。 エルダーゴッド(3) エルダーゴッド 「ラジエル、出来損ないの暗殺者よ。 お前はケインを手中に収めたにもかかわらず、それを果たす勇気がなかった。 そして今お前が見ているのは、あの暴君の手でもたらされた不毛の大地だ。これは奴の利己的な決定によるものだ。奴は、全世界が犠牲になるにもかかわらず、自らを生きながらえさせる方を選んだのだ。 ケインが生きている限り、ノスゴスの運命はこの有様だ」 ラジエル 「皮肉な糾弾だな。この罪深い光景の前では。 あんたが独力で柱を破壊したなどと誰に予想できようか。 この部屋にその忌まわしい体を入り込ませて、あんたは何を拭い去ろうとしているんだ? そして、ノスゴスが狂気と苦難に陥っている時に、どうしてあんたは成長しているように見えるんだ? 俺にもだんだん分かってきた。この世界の物事は、見た目通りってことがほとんどない。 どうやらあんたも例外ではないらしい」 エルダーゴッド 「我は生命の原動力であり、ノスゴス自体の存在の源だ。 我は車輪の中心であり、全生命の起源であり、死を貪るものだ」 ラジエル 「・・・それとも、あんたは単に腹が減ってるだけか。それほど単純なことってあるか? だとしたら詩的な皮肉じゃないか?ヴァンパイアの偉大な敵が、彼らの誰よりも巨大な寄生虫だということなんだからな」 エルダーゴッド 「私の忍耐を試すのはやめろ、ラジエル。 お前を創造したのは私だ。私がその気になれば、お前を破壊することになる」 ラジエル 「あんたの代理人として、俺は死を超えている」 エルダーゴッド 「死よりもひどい運命が存在するぞ、ラジエル」 ラジエル 「おお、ようやく正体を現したようだな。 癌だ。この世界の中心に深く潜んだ、絡みつく寄生虫だ」 エルダーゴッド 「もう行け。 哀れな反逆を最後まで演じるがいい。そして、破壊された者や使い捨てられた者、地獄に墜ちた者の列に加わるがいい。 しかしこれだけは知っておけ。お前は永遠に私のものだ。 お前は常にそうであったし、これからもそうだ、我が魂の狩人(ソウルリーバー)よ・・・」 ケイン(3) (北の山脈へと至る道で) ラジエル(独白) 「時の経過は、本当に俺が前に進むための道を開いていた。これでノスゴス北方の山脈を探索することができる。 もしヤーノス・オードレンの存在に関する証拠がまだ残っているのなら、それを発見したいと願った」 (ウーシュテンハイムの村で) ラジエル(独白) 「ここで俺は、ウーシュテンハイムの古風で趣のある小村を見つけた。今や長らく見捨てられ、廃墟と化していたが・・・ 伝説では、ヤーノス・オードレンはこの村を恐怖に陥れたと言われている。サラファンのハンターが彼を探り出し、破壊するまでは。 もしこの古い物語に少しでも真実が含まれているなら、あの悪名高いヴァンパイアの住処もそう遠くはないだろう・・・」 (廃虚となった住処で) ラジエル(独白) 「この巨大な建造物は明らかに人間の建築家によって建てられたものではなかった。そのバルコニー下部の像が物言わぬ証言となっている通り、これらはあの翼ある者たちの住処だった。 明らかに俺は、伝説的なヤーノス・オードレンが潜んでいた山の隠所の前に立っていた。しかし、その聖域全体は廃虚と化し、何らかの古代の地殻変動によって崩壊していた。 薄々分かっていた通り、例の時の旅人の裏切りによって、俺がここで何か重要なものを暴き立てるには何世紀も手遅れになっていた」 「俺に背後には、それまでに通ってきた不毛の大地以外何も無かった。そこで俺は先に進み、この深い峡谷を探索することに決めた」 (ケインが近付いてきて) ラジエル 「勘弁してくれ。お前が現れると、いつもとんでもなくひどいことが起こる。 今はそんな気分じゃないんだがな」 ケイン 「今回は何のドラマもないぞ、ラジエル」 ラジエル 「お前もしつこいな。こんな風に時を越えてまで俺を追ってくるとは。まだお前のコインが縁で立つのを待っているのか?」 ケイン 「私が待っているのは自分の時だ。 モビウスはお前につまらん悪戯をしたようだな」 ラジエル 「ああ、奴は明らかに俺が『ヤーノス・オードレン』と会うことを望んでいない」 ケイン 「おそらくな。 あるいは単に、私が『たった一人で作り上げた』この不毛の大地を見せることで、私に対するお前の心を硬化させんと願っただけかもしれん」 ラジエル 「俺の心は硬化される必要などないぞ、ケイン。 もしお前を破壊することで何か変化が起こるだろうと感じさえすれば、俺は今すぐにでもそうするだろう」 ケイン 「お前ならば見抜くと分かっていたぞ、ラジエル。 確かにヤーノスはお前の運命の鍵だ。しかしお前は自分でノスゴスの過去へと戻る道を見つける必要がある。 ただし、自覚しておくことだ、ラジエル。お前と私は今、非常に危険な立場にある。 我々はここでは苛立ちの種だ。我々を排除するため、悪の勢力が集結している」 ラジエル 「我々が味方同士であるかのような言い方だな」 ケイン 「お前の意向は関係がないのだ、ラジエル。奴らの目にはそう見えている」 ラジエル 「いいか、奴らがお前を排除しようとしているのは確かだ、ケイン。そのことに疑いの余地はない。 俺はお前の死を望む声に絶えず煩わされている。 お前の企みが何であれ、奴らはお前のことを死ぬほど恐れている。 俺に関して言えば、奴らは俺に類のない復活を許した時点で、とんでもない間違いをしでかしたんじゃないか。 奴らが俺を破壊する方法を知っているとは思えん」 ケイン 「奴らを見くびってはならんぞ、ラジエル」 ラジエル 「ところで、俺たちが言及し続けているその邪悪な『奴ら』ってのは本当のところ何者なんだ? もし何らかの壮大な共謀が進行しているとすれば、その右手は、左手が何をしているか分かっているとは思えん(=連中はちぐはぐなことをしている)。モビウスでさえ、毎度窮地に陥っているように見えるんだからな」 ケイン 「モビウスはただの傀儡だ、ラジエル。まだ分かっていなかったのか? これはあらゆることの中で最も甘美な皮肉だ。ノスゴスの『偉大な操り手』が、奴らの玩具だとはな。 しかし、奥で糸を引く者たちは、まだその顔すら見せていない」 ラジエル 「ただし奴らは、我々が奴らの注意深くお膳立てした歴史を取り消したことを喜んでいない、ということか?」 ケイン 「お前は理解せねばならん、ラジエル。我々は歴史を取り消したのではない。単に書き換えただけだ。 未来は我々のささやかな行いの周りを流れ、最も小さな改変のみを許容し、最も抵抗の少ない道を見つけ出す。これこそ、私の殺害を拒絶したとき、お前が感じた切り直しだ。 そして覚えておくことだ、ラジエル。我々はこの点でも苛立ちの種なのだ。歴史はパラドクスの導入を許そうとしない」 ラジエル 「では、もし一連の出来事が、その変化を受け入れるべく切り直されることが不可能な場合はどうなる?」 ケイン 「追い出されるのは苛立ちの種の方だ。 心に留めておけ。それこそ、まさに我々の敵が引き起こそうとしている結末なのかもしれん。 我々は極めて慎重に事を運ばねばならない」 (空気の炉にて) ラジエル(独白) 「ここで発見した(壁画の)場面は明快だった・・・ 翼ある者の種族――柱の建設者にしてリーバーの創造者――は、ノスゴスで最初のヴァンパイアだった。 彼らの血の渇きは、彼らが追放した敵によってかけられた呪いだと思われた。 これらの絵は、かつてケインが俺に明かした真実を確証した。当時の俺は疑いの余り、それを受け入れなかったが。 俺はこれらのピースがどのようにして一つになるのか理解しようと足掻いた・・・。 ケインはどのようにして運命のジレンマから逃れようとしたのか、また、奴は俺に対してどんな役割を構想していたのか・・・ さらに、なぜモビウスは、おそらく仲間である闇の権力者たちと共に、ケインの死をあれほど切望していたのか。そして、なぜ俺を奴の処刑道具にしようと没頭していたのか・・・」 (沼の時空転移装置を作動させて) ラジエル(独白) 「俺は盲目的に信じて実行する他なかった。 この装置がどの時代に調節されているのか知る方法は無く、自分で機械を設定する知識も手段も無かった。 俺は少しだけためらい・・・それからスイッチを入れた。自らを忘却へと投じ、自分の意志を運命の手に委ねたのだ」 500 BC ヤーノス・オードレン ラジエル 「ヤーノス・オードレンか?」 ヤーノス 「久しぶりに自分の名が蔑みなく語られるのを聞くのは、慰めになるな」 「ラジエル? 我が子よ、奴らはお前に何をしたのだ?」 ラジエル 「俺は地獄で引きずり回され、そして連れ戻された。どうやら、全てはこの瞬間に至るためだったらしい。 しかし、俺にはまだその理由が分からない」 ヤーノス 「何千年間も、私は待っていたのだ・・・ここでただ一人、信念も揺らぎつつ・・・。 戒めの時、9人の守護者が柱に仕えるべく呼ばれた。そして私は、10番目の守護者として召喚されたのだ。我らが救世の武器、リーバーの保護者として。 時と共に、我々の種族は死に絶えていった。そして、私だけが残ったのだ・・・お前に対する責務と、剣を守護する任務のみを支えとして」 ラジエル 「では他の9人は?なぜ彼らの守護者としての任務は彼らを支えなかったんだ?」 ヤーノス 「私にも分からない」 「我々の種族が衰え行くにつれて、人間たちは栄えていった。私は何世紀にも渡って見守ってきたよ。我々の歴史が色褪せて神話となり、ついには完全に消え去る様を。人間たちは我々のことを一切忘れてしまった。そして柱を自分たちのものだと主張したのだ。柱の真の目的すら何も知らずに。彼らからすれば、私はただの悪魔だ。ヴァンパイアという『疫病』の起源なのだ」 ラジエル 「ならば、なぜ柱は人間の守護者を召喚するんだ?柱がヴァンパイアに仕えられるよう作られているというのなら」 ヤーノス 「柱は新たに生まれた者の中から守護者を選ぶのだよ、ラジエル。そしてヴァンパイアはもはや生まれない。 これが我々のジレンマの核心だ。 そしてこれこそが恐るべき皮肉なのだ。ヴァンパイア粛正によって、輪のメンバーは自分たちが守ると誓った柱のまさに制作者を襲撃してきたのだからな。 彼らは危険な道に足を踏み入れたのだ。全てのヴァンパイアを殺すことで、人間たちは自分の喉を切り裂いている」 「彼らは私がここにいることを知っている。彼らの手の届かぬ所にな。だから彼らは恐れている」 「お前にも見えるだろう。彼らがどんな風にして仕留めた獲物を見せつけているか。私を苦しめるために・・・あるいはただ私を誘い出すために。 彼らは、私を破壊すればどうにか我が血統全てを倒せるという愚かな考えを抱いている。 ありがたいことに、我々はそれほど脆くない」 ラジエル 「俺は下の村で奴らが兵をかき集めているのを見てきた」 ヤーノス 「うむ。彼らが何を企んでいるのかは分からない・・・しかし私は、我々の時間がひどく短いのではないかと危ぶんでいる」 ラジエル 「人間はあんたに苦痛と悲しみしかもたらさなかったようだ。 あんたは奴らを憎んでいるに違いない」 ヤーノス 「彼らは自分に理解できぬものを恐れるのだ。そして、恐れるものを嫌悪する。 しかし答えはノーだ。私は彼らを憎んではいない」 ラジエル 「ヴォラドールはそうだった」 ヤーノス 「彼は遙かに苦しんできたからな。彼らを許せないのだ」 ラジエル 「奴らは許されるべきだと?」 ヤーノス 「彼らは自分が何をしているのか理解していない。 彼らはただ物を知らぬだけなのだ・・・そして操られやすい」 ラジエル 「それでは全て真実だったということか。ケインとヴォラドールが俺に語ったことは。俺は本当に、ある種の、汚れたヴァンパイアの救世主だというわけだ」 ヤーノス 「汚れた?そんなことはない。救世主・・・おそらくな」 ラジエル 「俺はその言葉が好きじゃない。受難の匂いがする」 ヤーノス 「ラジエル、この世界の運命におけるお前の役割は、遙かに重要で、慈悲深いものだぞ。お前が自分に信じさせてきたものよりもな。お前の旅は容易ではないだろう。闇の力がお前に対抗して結束を固めている。 しかし、そのことはお前も既に知っているだろう・・・お前は残酷な試練を受けてきたようだからな」 「戒めは守られねばならん、ラジエル。 柱が錠前だ」 ラジエル 「そして、リーバーが鍵だと」 ヤーノス 「その通りだ」 ラジエル 「リーバーがここにあるのか?なぜ俺は何も感じないんだ?」 ヤーノス 「我々の刀鍛冶によって鍛えられた、最も畏怖すべき武器・・・ 彼らは剣にヴァンパイアのエネルギーを注入し、リーバーは敵の貴重な生き血を吸い取る力を得たのだ」 ラジエル(独白) 「ヤーノスが剣を見せると、名状しがたい恐怖感が俺を襲った。それは俺がかつて感じたいかなるものよりも鮮烈だった。俺は即座に剣から恐るべき嫌悪感を感じた。しかしそれでも、抗いがたい力によって、それに触り、持ち上げるよう強いられた」 ラジエル 「頼む、それを俺から遠ざけてくれ」 (サラファンの兵が近付く音が聞こえる) ヤーノス 「どうやらお前はつけられていたようだな・・・」 「お前は生き延びねばならん、ラジエル」 (ヤーノスはラジエルをテレポートさせようとする) ラジエル 「ヤーノス、駄目だ!」 (制止も間に合わずテレポートされて) ラジエル(独白) 「俺の周囲が不快なほど渦巻き、気付いた時には、奇襲から逃れ、隣の部屋へと無事に転送されていた。 ヤーノスは俺をサラファンから救った。俺の命を守るため、私心無く、自分の安全を手放したのだ。 そして俺は今危惧していた。俺の新たな師が、つい最近まで俺が崇めていた聖戦の兵士に殺されるのではないかと。 その皮肉は身に染みた。そして迫り来る恐怖と共に、俺は最初からモビウスに騙されていたことに気付いた・・・。 というのも、俺は軽率にもこの聖域で道を切り開き、サラファンはただその道を辿り、到達したからだ。奴らはモビウスの杖を携えていた。(史実でも)サラファンはあれを用いて、ヤーノスを意のままにしたのだ。 扉を通し、俺は彼らが十歩と離れていないところで戦っているのを聞いた。しかしそれは千マイル離れているに等しかった。なぜならこの障壁は、俺が持っていない元素の力で封印されていたからだ。 どうやらヤーノスは俺を炎の寺院の中心部へと送ったようだった。そこで俺は考えた。もし時間内にその炉を活性化し、リーバーを染めることができれば、ヤーノスをその酷い運命から救う微かな可能性があるかもしれない、と」 「俺はリーバーをその炉に沈め、剣を元素の炎で鍛えた。 リーバーはかくして染まり、今やあの元素の障壁を破り、処刑人からヤーノスを救い出す準備が整った」 (ヤーノスは杖の力で無力化されている) サラファンのラジエル 「奴を押さえろ!」 (サラファンのラジエルがヤーノスの胸から心臓をえぐり取る。戻ってきたラジエルはまさにその瞬間を目撃することになる) トゥレル 「奴の黒い心臓を見てみろ、あんな風にまだ脈打っているぞ!」 (ラジエルはサラファンのラジエルと目が合う。そして地震が起こり、部屋が崩れ始める) デュマ 「その悪魔は我々を生き埋めにする気だぞ! ラジエル、ここから離れなければ!」 サラファンのラジエル 「その剣を忘れるな!」 (サラファンは去り、ラジエルは死にかけているヤーノスに手を添える) ラジエル 「許してくれ、すまない・・・俺はあなたを助けられなかった」 ヤーノス 「いいんだ、ラジエル。 おそらくこれが私の真の目的だったのだ。ただ、ここでお前の命を救うことが」 ラジエル 「しかし俺はあなたの命を奪ってしまった・・・」 ヤーノス 「自分の運命を受け入れるんだ、ラジエル・・・。 お前はリーバーを取り戻さねばならん。あれはお前のために、お前だけのために鍛えられたものだ・・・。 あれがなくては、いかなる希望もない・・・」 ラジエル(独白) 「ヤーノスの亡骸から離れると、俺は深い自己嫌悪感に苛まれ、ほとんど抑えることができなかった。 その時、俺は過去の自分を完全に拒絶し、俺のためにヤーノスが何世紀にも渡って忍耐強く守り抜いてきた役割を受け入れた。そして俺は自分がなすべき事を知った。俺のためだけに用意された任務を・・・」 「俺はサラファンの犬を追ってその不快な要塞に向かい、ヤーノス殺害の復讐を遂げようとした。 モビウスは奴の裏切りの大きな代償を払うことになる。そして我がサラファンの同胞は、奴らが見せた恐怖をその身で知ることになるだろう。 そして最後に、全ての負債が支払われた時、俺は奴らの汚らわしく不相応な手から、ヤーノスの心臓を取り戻すつもりだった。 もしあの心臓が本当にヴァンパイアの不死生を取り戻させる力を秘めているのなら、その最重要な用途は俺にとって明らかだった・・・俺は心臓をヤーノスに返し、忌まわしい前世の自分によって為された卑劣な悪行を帳消しにするつもりだった」 エルダーゴッド(4) エルダーゴッド 「お前は私を失望させたのだ、ラジエル」 ラジエル 「疑問に思っていることがある、古き者よ・・・。 あんたは本当に俺を甦らせたのか?それとも、アビスで俺が苦痛から目覚めた時、ただそこにいただけなのか?あんたは単に俺が使いやすいと思っただけなんじゃないのか。ケインによってあんたの住処に落とされ、どういうわけか破壊されなかった。あんたが操るのに好都合な、丈夫で騙されやすい道具ってわけだ。 一つ確かなことがある。俺は幾度となく他人に利用されてきた。しかし、いつも俺は奴らの道から外れるらしい・・・悪魔よ、俺の何が、俺自身をそれほど信頼ならぬ手先にさせるんだ?なぜ俺は次から次へと試練を生き残る?・・・屈辱的な死と再生の終わりなき連続の中で、いつまでもな。どうやら、俺の運命と歴史には、俺が知っているよりも遙かに多くのことが隠されているようだ。そしておそらくは、あんたが知っているよりもな・・・」 モビウス(4) (サラファン砦に戻って) ラジエル(独白) 「唐突かつ不可解なことに、リーバーを発見した。胡散臭くも道の途中に置かれていたのだ。 やはり俺は、例の『時の歪み』を何ら感じなかった。ウィリアムの礼拝堂でリーバーに出会った時に感じた奇妙な変位の感覚を。 ここにある剣には、ヤーノスが初めて俺にこのリーバーを見せた時に経験したのと同じ、名状しがたい恐怖を覚えた。 俺はすぐに剣から嫌悪感を感じたが、なおそれを手に取るよう抗いがたくも強いられた」 (その場にモビウスとマレックが現れる。モビウスの杖により、ラジエルの霊体リーバーは封印される) モビウス 「やはりラジエルか。ようやくここに至ったわけだ。 お前は今、私と対面する以外に選択肢はないのだ。そして私は、かつてお前に信じさせたほど愚かではないのだよ。 我々には成し遂げねばならんことがある」 ラジエル 「貴様は俺がサラファンをヤーノスへと導くことを知っていたな、卑劣な奴め! 貴様は俺のあらゆる動きをお膳立てしていたのだ!」 「俺の運命は貴様にとって娯楽なのか?」 モビウス 「楽しませてもらったぞ」 「やめておけ、ラジエル。 マレック、この化け物を逃がすな。奴は輪に危険をもたらす」 「哀れな、欺かれしラジエルよ・・・お前は、私に関わる歴史を変えられるほど自分が狡猾だとでも思ったのか? 我は時を旅する者。お前のあらゆる目論見は、実行される前から露見していたのだ、愚か者めが」 ヴォラドール(遠くの声) 「犬を呼ぶがいい、貴様らの骸を食わせてやるぞ!」 マレック 「モビウス卿、砦内部で問題が発生しています。輪が攻撃にさらされて」 モビウス 「動くでない、マレック。 こやつこそ我々にとって真の危険なのだ」 ラジエル 「貴様はここで何を企もうとしているんだ、モビウス?」 モビウス 「毒をはらむ化け物め。私がお前を放し飼いにして、お前が遭遇するあらゆるものを腐敗させるのを許すとでも思ったのか?」 ラジエル 「これまでお前を過小評価していたことは認めよう、モビウス。しかし俺は間違いを繰り返さない」 (ラジエルは物体のリーバーを手に取る) モビウス 「また間違えたな、ラジエル。 今だ、マレック!扉を締めろ」 ※モビウスは単に本性を現したわけではない。霊体リーバーを封印した上で、ラジエルを口汚く罵ったのは、彼に物体のリーバーを手に取らせるためだった。その理由はラストシーンで明らかになる。 (鉄格子の扉が閉まり、ラジエルは取り残される) ラジエル(独白) 「モビウスは杖を用いて霊体の剣を無力化し、効果的に俺の武器を奪った。それゆえ、俺はただ一つの武器(=物体リーバー)を選ぶほかなかった。 だが認めよう。俺がリーバーを手にしたのは、他に選択肢が無かったからではなく、無分別な怒りのせいだった。憤激の最中、まるで俺の手がそれ自身の意志で動いたかのように感じられた。 今や、その手は(リーバーの)揺るがぬ力に満ちた柄を握りしめていた。そして俺は抑制された疼きを感じた。それは微かだが明白な渇望の感覚だった。無力化された霊体の剣が、物体の双子を抱きしめようと足掻いていたのだ」 (リーバーを手放そうとすると) ラジエル(独白) 「リーバーを手に取った今、リーバーと俺は不可避に結びつけられていた。 剣を手放そうとすればするほど、俺の手はその柄をきつく握りしめた。まるで自分自身の意志を持っているかのように」 復讐 ゼフォン 「復讐しに来たのか、悪魔よ?」 メルカイア 「地獄に帰るがいい!」 ラジエル(独白) 「俺にはこいつらがかつての同胞だと分かった・・・生前はサラファンとして、不死になってからはケインのヴァンパイアの『息子たち』として。 メルカイアとゼフォンは、ケインの子の中でも最も弱かった・・・。奴らは自分たちにどんな未来が待ち受けているのか全く分かってはいなかった。自分たちがあれほど忌み嫌っていたものに、どのようにしてなるかということを。 リーバーは貪欲な期待にうなり声を上げていた。ヤーノスはこれを『ヴァンパイアの』剣だと呼んでいた。犠牲者から生き血を吸い取る力を与えられているのだ。 俺はリーバーがこの二人にどんなことをするのか見たくてたまらなかった・・・」 「メルカイアとゼフォンが俺の剣の前に倒れるや、俺は、まだヴァンパイアだった頃に自分が感じた血の渇きよりも鋭く、リーバーの血の渇きを感じた。俺たち(自分とリーバー)の境界が消え失せていくのが分かった。剣は俺に生命力を与えた。俺の肉体的なエネルギーはもや時と共に衰えていかず、敵に負わされた傷もほんの一瞬で癒された。 リーバーは俺を無敵にしたのだ」 デュマ 「あの化け物の黒い心臓を取り戻しに来たのか?」 ラハブ 「その前に貴様は俺たちを倒さねばならんぞ」 ラジエル(独白) 「次に立ちはだかったのは、俺のかつての同胞であるデュマとラハブだった。全てが見事にお膳立てされているように思われた。 リーバーに鼓舞され、俺は意外な事実に酔いしれていた・・・ ようやく俺は、ケインの冒涜的で密やかなジョークの甘美な皮肉を理解できた(※)。そして俺は、何世紀にも渡って奴と共謀していたかのように浮かれていた。 というのも、この馬鹿共を墓に送り込んだのはまさに俺自身だったからだ。今から千年後(※)、ケインが自分のヴァンパイアの息子として甦らせるために、俺はこうして死体を提供したというわけだ」 ※SR1のラストでケインが語っていた、最大の敵を自らの腹心にするという皮肉のこと。 ※今は500 BCなので、1000年後は500 ACである。詳しくは年表を参照のこと。 トゥレル 「貴様が這い出てきた穴へと帰るがいい、悪魔め!」 ラジエル(独白) 「ついに我が兄弟トゥレルの登場だ。奴はデュマと共に、ケインの命令に疑念を抱くことなく、俺をアビスへと運んだのだ。ヴァンパイアになってすら、なんと忠実にして廉直なことか・・・。ある種の癖はなかなか抜けないということだろう。 ヴァンパイアのトゥレルは俺の復讐を逃れた。しかし、サラファンのトゥレルはそういうわけにいかない」 サラファンのラジエル 「そうか、ヴァンパイアめ。ここまできたか。 お前は俺の同胞を殺した。そして今度は俺の番か? 俺がそれほど容易い獲物ではないということを教えてやろう」 ラジエル 「俺はお前を殺したくない。しかしやむを得ないのならそうするまでだ。 あの心臓を返せ。そうすれば今、俺たちはこれを終わらせることができる」 サラファンのラジエル 「つまりお前はあの薄汚い寄生虫の復讐に来たという訳か。そして奴の汚れた心臓を取り戻そうと? お前は正義感に満ちた悪霊だというわけだな?」 ラジエル 「どうやらそうらしい」 サラファンのラジエル 「答えはノーだ、ヴァンパイア。(確かに)ここは終焉の地なのだ。ただし、お前がこの部屋から出て行くことはないがな。 さあこれを終わらせようか。慈悲深くさっさと済ませてやろう」 ※「これを終わらせる」の意味が二人の間で対照的である。未来のラジエルは、生前の自分を殺すのに躊躇っており、戦いを回避して終わらせたい。しかし、何も知らぬサラファンのラジエルは、相手を殺して終わらせたい、というわけ。 ラジエル 「ヤーノスにしたようにか?」 サラファンのラジエル 「いいや、あの化け物は遙か長きに渡って我々の手を逃れてきた。 奴を手早く始末したのでは勿体なかっただろう。 皮肉なことだ。全く、あの『偉大なヤーノス・オードレン』が全く何の脅威でもないと分かったのだからな・・・お前のおかげだ。俺が奴の図体から心臓を毟り取った時、お前は奴の惨めな叫び声を聞いたか?」 (サラファンのラジエルをリーバーで貫いて) ラジエル 「お前とは縁切りだ」 ケイン(4)-第三のパラドクス ラジエル(独白) 「かくして終わった。俺の歴史は一周して元に戻ったというわけだ」 (モビウスに封印されていた霊体のソウルリーバーが復活する) ラジエル(独白) 「霊体の剣は自分の双子を感じて、俺から自分を解き、前世の自分を愛おしそうに包み込んだ。 俺は(自分をつかんでいた)霊体の剣の手が緩むのを感じた。そして剣が俺から離れるや、俺は剣の不在から、剣がまだ存在していた時以上の寒気を感じた。空虚と喪失の不吉な感覚に襲われた・・・ そして俺の意識の縁で、恐るべき発見が嵐のようにつのっていた・・・」 (霊体ソウルリーバーに包まれた物体リーバーがラジエルを襲う) ラジエル(独白) 「他に敵がいなくなり、結びついた(2本の)剣は俺に向かってきた。そして俺はようやく分かった。ヤーノスが俺にこの剣を差し出した時、どうして俺が何も感じなかったのかを。 リーバーは決して、魂を盗む武器として鍛造されたわけではなかった・・・ ・・・あの剣(=未来のソウルリーバー)に囚われていた、貪欲で魂を喰らう存在は、俺自身であり、これまで常にそうだったのだ。 だからこそ、ケインが俺を打ち倒そうとした時、あの剣は粉々になった。リーバーは自分自身(ラジエル)の魂を喰らうわけにはいかなかったからだ。パラドクスが、あの剣を砕け散らせたのだ。 つまり、これが俺の恐るべき運命というわけだ。永遠に、煉獄の循環を演じ続けるという・・・。 俺は耐えられなかった。絶望に打ち負かされていた」 ※この時代のリーバーはヤーノスが古代から守り抜いてきた吸血剣リーバーであり、ラジエルの魂が入っていない(ソウルリーバーではない)。従って、ラジエルに巣くう霊体ソウルリーバーと出会っても、時の歪みを伴ったパラドクス的瞬間は生じない。だからラジエルも変位の感覚を感じなかった。じゃあいつラジエルの魂が入るのか?それは今だ、というわけ。 (ケインが現れる) ラジエル 「貴様!」 「これで満足か、ケイン?」 ケイン 「抗うな、ラジエル・・・。 剣に身を委ねるのだ・・・」 ラジエル 「最初から、これが俺に対するお前の運命だったというわけか?!」 ケイン 「私を信じろ・・・」 ラジエル(独白) 「俺は自分が弱っていくのを感じた・・・もう持ちこたえられなかった。 リーバーはあまりにも強く・・・諦めの衝動は余りにも大きかった・・・」 「そしてその時・・・膨らみつつある目眩の感覚を覚えた。あの馴染み深い変位の感覚。 俺の対をなす魂が物体リーバーの外と内の両方で漂っていた(※)。それはあのパラドクス的瞬間だった。 これは一瞬の微かな時の歪みだった。ケインは最初からこれを待ち望んでいたのだ。 (つまり)これこそコインの縁だった。この僅かでおぼろな可能性に、ケインは全てを賭けていたのだ」 ※物体リーバーの外には「元々の霊体ソウルリーバー(=一周前のラジエルの魂)」があり、内には「ほとんど剣に取り込まれソウルリーバーを完成させつつある当代のラジエルの魂」がある。パラドクスが起こるのはこの一瞬であり、タイミングを逃せばラジエルは剣の虜囚となる。それがこれまでの年表(1~3)におけるラジエルの運命だった。 (ラジエルが完全に吸収される寸前、ケインはラジエルからリーバーを引き抜く) ケイン 「これでもうお前は自由だ。真の運命を取り戻すことができるぞ、ラジエル」 ※歴史は改変され、ここで年表は3から4へと移る。 (空間がねじれ、未来が切り直され始めるや、ケインの顔は恐怖に曇り始める) ラジエル(独白) 「ケインの目の奥で、新たな記憶が生まれては消えているのが分かった。歴史はこの重大な妨害の周りで、自らを切り直そうと努力していたのだ・・・。 そして俺は、奴の顔に立ちこめる恐怖から悟った。どうやら俺たちは今回、歴史を余りにも酷使したらしい・・・ ・・・俺の運命を改変しようとしたことで、奴は致命的なパラドクスを引き起こしてしまったのかもしれない」 ケイン 「なんたること・・・ヒルデンめ・・・ ・・・我々は奴らの罠にかかったのか・・・ ラジエル!ヤーノスは死んだままにさせておかねばならん!」 ※年表4での凶事の真相はBO2で明かされる。 ラジエル(独白) 「しかしケインの警告は届かなかった。俺は自分の物質的な体を維持できないほど衰弱し、精神界へと滑り落ちたのだ・・・。 そしてそこには、いつもと変わらず俺を待っているものがいた。リーバーだった・・・霊体の剣だった。永遠に俺と対をなし、結びつけられた、俺自身の魂だった。 そして俺は理解した。自分が決してこの酷い運命から逃れられないということを・・・。 俺はただそれを先延ばしにしただけだったのだ」 ※霊体ソウルリーバーが存在するということは、物体ソウルリーバーがどこかで完成しなくてはならない(その後2000 ACで霊体化する)。つまり、年表4においてさえ、当代のラジエルはいずれリーバーの虜囚になる運命だということ。 ソウルリーバー2完 (Defianceへと続く)
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「なるほど、お話の方はよく理解出来ました」 十代の若々しい、大人と子供の中間に位置する様な青年らしい声音かと言われれば、そうでもなく。 かと言って、酸いも甘いもかみ分けた三十~四十代の落ち着いた声音かとも問われれば、そうとも言えず。 二十代の、青年らしい声音からは既に脱却し、大人らしい落ち着きを漸く得始めた、とも言うべき。そんな男の声が、ミーティングルームに響き渡った。 良く通る上に、何処となくセクシーさと言うものを感じ取れる良い声だった。本人がその気になれば、舞台声優としても通じる程の魅力的な声であろう。 だが現実は違った。男の選んだ仕事は、日本に於いて知らない社会人などいないと言っても間違いない程の超大手銀行の銀行マン、しかも男は、 数千を超す程の従業人の中のほんの一つまみとも言うべき、超が付く程のエリートだった。 「貴社の中の一部門である、アイドル部門をより世間的に認知させ、そして、社全体の業績を伸ばそうと言うプロジェクト。その遂行の為に、三億の融資が必要である、と」 「その通りです」 男の言葉に対してそう答えたのは、妙齢の女性であった。 もう華の二十代は過ぎたと言うべき年齢である事が、立ち居振る舞いからも窺える。着こなすスーツが、とても凛々しい。 大学を卒業したての女性では、醸し出せない空気だった。だがそれでも、日々摂生に努めた生活を、忙しい合間を縫って何とかこなしているのだろう。 化粧をしていると言う事実を差し引いても、彼女の肌は二十代後半の張りを未だキープしており、顔つきも、三十路を越えた年齢であると言うのにとても若々しい。 その厳しそうな顔つきと声音、そして身体から発散される風格は、一流企業に勤めるOLと言うよりは寧ろ、新進気鋭の企業の女社長とも言うべきものであった、 一方で、女性の眼前で、ミーティング・デスクの適当な一席に座るのは、なまめかしい黒色の、如何にも名の立つテーラーに仕立てて貰ったスーツを着こなす男だった。 サラリーマンの道を志して居なければ、きっと俳優にでもなれたであろう程の整った顔立ちをした男で、腕に巻いたロレックスと、 勝ち組の特権だと言わんばかりに履きこなすジョンロブが、この男をただのサラリーマンでないと言う事を雄弁に物語っていた。 男は――結城美知夫は、 新宿 は当然の事、日本全国津々浦々、果ては海を越えて外国にすらも支店を持つ、某有名メガバンク。その 新宿 支店の貸付主任であるのだ。 三億円である。事業融資の額としては、珍しくない。 それどころか、結城程の銀行マンであれば、億の金など毎日の様に右から左へと動かしている。三億など、ポンと貸してやる事だって、ある。 だがそれは、誰の目から見ても実績と信頼が確かな大企業である、と言う場合に限る。 実際には最近のメガバンクは従来通り大企業、或いは中小企業への融資を主としており、特に中小企業など、余程優れた業績やここ数年の決算、そして、 融資係を口説き落とせる見事なプレゼン力がなければ、先ず融資は受けられない。当たり前だが銀行は慈善活動で金を貸している訳ではない。 利子を設定し、本来設定した貸付金の額+利子で利益を上げる組織である。当然、貸し付けた本来の額が回収出来ねば、当然赤字であり、貸した融資係は大目玉だ。 況してや三億円など、到底回収出来ませんでしたで済まされる金額ではない。少しのミスで、エリートが窓際族にまで転落するのが当たり前なのがメガバンクだ。 それに相談者が推し進めようとしているプロジェクトは、いわば新しい芸能分野の開拓だ。先行きが見通せず、時の運次第でどうとでも転がる計画の為、真っ当な銀行マンであれば、いわゆる『貸し渋り』をしてしまう事であろう。 これが、弱小の芸能事務所やプロダクションであれば、結城は貸す気など微塵も起こさなかっただろう。 だが、相談された先の企業が、あの『346プロダクション』と言う事実が、結城に熟考の時間を余儀なくさせた。 346プロと言えば、国内の芸能プロダクションの大手とも言うべき事務所の一つである。 本社は 新宿 に構えられており、 魔震 前から存在した歴史あるプロダクションである。一時は 魔震 の影響で操業停止寸前にまで追い込まれるも、 当時所属していた俳優や歌手の頑張りや、当時の幹部首脳陣の精力的な指揮能力で、見事 魔震 前以上の地位を獲得するにまで成長した、強い企業だ。 芸能事務所の中では、間違いなく大手と呼んでも差し支えのない団体であった事だろう。但し、此処 新宿 での346プロの地位は、現在二位だ。一位から転落していた。 近年、悪魔的な手腕で急速にその版図を広げさせている、旧フジテレビ本社と同じ位置に、巨大なタワーと言う形の社屋を構える、日本最大のレコード社。 通称、UVM社の超が付く程の大躍進により、346は当然の事、日本中の音楽・芸能プロダクションはその頭を抑えられる形になっていた。 UVMだけが一強と言う訳ではないが、それでも、天を貫くバベルの塔のような本社を持つあの会社の牙城は、驚く程堅固だ。 それを突き崩す神の雷を、結城美知夫の顧客(クライアント)となる女性、美城は、アイドル事業に求めたのである。 彼女は言う。極めて悔しい話だが、UVM社が擁する歌手陣の層は、日本所か世界中の全プロダクションの中でも類を見ぬ程分厚く、高レベルだと。 真っ当な歌唱力やプロモーション能力で勝負を仕掛けるのは、無理があると美城、及び346プロは判断。だが手を打たぬ事には、何時までもUVMに頭を垂れ続ける事になる。 そして最近、と言っても此処数ヶ月の話であるが、346プロは、UVMは所謂、アイドル事業が手薄であると言う結論を弾き出したのだ。 手を出していないと言う訳ではないが、それでも、UVMのアイドル事業は、他の部門に比べて業績が奮わないと言うのが現状だった。 此処を狙わぬ手はない。アイドル活動と言うのは、無論歌唱力やダンスの技術も求められるが、それ以上に、年頃の女性が『頑張っている姿』を演出するのが重要である。 これを演出する事で、ファンの庇護欲やエールを送りたいと言う気持ちを助長させる事こそが、肝要なのだ。UVMは、その年頃の少女の活かし方を学んでいなかった。 『女の子の輝く夢を叶えるためのプロジェクト』、と言う御題目を掲げ、美城を含めたプロダクション全体が一丸となって推し進めるこのプロジェクト。 社の人間は、これを『シンデレラプロジェクト』と呼んでいた。シンデレラとは、この世で最も有名かつ理想的なサクセスストーリーだ。成程確かに、女の子の夢を叶える計画の名を冠するに、相応しい。 プロジェクトは今の所順調な経過を見せていたが、それでもやはり、躍進と言う程ではない。 年頃の子供と言うのは、堪え性がない。直に目に見えた成果を欲しがる生き物だ。早い話、直にでも大舞台に上がりたがると言う性を持つ。 美城にしたってそれは同じである。今のままでは、UVMに並ぶまで何年掛かるか。況してや相手は、プロデュース業に掛けては悪魔的な才能を持つブレーンがいるのだ。 つまり、此方のプロジェクトを考察し、自分達も同じようなプロジェクトを立てるかも知れないのである。そうなったら、UVMと346の間には、大きな差が開き、 永久にそれが埋まらなくなる。美城は、これを危惧した。だからこそ、即効的に効果が表れる自身の計画を推し進めようとしたのだ。 その為には、金が入用になる。 だからこその、今の融資相談であった。美城は、上に語ったような事柄を、パワーポイントなどで懇切丁寧に、そして自身の計画の有効性や効率の良さをプレゼン。 経営者、そしてアイドルを導く為の責任者としての目線からも、自分の計画が全く間違いでない事を、結城に今まで説明していたのである。 美城のプレゼンは、畑違いの結城から見ても、素晴らしい物だった。 346プロの業績や決算の良好さ、及び、プロジェクトにかける熱意を主張した上で更に、結城にも解りやすくこのシンデレラプロジェクトについて説明する、 と言う配慮が至る所に成されていた。更に、美城自体の人間性も優れている。プレゼンの最中に結城は、カマかけや試す意味で、 美城のプレゼンをつまらなそうに聞く演技をしていたが、「そんな演技など見飽きた」とでも言わんばかりに、彼女は平時の様子でプレゼンを続けていたのだ。 相当な手練である事が一目で見ても結城には解ったが、想像以上の傑物らしい。並の銀行マンならば、逆に呑まれかねないだろう。 美城の方からは、説明出来る事は全て説明し尽くした。 後はもう、結城からの鶴の一声を待つだけだ。彼が肯じるか、それとも首を横に振るかで、今後が決まると言っても良い。 「……宜しい。融資を致しましょう」 結城はたっぷり十秒程の時間を置いてから、そう言った。 「ありがとうございます」、と平素と変わりない声音と態度で、美城が一礼した。 特に喜んだ様子を見せないのは、この融資は言わばゴールではなく第一歩であり、言わばこの三億が振り込まれる事で、漸くスタートを切ったに等しいのである。 おちおち喜んでなぞいられない、と言うのが美城の本音であるのだろう。つくづく、抜け目のない切れ者だった。 とは言え、そんな美城の態度とは裏腹に、結城は全くリラックスしていた。 緊張した態度を演出しているのは、表面上だけ、内心は全く落ち着き払っている。 346プロダクションならば三億程度の金、自分の腕前なら容易く回収出来ると言う自信もそうであるが――もう一つ。 三億の融資を快諾したのには、上記の自信を上回る絶対の理由があったからに他ならない。 「シンデレラプロジェクト、素晴らしいお名前ではありませんか」 スックと席から立ち上がり、美城と、プロジェクターからスクリーンに投影されるプレゼン画面を交互に見渡しながら、結城は続けた。 「夢見る原石である女の子達を磨き上げ、立派な宝石へと仕立てるプロジェクト。まさに、全ての女性の夢である『シンデレラ』の名に相応しいですな」 「恐縮です」 我ながら、全ての歯が浮いて歯茎からすっぽ抜ける程の営業トークだと冷笑する結城。 無論、今しがた口にした言葉の通りの事など、全く思っていない。本心から、どうでも良いとすら思っている。 優れた社会人である美城なら、結城の歯の浮く台詞など、御見通しであろう。何せ相手は銀行マン。融資金の回収と利息の回収が出来ればそれで良い、禿鷹であるのだ。少女の夢の成就を願う人種の、反対に位置する人間である。 「それでは、お互いの為に、頑張りましょう。美城様」 「えぇ、今後とも、よろしくお願いいたします、結城様」 そう言って二人は互いに近付いて行き、固い握手を交わした。かくて、346プロへの三億円の融資が決定した。 新宿 での聖杯戦争が開催される、二日前の出来事であった。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「聖杯戦争も始まったと言うのに、出勤か。精が出るな」 結城には、果たしてそれが何を意味し、何のバロメーターを表しているのか。 到底理解出来ない計器が無数についた大規模な機械の塊を見上げながら、手に持った資料に時たま目を配らせるジェナ・エンジェルがそんな事を口にした。結城の方には、目もくれない。 「貧乏人とエリート程暇のない人種はないのさ」 ネクタイを巻き終え、腕時計を確認し、時間的にまだ余裕がある事を確認してから、結城が言った。 大企業に就職出来たから、冷房の効いた部屋で優雅にデスクワークをして、高給を……。 そんな甘っちょろい現実など、ありえないと言う物だ。実際には見ていてうんざりする程の量の書類を処理したり、またある時は実地で様々な交渉事を行ったりと。 やる事は山ほどあるのだ。パレートの法則と言うものが有る。全体の数値の大部分は、全体を構成する二割が生み出していると言う冪乗則である。 これを企業に当て嵌めるとつまり、企業の利益の大部分は、二割の従業員が生み出しているのであり、残りの八割はいてもいなくても差し支えのない人間と言う事だ。 結城は当然、利益を生み出す二割に該当する人間であり、その中でも特に有能とされる彼の業務は、多忙を極めるのだ。暇など、ある訳がなかった。 「いいね、研究職って言うのは。暇がありそうで」 「馬鹿を言うな」 拗ねたような口調でそんな事を言う結城に対し、即座にジェナは切り返した。 「ルーラーなるクラスから、公式に聖杯戦争の開催の直達があったのだ。まさかこれを見逃す愚鈍な輩は、よもやいるまい」 「だろうねぇ」 「当然、 新宿 での戦いが激化する事は想像に難くない。今のお前の地位は、 新宿 の戦いを勝ち抜く上で有利に働くかも知れないそれだ。 業務を放棄して、そうそうに捨てて良い役割(ロール)ではない。それは解っているだろうが、どちらにせよ警戒しておけ」 「了解っと」 タバコを一本、吸い終え、ガラスの灰皿の上に突き立てながら、結城は返した。 如何にも適当そうな立ち居振る舞いだが、自身をエリートと公言するように、結城は恐ろしく頭のキレる男だ。ジェナの言葉を適当に流しなどいなかった。 「今日の予定は告げておけ、マスター」 「ハハハ、その言い方。何か役に立たない部下の動向を予め聞いて置きたい上司みたいだぜ」 「お前にはジョークの才能がない。さぞやあの神父も、愛想笑いに疲れた事だろうな」 最早ジェナには、さっさと話せ、とせかす事すらも億劫になり掛けていた。 彼女の心境の変化を読み始めた結城が、はいはい、と口にしながら、二本目の煙草に手を伸ばした。 「一昨日話しただろう? 僕の新しい融資先の話。其処に向うのさ」 「下らぬ芸能プロダクションの事だろう?」 「全くだよ、下らな過ぎて足を運ぶのもウンザリする。うちの銀行のヒラがやってるみたいな飛び込みの営業の方が、まだマシってもんさ」 「其処まで言うか」 タバコを口元にまで持って行き、紫煙をダラしなく吐き散らしながら、結城は言葉を続ける。 「美城とか言う女と融資交渉をしに行った時も、アイドルと言うか、所属してた奴らの顔を見て来たよ。笑っちゃうよ、小学生までいると来た。ガキの頃からアイドル活動何てしてたら、ロクな大人にならないぜ」 「お前のようにか?」 「随分と辛く当たるねぇ、キャスター」 キャスターの嫌味など、何処吹く風。痛痒すら、感じていない様子であった。 「それで、話を戻すけどさ。此処までの流れから凡そ解ると思うけど、僕はその芸能プロダクション……346プロって言うんだが、其処に視察に赴く事になってるんだ。一応融資先の様子を具に観察するのも、僕らの仕事だからね」 「346プロ……?」 まるで、家を出てから一時間程経過して、ふと、何かを忘れたのではないかと思い立ったような声音で、ジェナが言った。彼女にしては珍しい声のトーンだった。 その引っ掛かりの正体が何なのか確認する為、彼女は、部屋に置かれた端末状の装置に近付いて行き、慣れた手つきでそれを動かす。 端末に取り付けられた液晶画面に流れる文字。それを見て、得心した様にジェナが首を肯じた。「成程」、彼女は納得の様子を口にする。 「一人で納得しないでくれないかな」 「単刀直入に言おう、そのプロダクションにチューナーがいる」 「ワオ」 軽く驚いた様子を結城は見せる。自身の引き当てたサーヴァントが、 新宿 中に悪魔化ウィルス感染者……つまり、チューナーの事だが、これを撒いている事は知っていた。 だがそれも、 新宿 で活動している人間の総数を分母にして割り算すれば、ほんの微々たる総数に過ぎない。 これは、ジェナの、少数の優れた悪魔達のみをチューナーとして生かす事を許し、それ以外の雑魚悪魔はその場で処分する、と言う方針に基づいていた。 その方針がなかったらきっと、現在 新宿 で活動しているチューナーの数は倍増していた事だろう。 そんな現実を知っている結城だから、驚いていた。まさかチューナーが、融資先に所属しているなど、偶然にしては出来過ぎていた。 「もっと早くに、融資先の名前を言っておいた方が良かったかな? 君には興味がないだろうと思ってさ」 「気にするな。元々チューナーの管理をする気のない私に落ち度がある」 「する気がない、何だね」 悪辣な笑みが、結城の顔に刻まれた。銀行マンと言うよりは寧ろ、前科を重ねに重ね、それでもなお反省をしない生粋の犯罪者の貌だった。 対するジェナも、微笑みで返した。人を殺して喰ったような、そんな笑み。実際に、何百人もの人間をそうして喰らい尽くして来たのだから、始末に負えない。彼女こそは現代の、ソニー・ビーンであった。 「元々貴様も私も、この街が――世界がどうなろうが、知った事ではないだろう。今更な事を言うな」 「ハハ、ごめんごめん」 「今言った様な事もチューナー放任の理由でもあるが、それ以上に、職や年齢、住まいに纏まりもない、アトランダムにNPCをチューナーにしているのだ。これらを纏め上げるのは、限度と言うものが有る」 チューナーに選んだ人間達は、ジェナの言う通り何から何までバラバラだった。 性別を筆頭に、身長、年齢、人種等々、全てが全て、これと言った共通項を持たない。 ジェナが、素質があると睨んだNPCをチューナーを、選んでいるのだ。素質は性別や年齢を選ばない。上は八十を過ぎた老人、下は小学生の子供までいる。 これらだけなら、ジェナが保有するカリスマスキルで無理やり率いる事も出来るが、ある理由からこれは出来ずにいた。 住所の問題である。当たり前だが、ジェナがチューナーに選んだNPC全てが、同じところに住んでいる訳ではない。全員が全員てんでバラバラの所に住み、 NPCによっては区外も区外、埼玉や神奈川を住まいとしている者もいる。ジェナ・エンジェルと言う人物がチューナーの数だけ存在出来るのならばまだしも、そんな事は出来ない。 だからこそ、放任と言う選択を採らざるを得なくなる。ジェナとて、全てのチューナーを管理下に置いた方が良い事は百も承知だが、地理的、距離的問題から、それを出来ずにいるのだった。 「まぁ、キャスターの意図する所は理解した」 二本目の紙タバコを灰皿に押し付けながら、結城は腕時計に軽く目線をやった。 時刻は七時四十五分を回ろうとしていた。職場の近くの賃貸マンションを借りた為に、まだまだジェナと話すだけの時間的余裕はある。 「ところで、僕として知りたい情報は、誰がチューナーか、何だけどな。スタッフかい? それとも、歌手か、俳優?」 「貴様が嫌悪して已まないアイドルさ」 「な~るほど、近付きたくもないし視界に入れたくもない」 冗談めかして言う結城だったが、その黒く粘ついた瞳の奥底には、冷ややかな輝きがあった。 此処 新宿 に来る前も、何人もの女を冷淡を通り越して、冷酷とも言える程物扱いしてきた彼だからこそ放てる、凍て付いた眼光だった。 「名前は宮本フレデリカ。名前からも凡その察しは付くだろうが、混血だ。後藤君の調べでは、母親の方がフランス人らしい」 「ハーフか。あのプロダクションには外人も多かったからな。まぁ、フランス人ならば、ある程度は絞り込めるかな」 「この検体は、変身前の人間と変身後の悪魔に全く関連性がない事をお前にも解りやすく伝えられる良いケースだ。つまり、変身前の人間が強かろうが弱い悪魔にもなり得るし、その逆も然り、と言う事さ」 「で、強いのかい。この、フレデリカって言う女が変身する悪魔はさ」 「生前私が確認して来た悪魔のデータには無い存在だったが、確信を持って言える。高位の悪魔であると、な」 「成程ね。差支えなければ、その変身出来る悪魔の名前をお聞かせ願いたいんだが?」 結城としても、聞いて置きたい事柄だった。 ジェナの口から聞かされる、悪魔化ウィルスと言う作成物と、それによって得られる果実は、聞くだけで興味がたえない。 そして、チューナーが変身すると言う実際の現場を一度たりとも見た事がないと言う事実がより、結城の興味に拍車をかける。 と言うのも悪魔に初めて変身する際と言うのは高い確率で暴走を引き起こす可能性が高く、自分がその場に立ち会っていない時に絶対に見てはならない、 とジェナから厳重に注意されていた。暴走の余波で殺される可能性が高いからだ。この事実を語る時にジェナの真面目な口ぶりを、結城は重く受け止めている。 別段死ぬのは怖くないが、確かに、自分の引き当てたサーヴァントが作り上げたチューナーに殺されるなど、結城でも御免だった。 御免ではあるが、やはり怖い物見たさと言うものは確かにある。が、その怖いものをジェナは見せてくれない。だから仕方なく、その悪魔の情報を知る事で、溜飲を下げようとしていた。 「フレデリカと言う検体は、 新宿 のNPCを用いて作ったチューナー群の中で、特に抜きん出た強さを得るに至った」 其処で、一息程吐いてから、ジェナは続けた。 「――その悪魔の名前は――」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ パタン、と、黒光りするノートパソコンを閉じてから、一口。ムスカはカップに注がれたコーヒーを口元へ運んだ。 挽き立ての豆を使ったそれはとても馥郁たる香りを放っており、此処に、砂糖をほんの一つまみアクセント代わりに入れ込むのが、ムスカ流であった。 役割上ムスカは、嘗て 魔震 により壊滅的打撃を受けた 新宿 の調査を行う、某国の諜報員と言う事になっている。 何でも各国の軍部や研究機関は、 魔震 を研究し、それを軍事兵器に転用或いはエネルギー問題を解決させる重要な足がかりにしたい、と言う者がいるのだそうだ。 東京は世界でも類を見ない程スパイの潜伏数が多いと言うが、こと 新宿 を根城にする諜報員に関しては、ただの産業スパイなどとは一線を画するのだ。 ムスカは確かに諜報員であるが、その制約は驚く程緩い。定期的にやってくる本国の連絡員或いは、パソコンから送られてくるデータを確認するだけなのだ。 これではスパイと言うよりは単なる、金を持て余した富裕層の道楽と言った感は否めない。しかし、職務でガチガチに拘束されるよりも、動き易いと言うのは事実。 聖杯戦争の参加者として。偉大なる白貌の帝王の下で奔走するマスターとして。これ以上と軽やかなフットワークを行える役割はなかった。 国防に関わる組織、特に軍部であるが、此処では一般国民や諸外国向けに発表出来る研究と、そうでない研究が存在する。 どれだけ情報の開示権を国民が行使しようとも、絶対に表には発表出来ないしするつもりもない研究。 それは非人道的な実験や研究と言う訳ではなく、国防国益に関わる最先端の研究と言うべきものだ。軍部や国家機関では、そう言った物が研究され、 そう言った組織に関わる公務員達に真っ先にその最先端技術で拵えられた物品が、実験代わりに配られたりするものである。 今ムスカが使っているノートパソコンにしてもそうだ。諜報機関向けに作られたこれは、祖国――この世界での、だ――に報告或いは報告を受ける時のみ自動で、 彼が今いる国のプロバイダーを経ずにネット環境に繋げるモードに変更。如何なる方法でも、ムスカ個人を特定する事が不可能になる。 またそれだけでなく、祖国から報告をしたり連絡を受けとる時に使われる超プライベートコンピューターは、疑似的なカオス理論で構築されたプログラム故に、 外部からの侵入は現代の技術ではほぼ不可能。パスワードを解読し真正面から入ろうにも、パスワードは耐えず流動的に変動している為それも出来ない。 このプライベートルームに入るには、何と常にパスワードページが自動かつ秘密裏に行っている『虹彩認証』をクリアせねばならないのだ。 これをクリアする事で初めて、本国の諜報機関と連絡が取れる訳なのだが……これが全く使われない為に、今の今までムスカは存在自体を忘れていた。 それが、今になって急に使われ始めた。 プライベートコンピューターに入ってみると、ムスカに送られた連絡は何て事はない。 新宿 で暴れ回ったとされる、あの黒礼服の殺人鬼の詳細が解ったら本国に連絡しろ、と言うのだ。 如何も諜報部はあれを、日本やアメリカに匹敵する先進国のバイオテクノロジーの薫陶を受けたテロリストなのではないか、と疑っているのだ。 無理もない、あの殺人の手際を見せられれば、そうも思いたくもなる。だが実際には、それは違うのだ。あの黒礼服の男は、聖杯戦争に参加しているサーヴァント。 遠坂凛と呼ばれる女子高生が召喚した、狂戦士なのだ。真実はまさにこの通りだが、これを言った所でムスカの正気を疑われるだけだ。当然報告もしなかったし、そもそもする気も起きない。 「ふん、ランスローめ。そうとう出世と保身に必死と見える」 コーヒーを飲み終えてから、ムスカは忌々しげにそう呟いた。 ランスロー。フルネームをシン・ランスローと呼ぶこの男は、この世界におけるムスカの上司に当たる人物だ。 階級は准将。元居た世界でのムスカの階級より上である。ランスローは国益は当然の事、それ以上の自身の出世と安寧たる地位を固める事に躍起になっている人物だ。 有能である事は間違いないが、ムスカとは馬が合わない。ムスカ本人は否定する所だろうが、彼自身も同じような性格だからだ。これでは性格が合う訳がない。 ランスローは何としても黒礼服のバーサーカーの情報が欲しいらしく、 新宿 を担当するムスカに、その情報の収集を緊急かつ別件の任務と言う形で連絡してきたのである。 無論、ムスカとしてはその収集は聖杯戦争の参加者として行うべきものであるが、ランスローに報告するつもりなど毛頭なかった。 ムスカと、彼が引き当てたキャスターのサーヴァント、タイタス一世の聖杯戦争は、思わぬ横槍を入れられ、本来意図していたそれから逸脱してしまう事になる。 ムスカが、一世の生み出した骨董品や戯曲の類を 新宿 に流布するだけでなく、メディア等を通じてアルケア帝国の想念を蓄積させると言う作戦。 それは、キャスターの真の領地である、帝国の首都アーガデウムの顕現と言う王手まであと一歩の所で、難航を極めてしまっていた。 アーガデウムの顕現には、NPCが夢を見ると言うプロセスを経る事が大前提になるのだが、何者かが、 新宿 のNPC達に細工を施した結果、NPCが夢を見なくなり、 アーガデウムの顕現が予定より遅滞してしまったのである。現在ムスカは、そのフォローとリカバリーの為に、動かざるを得ないと言う訳だ。 まさかこんな早く、一世の神算鬼謀が露見したと言う事はあるまい。そう願いたかった。 ムスカも一世も、下手人は狙って一世の計画を邪魔したのではなく、向こうが目指す目的の過程と、此方の目指す目的の過程が、不運にも噛み合っただけだと、 思っているのだ。何れにせよ、そのサーヴァントはムスカ達にとって目下最大の敵であり、撃ち滅ぼされるべき存在だった。 聖杯戦争開始前に行っていたあのメディア戦略と並行して、一世の目となり耳となり 新宿 の情報を知悉し、彼に報告する事が現在のムスカの任務。 その一環として、今日ムスカは、在る場所に赴かなくてはならない。346プロ本社……今ムスカが贔屓にしている芸能プロダクションである。 言い換えれば、宝具・『廃都物語』を広く流布させる為の広告塔だ。その大事な広告塔が今日、大規模なライブを行う事になっている。 その打ち合わせに、ムスカは立ち会おうと言うのだ。他に重要な仕事は多いが、それと同じ程に、今回のライブも重要である。 「……頃合いか」 腕時計を確認してから、出かけの準備を行うムスカ。無論行き先は、346プロだ。 行きがけに、テレビの電源を彼は入れた。秘密裏に戦闘を行う事が鉄則の聖杯戦争で、まだ朝の八時すら回ってないこの時間帯に、サーヴァント同士の戦闘が近代メディアの俎上に上がるとは思えないが、一応、だ。 「それでは、次のニュースです。EUの社交界に衝撃が走っています。先日発表されました、イギリスのテオル公爵と日系人女性のカナエ・淡・アマツさんとの電撃結婚の――」 其処でムスカは、液晶テレビの電源を落とした。どうでも良いニュースだったからである。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 本来ならば結城は、八時前に出社した後、中身も何もあったもんじゃない朝礼を済ませてから、前日に仕上げた諸々の書類を確認。 訪問先である346プロへの準備を三十分程度で仕上げ、支度を終え次第其処に向かう予定であった。到着時刻は凡そ、九時かそこらだ。 だが現実は、予定時刻を大幅にオーバーして、九時半の到着となってしまった。時間にルーズな社会人は、何処でも嫌われる。 いくら結城の内面は悪辣と言う言葉でもなお足りない程醜悪なそれであったとしても、ビジネスマンとしての仮面を被っている時は、弁えるべき所は弁えるのだ。 それなのに、此処まで遅刻をしてしまった理由は、一つ。 新宿 二丁目周辺で大暴れを繰り広げたと言うサーヴァントのせいだ。 移動しながらスマートフォンで、事の詳細を調べてみると――詳しい情報が載っているとは思えない――、異形の右腕を持った少年が、外国人女性を抱き抱えがら、 突如 新宿 二丁目の交差点の前に出現。それを追うように、馬に騎乗したアングロサクソン系の外人が二名追随。 彼らと、何処からか現れた、頭に鉢巻を巻いた槍を持つ成人男性が交戦――其処からの詳細は、不明だった。 交差点周辺で巻き起こる、地獄から丸々持って来たのではと言わんばかりの灼熱と業火のせいで、現場まで中々レポーター達が入り込めなかったせいだ。 メディアから確認出来る情報はこれまでだが、TwitterやGALAXを筆頭としたSNS、Aちゃんねると言った巨大掲示板からだと、違う。 良く言えば度胸のある、悪く言えば目立ちたがりで命知らずの馬鹿が、身体を張って戦闘の模様を撮影してくれていたのだ。 此処が、組織だって動かねばならないメディアの情報提供力と、確証性や信憑性こそ薄いが個人と言うフットワークの軽さを活かしたアマチュアの情報提供力の差だった。 撮影者の腕の震えがダイレクトに伝わる、撮影された映像を確認した。まるで昔話の中に登場する鬼か何かかと見紛う、巨大な怪物が、炎を吐いて暴れ回っていたのだ。 何処の馬の骨かは解らないが、よく撮影出来た物だと結城も呆れてしまう。この化物の大立ち回りを撮影出来てなお生き残れていると言う事実。一生分の運を使い果たしたのではないだろうか。 間違いなくサーヴァント同士の交戦だろう。 独断と偏見から考えるに、鬼の方はバーサーカー、槍を持った方はランサーなのだろうが、帽子を被った男の方は、全く予想が出来ない。 この三者が暴れに暴れまくったせいで、交通機関に大幅な遅滞が生じていた。自動車の渋滞によってバスやタクシーも足止めを喰らい、 新宿 二丁目周辺の交通網は、 今や完全に麻痺しているに等しい状態だった。その頃には既に結城はバスに乗車している状態で、丁度渋滞に足止めを喰う形になってしまった。 亀のような運行速度でやっと一つ目の停留所に到着した結城は、このままでは埒が明かないと思い、電車で移動する事を決意。急な交通機関の変更。これが、結城が遅刻した理由であった。 移動の最中、ジェナが電話経由で連絡を入れて来た。向こうも、パソコンやらテレビ、はたまた別の情報網を使って、サーヴァント同士の大規模な戦闘を知り得ていたらしい。 電話の内容は当然、サーヴァント同士の戦いに巻き込まれてなかったのかと言う確認だったが、無事を告げると、「悪運の強い奴だ」、と。 心配していたのか否か解らないいつもの口調にジェナは戻っていた。そしてすぐに、「危険だからあのサーヴァント達が誰だったのかの確認に首を突っ込むな」、 と釘を打たれた。尤も結城としては、そんな事する気が起きない。動画を断片的に見ただけだから何とも言えないが、あんなのを調査する等、命が幾つあっても足りた物ではないからだ。 ――話を元に戻す。 遅れに遅れた結城が、346プロのオフィスビルで美城と顔を合わせ、先ず行った事は、遅刻に対しての謝罪だ。 予め遅れると言う連絡を入れてはいたが、それとは別に謝る必要があるのだ。美城も、結城が遅れたのは已むに已まれぬ天災に等しい事柄だと既に理解していたか。 特に彼を責めるでもなく、一言二言の労いの言葉の後、直に本題に移った。 本題とは即ち、346プロの各芸能部門等の様子確認である。 こう言った芸能界の事情は結城にとっては畑が違うにも程がある故に、彼らの活動風景を見た所で、本当ならば意味はない。 融資交渉の際に美城が行ったプレゼンで全ては完結している。――と、言ってもだ、それはそれ、である。 やはり三億もの大金を融資する以上は、それなりに慎重にならざるを得ないのだ。如何に346プロが大手の会社だと言っても、だ。 ……尤も、聖杯戦争の参加者である結城にとって、NPCが舵を取るメガバンクや、NPCが重役を務める芸能プロダクションの事情など、如何でも良い。 三億をポンと貸す事に簡単に同意した最も大きな理由がこれだ。じきに死ぬ人間である結城にとって、融資云々の話など知った事ではないのだ。だから、適当に済ませてしまったのである。 「それでは本日は、主にアイドル部門の仕事ぶりを視察する、と言う方向性で宜しいでしょうか?」 と、訊ねるのは美城である。場所は346プロのオフィスビルの応接間だ。ガラスのテーブルを挟んだ向かいのソファに、美城は座っていた。 訊ねられた事柄について、特に結城の方から異議はない。「それで結構です」、と彼が答えると、直に美城は、「では、別館の方へとご案内させて頂きます」と口にしながらソファから立ち上がる。 表面上はつとめて冷静そうに振る舞っているが、如何にも結城から見て、美城は焦っていると言うか、急いでいる風に見える。 ビジネスの場に関しては単刀直入さを好む傾向が強い事は、先の融資交渉で結城も把握していたが、今日に限ってはかなりキビキビとしていた。 無理もない、これは今日になって結城も知った事であるが、今日346プロのアイドル部門は、部門の存続が掛かっていると言っても過言ではない大舞台に立つ事になっているのだ。 つまりは、野外ライブである。魔震から 新宿 が完全復興してから丁度二十年が経過、『嘗ての悲愴さを吹き飛ばす程明るく、そして同時に被災者を偲ぶような荘厳さを』、 と言う御題目をコンセプトにしたこのライブは、大手プロダクションや各民放、芸能新聞の記者等の耳目が集まる事が既に確定しており、注目されているイベントだった。 346プロが主導するこのイベントには、上に上げたコンセプトも重要だが、其処には美城の、自社のアイドルを世間に強くアピールさせると言う怜悧な計算も、当然含まれていた。 美城は、このイベントを特等席から結城に見させる事で、自分達の実力を見せつけようと踏んでいるらしいのだ。 「随分な自信がおありだなこのお局様はよ」、と思わないでもない結城だったが、そっちの方針の方が、芸能プロダクションらしくて面白いではないか。 長々だらだらと、主力アイドルの自己紹介をされたり、練習風景を見せられるよりは、よっぽど面白いし、実力を見せつけると言う点でも理に叶っている。 この辺りのプロモーション能力は、流石芸能プロダクションの中で高い位置に存在する人物、と言えるだろう。 「ところで、美城様」 所謂、芸能人が練習、活動している離れの棟に移動する傍ら、結城が、世間話のつもりで話し始めた。 「何でしょうか」 「今日のライブについてですが、346プロは数多くのアイドルグループを、擁しているのでしょう」 「そうです。尤も、アイドルグループと言いましても、メンバーによっては他のグループを掛け持ちしている者もいるのですが……。無論これは、此方の戦略です」 「成程、掛け持ちしたメンバーのファンが増えれば、自動的に他のグループにもそのファンが流れる、と。その目測は今のところは?」 「数値の面から見ても、良好な結果を残せています」 「優れた戦略を立てる力をお持ちのようで。それでですが、今回のライブは貴社からしましても、絶対に失敗は許されないイベントと私は見たのですが、当然、今回参加するグループは皆、虎の子と言う事で間違いないのですか?」 「その認識で間違いはありません。ただ今回のイベントは、私の意向で全てが決まると言う訳でなく、私を含めためいめいのプロデューサーが担当する肝入りのグループも参加する事になっています」 結城は今の美城の一言で、本当ならば自分が推しているグループだけでイベントを仕切りたかった、と言う思いを感じ取った。 如何やら相当なワンマン気質であるらしいし、自分なりの強い軸を持っているらしかった。 「美城様の担当されているグループのお名前は?」 「プロジェクトクローネです。今回のコンセプト、『明るく、そして荘厳さを』、というコンセプトの後者の部分に相当するグループです」 「成程。ではそのグループが、今回の主役、と言う事で?」 其処まで言うと、鉄面皮とも言うべき美城の表情が、苦虫を噛み潰したような渋いそれへと変貌する。 「……本日の主役がそのグループのメンバーの一人である、と言う事実を鑑みれば、今回の主役、と言う言い方に嘘はないでしょうね」 「おや、随分持って回った言い方ですな」 「私としても、346としても、本来想定『していた』主役のグループは、間違いなくこのクローネでした。ですが何時だって、芸能人と言う生き物を人気と言う形で定義づけ、形作るのは、ファンや聴衆と言った存在なのです」 「ははぁ。つまり、ライブに赴くファンとしては、メインディッシュは別にある、と」 「そうなります」 とどのつまり美城が言っているのは、此方が意図した今回のイベントの主役と、実際ファンが捉えている今回のイベントの主役に、乖離が起こっていると言う事だ。 当たり前だが、芸能界程人気商売と言う言葉が当てはまる業界はない。基本的にファンは丁重に扱うべき存在だ、余程理不尽な欲求でない限りは、 プロダクションや芸能人はその意向にある程度従わねばならない。主役の逆転位は、受け入れなければならないのだろう。それが堪らなく、美城には悔しいらしいが、その悔しがり方が、結城には尋常ではないように映っていた。 「それで、ファンが捉える今回の主役とは一体誰なのでしょう?」 「『宮本フレデリカ』、と言うアイドルです」 「ほう、フレデリカさん」 内心で結城が驚いた事は言うまでもない。今朝方ジェナから知らされたチューナーの一人であり、特に強い悪魔に変身出来ると言うハーフの女であったからだ。 「元々はクローネのメンバーの一人だったのですが、此処最近、特に彼女が抜きん出て人気を獲得するようになって……。その事実を、彼女のプロデューサーが上に熱意を込めて主張し……イベントの最後に、ソロで持ち歌を複数歌う、と言う運びになったのです」 「私には余り想像が出来ませんが……、彼女は元々、そのクローネと言うメンバーの一員だったのでしょう? ある日突然彼女だけが、突出した人気を得ると言うのは……」 「そう、考えられません。ですがこれが事実なのです」 「原因の方は?」 結城がそう訊ねた瞬間、極限まで不快そうな表情をして、吐き捨てるように美城は言った。 「……此処最近、346プロのアイドル達に、フレデリカの担当プロデューサーを経由して取り入ろうとしている男がいるのです」 「……かなり下品で、下衆な考えである事を承知で言わせて貰いますが、かなり下心が見え透いた人のようですな」 「全くです」 考える所は、美城としても結城と同じであるらしい。 と言うよりは誰だって、同じ帰結に行き着くに違いないだろう。誰がどう見たってその男は、アイドルを食い物にして自らの汚れた欲求を満たしたい人間である以外、見られまい。 「私にはその男とフレデリカさんの人気の相関性が見えないのですが、一体どんな関係が?」 「簡単に言えば、メロディや詩の提供です。今フレデリカは、その男から供給されるメロディや詩を駆使して新曲を出しているのですが……これが予想以上にヒットしてしまいまして」 「それを流用しているのですか? お堅い346プロの事、そう言った外部からのアイデア提供は、一笑に付すものかと思っていましたが」 「普通であれば門前払いです。ですが……」 「……ですが?」 余程、言いたくないらしいのか。結城の目には美城が、言葉が喉元までせり上がっていると言うのに、中々それを吐き出せずにいるように見えた。 口にするのもストレスらしい。今にも耳や鼻の孔から、怒りの余り血でも噴き出んばかりだ。 「……優れているのですよ。その、提供される詩やメロディが」 その一言を口にするのに、三十分も掛かったみたいな重苦しい様子で、美城は言った。 結城は何となくであるが、何故アイドルに取り入って来たその男を、彼女が蜥蜴の如く嫌っているのか。その理由が大体掴めた。 要するに、只でさえ本心の読み取れないその胡散臭い男が気に入らないと言うのに、素性の知らぬそんな男が素晴らしいアイデアを此方に持ち込み、 事実それが功を奏している、と言う事実が受け入れ難いのである。話を聞くに、その男は346プロの正規の登用プロセスを受けた社員でもなければ、 その下請けの人間でも上役とコネで繋がった人間ですらない。本当に外部の住民なのだ。 美城の心情も、解らないでもない。彼女からしたら面白くも何ともないだろう。業界の関係者どころかアマチュアですらない素人の提供したメロディや歌詞が、 会社の庇護下にあるアイドルに歌われ、それがヒットを飛ばされるなど。プロとしての矜持を持っている人間ならば、誰だって眉を顰めてしまうだろう。 ――ただのNPCとは思えんな―― 美城の話した男の話を聞き、結城が先ず思った事はそれだった。 NPCと聖杯戦争の参加者の最大の違いは、日常に沿った動きをしているのか、それとも聖杯戦争に沿った動きをしているのか、と言う事だ。 九割九分九厘のNPCは、聖杯戦争の存在を知らないし、存在しているとすら思わない。彼らにとって神秘の類など、ないものなのだ。 故に、神秘や魔術の事を説明しても、信じるまい。だから彼らは、普段通りの日常に従事する事になる。 だが、ジェナの助手となっている後藤の例を見れば解る通り、聖杯戦争の参加者達が直接NPCにコンタクトを取る事により、彼らの間にいわば『バグ』が発生する。 そのバグとは即ち、聖杯戦争についての認識、或いは、神秘に類する力の獲得である。そのバグの発生したNPCは、高い確率で、元の日常に戻らない。 と言うよりは、戻れないと言うべきか。これもジェナに纏わるケースを見れば明らかだが、例えば悪魔化ウィルスを注入されてチューナーになったNPCは、 強烈な餓えや、悪魔の強大な力に酔いしれ、暴れる傾向にある事からも、戻れないと言う表現はある意味的を射ている。 フレデリカに接触した件の男の行動は、明らかに正常なNPCの活動とは言い難いものがある。 彼が聖杯戦争の参加者そのものなのか、或いは彼らにかどわかされたNPCなのか。それは結城にも解らない。 だがどちらにしても、警戒して然るべき存在である。自身のサーヴァントがジェナと言うキャスターだからこそ解るが、サーヴァントの中には、 NPCを手駒に変容させて扱うと言う者もいるのだ。戦闘力もなく、況してや余命いくばくもない結城では、最悪殺される可能性が高い。慎重に、事を見極める必要があるのだった。 美城と話しながら歩いている内に、別館の方へとたどり着いた。 此方の方は専ら、アイドルや歌手、俳優達の歌唱、演技の練習用、或いは憩いの場として使われる為の場であるらしい。 芸能プロダクションである以上、芸能人と会社の従業員が活動する場所を厳密に区切る必要があるのだ。 それを建物単位で分けるとは、346プロの資産の潤沢さ、と言うものが窺い知れると言うものだろう。 「今はライブ本番に向けて、参加アイドルの殆どが、めいめいの過ごし方をしていますので、結城様が見たい、と思われているだろうアイドルの練習風景は、見れない可能性があるかもしれません」 「おや、本番までもう十時間を大きく切っていると言うのに、最後の予行のような物をしないのですか」 「無論、しているグループもいるでしょう。ですが彼女らは本番に向けて、前日所か開催の遥か前から入念なリハーサルを行っています。 開催前の最後の数時間を、練習に当てるグループもあれば、極度の緊張を紛らわす為にリラックスして過ごすアイドルも、珍しくありません」 「成程、此処までスタートが近付いてしまえば、練習よりも気の持ちようの方が重要と考える娘も多い、と」 「その通りです」 「まぁ私としては……そうですね。美城様が先程口にしていた、宮本フレデリカ、と言う娘を見てみたいですね」 「……フレデリカですか。初めに申しておきますが、彼女はその……かなりのマイペースでして……、結城様の機嫌を損ねないかどうか……」 「彼女はその」、の部分で随分と美城は、次に続ける言葉を考えていた。 肯定的な意味でのマイペースと言う訳ではないのは、ニュアンスから察する事が出来る。 チューナーになる前のフレデリカは、結構な問題児か、美城にとっての頭痛の種か何かであったのだろう。 「いえいえ、問題はありません」 「そ、そうですか。それでは、中の方をご案内――」 其処まで言った時であった。 背後から明白に、美城を呼ぶ男の声が聞こえて来たのは。美城がその方向に顔を振り向かせるのと同時に、結城もつられてその方向に身体を向けてしまう。 果たして、其処には一人の西欧系の男性がいた。ネクタイ代わりにリボンを首元に巻き、濃いブラウンのスーツを身に纏った、一目見て紳士と解る男であった。 かけた眼鏡の奥の瞳に宿る光が知性的なこの男は、そう。ムスカその人であった。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ムスカもまた、予定の時刻を大幅にオーバーして、346プロに到着した一人だった。 いざホテルから出よう、と言う段になり、フロントに設置された大型の液晶テレビが流していた、緊急速報。 それに、目が止まったのである。そして同時に、驚愕の表情も浮かべた。当たり前だ、こんな早々に、大規模と言うべきサーヴァント同士の抗争が、 テレビで放映されていたのだから。すぐにムスカは、ホテル地下のタイタス帝の拠点に赴き、これを報告。 事態を重く見たのは、ムスカよりもタイタスだった。タイタスはキャスタークラスとしては破格とも言うべきステータスと、近接戦闘能力の技量を持つ。 故に、相手の実力次第であるとは言え、中途半端な強さの三騎士程度なら、軽くあしらう事がタイタスは可能である。 但し、複数人で襲い掛かられた場合は、話は別になる。況してタイタスのクラスはキャスター。キャスターの陣地や拠点程、残しておいて得のないものはない。 同盟を組んで叩かれる可能性も高いし、タイタスがこれから行おうとしている目的が知られた場合、真っ先に叩かれる可能性があるとすら予測していた。 無論、露見しないように十重二十重の対策は練っているし、アーガデウム顕現の為にムスカ自身を積極的に動かしてもいる。 後は順調に時間が過ぎるのを待つだけ、なのだが、早々に此処まで派手な戦闘が起きたとなると、最早悠長に時間が過ぎるのを待つ、と言う事は出来ない。 最早平等に、戦塵と戦火が降り注ぐ可能性があるのだと言う事を把握、理解したタイタス帝は、今までムスカには働いて貰いつつ、拠点の防御力を向上させる事を決意。 そして同時に、タイタスから離れて一人で行動する事が多いムスカをサーヴァントの害意から守るべく、タイタスはある『魔将』にムスカの護衛を命じた。 このお膳立てに、時間が掛かった。何せその魔将はナムリスとは違い、まだ現世に呼び寄せていない存在であったからだ。『彼』を 新宿 に呼び寄せるのに、一時間ほどの時間が経ってしまった。 現在ムスカから離れた所から、その魔将は彼の動向を逐次見守っている。 その存在は、生前のタイタスと関わりを持っていた魔将の中では最も強い者であり、始祖帝が王位を獲得する遥か以前から彼に従って来た親友にして忠臣。 そして、世界中の英雄譚や神話の中に語られているような、竜殺しを成し遂げた英雄でもある。 それ故に気位が高く、気難しい性格の為、滅多にムスカの方に自発的にコミュニケーションを取ろうとしない。 どこか見えない所から、ムスカの事は見ている。少なくとも、美城や結城からは見えない所で。 「これはこれは、ムスカさん」 と言って美城は、気難しそうな顔つきを、営業用のスマイルに即座に返事させて、ムスカと呼ばれた男に声を掛けた。 あれだけオフィスビルでは嫌悪の念を示していたのに、実際に顔を合わせるとなると、業務用の笑みの刻まれた仮面を被る。やはり、この女性は中々の食わせ物らしい。 「結城様、此方が先程話された……」 「あぁ、この方が」 心中で結城は、この言葉の後、「アイドルを食い物にしようとしてる変態か」と続けた事は、言うまでもない。 「美城さん、そちらの紳士は、何方ですかな?」 と言ってムスカが、結城の方に目線を投げ掛けた。瞳の奥で、此方を疑うような光が静かに輝いている。ただの馬鹿ではないらしいと、結城は察した。 「此方は、我が346プロに新たに資金を融資して下さる、結城美知夫様です」 「結城です。評判の方は、美城様から伺っております。優れた作詞と作曲活動をなさる、と」 「ははは、齧った程度の文学と、道楽で世界中を旅した経験が、首の皮一枚で繋がっただけですよ」 美城の目には、さぞや厭味ったらしい謙遜に映った事であろう。 だが、ムスカとしては、自分が作詞作曲した……と『される』、アルケア帝国についての詩歌の事を聞かれる度に、ハラハラするのである。 そもそも、フレデリカに提供される歌詞の全ては、タイタス一世が手ずから仕上げた物なのである。 一世はそもそも、大帝国を裸一貫、徒手空拳で創り上げた建国者にして大王であると同時に、人間に様々な技術や文明を与えた文化英雄としての側面も持つ。 その文化の中には、文学や音楽と言ったものも含まれており、彼はそう言った詩歌を紡ぐ才能にも優れていたらしく、白く輝く毛並みを持った美しい白鹿を、 素晴らしい笛の音で油断させきった所を、首を刎ねて殺したと言う伝承すらある程だ。 ムスカが、メディアを通じてアーガデウム顕現の布石を打つと上奏した時、タイタスは自ら、アイドルに歌わせる歌を作詞作曲し、 これをムスカに下賜したのである。346プロの面々は、フレデリカが歌っている歌は、ムスカが考えた物だと誤認しているのだが、実際にはその大本は一世なのだ。 346プロの関係者に何時、「即興で作詞作曲してみて下さい」と言われるか、内心でムスカはかなりドキドキしていた。 出来る訳がない。文学の才能や世界中を旅した経験があると言う事実はある程度は本当だが、文学を作る才能ともなると、ムスカは門外漢の人物だ。 要するに、タイタスが作った詩歌を自分が作ったと主張しているのだ。その才能を今此処で示して見せろと、今の今まで問われなかった事自体が、不思議でならない。 「ところで、結城さんは346プロダクション様に融資をされた、と言うらしいですが……」 「346プロダクション様程の資産とその運用能力、お客様である美城様の経営ヴィジョンが素晴らしい物だった、と言うのもそうですが……。若い女の子の夢を叶えさせてあげたい、と言うその心意気に口説かれましてね。フフ、ポンと融資してしまいましたよ。おっと、私が助平だとかそう言うのではないですよ?」 「ははは、面白い冗談を言うじゃあないか」 と、実に快活そうな笑みを浮かべるムスカであったが、内心では限りなく目の前の結城と言う男を嘲ると同時に、憐れんでやっていた。 恐らくこのプロダクションは、後数時間のうちに、破産寸前か、倒産にすら追い込まれる程の未曾有の大虐殺に巻き込まれる事を、結城も美城も知らない。 後数時間で、黒礼服のバーサーカーに扮したタイタス十世が、ライブに乱入し、其処に存在する観客やアイドルを殺し尽す事になっているのだ。 そんな事を予測するなど、NPC達は愚か、聖杯戦争参加者でも不可能だろう。そう言った意味で、ムスカは結城の事を憐れんでいた。 今の346プロは、砂上の楼閣。泥の上に建つレンガの塔だ。何時崩れてもおかしくない状態のそんな企業に大金を融資するとは、何とも間の悪い男であった。 ……尤も結城としては、融資した三億円が回収出来ようが出来まいが、如何でも良い事なのだが。そんな心境を、ムスカが読み取れる筈などなく。 「ところで、ムスカ様。フレデリカさん、と言う少女に歌詞等のアイデアを供給していると御伺いしたのですが、一体如何なる理由で?」 「元々私自身、フランスの出でね。彼女の母親は、フランスでも名家の御令嬢で有名なのだよ。最も、フレデリカ嬢の御母上は、私の事など知る由もないだろうが。兎に角、そんな彼女の娘さんが、アイドルとしてデビューしていると言うではないか。同じ国を母とする者として、何かサポートをしてやらねばと思いましてね」 無論これは、全て嘘である。フレデリカと接触する前に、予めムスカが練り上げた嘘八百の作り話だ。 とは言え、整合性も取れているし、何処か引っかかる要素もない。精々疑われる事があるとすれば、フレデリカの助けになりたいのではなく、 フレデリカの母親の名家と繋がりを持ちたいと言う下心のある男、程度であろう。無論それも織り込み済みだ。肝心なのは、聖杯戦争の参加者だと疑われない事。 果たして誰が、今のムスカの口上を聞き、ムスカが聖杯戦争の参加者だと疑えようか。 確かに、並のNPCや参加者であれば、今の嘘で騙し果せたかも知れない。 ムスカにとって最大の誤算があったとすれば、彼がただの金貸しだと思っている結城美知夫がその実、『枕』で政財界にパイプを繋いだ、二重の意味でのやり手であった事だろう。 ――後で動かしてみるかな―― 結城は頭もキレるし、行動力もある。今のムスカの証言で、彼への疑いが払拭出来ていたかと言えば、全く出来ていない。 結城はムスカをまだ疑っていた。自らの肉体を用いた接待でコネクションを得た、数々の有識者や有力者を動かし、この男の素性を調べる必要がある。 これでもなお、何の疑いもなければ、ムスカは確かに白なのたが……。人並み優れた演技力や、それを看破出来る瞳を持った結城は、高い確率で裏を調べれば、 ムスカなる男が白ではあり得ないだろうと考えていた。この男は現時点では黒とも言い難いが、しかし同時に、完璧な白でもなかった。黒寄りのグレー。それが、今のムスカの立ち位置であった。 「……所で、ムスカ様は今回如何なる御用向きで此方に?」 と、結城が訊ねると 「美城さんからお話を伺っているとは思いますが、私の提供した歌詞を歌ってくれる、フレデリカ嬢が主役になるコンサートなのでね。少し融通を効かせて、特等席で見させて欲しいと言う打診と、諸々の御話しをプロデューサー君に通しておこうと思いましてね」 これについても特に、疑うに足る要素はないだろう。 だが、この男が聖杯戦争に何らかの形で関わっているのではないかと思い始めている結城は、別の事を考えていた。 そもそもこの男は、何が目的で346プロに関わっているのか。ただの利益を掠め取りたいハイエナと言うのであればそれまでだが、直感が、違うのではないかと告げている。 告げてはいるが、それ以上の証拠はない。やはり後で、自分が動かせる有力者から情報を掻き集める必要があるだろう。 「実は私も、融資をした者の特権として、フレデリカさんのライブを特別に見させて貰う事になっているのですよ」 「ほう、それは幸運な!! 私の作った歌詞は、それはそれはお恥ずかしい物ですが、彼女の歌声は、きっと貴方の心にも響くと思いますよ」 「ハハハ、それは楽しみですなぁ」 燃えるような太陽が、純潔そのもののような、雲一つない青空に浮かんでいる。 全ての邪悪や猥雑な下心を灼き祓うようなその光の下で、二人の男は、如何にも紳士然とした態度と立ち居振る舞いで当たり障りのない会話を繰り広げていた。 二人は邪悪だった。腹に小刀を隠し持った曲者だった。自分以外の全てがどうなっても良いと考えている、我儘な子供だった。 この状況の本質が、蛇の格好をした道化が、互いに化かし合っていると言う事実を、まだ、誰も知らない。 【高田馬場、百人町方面(346プロダクション)/1日目 午前9:30】 【結城美知夫@MW】 [状態]いずれ死に至る病 [令呪]残り三画 [契約者の鍵]有 [装備]銀行員の服装 [道具] [所持金]とても多い [思考・状況] 基本行動方針:聖杯戦争に勝利し、人類の歴史に幕を下ろす。 0.とにかく楽しむ。賀来神父@MWのNPCには自分からは会わない。 1. 新宿 の有力者およびその関係者を誘惑し、情報源とする。 2.銀行で普通に働く。 [備考] 新宿のあちこちに拠点となる場所を用意しており、マスター・サーヴァントの情報を集めています(場所の詳細は、後続の書き手様にお任せ致します) 新宿の有力者やその子弟と肉体関係を結び、メッロメロにして情報源として利用しています。(相手の詳細は、後続の書き手様にお任せ致します) 肉体関係を結んだ相手との夜の関係(相手が男性の場合も)は概ね紳士的に結んでおり、情事中に殺傷したNPCはまだ存在しません。 遠坂凛の主従とセリュー・ユビキタスの主従が聖杯戦争の参加者だと理解しました。 346プロダクション(@アイドルマスター シンデレラガールズ)に億の金を融資しました。 宮本フレデリカがチューナーである事を知っています。 ムスカと接触、高い確率で彼が聖杯戦争に何らかの形で関わっているのではと疑っています。 【ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ@天空の城ラピュタ】 [状態]得意の絶頂、勝利への絶対的確信 [令呪]残り二画 [契約者の鍵]有 [装備]普段着 [道具] [所持金]とても多い [思考・状況] 基本行動方針:世界の王となる。 0.アルケア帝国の情報を流布し、アーガデウムを完成させる。 1.本日、市ヶ谷方面で行われる生中継の音楽イベントにタイタス十世を突撃させて現場にいる者を皆殺しにし、その様子をライブで新宿に流す。 2.タイタス一世への揺るぎない信頼。だが所詮は道具に過ぎんよ! [備考] 美術品、骨董品を売りさばく運動に加え、アイドルのNPC(宮本フレデリカ@アイドルマスター シンデレラガールズ)を利用して歌と踊りによるアルケア幻想の流布を行っています。 タイタス十世は黒贄礼太郎の姿を模倣しています。模倣元及び万全の十世より能力・霊格は落ち、サーヴァントに換算すれば以下のステータスに相当します。 一日目の市ヶ谷方面の何処かで生中継の音楽イベントが行われます。(時間・場所の詳細は、後続の書き手様にお任せ致します) 遠坂凛の主従とセリュー・ユビキタスの主従が聖杯戦争の参加者だと理解しました。 結城美知夫とコンタクトを取りました 黒贄礼太郎に扮させた十世は、後述の魔将に託しています。 現在ある魔将が、ムスカの近辺防衛を行っています。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 撮影、或いはステージ本番直前の芸能人の過ごし方は様々だ。 時間まで楽屋で眠って過ごす者もいれば、穴が開く程見て来た台本をもう一度確認して見たり、或いはもう全てをやり尽くしたので時間まで身体を休めるなど。 大舞台を控えた歌手や俳優、役者にこそ、その当人の生の姿が拝めると言っても過言ではない。舞台に上がる芸能人は皆、テレビに向けた仮面を被っている。 その仮面を剥いだその下の顔こそが、その芸能人のある種の素であり、そして、本当の姿であるのだから。そしてそれは、生を映すその通りの鏡である。 346プロダクションのアイドル部門に所属する女性達の過ごし方も、種々様々だ。 リラックスして過ごしたり、本を読んで安定を図ったり、もう一度台本を読んだり踊りのリハーサルを行ってみたり、 酒を飲もうとして周りに止められたり、サイキックと称してスプーン曲げをやろうとして全然曲げられなかったり、後なんかドーナッツとか食ってたり。此処でも過ごし方は、十人十色だった。 魔震復興からニ十周年と言う節目に行う、346プロ主導の盛大なライブイベントに参加する事になっているアイドル達は、 プレッシャーの感じ方の差異こそあれど、その殆どが緊張状態と言っても良かった。理由は無論言うまでもない、そのライブイベント自体が問題なのだ。 参加するアイドル達の中には、大なり小なりの『ハコ』を借りて、ライブ等のイベントを行い、場数を踏んで来た者も、確かにいる。 だが、今回参加するアイドル達の殆どは、今回程大きなイベントを体験した事はない。 魔震復興からキリの良い数字に年に行う盛大なイベントであるだけに、各種キー局や芸能プロダクションが注目しているだけでなく、 観客動員数も、346プロが本気を出した為に相当数来る事が理解している。そして何よりも、このイベントを成功させた暁には、シンデレラプロジェクトは、 UVM社の台頭を一気に崩しかねない程の勢力になるかもしれない、と言う展望自体が、緊張の種となっていた。 大勝する可能性があると言う事は同時に、大敗する可能性も高いと言う事を意味する。今回のイベントでしくじれば、間違いなくシンデレラプロジェクトは痛手を喰う。それが解っているからこそ、皆は、気が気でない状態なのだ。 特に、プロジェクトクローネの面々など、今回の顔とも言えるグループである為、余計に緊張感が凄まじい。 真面目な性格をした鷺沢文香や橘ありす、アナスタシアの三人や、渋谷凛、神谷奈緒、北条加蓮のトライアドプリムスのメンバー達も勿論の事、 普段は緩く活動している塩見周子や大槻唯、果てはリーダー格の速水奏も。等しく、今回ばかりは緊張の面持ちを隠せていなかった。 気負い易く張り切りがちなありすは、疲労が残らない程度に本番時の動きをシャドーしているが、後数時間でスタートと言う現実からが、動きが固い。 書痴の気が強かった鷺沢は、最近フレデリカが歌っている歌に触発されてか、アルケア帝国の英雄について記された書物である『廃都物語』を読んではいるが、 如何にも泳ぎがちな目を見るに、内容は頭の中に入っていないだろう。大槻も塩見も、一見すれば落ち着いた様子を見せてはいるが、 普段のキャラクターが緩くて喋りたがりで通っている二人が落ち着いていると言うのは、今回のライブの重大性を認識している証でもあった。 トライアドプリムスとして場数を踏んで来た凛や奈緒、加蓮、LOVE LAIKAの片割れとして同じく数をこなしたアナスタシア、そして、クローネのまとめ役である奏も。 めいめいが、台本を読んでいたり、スマートフォンを弄っていたり、或いはただ座って落ち着いていたりとしているが、やはり、瞳から感じられる感情が普段と違う。 これが本当に、日本有数の芸能プロダクションのアイドル部門の中でも、指折りと言っても過言ではない実力を誇るアイドルユニットの、 本番前の姿なのかと疑いたくもなろう。年相応の少女達が発散させる、騒がしくも華やかな雰囲気が欠片も感じられない。 絶対にしくじれないと言う緊張感から、レッスンルームは、まるで通夜の様に静まり返っていた。 誰かが、思った。「こんなテンションで、本当にライブに成功するんだろうか」、と。その一人が思った事が、皆に伝播して行く。 感情は、伝わる。水面に落とした小石が落とした波紋のように。糸で牽引される人形のように。咳で風邪が移るように。 ――そんな空気を根底からひっくり返し、ナノマイクロレベルにぶち壊すように、レッスンルームに存在しなかった最後のメンバーにして、 今回のライブイベントの実質的な主役とも言える少女が、部屋にやって来た。勢いよくドアを開け、今日のライブなど何処吹く風、と言ったような様子で 「ボヌニュ~~~~イ!! クローネの皆さん!!」 皆が一様に、レッスンルームに突如現れた闖入者。 プロジェクトクローネの一員にして、今回のライブの大トリをピンで飾る主役、フランス人の母親譲りの金髪が眩しい少女、宮本フレデリカの方に顔を向けた。 なお余談であるが、ボヌ・ニュイ、Bonne nuitとは、フランス語でおやすみなさいの意味である。 「お~っとととありすちゃーん、元気?」 今の今まで、曲中の動きのシャドーをやっていたありすであったが、唐突なフレデリカの入室にビクッと身体を硬直させてしまった。 それに目を付けたフレデリカは、フンフンといつもの鼻歌を口ずさみながら、ありすの方へと近付いて行く。 「げ、元気かと言われれば、何も支障はないですが……と言うより、緩すぎですよフレデリカさん!! もうすぐ本番ですよ!?」 「ん~? 緊張してるよりはリラックスしてた方が、気が楽だよあ~りすちゃん」 「名字の方で呼んで下さい名字の方で!!」 「ままま、良いじゃん良いじゃん。あそうだ、緊張をほぐす方法知りたい? 知りたいでしょ。しょうがないなーありすちゃんは」 頭の中に思い浮かんだ言葉を、感情の赴くがままに口に出しているとは思えない程のマシンガン・トーク。この適当で弛緩した雰囲気は、正しく、平時の宮本フレデリカその人であった。 「そんじゃありすちゃん、手を出して」 「……人、って書いて呑み込むあれですか?」 「おぉ、物知り~ありすちゃん。そうそう、あれをやるんだけどさ、ほら? 私フランス人っぽいキャラでしょ? だからフランス語で書いてあげる」 「っぽいと言うか、アンタまんまフランス人とのハーフじゃん……」 一人だけ別の星からやって来たとしか思えない程のハイテンションを維持するフレデリカを見て、呆れたように口にするのは奈緒であった。 ありすの方は、これは手を出さないと次のステップに進まないな、と観念し、普通に右掌を差し出した。 白く嫋やかなその手を見て、フンフン、とフレデリカが一人で納得する。 「良い手相だね」 「書くんじゃないんですか?」 「あっははは、フレンチジョークフレンチジョーク。それじゃ書くね。鉛筆で良い?」 「指です!!」 「解ってるって解ってるって」、そう言ってフレデリカは、ありすの右掌に人差し指で文字を書いて行く。 「はい、どうだ!!」 「……私の気のせいでなければ、Humanって書いた気がするんですが」 「あ、凄いありすちゃん。小学生なのに良く解ったね、ひょっとしてTOEIC100点取っちゃったりする?」 「あ、あの……フレデリカさん……。あのテストは990点満点ですから、その点数は……凄く低いです」 遠慮気味に突っ込む鷺沢。後ろで、「と言うか今時の小学生だったらその程度の英単語位は……」、とひそひそ会話するのは、凛と加蓮が会話していた。 「……ぷっ、あは、あはははは!!」 一連の流れを見て、今まで茫然状態だった唯が笑い始め、吊られて、周子の方も笑い出す。 「あ~、何かばっかみたい☆ 絶対失敗出来ないライブだからって、緊張し過ぎだよ唯達はさ☆」 「そうそう、気負い過ぎだよあたし達。要するにさ、人が沢山見てる所で、リハーサルをやれば良いだけなんだよ本番って。いつも練習してる事を、練習通りに人前でやれば良い。変に緊張してたら、余計にミスっちゃうでしょ」 そう言って唯と周子は、今まで自分達が如何に、失敗出来ないライブと言う巨大な壁に怯えていたのか、と言う事を語り始めた。 本番までもう時間がないと言うのに、いつも通りのテンションのフレデリカを見て、彼女らも悟ったのだ。 ライブとリハーサルの違いなど、人が見ているか否かでしかない。リハーサルではミスなく、完璧に出来るのなら、人前で同じ事をやって失敗する訳がない。 後は、気の持ちようだろう。テレビ放映がある、日本のみならず世界のプロダクションも注目している。その事実に、委縮し過ぎた。 人がいる前で、リハーサルでいつもやっていた事を恙なくやって行けば良い。所詮、その程度に過ぎないのだ。 「……確かにそうかもね。変に肩筋張ってたら、出来るものも出来にくくなるし」 凛がそう言うと、加蓮やアナスタシアの方も首を縦に振る。 「ふふ、何か皆、素のキャラクターに戻って、緊張感が吹っ飛んじゃったわね。でも、これ位の心持ちの方が、かえってやり易いのは確かね」 「か、奏さん達がそう言うのなら……たまにはフレデリカさんも良い事をしますね。ね、鷺沢さん」 「え!? 私は、フレデリカさんは何時もムードに寄与してると思ってると……」 「ちょっと文香ちゃ~ん? 声がすっごい疑問気なんだけど?」 と言うフレデリカ。漸く皆が、クローネとしての仮面を被っている時の彼女らでない。 クローネと言うペルソナを剥いだ時の、素にして生の姿が戻って来た。後は、この精神的な安定感を維持したまま、クローネとしての姿を演じ、ライブを成功させるだけだ。 「リハーサル中何度も確認し合った事だから、もう今更って感じがしないでもないけど、やっぱ、やっておきたいから言うわね」 奏が、すぅ、と一息吸ってから、心の中に浮かんできた言葉を、口にし始めた。 「絶対、成功させるわよ!!」 アイドル全員が、威勢よく返事をした。 「うん」だったり、「はい」、だったり、一人だけ「ちゃーっす!!」だったり。返し方こそ種々様々だが、皆、ライブを成功させると言う決意だけは本物だった。 それを見て、フフン、と言った感じの笑みを浮かべるフレデリカだったが、突如、親の訃報でも聞かされたような真顔に表情を変え、そしてすぐに、痛みに苦しむような顔に成り始めた。 「……? シトー、如何しましたかフレデリカ? 顔色が優れないようですが」 真っ先に異変に気付いたのは、アナスタシアの方だ。 彼女の言葉を疑問に覚え、皆がフレデリカの方に顔を向けると、クローネの雰囲気を盛り上げた立役者は、腹に刀でも突き差されたように、顔を苦悶に歪めさせていた。 「ど、どうしたのフレデリカ? 体調が悪いの?」 訊ねる加蓮に対しフレデリカは。 「う、ううん大丈夫大丈夫!! ちょっとお腹が痛くなっただけだから、陣痛かな?」 「いやいやいや、駄目だろそれは!!」 真っ先に突っ込んだのは奈緒である。この歳のアイドルが妊娠は、それはもう、駄目だ。 「ねぇフレデリカ、本当に大丈夫なの? ひょっとして、その右腕の包帯から、痛みが来るんじゃ……」 「ほ、本当に大丈夫だから凛ちゃん!! この包帯は……そう、アレだよアレ!! 蘭子ちゃんや飛鳥ちゃんリスペクト!! ……でもちょっと、お腹痛いから、トイレ行ってるね!!」 「心配ないからホントホント!!」、その言葉がレッスンルームから廊下の方にフェードアウトして行く。 後には、キョトンとした表情を浮かべる、クローネの面々が遺される体となった。 ――一人として、今のフレデリカの言葉と強がりが真実だと、信じているアイドルはいなかった。 だって彼女が去り際に見せた表情は、今にも泣き出しそうなそれであったからだ。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ あの白衣の女に、実験と称されて変なアンプルのような物を打ちこまれてから、一週間以上は経過しただろうか? 日に日に、餓えが強くなっていく。グラノーラシリアルを丸々平らげても、少ししかお腹が膨れない。お惣菜をこれでもかと食べても、結果は同じ。 体重が一日で二kgも増えるのではと思う程の量を食べても、体重にも体型にも、全く影響が出ない。つまり、何を食べても、飢えが満たされない。 何時からだろう。 人を見て、『美味しそう』だと思うようになったのは。そして、それに抗おうとする度に、全身が切り刻まれるような強い餓えに襲われるようになったのは。 それを抑えるのに、フレデリカは必死だった。此処最近は、プロダクションのアイドルを見る度に、強すぎる飢餓が彼女を苛む。 ――美味しそうだった。 ありすは、身体全部が美味しそうだった。鷺沢は、胸が柔らかくて、食べごたえがありそうだ。 アナスタシアは、雪国生まれのシミ一つない白い肌を舐めまわして剥いであげたい程に、食欲を喚起させる。 凛の内臓は、どんな味がするのか。奈緒の腸は? 加蓮は元々病弱だったと言うが、それが味に影響してないだろうか? 奏は手足が美味しそうだった。唯は飴ばかり舐めているから、ほのかに肉も甘い味がするのか? いや、そうしたら周子の方も―― おぞましい考えが、フレデリカの脳裏を過って行く。 胃液が喉から逆流して行くのを、必死に抑える。水洗金具を弾みでぐっと握る。果たして、誰が信じられようか。 見るからにか弱そうなフレデリカの握力で、金具が捩じ切れたのだ。それについても、驚く様な素振りを彼女は見せない。 アンプルを打ちこまれてから、ずっとこんな感じだった。本気で握れば、コップが砕ける、コンクリートの壁を殴れば、その部位が凹む。 今の彼女は、人喰いの衝動と引きかえに、人智を逸した身体能力を誇るようになった、怪物であった。 何を食べても、美味しいと感じられなくなったし、どんな料理の映像や画像を見ても、食欲を刺激されなくなった。 新宿 を行き交う人。人を見て、フレデリカは美味しそうだと思うようになり始めた。怖い。日に日にその衝動が強くなって行く。 飢餓を抑えれば抑える程、其処らを行き交う人間が、ずっと魅力的に、美味しそうに見えて来るのだ。 「やだ……怖いよ……助けて……」 普段のフレデリカからは、想像もつかない程の弱気のトーンでそんな言葉を吐き出した。言葉と一緒に、吐瀉すらしかねない程の、消耗ぶりだ。 レッスンルームでは、必死にあの場にいたメンバーを励まし、そのテンションの向上に寄与した。 自分があのテンションでなければ、フレデリカは完全に崩れてしまいそうだったからだ。これが――今のフレデリカの、生の姿だった。 無理やりにでも元気を装わねば、人喰いの衝動に呑まれかねない。何時如何なる時、人間の身体を貪らないか、今の彼女ですら解らなかった。 控室に置いてあった自分鞄を急いで持って来たままトイレに籠ったフレデリカは、そのチャックを勢いよく開け、中からある物を取り出した。 鶏のもも肉だった。無論、調理されていない。生のままのそれだ。これを彼女は無理やり口へと持って行き、それを齧り出したのだ。 今の彼女は、生の鳥どころか、焼かねば中の寄生中のせいで到底食べられない豚肉すら、食べても大丈夫な身体になっていた。 急いでそれを咀嚼し、彼女はそれを呑み込む。もう、生肉を食べて餓えを凌ぐ、と言う手段すら、余り通用しなくなっていっている。 「今日、今日を凌いだら……」 休もう。志希ちゃんみたいに休む時間を美城常務に申請して、メフィスト病院って所で治療して貰おう。 その為には、先ずライブを終わらせる必要がある。ライブは成功させる、クローネの皆と、笑顔で最高のライブを迎えたい。 絶対に、失敗は出来ない。だから――だから。 「神様……お願いします、私を……私を……」 救って下さい。掠れるような小声で、フレデリカは呟く。捩じ切れた水道金具を握り締め、フレデリカは涙を流し祈った。 彼女は知らない。この 新宿 には、救う神もいなければ、祈る神もいない魔都になってしまった事を。 彼女はもう、アートマを抱えたまま、夜を迎え、昼を迎え。そしてまた、夜を迎えるしかない。 彼女がその事実を知る事は、永遠に、ない。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ クーム・ルーム・ディーム クーム・ルーム・ディーム 七つの命のクーム・ルーム・ディーム 一人で旅立つクーム・ルーム・ディーム 二又道で迷っていたら 三つの国の 王様が来て 四ツ目の竜を 倒せと言った 五つの門をくぐり抜け 六年がかりで探しだし 七度死んで竜を倒した クーム・ルーム・ディーム クーム・ルーム・ディーム 七つの命のクーム・ルーム・ディーム ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 誰も知らぬ暗がりで、その大男は 新宿 の闇を堪能していた。此処は、アーガデウムが辺境の田舎としか思えない程、発展した街だった。 大量に行き交う人々。露天商がどの道にもおらず物を運ぶ馬車すら存在しないのに、確かに流通している大量の物資。そして、人々の活気。 全てが、アーガデウムとは比較にならない。そんな所に、男はいた。そして、死と言う安寧すらも奪われたのだと、半ば諦めていた。 自分を呼びだしたあの男が、嘗て同じ釜の飯を食い、同じ杯の酒を回して呑んで。 一角獣を仕留めた事を喜び合い、黄金樹の立ち並ぶ河縁を歩いた男とは、別の男である事は理解している。 理解していても、魔将としての宿命が、彼への反逆を許さない。自らを始祖帝と称するあの男は、大男が認めてるタイタス一世とは、全く別の存在である。 それなのに彼に犯行が出来ないのは、全く別の存在であるのに、彼もまたタイタスの影であるからに他ならない。 故に、魂と、その在り方を縛られている。あの男の理想に殉じ、魔将になった事に悔いはない。 だが、大男が嘗て無二の友と認め、嘗ての崇高な理想から既に乖離を始めたあの男は、既にタイタスではなかった。 そんな男に魂を縛られた生前。自らの宿命を御子が漸く断ち切り、魔将の全員が死と言う安息を得られたのに。 今また、彼らはその魂と肉体を縛られ、タイタスの傀儡となっている。これが宿命(さだめ)であるか。大男は、自らの境遇を嘆きつつも、最早どうにもならないのだと、諦めていた。 「……お前もまた、奴に囚われたるか」 護衛を行うようタイタスから命令された、ムスカと呼ばれる男を思いながら、最強の魔将は口にした。 お前の行く道は破滅だと、助言したくともそれが出来ずにいた。タイタスの魔術の為だ。 擦り切れた黒灰色のローブから覗く、鷹の如く鋭い瞳には、憂いの輝きが悲しげに沈んでいた。 鬼神の如き強さを誇る魔将、『ク・ルーム』は、この星の大気の底で、自らの滅ぶその時の到来を、待ち望んでいるのだった。 【高田馬場、百人町方面(346プロダクション)/1日目 午前9:30】 【宮本フレデリカ@アイドルマスター シンデレラガールズ】 [状態]精神的疲労(極大)、飢餓(極大)、チューナー [装備]クローネのアイドル衣装 [道具] [所持金] [思考・状況] [備考] ジェナの手によりチューナーにさせられています。アートマは、右腕の半ばに巻かれた包帯に隠されています。 変身出来る悪魔は[検閲]です。 【高田馬場、百人町方面(???)/1日目 午前9:30】 【魔将ク・ルーム@Ruina -廃都の物語-】 [状態]健康、憂鬱 [装備]二振りの大剣、準宝具・魔将の外衣(真) [道具]タイタス十世@Ruina -廃都の物語- [所持金]とても多い [思考・状況] 基本行動方針:タイタスの為に動く 1.ムスカの護衛 2.道具である十世を守り抜く [備考] タイタスにより召喚された、魔将です。サーヴァントに換算すれば以下のステータスに相当します。 【クラス:セイバー 筋力A 耐久B 敏捷B 魔力A 幸運E- スキル:勇猛:C 対魔力:C 戦闘続行:EX 異形:A 心眼:C 】 準宝具の魔将の外衣は、Cランク相当の対魔力を付与させると同時に、『7回までは死んでも即座に復活出来る』と言う効果を持ちます。 タイタス十世は黒贄礼太郎の姿を模倣しています。模倣元及び万全の十世より能力・霊格は落ち、サーヴァントに換算すれば以下のステータスに相当します。 【クラス:バーサーカー 筋力D+ 耐久E 敏捷C 魔力D 幸運E- スキル:狂化:E+ 戦闘続行:E 変化:- 精神汚染:A- 呪わし血脈:EX】 ※十世を直接的、間接的問わず視認すると、NPC・聖杯戦争の参加者に幸運判定が行われ、失敗するとアルケアの想念が脳裏に刻まれます。(実害は皆無だが、アルケアの夢を見るようになる) 時系列順 Back 満たされるヒュギエイア Next 仮面忍法帖 投下順 Back 太だ盛んなれば守り難し Next ワイルドハント ←Back Character name Next→ 15 夢は空に 空は現に 結城美知夫 48 Cinderella Cage 15 夢は空に 空は現に ムスカ
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どうしてそう思ったの? 12KB ※ 宣伝 『ふたば系ゆっくりいじめ 372 新世代清掃工場』の続き、というか補完です /宣伝 逃がせ逃がせと言うので逃がしてみたよー\(^o^)/ さて、この話は。 ある読者から『処理工場から逃げ出したゆっくりが見たい』との願望を反映して創られたものである。 故に、実際に『そうなる』可能性は万に一つも無く。 出来の悪い冗句とも呼べる奇跡の上に成り立っていることをお忘れ無きよう願いたい。 「こちらA班、本部応答せよ、繰り返す、こちらA班………」 《こちら本部。A班、報告を行え》 「○○地区一帯の清掃は完了。 目標150体を捕獲、処理。 続いて××地区へと移ります」 《了解した。引き続き作業を継続せよ、以上》 「諒解」 「………嗚呼、糞、面倒、面倒だ。 何でこんな事をせにゃならんのかねェ。一々探すこっちの身にもなれってんだ。 所詮、害虫は害虫って事か……全く、糞虫めが」 どうしてそう思ったの? 20○○年、××月△△日。 泥輪町を、大地震の脅威が襲った。 住家損壊、焼失含め数千戸以上。 死者数十名、怪我人はその数百倍。 だが真に恐るべきは、その事ではなかった。 地震の影響は『ゆっくり清掃工場』にも及び、 どういう天文学的確率かは分からないが、上手いこと施設の内部、ゴミ処理場が外に繋がるように破壊し、 尚且つ、中に居たゆっくり――今はその名では呼ばれない――を一匹も傷つける事は無かった。 そしてそれだけ条件が揃えば、あとの詳しい説明は不要と思う。 地震というかつて味わったことの無い恐怖。 突如目の前に開けた、光明という名の逃走経路。 ただの『ゴミ処理機』としては異様に賢く、独自の宗教をも創始していた彼女たちは、 「これぞ天の意思」、「ここから出ればよりよい未来が待っている」とばかりに、 喜び勇んで外へと逃げ出していった。 もちろん、これは逃げ出した者の考えである。 言うなれば『真に賢明』だった500匹は、この惨めな境遇に留まることを選んだ。 「ぎっ………ぎ、ぎぃ………」 逃げ出した500匹の内大半のものは、訳も分からないうちにこの世を去った。 地震は収まった。 だがその威力は、ガラスが砕け、電柱が倒れ、家が崩壊するほどのものだった。 燃え上がる火の手。響く怒号。 そんな所に、彼女たちが入り込めばどうなるか。 「ぎゅぃ゛え゛っ!!!」 「ぢゅぶっ!!!」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 潰れた。 裂けた。 焼けた。 ついでに少数が、消火用の水で溶けた。 これは当然の結果だ。 彼女たちは何も知らな過ぎる。 生まれてこの方、ゴミ処理場という安全極まりない場所に隔離されていた彼女たち。 せいぜい上から落ちてくるゴミに気を付ければ良い程度だった。 それが今や、上下左右360度、あらゆる方向から危険が迫っている。 加えて彼女たちは、建物や人や、火、さらには水すら知らない。 当然、死んだ。 死んだ。 死に続けた。 危険に気が付き、帰ろうとした何十名かの者も残らず死んだ。 既に退路は断たれているのだ。 彼女たちは、この地獄で生きていくしかない。 「……ん、何だありゃ?」 「うわ、汚ねっ!!『害虫』だぞ、こいつ等!!」 「この大変な時に……失せろ、消えろ!!」 付け加えるならば、人間たちは彼女たちを少しも好意的に捉えてはいない。 見つけ次第『駆除』するだろう。 その意味も込めて、彼女たちは四面楚歌だった。 幸いにも、餌は豊富にあった。 町じゅうにばら撒かれた瓦礫の山、それこそが彼女たちにとって餌となりえた。 「がしゅっ、がふっ………ん゛ぐっ゛、ぐっ゛、ぐ!……がしゅ、はふっ……」 かつてそうしていたように、出来るだけ口に詰め込み、一気に飲み込む。 その際鋭い部分が喉に突き刺さったり内頬を切ったりするが、我慢しなくてはならない。 彼女たちにはこれしか食べるものが無いのだから。 ゴミ処理場では、これより幾らかましだった。 少なくともゴミは小さく砕かれ、彼女たちにも食べやすいよう配慮されていた。 今は、違う。 彼女たちのほうから食べやすいものを見繕わなければならない。 この話では前提として「(制限なしの状態では)ゆっくりは全ての無生物に対し餡子変換能力を持つ」としている。 そして彼女たちはその制限が外された状態だ。 しかし、それがゆっくりの強化に繋がるとは限らない。 確かに前述の能力は、『額面通りに受け取れば』脅威だろう。 ゆっくりが食べたものは(無生物であれば)全て餡子と化す。 では、ゆっくりはそれに見合った力――具体的には、咬合力、歯の強度――を併せ持っているか? そこに尽きる。 たとえどれだけデタラメな能力を持っていたとしても、それが活かせなければ意味は無い。 忘れてはいないだろうか? 彼女たちは、脆弱極まりない「ゆっくり」なのだ。 身体能力は一片たりとも上がっていない事も。 所謂被捕食種と呼ばれるゆっくりの歯は、全てが臼歯じみた丸っこく、扁平な造りになっている。 肉を噛むには不適切極まりないが、これによって野菜を齧る事の出来る最低限の耐久力を誇るのだ。 尤も、それでもそれ以上――例えば石、金属――に挑むのは無謀極まりない。 そんな事をすればたちまち歯は砕け、使い物にならなくなるだろう。 余談だが、ゆっくりの歯は生まれたときから永久歯である。 一度抜けた歯は差し戻して固定、癒着しない限り、二度と生える事は無い。 更に、能力は「無生物」限定である。 生きているものは何であろうと餡子に変換する事は出来ない。 例えば野性のゆっくりが良く食べる昆虫は、全て死んだ後のものを食べているのだが、 これが一匹でも生きていた場合、ゆっくりの体内に虫は留まり続け、相当面白いことになる。 例を挙げると、ゆっくりの体内を虫が掘り進んだり。 一種の寄生蜂がこの性質を利用して、ゆっくりの中に卵を産み付けているほどだ。 (例外として、生物と無生物の中間を漂い続けるゆっくりはこの制限から外れる。 親ゆっくりの頭部をくり抜き、そこに赤ゆっくりを入れればたちまち消化されることが確認できる) 要するに、ゆっくりがBMネクタールの真似事など不可能ということだ。 加えて彼女たちは、滑稽なまでに無知である。 ゴミ処理場で生まれ、育った彼女たちにとって、餌とは=ゴミそのものである。 それに形が似ている瓦礫を無理やり食べているに過ぎない。 おまけに口に入る程度の大きさの、それもあまり尖っていないものを。 長いゴミ処理場暮らしで身体は磨耗しきっている。 野菜を噛める筈の歯は、ぼろぼろにひび割れ、 虫を捕まえられる筈の運動能力は、這いずりさえ出来れば上出来といった所だ。 そもそもその程度すら必要なかったのだ。 彼女たちが外に出ようと考えなければ。 よって、彼女たちが出来る事はただ一つ。 瓦礫を撤去し、雑草を食む程度の、町の清掃作業に他ならなかった。 一つ補足。 たまたま人間に『清掃作業』を見つかった一部の彼女たちは、 そのまま捕えられ、町が復興を終えるまで利用された。 だがそれなりに幸せだったろう。 少なくともその間までは、何者にも怯えることなく生きていけたのだから。 「ここここここ、こっちこないでねぇ!!?ゆっくりできなくするよぉ!?」 「おぎゃーじゃーん、ぎょわいよー!!!「」 「ゆ゛っきゅちできに゛ゃいー!!!」 「……………!?……………!!?」 「かか、かざりのない、まっくろによごれたゆっくりは、ゆ、ゆ、ゆ、ゆっくりしないで、しんでねぇ!!!」 「ばげも゛に゛ょお゛お゛お゛お゛お゛ぉぉぉ!!!?」 「………っ!!?………………っっ!!?」 元々、泥輪町では野良ゆっくり、否、『害虫』に対する風当たりが強い。 見つければ駆除し、見つからなくても探し出して駆除する。 探し出しても見つからなければ、予防線として至る所にトラップのオンパレード。 徹底的、ある意味病的な景観保護の名目の下、野良ゆっくりの数はほぼ絶無に近い状況だった。 その上、今回の地震である。 絶滅危惧から絶滅確定の路を歩き出し始めた野良ゆっくり達。 彼女たちの一匹が偶々出会えたのは、またもや奇跡に等しかった。 が、野良ゆっくり達――れいむ親子――は欠片も喜ぶ様子を見せず、 それどころか彼女を嫌悪し、排撃しようとさえしていた。 仮にも同種――彼女もまたれいむ種であった――に、この仕打ちは何なのであろうか? 一体何が、れいむ親子をこうも同士討ちへと駆り立てるのか。 それは言われるまでも無く、単純なこと。 彼女には飾りが無いのだ。 それだけだ。 だが、たったそれだけの違いで、ゆっくりというモノは醜いまでの争いを続ける。 飾りが無かった。 ゆっくりしていなかった。 身体が小さくて、弱そうだった。 ただ、何となく。 その程度の理由だ。 その程度で、『ゆっくり』は他者を排除し、嬲り、殺そうとする。 自身が生態系の底辺付近に位置するのに、この攻撃性は一体何なのであろうか。 或いは、弱者への嗜虐性という一点なら人間をすら凌駕するかもしれない。 彼女たちは、そんな事とは無縁の存在だった。 餡子の芯まで染み渡った清掃工場での生き方は、飾りの有無など些細な事だった。 例えどれほど汚れていようと、仲間は仲間。 奇しくも、劣悪かつ閉鎖された環境こそが、彼女たちに真の団結を齎した。 故に、彼女は分からない。 何故攻撃されるのか。何故排除されようとしているのか。 言葉すらも不要になり、忘れ去った彼女には、目の前の仲間が何を言っているのか分からない。 その姿こそがれいむ親子の逆鱗に触れているのだと気付けない。 だからとにかく逃げるしかなかった。 恐怖と憎しみをありありと浮かべる、仲間だったはずの存在から逃げ出すしかなかった。 それ以来、彼女はれいむ親子には会わなかった。 彼女たちは通常の野良ゆっくりとは番になれなかった。 最早別種と呼べるまで『平和』になった彼女たちに、『凶暴』なゆっくりは常に牙を剥いた。 そもそも野良ゆっくりと遭遇すること自体が稀だった。 彼女たちは『同種』の相手と番い、子を成そうとしたが…… この恐怖と絶望の溢れる外界で、そのような努力は大抵無駄と化した。 彼女たちは、早々数を増やすことなど許されなかったのだ。 そして今。 復興も完全に済んだこの町では、彼女たちは『害虫』として縊り殺される運命が待ち受けている。 「いました。そこの隅に成体2、幼体3」 「よし、捕獲しろ。もしくは殺せ」 「諒解。駆除します」 2人の防護服に身を包んだ男性の内、より若い方。 彼がその手に持った棒――先端には、鋭い鉤爪を備えたもの――を、彼女たちに向かって突き出す。 「ぐじゅ」 「ぎゅ゛っ゛」 「「「ぴゅ゛っ゛」」」 ただ震えるだけだった彼女たちは、なんら抵抗を表さずに、 切り裂かれ、抉り殺された。 「回収します………"除草剤"よろしく」 「諒解」 手際良く彼女たちの残骸を回収し、もう一方の男性が背負った噴霧器から何かを放射する。 濛々と立ち込める煙。 それが発する臭気は、弁える人ならば何を意味するか分かるだろう。 先ず第一に――これは人が知覚できる物ではないが――ゆっくりの死臭。 次いで、目の奥をチクチクと刺す、刺激物。 そのほか諸々、ゆっくりが嫌がる臭いが詰め込まれたこれは、ゆっくり専用の忌避剤であった。 ゴミ処理場から、あの"恐ろしい"ゴミ処理機が逃げ出した。 震災の被害に悩める人々にとって、その事実が齎す衝撃は凄まじいばかりのものであった。 『奴等は無尽蔵に何でも食べ、そのまま巨大化するやつも現れるかもしれない』。 それは嘘だ。 彼女たちは食べれば排泄し、一定以上の大きさになる事は無い。 そうなるように改良されたのだから。 ゴミ処理場の事を知らぬ一般人の声だった。 『インフラの設備や病院に重大な被害を与えるかもしれない』。 それも嘘だ。 通常のゆっくりには其処まで辿り着く力が無く、設備を噛み砕くことも出来ない。 彼女たちとて同様だ。 ゆっくりを化け物か何かと勘違いしている一般人の声だった。 危険な害虫が逃げ出した。 放っておけば被害が出るかもしれない。 いや、出るはずだ。 そうに違いない。 ならば殺せ。 町の復興に彼女たちを利用している、という事実は綺麗に忘れ去り、または知らず、 人々は自衛という名目の下、"嬉々として"彼女たちの駆除に乗り出した。 町の隅々をくまなく探し回り、見つけ出して殺し、そこに忌避剤を散布する。 効果は約一週間。それだけあれば、徐々に害虫の棲む所は無くなっていく。 単純ながらも効果のある方法だった。 それで駆除し切れなければ次の手がある。 次の次の手がある。 次の次の次の……… 彼女たち――そして野良ゆっくり――は、そう遠くない内に完全に絶滅するだろう。 ちなみに彼女たちの死骸は燃やされ、『清掃工場』に残ったゴミ処理機が処理してくれた。 さぁ、これで大体分かった筈だ。 仮に彼女たちが逃げ出した場合、どういう末路を辿るのか。 結局、最低のディストピアに残った者が生きながらえ、一番の幸せを掴み、 途中で人間に消費された連中はそこそこ幸せに生きて死に、 最後まで人間から逃げ続け、意味も無く幸福を掴み取ろうとしたものは無惨に死んだ。 彼女たちは奴隷と、道具と言った筈だ。 自らの意思など介在する暇も無く、ただ使い潰されるだけが彼女たちの幸せだったのだ。 それを―――ただ見たいが為に、自由意志を与えるなどとは。 『逃げ出す』という、選択肢を与えるなどとは。 言うなれば、それは蛇の所業に等しい。 楽園に居た始祖の男女――それに禁断の果実を勧めた、蛇のような。 かくて男女は、神によって楽園を追放される。 彼女たちにとって、ゴミ処理場とは楽園だったのだ。 それがどの様なディストピアであったとしても。 もう一度繰り返そう。 この話は『処理工場から逃げ出したゆっくりが見たい』との願望を反映して創られたものである。 何故そんな酷く恐ろしい願望を抱けるのか、私には理解できない。 ただ、彼女たちの幸福を、心から願うばかりである。 おわり * * * * * この話を要約すると。 「例え逃げ出してもゴミ処理場より待遇が良くなることなんて有り得ねぇんだからそのままにして置いてやれよ」です。 そんなにぶっ殺されるゴミクズどもが見たかったの?ドSなの?制裁厨なの? 私は愛で派(笑)だかられいむとまりさの最大限の幸せを祈ってるよ!! あと一応補完扱いなのに本編並みに長いってどういうこと……… byテンタクルあき 過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 2 散歩した春の日に ふたば系ゆっくりいじめ 3 ちょっと鴉が多い街のお話 ふたば系ゆっくりいじめ 22 伝説の超餡子戦士 ふたば系ゆっくりいじめ 38 とある野良ゆっくり達の話 ふたば系ゆっくりいじめ 46 散歩した5月の日に ふたば系ゆっくりいじめ 48 ゆうかにゃんと色々してみよう! ふたば系ゆっくりいじめ 128 れいむとまりさがだーい好き!! ふたば系ゆっくりいじめ 136 つむりはとってもゆっくりできるんだよ! ふたば系ゆっくりいじめ 324 散歩した秋の夜に 無かったことにしたい -ふたば系ゆっくりいじめ 343 湯栗学園にて ~教師・背徳編~ 無かったことにしたい ふたば系ゆっくりいじめ 372 新世代清掃工場 テンタクルあきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ↓↓いつお前が作者より偉くなったんだ? 便利なツールを利用して何が悪いんだ?いつまでそんな時代遅れな事を言うんだ… -- 2016-01-31 10 35 31 ゆっくりを逃がすのがそれほど嫌だったのかこの作者は、文面から敵意が溢れだしてるぜ まぁ自分の設定を否定されたようなもんだから仕方ないんだろうな とりあえず、ゲスゆ=朝鮮人 もしくは 朝鮮人→ゲスゆ なのかもしれない -- 2013-01-23 04 12 21 ↓だからそれが甘えだっつうことだよ。頭悪いな、作者かお前は。。 -- 2013-01-03 13 56 43 ↓ぐぐれば直ぐに分かる便利な世の中 文字選択とドラッグアンドドロップでぐぐれるアドオンも入れてれば一瞬 その程度のこともせずに文句言うほうが甘えてる 作者は作者の書きたいように書いて良いし、好きな作品ならネタを仕込んで周知しても良い -- 2012-04-25 18 41 22 BMネクタールの行はいらなかった。 あんなマイナー漫画のネタが説明なしで 誰にでも伝わると思うのは甘え。 -- 2012-04-15 01 23 34 これ関東大震災の後の朝鮮人がどうたらって下りと一緒ですね -- 2011-10-02 14 55 05 害虫とゆっくりを同格に見るなんて害虫に失礼だ -- 2011-03-24 22 05 02 ↓処理場は町の中にあったようだし、言葉さえ失っているから森なんてものがあると知っているかどうかもあやしいから森に行くのは無理だと思う。 -- 2011-01-13 15 14 57 瓦礫が食えるならわざわざ町に行かず 人のいないところで石でも土でも食ってればいいんじゃない -- 2010-10-10 20 20 54 逃げ出したらどうなるかと思ったが…こうなるのか。 めでたしめでたしだねぇ -- 2010-10-08 17 03 04 みんなゆっくりのことクズだとかゴミだとか愚かだとか見下してるけどおかしな話だよなぁ、その設定作ったのは自分たちなのに -- 2010-09-16 01 52 16 糞饅頭共の幸せを願うだと?馬鹿じゃねえの? -- 2010-09-06 11 30 48 高校生以下で「人間の愚かさ」なんて言っちゃう奴の方がよっぽどアレだと思うけどなぁ -- 2010-09-06 07 29 45 アダムとイヴに知恵の実やったやつか、蛇って。 -- 2010-08-19 04 56 28 高校生以上になって「人間の愚かさ」とか軽々しく言っちゃう人って・・・ -- 2010-08-09 07 02 56 所詮ゆっくりはゴミ -- 2010-06-29 04 55 07 めでたしめでたし -- 2010-05-25 20 20 53 人間の愚かさが見えて面白かった -- 2010-03-03 15 18 51
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【O 小児科】 細胞外液量が多いため生理的体重減少 積み木:2歳で3~4個、3歳で8個 3歳:片足立ち、靴をはく、名前と年齢を言える 自己中心的、反抗的、3輪車、3つ物を数える 新生児は腸内細菌叢が未成熟 =腸内細菌によるVitK産生が不十分 生後6か月までにBCGの接種 不活化ワクチンなら1週間開ければいい 体表面積は3歳で成人の1/3、6歳で1/2 乳歯:6か月頃から萌出→3歳で20本 月齢-6が大体の本数 1ヶ月54cm、3か月60cm、1年75cm、4歳で100cm 体重は生後3ヵ月で2倍 生後2~3か月でHbFの生理的溶血により貧血ぎみ 臍帯脱落:5~7日 生理的黄疸:4~5日 動脈管:15~30時間/10日~2週間 細胞内液量はずっと35% Moro:4ヶ月には消失、パラシュート:8~9か月から 手掌把握反射:6ヶ月には消失 Landau反射:顔を上げると体幹・下肢が伸展 原始歩行:生後~2ヶ月まで 10か月頃から大脳皮質レベルで平衡反応 脊髄レベル:把握、交叉性伸展、自動歩行 脳幹レベル:Moro、哺乳・吸啜、緊張性頸反射 中脳レベル:Landau、パラシュート、頸部立ち直り 乳児:呼吸40、脈拍120、幼児:呼吸30、脈拍100 運動発達は頭に近い所から遠位へ 3歳で3輪車、丸、会話、自分の名前 2~3歳で第1反抗期 Kaup指数:10×体重(g) / 身長2(cm2) 15~18が正常 Rohrer:学童期、110~160 初乳:3~5日、免疫、高ミネラル、蛋白、淡黄色 粘稠、濃厚、アルカリ性、低脂肪 成乳:乳糖(牛<乳)、エネルギー・脂肪(牛=乳) 牛乳の方が蛋白(カゼイン)・リンが多い 総エネルギー・脂質・水分はほぼ同量 哺乳回数:生後2か月は7~8回、以後漸減、15分/回 離乳食は9~11ヶ月で1日3回 5か月・7キロが離乳開始の目安、半固形食 10か月~1年で離乳完了 離乳の遅延で蛋白質・鉄が欠乏 母乳栄養で便が酸性 大泉門:1歳6カ月で閉鎖 SIDSリスク:受動喫煙、人工栄養 Ⅰ歳で頭囲=胸囲 2週~5歳までリンパ球>好中球 VitB1欠乏→脚気(beriberi) 腹膜炎:腹壁反射低下~消失、腸蠕動も低下 小児の熱射病:直腸温38.5℃以下になる様に冷却する たばこ2cm以上食べた時は胃洗浄 第3度熱傷10%以上のときは重症熱傷 生理的体重減少:3~4日で最大 生理的黄疸:2~3日から、4~6日でピーク 臍帯脱落:5~7日 真性メレナ:VitK不足による新生児の消化管出血 仮性メレナ:母体の血液を嚥下することで生じる Apt試験:HbFとHbAを鑑別、真性では陰性 在胎24~29週では全身に産毛 欧米より頻度が高い:先天性胆道拡張症、胆道閉鎖症 高直接ビリルビン血症に光線療法でbronze baby 妊娠高血圧で胎児は低O2から多血→低血糖へ 排尿のしつけ:2~3歳ごろ 胎便吸引症候群MAS:分娩直前の無酸素症、 気胸、胎児循環遷延を合併、 胎児仮死を起こした成熟児で生じる 42週以上が過期産 痙攣→血糖、血清Ca値、Mg値を検査する 呼吸促迫症候群RDS:極低出生体重児、肺透瞭像 マイクロバブルテスト 未熟児網膜症:過剰酸素で血管閉塞→網膜剥離 Ⅰ型糖尿病:HLAと相関、ウイルス先行感染 Pickwick:高度肥満と低換気 溶連菌蛋白と心筋に共通抗原、心炎、多関節炎、 伸側皮下結節、舞踏病、輪状紅斑 定期予防接種:麻疹と風疹⇔ムンプスと水痘は任意 IgMは一歳で成人値 幼児肥満→総エネルギー・糖質を制限 蛋白・野菜を増やす 尿量減少時に含K輸液は駄目 最初の24時間:欠乏水分量+100ml/kg/日 大泉門早期閉鎖:Crouzon病、Apert病 閉鎖遅延:くる病、Down、水頭症、甲状腺低下 間接ビが神経障害作用 卵円孔:生後すぐ/数か月~数年 直ビ1.5以上で異常、新生児肝炎 新生児黄疸:閉塞性出血、多血症、敗血症 3~5日から2週間まで、間ビ 母乳中プレグナンジオールが抱合を抑制 間接ビ↑で核黄疸 CRP:12~24時間で上昇 小児の敗血症:無呼吸発作、低体温、発熱 出血斑、黄疸 新生児低血糖:無呼吸、痙攣、振戦、嗜眠 チアノーゼ、異常な泣き声 痙攣は症状が小さい、前駆として易刺激性 低酸素→多血症→低血糖 無呼吸:低体温、頭蓋内主血、感染、低血糖 術直後は保育器湿度を100% 骨形成不全症:Ⅰ型コラーゲン成熟異常 易骨折性、難聴、青色強膜 新生児は体重当たりの輸液量は成人より多い 先天性股関節脱臼:男:女=1 5 体の一か所の形状奇形はだいたい多因子遺伝病 Down症に合併:ECD、急性白血病、十二指腸閉鎖 新生児期に一過性異常骨髄造血、 乳児期に急性巨核芽球性白血病(M7)、 小児期に急性リンパ性白血病 Klinefelter症候群で乳癌の頻度大 5%に精神遅延、新生男児の1/1000 Noonan:常優、Turnerに類似した体型、精神遅滞 Apert:常優、尖頭合指症 Prader-Willi:肥満、floppy infant、精神遅滞 (消化管) 遷延性食道閉鎖:C型、出生直後から泡沫状唾液 胃内容物嘔吐→低Cl・低Kアルカローシス 間欠的な不機嫌:腸重積→粘血便 注腸により95%が治療 Hirsch:直腸粘膜生検をAChE染色、壊死性腸炎合併 壊死性腸炎:超低出生で生後10日までに下血で発症 出生児仮死、無呼吸発作、RDS、敗血症が誘因 腸回転異常症:Ladd靭帯切離(Ladd手術) Ladd靭帯による十二指腸圧迫、生後2日以内に 胆汁性嘔吐、嘔吐は十二指腸閉鎖症よりも遅い 左胸部グル音:横隔膜ヘルニア、横隔膜弛緩症 Bochdalekヘルニアで肺の低形成を起こす 嚢胞状リンパ管腫:リンパ嚢の発生異常、頚部・顔面 胎便イレウス:粘稠な便により腸閉塞 腸重積:回腸盲腸型、回腸結腸型が多い、間欠的腹痛 肥厚性幽門狭窄症:4:1で男児に多い、2~3週から 吐いた直後も空腹のためにミルクを欲しがる エコーで確定、粘膜外幽門筋切開:Ramstedt手術 先天性腸閉鎖症:十二指腸のが最多、合併奇形が多い アルカロに対する腎の代償でH再吸収・K排泄 神経芽細胞腫:腫瘍のVIP産生により難治性下痢 遺伝性球状赤血球症でビ結石 肛門周囲膿瘍:大腸菌、バクテロイデスなど 基礎疾患なしのものは乳児期に多い 便性、腸管局所免疫の未熟性による VitK欠乏による下血:生後2~3日ごろ 外鼠径ヘルニア:男児では右に多い (肝) 黄疸遷延、直ビ上昇あれば、胆道閉鎖か新生児肝炎 リポ蛋白X:胆道閉鎖で(+)、新生児肝炎で(-) 十二指腸液検査で胆汁を検出、エコーで胆嚢を確認 先天性胆道閉鎖症:2か月以内に手術 術後効果のないものに対しては生体肝移植 直ビ:Dubin-Johnson・Rotor→排泄障害 光線療法やると光分解産物蓄積でブロンズ 先天性胆道拡張症:腹痛・腫瘤・黄疸が3徴 日本にやたら多い、合流異常を高率に合併 女児に多い、脂溶性Vitの吸収↓、嚢胞切除+再建術 (心臓) 心電図:右心優位、V1~4の陰性T波、V5,6のQ波 生後7日以降V1Tが陽性のときは右心肥大と考える 新生児持続性肺高血圧症PPHN:胎児期の生理的 肺高血圧が持続、低酸素→代アシ→肺血管抵抗増大 過換気、ドパミン投与により治療、予後不良 未熟性動脈管開存症:プロスタ生合成阻害薬の静注 ECD:goose neck sign、1度房室ブロック、左軸偏位 左室低形成→プロスタグランディンE投与 BAS:バルーン心房中隔裂開術 2歳以下のチアノーゼの90%がTOF DiGeorgeとの合併、多血による脳血栓 VSD:軽症では心電図正常、無症状なら普通の生活 2歳以下の手術で肺高血圧は正常化 雑音が聞こえてくるのは生後3~7日目から 胸骨左縁3・4肋間Erb領域に収縮期逆流性雑音 自然閉鎖は2歳まで、30~50%の例に見られる ASD:右心容量負荷→不完全右脚ブロック、右軸偏位 成人で見られる先天性心疾患では最多 心内膜床欠損症ECD=房室中隔欠損症AVSD 肺動脈弁狭窄→経皮的バルーン肺動脈弁形成術PTPV Fallot:VSDが大きいため左=右室圧、 右室流出路弁下狭窄=漏斗部狭窄による心雑音 合併症:脳血栓、心内膜炎、脳膿瘍 Bland-White-Garland症候群:左冠動脈肺動脈起始症 心筋虚血によるMR、極めてまれ β遮断:プロプラノロール β刺激:イソプロテレノール PDA:末梢にバウンディングパルス 乳児はⅢ音が聞けて普通 立ちくらみは夏に増悪 (代謝) クレチン症:マススクリーニングの中で最多 TSH↑、甲状腺形成異常、黄疸遷延、便秘、嗄声 骨年齢遅延→大腿骨端核が小さい、哺乳不良 コルチゾール過剰によるGH分泌抑制 →体重増加時に一致して身長増加の低下 下垂体線腫によるものがCushing病 下垂体性低身長症では知能低下(-) 副腎:21が最多、男性化、低血糖、嘔吐 コルチ・アルドの合成↓、色素沈着、低Na 高K、 早期から哺乳力低下、17-OHプロゲステロンを測定 思春期早発:手根骨で判定、小児期に急成長する ものは真性=下垂体ゴナドトロピンの過剰 仮性は性ステロイド分泌過剰による 糖原病Ⅰ型:グルコース6フォスファターゼ活性低下 肝型、低身長、肝腫大、低血糖、出血傾向 von Gierke病、グルコース負荷で乳酸値低下 検尿で尿中ケトン体陽性、食事回数を増やす Ⅱ型:Pompe、全身型、巨舌、心肥大、 低血糖は(-) 全身のリソゾームにグリコーゲンが蓄積 ケトン性低血糖症:頻回嘔吐、グルカゴンに無反応 絶食で発作誘発、原因不明、10歳までに自然治癒 アセトン血性嘔吐症=自家中毒症、周期性嘔吐症 ストレス、感染、疲労が誘因、2~10歳まで 血中・尿ケトン体(+)、低血糖(-)、制吐薬と輸液 アセトン血性とケトン性の嘔吐の鑑別の負荷試験 →グルカゴン・インスリンを負荷 単純性甲状腺腫:女性ホルモンの影響、10歳以上 プリン代謝酵素HGPRT 有機酸代謝異常で血中アンモニア濃度高値 Beutler法:ガラクトース血症のスクリーニング VitD欠乏性くる病:P低下、骨端の杯状変形 Laron型低身長症:GHの受容体異常 Turnerの新生児:手足背側のリンパ浮腫、中手骨短縮 糖尿病→糖50%、蛋白20%、脂肪30%の食事 メープル:分枝鎖アミノ酸の代謝異常、 錐体路障害、痙攣、哺乳困難 ムコ多糖症:分解酵素欠損、骨変化が主体、角膜混濁 尿中のものをトルイジンブルー反応で見る ホモシスチン:外見はMarfanと酷似、知能低下(+) メチオニン↑、血栓形成 シスチン尿症:シスチン、オルニチン、リジン、 アルギニン(COLA)の腎再吸収障害 McCune-Albright症候群:卵巣の自律機能亢進 性早熟・多発性骨線維性異形成・カフェオレが3徴 Rubella:風疹→PDA開存、末梢肺動脈狭窄、ASD 猫鳴き:5の短腕欠失、小頭、小顎 XR:Duchenne、Fabry、慢性肉芽腫、 Wiskott-Aldrich、Bruton型無γグロブリン Marfan:フィブリリンの遺伝子異常、常優 青色強膜、高アーチ口蓋、大動脈弁輪拡大 Ehlers-Danlos:コラーゲン・結合織の異常 先天梅毒:早期→鼻閉、Parrot仮性麻痺 (骨軟骨炎による疼痛で動かさない) 晩期:幼児~学童、Hutchinson三徴: 角膜炎・難聴・Hutchinson歯 先天性白皮症:メラノサイトは存在するが メラノソーム生成が障害、ドーパ反応が陰性 Guthrie法:フェニルケトン(塩化第二鉄)、 メープル(尿臭)、ホモシスチン(ニトロプルシド反応) 3つとも~尿症、生後5~7日、哺乳後に実施 フェニルケトン尿症:フェニルアラニン蓄積と チロシン欠乏、赤毛・湿疹・白い肌、 1か月以内に治療しないと知能障害をきたす 楓糖尿症:低イソ・ロイシン・バリン食、VitB1補充 中枢神経障害が残ることが多い Beutler法でガラクトース血症→無乳糖乳を与える Wilson病:Cuの組織への蓄積、セルロプラスミン↓ 尿中Cu↑、13染色体、Descemet膜に沈着 肝細胞壊死によるCu流出により溶血 神経症状・肝硬変・眼輪が3徴 小児期には肝障害のみのことが多い Cu制限、エビ・カニ・キノコ・チョコレート Menkes病:腸管からの吸収障害、kinky hair、 中枢神経障害、血管形成障害、骨異常 低MgによりPTH分泌抑制→テタニーの原因 (腎) AGN:蛋白尿は1か月、血尿は1~3か月で消失 浮腫は軽くて数日で消退する、ASO↑、補体価↓ ペニシリン、降圧利尿薬、蛋白・塩分・水制限 ネフローゼ:分子量の小さいAlb、α1、γが低下 小児の80%が微小変化 、 浮腫・乏尿期以外は水分制限なし 微小変化:2~6歳に好発 先天性水腎症:血・蛋白・膿尿、低比重 半数は自然回復、腎盂尿管移行部の成長により改善 尿路感染:大腸菌、クレブシエラ、幼児期以降は女児 メサ領域の障害で血尿、糸球体障害で蛋白尿 Ⅰ年以上の尿所見異常で慢性腎炎、検尿での発見多い 小児慢性腎盂腎炎:自覚症状が乏しく進行性 早期より尿濃縮力の低下を認める 抗GBM型:線状 ⇔ 免疫複合型:顆粒状沈着 HUS:小児の急性腎不全としては最多、TTPと鑑別 Alport:糸球体基底膜の主成分がⅣ型コラーゲン 慢性腎不全としては腎尿路奇形が最多 出血性膀胱炎:アデノ11,12によるものが多い (免ア) 川崎病:5日以上の発熱、結膜の充血、血小板↑ 口唇・口腔・手足の硬性浮腫、体幹の発疹 リンパ節・BCG部の発赤、9日以降に冠動脈瘤 抗炎症+抗血栓療法、急性期はγグロブリン投与 結膜・皮膚・リンパ節症候群MCLS:川崎病の別名 γ-グロブリン製剤:川崎病急性期の第1選択 若年性関節リウマチJRA:ASO正常、WBC↑から リウマチ熱・SLEと鑑別できる、小児膠原病で最多 サリチル酸系(アスピリン)が第1 ASO上昇:先行溶連菌感染の照明、リウマチ熱 RFの治療:ペニシリン、アスピリン、 心炎を伴う時はステロイド リウマチ熱:5~15歳、移動性多関節炎、心炎、 皮下結節、心内膜炎、輪状紅斑(初期) 小児のSLE:症状が非典型的、多彩 成人より合併症が多く、難治例が多い 慢性肉芽腫症CGD:NADPH酸化酵素欠損により 食細胞の殺菌作用の異常、BCGは禁忌 NBT色素還元陽性細胞が著減、NBT試験陰性 カタラーゼ活性陽性細胞を殺菌できない 予防的にST合剤投与により治療 カタラーゼ陽性:黄ブ、陰性桿菌、真菌 Chediak-Higashi:好中球の遊走障害+ 脱顆粒障害(巨大顆粒)、形態異常、貪食は正常 顆粒を持つ全ての細胞に巨大顆粒 メラニン細胞の色素顆粒異常による部分白子 重症複合型免疫不全症SCID:乳児期早期から リンパ幹細胞のT・Bcellの分化異常 著しいリンパ球減少と低γ-グロブリン血症 治療としてHLA適合骨髄移植 Wiskott:易感染性・湿疹・血小板減少が3徴 出血傾向のコントロールに摘脾を実施 毛細血管拡張性失調症=Louis-Bar症候群 常劣、悪性腫瘍合併、進行性小脳失調、 細胞性↓、グロブリン減少、 先天性無γ-グロブリン血症(Bruton型) B細胞系の異常→6か月以降に症状 DiGeorge:生後1週間以内にテタニーで発症 T細胞系の欠損、心血管異常と顔面異常 Ⅲ型アレルギー:主にIgGによる PHA、ConA:細胞分化誘導物質、T細胞が幼若化 LPS、SACでB細胞が幼若化 Bリンパ球の方が薬剤感受性が高い Henoch:血尿のみの例は予後が良い Rumpel-Leede試験陽性、四肢伸側に対称性紫斑 (血液) 新生児のHb値:15~20g/dl 小児の貧血:Hb 10g、RBC 350万 Diamond-Blackfan貧血:先天性の赤芽球癆 寒冷凝集素症:寒冷暴露によりIgM型の寒冷抗体が 補体とともに赤血球に結合→溶血、 寒冷を避ける L1:小細胞性、L2:大細胞性、 L3:表面がB細胞型=Burkittリンパ腫が白血病化 ALL予後不良: 1歳・ 10歳、白血球2万以上 男児 低VitK→突然の消化管出血、頭蓋内出血、 PIVKAⅡ↑、PT時間延長 未熟児貧血:エリスロ分泌不全のものが初期 貯蔵鉄欠乏によるものが後期 ALL再発部位は中枢神経が最多 ALL:Burkitt、縦隔腫瘤・中枢神経浸潤は予後不良 溶血で生じたヘモと血清ハプトグロビンが結合 血友病:一次止血栓は形成されるが、剝がれて血腫 (感染) 犬吠様:声門下喉頭の狭窄→吸気性喘鳴、夜間 百日咳:新生児でも感染する、1~2週の潜伏期 カタル期に飛沫感染、Bordet-Gengou培地 発熱(-)、眼瞼浮腫、マクロライド系 クループ:パラインフル、アデノ、フル菌が原因 舌圧子での咽頭部診察は気道完全閉塞の危険性 呼気性喘鳴:喘息か急性細気管支炎(RSウイルス) 急性~:加湿+O2吸入、輸液 急性細気管支炎:加湿・酸素吸入・輸液で治療 抗生剤・鎮咳剤は無効、6か月前後の乳児に好発 流行性耳下腺炎:抗生剤等は無効、抗体価で確定診断 麻疹患者と接触後5日以内に免疫グロブリン投与で 発症を予防できる、麻疹抗体は生後1年まで持続 麻疹は弱毒ワクチン、一歳になったら接種 2相性発熱の後半に発疹、発疹は水疱化しない 顔面・耳後部→体幹→四肢に発疹 解熱後3日間の登校禁止 脳炎:発疹出現後1~8日 ⇔ SSPE:5~10年 Koplik斑:発病早期に見られる、発疹出現後には 消退しているが多い、 耳後部のリンパ節腫脹→風疹、5~10代前半に好発 合併症でITP・関節炎、落屑・色素沈着はない 手足口病:夏から秋、3~5日の潜伏、 発熱と同時に発疹、瘢痕や色素沈着を残さない ヘルパンギーナ:咽頭痛と発熱、口蓋垂付近の水疱 無菌性髄膜炎と脱水に気を付ける 突発性発疹:解熱と同時に紅斑、体幹を中心、 永山斑:発熱1~2日目に軟口蓋に粟粒~米粒の紅斑 合併症で熱性痙攣 顔面から始まり四肢へ広がる皮疹:伝染性紅斑 頬に対称性の蝶形紅班、四肢にレース状網状紅斑 骨髄炎:血行性、外傷、周囲からの波及、 黄ブによるものが最多 ジフテリア:外毒素による心筋障害 ムンプス難聴:一側、治療抵抗性、15000人に一人 潜伏2~3週、耳下腺腫脹→血清アミラーゼ↑ 膵炎・髄膜炎を合併、中耳炎(-) 、予防は生ワクチン TORCH トキソ:脈絡網膜炎が必発 風疹:PDA、PS、難聴、白内障、脳内石灰化なし CMV:間質性肺炎、難聴 梅毒:胎児水腫、鼻閉、仮性麻痺、石灰化(-) Parrot:骨軟骨炎の痛みで四肢を動かさない Ritter病=SSSS 何となく元気がない・哺乳不良→発熱(-)でも 敗血症を疑い、血液培養と抗生物質投与 エピツベルクローゼ:肺門部リンパ節腫脹による びまん性の無気肺、乳幼児の結核に多い モラキセラ:鼻腔内常在菌、上気道や中耳に感染 ブドウ球菌熱傷様皮膚症候群SSSS:粘膜症状は稀 乳幼児結核:胸膜炎は少ない、粟粒結核になりやすい 熱→発疹:川崎、麻疹、猩紅熱、突発性発疹 同時:水痘、風疹、RF、JRA 回虫:幼虫が肺を通過する時に単純性肺好酸球増加症 =Löffler症候群:軽い喘息・息切れ (呼吸器) 新生児の呼吸困難が呼吸窮迫 扁桃摘出:繰り返す急性扁桃炎、扁桃周囲膿瘍、 気道閉塞・嚥下障害の原因となっている場合が適応 3歳以下には行わない クループ:喉頭部の狭窄による陥没呼吸と呼吸困難 高音:wheezes、低音:rhonchi 重積発作:ステロイド投与しても24時間以内に 収まらない喘息発作 先天性喘鳴:吸気時に咽頭蓋が嵌入 血管輪:大血管の発生異常により気管圧迫→喘鳴 急性細気管支炎:肺気腫像+小さな無気肺 大葉性肺炎:Kohn小孔を通じて肺葉全体に波及 細菌性肺炎は肺胞性が多いが、百日咳は間質性肺炎 マイコ:発熱と激しい咳、間質性肺炎、WBC正常 喘息:5歳までに80%以上が発症 RDS:呼気性呻吟により肺胞内を陽圧に維持している 網様顆粒状陰影とair bronchogram クラミジア肺炎:無熱性、呼吸困難強い、好酸球↑ Wilson-Mikity:未熟児が生後3~4週間で発症 X線上びまん性の泡沫状・不規則索状気腫状陰影、 両肺野びまん性小円形透瞭像、レース状陰影 呼吸窮迫症候群RDSが先行しない、 出生前感染、生後28日以降も持続 、予後不良 (神経) 脳浮腫から生じる痙攣 痙攣では発熱を伴うかどうかが大事 てんかんを疑う:運動発達遅延、15分以上の熱性痙攣 Brudzinski徴候:頸部前屈で下肢を屈曲 Leigh脳症:嚥下障害で発症する代謝性疾患、 大脳基底核が低吸収となる クロラムフェニコール投与によりgray syndrome ウイルス性髄膜炎:エコー、ムンプス、 コクサッキー、リンパ球↑、糖正常 急性小脳失調症:水痘の皮疹治りかけの7~14日目 非特異的感染の回復期、数日~数週後には自然軽快 Reye症候群:肝生検で脂肪変性、ミトコン変性 →脳浮腫予防 SSPE:罹患後6~8年、性格変化、ミオクローヌス、 12歳以下がほとんど、PSD Werdnig-Hoffmann病:下位運動ニューロン障害 脊髄前角の変性、CK正常、生後2~4ヶ月で発症、 MELAS:乳酸・ピルビン酸↑、乳酸アシドーシス West症候群:点頭てんかん、発作は群発、 シリーズ形成、ACTH筋注、VitB6、 ニトラゼパム、クロナゼパム Lennox-Gastaut症候群→slow spike and wave、 2~8歳、多彩な発作、基礎に重症脳障害+ 精神発達遅延、Westから半数が移行 意識消失があれば複雑部分発作(精神運動発作) =側頭葉てんかん、自動症、一過性の幻覚 単純部分発作:焦点発作、体の一部から始まり 全身に広がる=Jackson型、Todd麻痺を残す Todd麻痺:焦点性運動発作後の一過性の運動麻痺 大発作:強直性間代性痙攣、発作後睡眠、光刺激 全般性or焦点性の棘波、予後は良好 小発作=欠神、短時間意識喪失、3ヘルツspike wave 過呼吸により誘発、思春期以後は消失 熱性痙攣:1~2分の全身の強直性間代性痙攣 6か月~4歳、大部分は学童期までに自然消失 熱の上がり始め、発作は20分以内、年4回以下 強く泣いた後の痙攣発作:泣き入りひきつけ 新生児の髄膜炎:大腸菌、B連 第4脳室に好発の腫瘍:髄芽腫、上衣腫 神経芽細胞腫:尿中VMA↑↑、血中NSE↑ 境界不明瞭、石灰化像、正中を越える 縦隔原発のものは予後良好 神経芽細胞腫の転移先:骨髄、肝、眼窩が多い Ⅳs期:肝・皮下・骨錐への転移 Wilms腫瘍(腎芽腫):弾性硬、境界明瞭、表面平滑 被膜を持つので摘除可能、低年齢で予後良好 放射線の感受性高い、特異的マーカーなし 肝芽腫:AFP↑↑、化学+手術、放射線の感受性低い 選択緘黙:家族以外と会話を拒否、心理的要因 ビンクリスチン:他剤併用で多種類の悪性腫瘍に使用 アクチノマイシンD:Wilms腫瘍 アントラサイクリン:AML シクロフォスファミド:神経芽細胞腫、悪リン、CLL Cheyne-Stokes呼吸:呼吸中枢の障害(皮質下、間脳) 高齢者睡眠時、Pickwick,脳のO2欠乏時 Biot:延髄障害、上のより周期が短く不規則な呼吸 髄膜炎の末期 【P 産科】 尿中hCG:4週から上昇、10週頃に最高値、 25~50IU/lで妊娠陽性、流産で↓、胞状奇胎で↑↑ 尿中hCGを測定:胞状奇胎、子宮外妊娠、 切迫流産の予後推測 妊娠末期:尿中E3、血中CAP、hPLが上昇 卵子:第1分裂前期複糸期で休止、 精子侵入により第2分裂開始 原始生殖細胞:仙骨部、後腹膜、縦隔、松果体に迷入 原始卵胞:一層の扁平な顆粒膜細胞 胞胚が透明帯から脱出し、内側の細胞塊が 子宮内膜に接着して着床 LHサージにより減数分裂、生殖器系は中杯葉由来 卵膜=脱落膜(母体由来)、絨毛膜、羊膜 初期羊水は皮膚から作られる、羊水はアルカリ性 1500未満が極、1000未満が超 先体反応により透明帯反応が起きて透明帯を 通過可能になる 初期の卵胞発育はFSHに依存しない 排卵時期:LHサージの16~24時間後 受精卵は分泌期内膜に着床 心拍数は10~11週が170~180で最大 Arantius管(静脈管):臍静脈→下大静脈のシャント 絨毛間腔は母体血が充満 プロゲの作用で高体温・牽糸性↓ DHA-S:エストリオールの前駆物質、頸管の熟化作用 妊婦尿中エストリオール:胎児副腎・肝・胎盤が関係 妊娠中の栄養:低カロリー・高蛋白、 妊娠末期の付加エネルギーは500kcal 妊婦の体重増加は8kg以上 妊娠末期の子宮は1000g、容量5L、胎盤は500g 妊娠中の正常頸管長:30週未満で40mm、 32~40週で25~32mmと短縮、早産の指標 鶏→鷲→手拳→新生児頭→児頭→大人 (1~6ヶ月の子宮の大きさ) 妊娠時は風疹ワクチン投与は禁忌→心奇形、 白内障、難聴を起こす 妊娠前から葉酸を多めに摂っておく、 プロゲとエストロは7週目まで黄体で産生、 その後は胎盤で産生される ヒト胎盤性ラクトゲンhPL:胎盤で産生、児に グルコースを送るために母体への抗インスリン作用 母体の栄養補給のための脂質分解作用 胎盤重量と値が相関、胎盤機能評価に利用 エストロ:乳汁分泌の準備・妊娠中の乳汁分泌抑制 妊娠末期に頸管熟化を促して分娩準備 プロゲ:妊娠維持、妊娠中の排卵抑制、乳汁 高エストロで乳腺レベルのPRLの感受性は低下 PRL:妊娠末期でピーク、産後減少し授乳で復活 E3合成に胎児の機能が必要→尿中濃度で胎児評価 胎嚢(GS):週数ー4cm、5~8週まで 頭殿長CRL:週数ー7cm 8~11週 在胎週数:妊娠初期の頭殿長で計測 児頭大横径BPD:週数÷4、12~15週 恥骨結合上縁~子宮底の長さ:妊娠月数×3+3 子宮底長:33cm以上で巨大児→肩甲難産のリスク 胎児心拍数陣痛図CTG:胎動と子宮収縮圧を計測 ノンストレステストNST:胎動、胎児心拍、陣痛の 経時的記録 40分間記録する、20bpm以上の 一過性頻脈が20分間に2回以上でreactive 一過性頻脈:自律神経系の正常反応、胎児状態良好 早発一過性徐脈:頭部圧迫による迷走の正常反応 遅発一過性徐脈:胎盤の機能不全、児の低酸素状態 変動一過性徐脈:羊水過小による臍帯圧迫 サイヌソイダルパターン:基線が規則正しい正弦波 先天性心疾患、胎児貧血、低酸素状態など 正常脈:110~160bpm、100以下なら徐脈 コントラクションストレステストCST: 胎児胎盤機能不全が疑われる時に行う オキシトシンによる子宮収縮でCO負荷 胎児に心拍数低下があれば反応陽性 Biophisical profile scoring:胎児well-beingの評価 呼吸、胎動、筋緊張、羊水量、NST、各2点ずつ 肺胞サーファクタントは30週ごろから作られる 30週未満の分娩では母体にステロイド投与(肺成熟) L/S比:レジチン/スフィンゴミエリン、 肺の成熟度をみる、L/S比2以上は肺成熟 マイクロバブルテスト陽性=肺は成熟 マイクロバブルテスト:胃液を使う、泡の数 妊娠悪阻:妊娠初期を過ぎてもつわり症状が増悪 全妊娠の1~2%、ストレス、脱水、飢餓状態、 →Wernicke脳症の予防にvitB1を十分補給する 胎児死亡:羊水流出→フィブリノゲン低下、出血傾向 稽留流産:無症状、尿hcG低値 3回連続で習慣流産 妊娠12週以降の死児:死産、それ未満は早期流産 妊娠の15%が自然流産、高齢になると上昇 早産は全体の6~7% 早産の指標:頸管粘液中顆粒球エラスターゼ↑、 胎児性フィブロネクチン↑ 切迫早産:多くは絨毛膜羊膜炎が原因 絨毛膜羊膜炎CAM:上行感染→炎症によるPGが 子宮収縮、好中球が卵膜コラーゲン分解→早産 呼吸促迫症候群に対しステロイド経口→肺成熟 ウリナスタチン:頸管熟化を抑制、破水を予防 切迫流産:下腹痛は軽・欠如⇔進行流産は陣痛様激痛 人工妊娠中絶の合併症:付属物遺残で持続性器出血、 子宮内感染、子宮外妊娠の見過ごし Arias-Stella反応:子宮外妊娠により子宮内膜の 腺細胞の膨化、巨核球の存在、細胞境界不明など 流産、奇胎でも認める 子宮頚管妊娠→内診で雪ダルマ状に肥大した頸部 メソトレキセート:絨毛性疾患(絨毛癌、侵入奇胎、 胞状奇胎)、子宮外妊娠の治療 受精卵の絨毛増殖を選択的に抑制 過期産:爪が長い、羊水少量、胎盤機能低下 妊娠高血圧PIH 20週以降~分娩後12週まで 収縮160以上or 拡張110以上で重症型 重症化で肺水腫、脳出血、常位胎盤早期剥離、HELLP 妊娠中の降圧薬:塩酸ヒドララジン、メチルドパ HELLP:妊娠高血圧の重症型、妊娠中期以降発症 溶血、肝酵素上昇、 血小板減少 (hemolysis, elevated liver enzyme, low platelets)、 HELLPでは最初に肝酵素が上昇 子癇:妊娠高血圧から続発、20週以降初めて痙攣発作 光や大きな音が発症誘因、←硫酸Mgで治療 常位胎盤早期剥離:板状硬+圧痛、外出血は少ない DIC・ショックがあれば先に治療、産科DICで最多 CTGで子宮収縮の持続を確認、さざ波状、 前置胎盤:無痛性の多量出血、出血は陣痛発作時 多産婦ほど高率に発症、子宮内膜の荒廃が原因 胎盤上方移動placental migrationを考慮する →妊娠中期以降まで診断ができない 羊水量:<100mlで過少、>800mlで過多 羊水過少により肺低形成、関節拘縮 約半数は前期破水による Potter症候群:胎児両側腎無形成による羊水過少 羊水過多:特発性が60%、産生過剰か吸収低下 羊水検査:高齢妊娠で適応、16~18週 10~20ml採取 AFP値を計測→無脳児、二分脊椎で上昇 妊娠中に安静が必要: 早産をおこす:切迫早産、PROM、多胎、前置胎盤 胎盤血流を増やしたい:妊娠高血圧、IUGR 双胎間輸血症候群TTTS:一絨毛膜性のものでリスク 受血児:羊水過多、過粘稠、心肥大、皮下浮腫 供血児:羊水過小、貧血、栄養障害、発育遅延 不均衡型IUGR:異栄養、腹囲のみ↓ Small for dates:低血糖、低Ca、多血症、 高ビリルビン症になりやすい Light-for-dateは肝のグリコーゲン蓄積不足で低血糖 出生児がRh(+):分娩後72時間以内に 母体へ抗D人免疫グロブリン投与 間接Coombs陽性:血清中の抗D抗体の存在 直接Coombs:血球に付着した抗D抗体の存在 初回感作時はIgM産生で胎盤を通れないから大丈夫 胎児の溶血具合は羊水中ビリ様物質の量を測定 光線療法は470~620nmの緑色光 胎児水腫:皮下、胸腹水、心嚢液、羊水過多を伴う 非免疫性が多い、血液型不適合で免疫型 羊水ΔOD450で溶血の程度を検査 インドメタシン:強力な子宮収縮抑制作用があるが 胎児動脈管収縮作用があるため使用不可 子宮収縮抑制薬として塩酸リトドリンが第一 分娩開始前:前期破水⇔子宮口全開大前:早期破水 子宮口全開大で適時破水、 骨盤位は早期破水が多い 早期破水例:抗菌薬投与、骨盤を高位、モニタリング 破水検査:Αーフェトプロテイン、羊歯状結晶 胎芽病:妊娠8週までの病毒・化学物質の作用 風疹、サリドマイド、放射線被曝など 子宮筋腫合併妊娠:妊娠中に増大・縮小どちらもあり 流・早産、産道通過障害の原因、保存的に治療 頸癌合併:Ib以上で妊娠初期なら母体優先 卵巣腫瘍合併:茎捻転が問題、嚢胞性の10cm以上、 充実性の5cm以上は16~20週以降に摘出術 ITP→プレドニンとγーグロブリン(大量)で治療 児の頭蓋内出血を避けるため吸引・鉗子分娩は不可 SLE:Ccr≧70ml/分以上、長期寛解の状態で妊娠可能、 妊娠前半、分娩前後で増悪することがある ステロイド、低用量アスピリンで治療 新生児ループス:完全房室ブロック(非可逆性)、 汎血球減少・皮疹←移行抗体消失で改善 Basedow合併:児の甲状↑でIUGR、流早産 hCGはTSH様作用を持つから妊娠初期に悪化 産褥期に免疫抑制がとれてまた悪化 妊娠授乳中は血糖降下薬投与禁忌→児の低Ca血症 インスリンは胎盤通過しない 血糖目標:食前100以下、食後2時間120以下 先天性HIV:抗HIV薬ジドブジン(ZDV)の 6週間継続投与、HIVの20~30%で垂直感染 妊娠中も抗てんかん薬を継続投与 TORCH:トキソプラズマ、梅毒、CMV、風疹 単純ヘルペス :外陰部潰瘍から産道感染、脳炎 先天性風疹症候群CRS:白内障、心奇形、難聴が三徴 胎児性ワーファリン症候群:催奇形因子、 鼻梁低形成、脳梁欠損、骨端形成異常 喫煙:流早産、常位胎盤早期剥離のリスク 新生児脳室内出血:未熟児に多い、脳室上衣下、 低酸素、循環不全が原因、診断に頭部超音波 胎児発育停止→分娩誘導 第1胎向が2/3、第2だと肝臓と下大静脈が邪魔 回旋:第2回旋時の児頭後頭部が前方か後方か 胎勢:胎児の姿勢、下顎が胸壁に接しているか、 屈位が正常 ⇔ 前頭位、額位、顔位 第○ ○方 ○位 Leopold法:7か月以降で行う、 子宮底→側面→下行部→下降度 第4段で児頭の浮動の有無がわかる 陣痛周期が10分、一時間に6回以上で分娩開始 SPは棘間線上から上方か下方か SP-2~0で児頭最大通過面が骨盤入口部を通過=固定 排臨:SP+5ほど、間欠時に隠れる ⇔ 発露 児頭の固定:骨盤入口部、SP-5 入口部は横長、峡部は縦長 ビショップ:頸管展退度、児頭下降度、腟部硬度、 開大度、腟部位置、13点満点 分娩誘発の条件、 9で成熟、 4で未成熟 新生児の頭:頭部大斜径が13cmで最長 前後径=肩幅=11cm、大横径=小斜径=殿幅=9cm メトロイリーゼ:子宮拡張器、水風船みたいなもの ラミナリア桿:子宮頸管に留置して熟化を促す 子宮下部のFrankenhauser神経叢が児頭で 刺激されて陣痛が増強、CPDがあると微弱陣痛 プロスタ:子宮収縮促進+子宮頸管熟化作用 DHEAS:頸管熟化、オキシトシン感受性↑、 試験分娩:CPDの境界例、帝王切開既往、心疾患など 鉗子・吸引の適応:子宮口全開大、破水後、SP+2以下 CPD:産科的真結合線-児頭大横径が1cm未満 Seitz法(+)で児頭>恥骨結合、CPDの可能性大 大泉門先進:第1回旋の異常、短頭形となる 高在縦定位:骨盤入口部で縦向きのまま停止、 2時間以上停止で帝王切開を考慮 低在横定位:骨盤闊部で第2回旋の起こらない状態で 児頭が峡部に達して矢状縫合が骨盤横径に一致 側臥位にて経過観察、駄目なら吸引分娩 鉗子分娩をすると顔面損傷の危険が高い 後方後頭位:第2回旋が逆向き、第3回旋時に 児頭が恥骨に引っかかる、吸引・鉗子分娩 分娩第2期で頭蓋骨の骨重積が起こる 骨盤位:単殿位が最多、7か月時30%→3~4%まで低下 臍輪娩出までは児の娩出を急がない 30~35週:胸膝位・側臥位で胎位矯正 35週を過ぎたら外回転術 児呼吸が不穏ならば背部を刺激 臍帯の血管周囲のWharton膠質が血管を保護 羊水過少により過短臍帯(25cm以下)、正常は50cm 胎児機能不全(胎児ジストレス):子宮内で呼吸、 循環機能が障害→高度徐脈、遅発一過性、 高度変動一過性、基線細変動の消失 RI(resistance index)低下=胎児が低O2の時、代償で 脳動脈の血流増加を示す 血流再配分:脳・心・副腎は保たれる 子宮破裂は腹腔内・後腹膜腔への内出血が主 Bandl収縮輪:臍高まで達する子宮収縮輪 正常では収縮輪は腹壁上から観察できない 頸管裂傷:全分娩の1%で発生、3時と9時方向 分娩後に子宮収縮良好なら産道裂傷による出血 子宮内反:第2期まで正常、腹痛、臍帯の牽引後 などに生じる→全麻下で用手的修復、駄目なら開腹 制服に成功した後は子宮収縮促進薬 腹膜牽引による激痛で神経原性ショックがあり得る 弛緩出血に対して子宮底輪状マッサージで収縮を促す 早期産褥出血500ml以上で異常 羊水塞栓症:分娩誘発時、破水直後、死亡率60~80% 肺サーファクタント、組織因子の血管内流入による DICを起こす←ヘパリン、凍結血漿、血小板など 産瘤:皮膚と帽状腱膜の間、圧迫による浸出液の貯留 頭血腫=骨膜下血腫、骨縫合を越えない、黄疸が増強 帽状腱膜下血腫:骨縫合を越える、骨膜間出血、 輸血による治療 子宮底:分娩直後は臍下6cm、12時間後で臍の位置 産褥1~3日目でそれぞれ臍下1~3横指 産褥一ヶ月で子宮の復古が終了、尿路系の復古は遅い 帝王切開後の産褥期:子宮復古不全、悪露滞留症 授乳婦は産褥性無月経が3~4ヶ月、 吸引刺激によるPRLの卵巣機能抑制効果 鬱滞性乳腺炎:産褥期2~4日から、初産婦、乳管に 一致した腫大・発赤、発熱は軽度、積極的に哺乳 急性化膿性乳腺炎:上のに続発、高熱、授乳中止、 膿瘍形成あれば穿刺、切開排膿 血栓塞栓症:産褥期が最多、妊娠でリスク5倍 産褥熱:産道損傷からの感染で10日目までに発熱 アンピシリン・クリンダマイシンの併用で治療 【Q 婦人科】 プロゲとエストロ:子宮・膣に対しては互いに拮抗 乳腺に対しては互いに協調 莢膜細胞でLHの作用でコレステからアンドロに変換 顆粒膜細胞でFSHの作用でアロマターゼが活性化、 アンドロからエストロに変換する 排卵後に少量の腹水貯留 排卵に一致した下腹痛・中間期出血・水様性帯下 初経1~2年はLH surgeなし 子宮内膜:基底層-海綿層-緻密層 海綿+緻密が機能層 子宮内膜日付診;月経周期と子宮内膜の関係を見る 高温期(黄体期)に行う エストロ作用で増殖期、エストロ+プロゲで分泌期 増殖期=卵胞期、分泌期=黄体期、 黄体の持続期間は2週間、黄体期~卵胞期が月経期 増殖期:螺旋動脈侵入で機能層の増殖・肥厚 ドーナツ状腺管構造、核の偽重層化、間質浮腫 分泌期の内膜腺上皮細胞にグリコ蓄積による核下空胞 腺管の屈曲、蛇行 エストロによる頸管粘液変化で精子は侵入しやすい 頸管粘液:量・透明度・牽引性・結晶形成は 排卵期がピーク、排卵が近いとさらっとした粘液 原発性視床下部性無月経:Kallmann、Frohlich、 Laurence-Moon-Biedl症候群 続発性視床下部性無月経:Chiari-Frommel、 食思不振、体重減少性、視床下部機能障害 Asherman症候群:子宮内掻爬による腔内の 癒着のために無月経 Sheehan症候群:前葉の壊死、体重↓、トルコ鞍空胞 無月経・更年期症状に対してKaufmann療法、 挙児希望にはゴナドトロピンによる排卵誘発 Chiari-Frommel症候群:分娩後視床下部障害で 高プロラクチン、低ゴナドトロピン、 乳汁漏出性無月経症 Kallmann症候群:嗅覚脱失+性腺機能低下 神経性食思不振:精神的因子の作用でゴナド分泌不全 →LH,FSHは低下、LH-RHテストは正常 ゲスターゲン:プロゲ作用を持つ合成物の総称 ゲスターゲン検査:1度無月経なら消退出血あり Kaufmann療法:プロゲ+エストロ投与での 第2度無月経の治療 GnRH負荷試験:卵巣性なら過剰反応、 PCOSならLHのみ過剰反応 排卵周期は20~25歳で確立 →機能性月経困難症もこの辺が好発年齢 PRL:夜間に高く日中低い ブロモクリプチン:ドパミン様作用によりPRL分泌↓ 多嚢胞性卵巣症候群PCOS:月経異常、LH↑FSH→ エコーでネックレスサイン、テストステロン高値 患者の多くは初経時より月経不順の症状、 エストロ高値のためゲスターゲンで消退出血 →一度無月経治療はクロミフェンが第一 無効例にはゴナド療法(多胎妊娠の発生率高い) 排卵誘発により黄体機能改善 腹腔鏡下にて卵巣焼灼、卵巣楔状切除術 アンドロゲン過剰→尿中17-KS↑ クロミフェン:抗エストロ作用(視床下部の受容体に 拮抗)によりGnRH分泌↑、不妊症の治療 排卵させても抗エストロ作用で頸管粘液は増えない hMG:ヒト閉経期ゴナドトロピン→FSH様作用、 卵胞発育促進 ⇔ hCGはLH様作用 無排卵周期症:低温一相性、月経周期は不順 頻発月経:未熟な卵胞が排卵なしに退縮することで エストロが急速に低下→増殖期の後すぐ消退出血 希発月経:卵胞がエストロを分泌し続ける 螺旋動脈の増生が追い付かずに破綻出血 ⇔ホルモン低下で螺旋動脈を維持できなくて消退出血 黄体機能不全:黄体期短縮、内膜の分泌期変化(-) 黄体期血中プロゲが10未満、高温相が10日以内 黄体からの分泌不全による←プロゲの補充、 黄体期にhCG投与で刺激、クロミフェンで誘発 機能性子宮出血:不正出血の30%、思春期と更年期 内分泌異常による子宮内膜からの不正出血の総称 止血・内膜安定化を目的にゲスターゲンor エストロ・プロゲ合剤投与(Kaufmann) 月経:20~140ml、3~7日間が正常、月経血は非凝固性 Muller管:卵管・子宮・膣の上2/3 Wolff管:精巣上体、精管、精嚢、射精管 Rokitansky-Kuster-Hauser症候群:Muller管の異常 →腟欠損と痕跡状子宮、卵巣機能は正常 セルトリからミュラー管退縮物質が放出 ライディッヒからテスト分泌でWolff管発達 先天性副腎皮質過形成:21-水酸化酵素欠損が80% 下1桁が1:男性化,デオキシエピアンドロステロン↑ 10の位が1:高血圧、Na↑、K↓、 デオキシコルチコステロン↑ 精巣性女性化:アンドロゲン受容体異常 Muller管は退縮しているがWolff管も未発達 Turner:エストロ分泌(-)のためgrowth spurtがない Kaufmannで月経は発来、その前にGH投与 膣自浄作用:エストロが膣上皮を肥厚化、 プロゲがグリコーゲン生成して乳酸菌 性成熟期の円柱上皮が赤く見えて偽性びらん 淋菌:2~数日、頚部粘膜の円柱上皮に付着して増殖 膿性の帯下、強い炎症 クラミジア:2~3週間、自覚症状はほとんどなし 細胞内に侵入するので免疫反応起きにくい →放置されやすく不妊をきたしやすい Fitz-Hugh-Curtis症候群:クラミジアの肝周囲炎 骨盤内炎症性疾患PID:淋菌、クラミジアによる 性器ヘルペス:核内封入体、左右対称性の浅い潰瘍、 性交後3~7日で発症、有痛性びらん、HSV-2型 多発性小水疱(kissing ulcer) アシクロビル外用 性器カンジダ:白色帯下増加、発赤、悪臭、常在菌、 妊娠後期にも好発、ヨーグルト(酒粕)様帯下、 糖尿病、抗菌薬でも発症、イミダゾール 尖圭コンジローマ:とさか状、抗腫瘍薬外用が有効、 性交後3週~8ヶ月、HPV6,11⇔頚癌は16,18,31,33 トリコモナス:悪臭のある黄~淡灰色の泡沫状帯下、 膣壁の発赤、メトロニダゾール、チニダゾール投与 OHSS:卵巣過剰刺激症候群、多胎妊娠により重症化 エストロゲン↑により血管透過性亢進 →尿量減少、K↑、Alb↓、Na↓ 血液濃縮による凝固亢進、白血球↑ 症状があれば輸液による治療、その後利尿薬 ドパミン投与で循環血液量の維持→腎血流の増加 経口避妊薬:FSH・LH分泌を抑制→排卵の抑制 子宮内膜の増殖抑制、頸管粘液の粘稠度上昇 良性乳房疾患発生率↓、子宮体癌・卵巣癌発生率↓、 子宮内膜症症状緩和、月経困難症改善 子宮頸癌発生率↑、脳卒中・血栓症↑ 高エストロが誘発する疾患を抑制する効果 委縮性腟炎:閉経後、卵巣摘出後の低エストロによる 子宮脱:基靭帯と恥骨頚部筋膜の弛緩、高齢の多産婦 排尿・排便困難、帯下の増加と出血 子宮全摘、Manchester手術、Le Fort手術 子宮下垂:腟部最下端が両側坐骨棘を越えた状態 子宮癌は30代、乳癌は40代で最多 子宮内膜症:20~40歳、ダグラス窩病変、CA125↑ 卵巣チョコレート嚢胞、腹膜blueberry spot 月経痛、不妊、LH-RHアナログ療法で低エストロ にして治療 、副作用で更年期様症状、骨量減少 卵巣チョコレート嚢胞が卵巣癌発生と関連 ダナゾール療法:テストステロン誘導体、 低エストロにする、副作用を抑えるため低用量長期 CA125:卵巣癌・肺癌・子宮内膜症で上昇 子宮腺筋症:CA125↑、子宮壁の肥厚と正常内膜像、 子宮内膜組織が子宮筋層内に直接浸潤 境界不明瞭、出血性嚢胞の高信号病変が混在する Douglas窩から直腸に病変があると子宮周囲癒着 子宮内膜症よりも月経痛が強い 子宮筋腫:30~40代、充実性、境界明瞭、 平滑筋から発生、血行性転移、紡錐形の悪性細胞 大半は無症状、症状あれば筋腫存在部位が推定可能 MRIはT2で低信号、血流に乏しい GnRHアゴニスト投与による偽閉経療法を行う 頸癌:SCJの円柱上皮側より発生、95%が扁平上皮癌 正常⇔異形上皮→上皮内癌→浸潤癌 異形上皮までは自然治癒あり 細胞診でクラスⅢa以上で直ちに狙い組織診 コルポスコピー:子宮頸部の拡大鏡診 酢酸加工:表層部の異形細胞が白色になる HPV:白色乳頭状隆起、核周囲が明るい、空胞 (コイロサイトーシス) 子宮頚部上皮内癌CIS:傍基底細胞(予備細胞)の 核異常、0期、円錐切除で確定診断、単純子宮全摘 頸部上皮内癌:モザイク、赤色斑、異型血管 細胞診でclassⅣ、傍基底・基底細胞型悪性腫瘍 子宮頚部腺癌:頸癌の5%、帯下の増量が見られる 子宮体癌:肥満、不妊、未産婦、40~60代 進行で血性・膿性癌滲出液→子宮留膿腫 無排卵周期症、PCOSの既往でも生じる T2で内膜より低信号、筋層より高信号 内膜異型増殖症からの続発とde novo発生の2タイプ 子宮肉腫:平滑筋肉腫、紡錐形の悪性細胞 閉経後に増大する、特異的腫瘍マーカーなし 表層上皮性・間質性腫瘍:漿液性、粘液性、類内膜、 明細胞、 性索間質性腫瘍:莢膜細胞腫、顆粒膜細胞腫 セルトリ、ライディッヒ細胞腫 胚細胞腫瘍:奇形腫、カルチノイド、卵黄嚢種 漿液性嚢胞腺癌:卵管上皮に類似した腫瘍細胞、 腫瘍細胞が乳頭状に増殖、壊死・石灰化を反映する 砂粒小体(サモマ・ボディ)を伴う、CA125↑ 多房性~充実性の腫瘤、嚢胞壁の肥厚 腫瘤は10cm以下、手術療法と術後化学療法 卵巣粘液性腺癌:アルシアンブルー染色陽性、 子宮頸管腺に類似した腫瘍細胞、腫瘤が大きい 漿液性より予後が良い、緩徐、単房性~多房性 CA19-9↑、CEA↑、化学療法が効きにくい 明細胞腺癌:多房性腫瘤、大型の明るい細胞を持つ 妊娠子宮内膜に類似する腫瘍細胞、日本で増加中 乳頭状充実部分を認める多房性嚢胞腫瘤 hobnail pattern、化学療法無効 類内膜腺癌:子宮内膜に類似、腫瘍細胞同士が接して back to back配列、篩状構造cribriform 明細胞・類内膜は子宮内膜症が前癌病変 顆粒膜細胞腫・莢膜細胞腫:エストロ↑、閉経前後 片側・充実性、境界悪性 、性索間質より発生 子宮内膜増殖症:エストロ分泌腫瘍に合併しやすい →顆粒膜・莢膜細胞腫 Sertoli・間質細胞腫瘍:20代女性、アンドロ産生 成熟膿胞性奇形腫:3胚葉成分を含む、CA19-9↑ 35歳以上で1~2%で悪性転化、腫瘍核出術 Meigs症候群:良性卵巣腫瘍+腹水・胸水、 腫瘍摘出後に消退する 胞状奇胎:点状高輝度エコー、snow flake pattern 強い悪阻、不正性器出血、子宮の速やかな増大 東洋人、血行性、加齢、雄性発生46XX、 合胞細胞からhCG放出、卵巣黄体嚢胞形成 性器出血+つわり症状 部分胞状奇胎:絨毛の一部が嚢胞化、胎児成分あり 侵入胞状奇胎:子宮筋層内に侵入、絨毛形態、 早期に血行転移、肺転移が多い、 先行妊娠が胞状奇胎の人、メトトレキセート 抗腫瘍薬単剤投与が著効 絨毛癌:先行妊娠の60%が胞状奇胎、血流が豊富 早い時期から血行感染、hCG 雄性発生:ゲノム欠損卵に1,2個の精子が受精 黄体嚢胞:絨毛からのゴナドの刺激で卵巣が腫大 無痛性、12週以降自然消退することが多い 卵巣腫瘍との鑑別が大事 膣嚢腫:胎生期Gartner管の遺残から発生 濾胞性で表面平滑(良性)⇔充実性で表面不整(悪性) 膣上皮は角化しているとパパニコロウでオレンジ色、 酸性、表層ほど細胞が大きい ⇔閉経期は好塩基性の青色の深層の細胞 性交痛:子宮内膜症、老人性腟炎、慢性頸管炎など 低エストロゲンによる膣の狭小化、膣上皮の菲薄化 接触出血:頚癌、腟部びらん、頸管粘膜ポリープ、 老人性腟炎、トリコモナス腟炎 陣痛様疼痛:進行流産、子宮蓄膿症、粘膜下筋腫、 子宮体癌、処女膜閉鎖(モリミナ) 卵巣出血:黄体期の突然の腹痛と腹腔内出血、圧痛(+) 子宮発育不全→偽妊娠療法 ゲスターゲン (+エストロゲン) hCG値:体重減少で低下、 無排卵が視床下部性か 卵巣性かの鑑別 偽妊娠療法:エストロ・プロゲで内膜を脱落膜化 偽閉経療法:ダナゾール療法:体重増加をきたす LH-RHアナログ療法:開始後に更年期症状 不妊症の30~50%に子宮内膜症を合併 閉経前後の不正出血:子宮体癌の可能性 X線検査は卵胞期のみ、月経直後に行う 子宮体部:充実性、西洋梨状 陣痛様下腹痛:子宮内貯留物を排除する子宮筋の収縮 腟鏡診の後に双合診 腹腔鏡検査の気腹針はモンロー点から 排卵直前の子宮内膜厚は10mm 子宮内部荒廃により前置胎盤、癒着胎盤 2絨毛膜性の双胎では胎盤は別々 Huhnerテスト:子宮頸管因子の一般検査 Rubinテスト:卵管通気検査 乏精子症:2000万/ml以下 卵管炎・頸管炎:クラミジアを疑う 更年期:ゴナドトロピン高値、エストリオール一定 Y染色体あれば男性型外陰 子宮奇形で下部尿路奇形も合併 43歳未満なら早期閉経 抗うつ薬、スルピリド(消化器)→高PRL血症 軟性下疳:ヘモフィルス=インフル菌による Baetholin腺=Cowper腺、尿生殖洞から発生 Skene腺=前立腺 類脱落膜化:非妊娠時の排卵後の機能層の変化 卵巣動脈と子宮動脈上行枝が吻合 尿管は膀胱子宮靭帯の前層・後層の間を貫通
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「う、うーん……?」 頭がはっきりしない。なんだかクラクラするし。ここは僕の部屋、ベッドの上かな?……どうしたんだっけ?確か……あっ!!そうだ。とんでもないことが起こったんだ。 見知らぬ女の子がいきなり部屋に入ってきて、僕に……なんていうか……変なことをした。香苗が助けにきてくれたはずだけど……その後が思い出せない。なんか物騒な展開だったような。 「お目覚めですか?」 「うわあっ!?……っ!?」 今日1日で何回びっくりすればいいんだろう。 右側からいきなり声をかけられたので、驚いて跳ね起きようとしたんだけど……できなかった。手足がまったく動かないんだ。 よくよく見ると、両手両足はベッドに固定されるようにして縛られていた。相当きつく縛られているので、少しでも動くと痛い。な、なんでこんな状況!? しかも僕素っ裸!? 「ようやくお目覚めですか……ご主人様。もう少しで我慢できなくなるところでしたわ」 「ご、ご主人様ぁ!?」 メイドを雇った憶えなんかないよ!?しかもなんでまた……彼女まで裸なんだろう。厄日かな? 腰まで届くかという金髪、高い鼻。深い青色をした大きめの瞳。意志が強そうな、少し厚めの唇。……すごい美人だな。外人さん? それで……言いにくいんだけど、スタイルがかなりいい。すごい。 母さん以外の女の人の胸は見たことないけど、すごく大きいのは分かる。でも垂れてはおらず、張りもすごそう。くびれたウエスト、すらっとした足。 ……って!何考えてるんだ僕は!僕はそんなエッチじゃないよっ!それよりもおかしいところがあるじゃないか! さっきの女の子とは違うけど、頭からは白い少し垂れ下がった耳、腰からはふさふさした尻尾。所々には白い毛皮が……やっぱり犬っぽいな。 「ド、どちらサマでしょウカ?」 冷静に聞いたつもりだったんだけど、声が裏返ってしまった。女性は上品にクスクス笑う。 「この姿じゃ無理もないですわね。それならこれでどうです?」 女性がそう言った次の瞬間目も眩むような閃光が彼女の体から発せられ、僕は思わず目を瞑った。 目が痛いのが治まりゆっくりと目を開けると、そこには……誰もいなかった。いや、いないように見えたんだ。視線を下げるとそこには…… 「じ、ジュリー!?」 そう。僕をいつも守ってくれたジュリーが、いつものように礼儀正しく「おすわり」の姿勢でこちらをじっと見ていた。 目が合った瞬間、ジュリーはにっこりと笑った……ように見え、再び閃光。今回は復活が早く、すぐに目を開けると先程の金髪美女がたたずんでいた。 「こういうことですわ」 「なっ、えっ、そっ、あっ?んっ?どっ……どういうこと?ほっ……ホントに?」 目の前の女の人が……ジュリーなの!?そんなバカな!! 「落ち着いて下さい」 落ち着けるはずないよ!目の前で見ても信じられない。 「あの……なんていうか……」 僕が苦し紛れに声を漏らすと、女性(ホントにジュリーか?)は、察したような顔になる。 「信じられないんですのね?まあ、それも仕方がありませんわ。信じていただけないなら……ふふふ……」 あれ?なんでいきなり妖しい表情に?夕陽に照らされた彼女の横顔に、僕は再び本能的恐怖を感じ取った。 が、逃げようにも、ベッドに大の字に拘束されていては動くこともままならない。 「そ、その、これをほどいてくれないかな?手と足がすごく痛くて」 「嫌です」 「何で……ま、まさか……これをやったのは君なのかい!?」 「そうです」 「じゃ、僕の香苗を気絶させたのも!?」 「私ですわ」 なんだかヤバそうな表情のまま、すんなりと僕の問いに答えていく女性。 「な、何で!?」 「申し訳ありません。ご主人様と桃の行為を見ていたら……発情してしまいまして」 「発情!?それより……さっきのが桃!?」 もうわけが分からない。夢だよね?そうなんだよね? 「ええ。先程のが桃ですわ。あの娘、私より先に発情したんですのね。無理もありませんわ。ご主人様のそのような顔を見たら……私も我慢の限界です」 「限界って……んむっ」 いつの間に近づいてきたんだろう。彼女は僕におおいかぶさってきたかと思うと、唇を僕の唇に押しつけてきた。唇を貪るようにされ、舌で僕の口内を舐め回してくる。 さっきの桃(なのかな?)の時よりも……なんていうか……いやらしい。 舌で歯の1本1本をなぞり、口蓋を丹念に磨くように舐める。時折唇にしゃぶりつき、唾液を流し込んでくる。 なんか……変な気分になってきた。おかしいな。気付かないうちに、僕の舌も彼女の舌を追い掛けていたんだから。 「むぅ……んふぅ……ぷはあっ!」 ようやく解放された。頭が痛いよ…… でもそれより、あそこが……僕の……がむずむずする。なんだろ、この感じ。 「ご主人様、素敵ですわ……んふふふ」 ぼーっとしながら、彼女の言葉を聞く。でも彼女の声が何となく妖しい感じなのは分かる。手足を縛られていては逃げようがないんだけど。 今度は彼女が僕のお腹あたりにまたがった。するといきなり、片手と舌で僕の、その……乳首をいじり始める。 「うひゃっ!く、くすぐったいよ!」 「すぐに気持ち良くなりますから……んちゅっ」 最初は本気でくすぐったかった。でも彼女が乳首を口に含んだ瞬間……猛烈な電流が僕の全身を駆け巡った。 「うわぁぁぁ!?な、なにこれぇぇ!?」 「いいですわぁ……その声、もっと聞かせて下さいな」 「あっ!ああっ!?ああん!や、やだよぉ!頭が変になっちゃうよ!!」 その懇願が逆効果だっていうのには後で気付いた。乳首を舌でいじりながら、僕の……を、体の後ろに回した手で優しく握ってきたんだ。その手を上下に動かしてくる。 なんだか、体が変になったみたい。びくっ、びくって、勝手に跳ねてしまう。 「あっ!こ、こわいよぉ!!助け……てっ!ふぁぁ!!」 「女の子みたいな声を出してしまって……かわいい。最高ですわ、ご主人様」 僕に聞いてる余裕なんてない。体の奥から何かが……か、体がおかしいよ! 「な、なんかきちゃう!!なんか……あぁん!出……るぅ!!」 おしっこをするときの数十倍の快感が僕の……の手前まで来て……そこで止まる。えっ?えええっ!? 「はぁぁぁぁっ!?」 「申し訳ありませんが、もう少し我慢してくださいね」 「な、なに!?これ、へんだよぉ!おちんちんがへんだよぉ!!こわれちゃう!!」 「ふふ……手でこの感度……挿れたらどうなるのでしょう……素敵ですわぁ♪」 彼女は舌なめずりすると、そのまま体を下に動かす。ぐちゃぐちゃな意識の中だったけど、確かに僕は見た。僕の……の根元に、なにか巻かれているのを。 さらに、その上にまたがる彼女の姿、その歓喜に満ちた顔を。 「では、行きますね……」 彼女は少しづつ腰を下ろしていく。行為の意味は分からずとも、期待と不安と恐怖が交じった感情が湧こうとも、僕に逃れるすべはない……かと思われたのだが。 「ちょっと待ったぁ!」 元気な声が部屋に響き渡り、彼女の動きは止まった。その声の主は部屋の入り口から入ってくる……先程の少女だ。相変わらず全裸。 でも僕が驚いたのはそこじゃない。少女が手にしているのは、犬用のリード。その先に首輪でつながれているのは間違いなく人間。少女に続くようにして部屋に入ってくる。 布で目隠しをされ、口にも同じような布が噛まされているが、間違いない。あれは…… 「か、香苗!」 今日一番の驚きだった。最強の幼なじみ、入学してすぐに全校を制圧した香苗が、全裸で首輪を付けられて四つんばいにさせられているのだ。 「あ、おにーちゃん!今おねーちゃんのことお散歩させてたんだよ!?桃えらい?」 「むー!んむー!ふぐーー!!」 屈辱か苦悶か、香苗はかなり激しく暴れてうめく。それを見た桃(かもしれない)は顔を曇らせた。 「また暴れるぅ。暴れる子には……こうだよ!」 と言って、香苗のおしりを思い切り叩く。 「んーーー!!」 香苗のお尻は真っ赤で、痛々しいほど腫れていた。だいぶ叩かれたのだろう。 「ほら!反省しなさい!」 「んんんん!んむーー!んぉぉぉ!んん!」 パァン!パァン!と、鋭い音がするたびに、香苗は体を震わせてうめき声を上げている。幼なじみのそんなところを見せられて黙ってられるわけもない。 「やめて!」 「ダメだよお兄ちゃん。しつけのなってない子にはおしおきするの。それに……えいっ!」 パァン! 「んぅ……」 「そこまで嫌じゃないみたいなんだよねぇ」 意味が分からないよ。あんな痛そうなことされて、嫌じゃないわけないじゃないか。でも桃とジュリー(もうこう呼んじゃえ!)は冷静に香苗の股間を見て、何やらニヤニヤしている。 「嫌なわけないですわね。あんなにビショビショにして……香苗さん、実はマゾだったんじゃございません?」 「だよねー♪それっ!」 「んぅーーー!!」 何言ってるんだ!あんなに腫れて…… 「嫌じゃないわけないよ!香苗を放して!」 「……分かりましたわ。桃、香苗様の目隠しと口を取って差し上げて」 「りょーかい!」 ジュリーに言われ、桃は香苗の口を解き、さらには目隠しも外す。最初は眩しそうに目を瞑っていた香苗だったが、すぐに目が慣れてきたようで…… 「こ、光!?」 僕の姿を見て、立ち上がって駆け寄ろうとしたんだけど、桃はそれを許さなかった。 「立っちゃダメだよ!えい!」 「ひぁぁ!」 信じられないものを見た。香苗はお尻をぶたれたとたん、地面にうずくまって体をひくひくさせたんだ。 あの悲鳴は……嫌そうじゃなかった。 「ほら、気持ち良さそうでしょ?もう一回!」 「はぁぁん!」 「えい!」 「いやぁ!」 口では……嫌がってるけど、声は……う、ウソだ! 「やめて!もうやめてよ!僕にだったら何してもいいから、香苗にはひどいことしないで!」 僕が必死に叫ぶと、桃は手を止めてこちらを見る。とっておきの笑顔で。 「ホントに!?ホントにいいの!?」 「ご主人様は嘘はつかないわ。やってしまいましょう」 「わーい!っと、その前に!」 喜びかけていた桃だけど床でぐったりしてる香苗に気付き、軽々と持ち上げる。お姫さまだっこというやつで。 そのまま椅子に運び座らせると、どこからか取り出したロープで全身を縛り付けた。僕たちがいるベッドを向くような形で。 「これでよし!お姉ちゃんは見学しててね!」 「うう……あぅ……」 香苗は今の状況が理解できていないんだろう。虚ろな表情で、目の焦点が合っていない。 「で、どうするの?わたしもう我慢できないよ?」 「それは私もよ。この状態で待つのにどれだけ苦労したか。先にいかせてもらうわ」 「いくって……何するの!?」 なんか分からないけどヤバい。今度こそ本気でヤバい。それを感じ、手足の痛みを我慢して必死に体を捩る。しかし解けるはずもない。 「とにかく桃、あなたはおあずけよ。少し待っていなさい」 「むー……!いいよっ!勝手にやってるから!」 本当に勝手だった。ベッドの上にあがってくるなり、僕の顔にいきなりまたがってきて、体重をかけてくる。 「んむ!?んー!んーー!」 めちゃくちゃ苦しい。それに、桃の変な部分が口に押しつけられて……むせ返るような匂いが僕の鼻に充満する。でもその匂いを嗅いだとたん、再び僕の……がむずむずしてきてしまった。 「ご主人様……こんなに大きい……もう……本当に……」 何やらジュリーの様子がおかしい。桃に馬乗りになられながらも、僕はそれを感じた。こんな状況だというのに、僕は心配してしまう。 しかし、それが命取り。一瞬油断したその隙に、僕の……に、何かおかしな感覚が。温かく包み込まれたような、でもすごく締め付けて……なんか変っ!! 「んー!むーー!んむーーー!んぁー!」 「あっ……!お兄ちゃん、えっちぃ♪」 思わず出てしまった舌が、桃の……あ、あそこに……慌てて舌を引っ込めたけど……腰からの刺激が強くなって……舌が勝手に! 「んっ♪お兄ちゃん、じょうずぅ!」 「んはぁ!ああっ!きゃうんっ!あ、ご、ご主人様、すごっ、すごいです……わぁ!」 「んーーー!んむぁぁぁ!ぅぅぅ!」 「ご主人様ぁ!!もっ……とぉ!くぅん!!」 僕、桃、ジュリー。全員の声がだんだん荒くなってくる。 腰から走る刺激はひっきりなし。さっきも味わった体の奥で何かがはじけるような感じが広がる。でもそれ止まりだ。それ以上は何もない。はっきり言って地獄だ。 「ふぐぁぁぁぁぁ!!んんん!」 じゅぷじゅぷ、という水音と、僕達の変な声だけが部屋にこだまする。しかし夢中になるあまりいつの間にか忘れてしまっていた。もう1人の存在を。 「やめろ!」 ん?この声……香苗かな?左目でちらりと見えた香苗は、椅子を壊さんばかりに暴れている。でも今の僕にはなにもできない……情けない。 桃もジュリーも、香苗に構う気はないらしい。 「やめろ!やめてくれ!」 香苗、必死の叫び。が、やはり2人は無視を決め込んで行為に熱中している。はっきり言って僕も余裕なんてない。 限界だと思うんだけど、その感覚が続いてるんだから。頭の中は真っ白になり、何も考えられない。 「ご主人様ぁ!ご主人様ぁぁぁぁ!!」 「んふぁ!お、お兄ちゃぁん!!ふぁぁ!」 「むーーーー!!!」 「あはぁぁぁぁん!!」 「きゃあああん!!」 ビクビクと体を痙攣させたのち、2人は動きを止めた。桃は滑るようにしてベッドから落ちた。それにより、僕の視界と気道は完全に開けてくれた。 そして見た。僕の……が、ジュリーとつながっているのを。ジュリーは口を半開きにして恍惚とした表情を浮かべているが、僕は無理だった。 体の中に「何か」が溜まりに溜まって、気が狂いそうだ。 「あ……うあ……」 「はぁ……はぁ……んはぁ……よかったですわぁ、ご主人様」 そう言って、ジュリーは僕の……を引き抜いた。でも……それがぁ! 「あぁぁっ!」 「申し訳ないですが、まだ終わりませんわよ?私も、桃も……これっぽっちも満足していないのですから」 勝ち誇ったような声。どうやらまだ受難は終わっていないらしい。 第5話へ
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4 数時間後、俺は組み敷いた総悟の瞳を見つめている。 総悟は少し驚いてから、不審そうに顔を歪めたが、それ以外の感情を見受ける余裕が俺には残っていなかった。 首筋に噛み付く。総悟が「っ、」と短く息を吸う。そのまま鎖骨を甘噛みし、うっすら汗をかき始めた窪みをねとりと舐めた。 今夜は目を瞑らないのか。 肩に繋がる丸い腕の付根を齧ろうとしたところで、総悟の視線と搗ち合った。普段は目を瞑るのに、恥ずかしげもなく見つめる眼差しから先に目線を外したのは俺のほうだった。 探るように見つめる瞳を咎めるように歯を立て齧り付けば、「ひんっ、」と総悟が小さく鳴いた。 苛つく。 劣情とは違う何かに苛々していた。 はじめから。 □■□■□ 夜の帳がとっぷりと下りてから、俺は総悟の部屋を訪ねた。声を掛けて、聞こえないのだと思い出し、そのまま応答を待たずに障子戸を開ける。 すっ、と支障なく戸が開いたとき俺は気づいてしまった。この障子戸を開くのと同じくらい簡単に総悟の様子を伺うことが出来たのだということを。彼の耳が聞こえない原因の一端を知ってから、それを追及したくなくて目を背けていたことを。 山崎が聞いてきた原因は突拍子もないものだったから、あくまで可能性なのだろうが、そこから自分で導き出した思い当たる節を確信に変えたくなかった。 そればかりか、「耳が治るのかどうか」という当然の核心を初っ端に尋ねられなかったのは、既に何処か引っ掛かるところがあって、無意識に構えていたからかもしれない。 総悟は単に負傷として耳が聴こえなくなったばかりではないのではないか。 俺は厄介な異変を畏れて総悟を遠ざけ、いつもと変わりない彼を頭の中で捏造したがった。 なのに、いつも通りでいて欲しかった総悟はその現象を寧ろ受け止めるかのように大人しくなり、俺の命令にも素直に従う。 そして今、明るく広がった部屋を見渡たせば、部屋のど真ん中に敷かれた布団の上に総悟は寝巻の単を身につけて、寝そべりながら呑気に漫画を読んでいる。 かっ、と頭に血が上がった。 何事もなかったように無邪気にしている総悟が疎ましく思えた。今日、討ち入りがあったのに。お前はどうしてそうしていられるのか、と。 気配に気づいた総悟の顔が驚きを見せたときには、思い通りいかない燻った怒りに任せて彼を布団へ縫い付けていたのだった。 □■□■□ 再び総悟に目線を呉れるとやはり彼のそれと搗ち合う。今度は目線を外さずそのままに、人差し指で唇をなぞる振りをすれば和らいだ口先。そこにまとめた己の指三本を捩込む。歯で指が刮がれ傷つくやもしれぬのを構わずに喉奥を目ざせば、弾力ある舌に阻まれた。舌の上で何度か滑らせながら「舐めろ」と総悟の瞳に命じる。 嘔吐きを嫌って喉を締め、口蓋と挟むように舌を動かしてぴちゃぴちゃと総悟が指を濡らす。前後に抜き挿して更に急き立てると、唇を窄めて吸うように指を含みながら唾液を絡ませ、しゃぶる。 高揚に頬を染め、時に苦渋に歪む表情を口淫に擬えた。眺めはいいが、暫くすると健気に見つめる従順な瞳に飽いて、不意に指を引き抜いた。 掌で身体を辿る愛撫も、ましてや愛情の発露を請う接吻もそこそこに膝裏を掴んで押し潰すように総悟の身体をひらく。尻たぶを割って、後孔に唾液濡れの中指をいきなり差し入れた。つぷりと異物を呑んだそこは苦しそうに引き攣った。 「滑りが足りねぇか」と独りごち、チッ、と思わず舌打ちを漏らす。 総悟の口から唾液が垂れるほどに舐めさせたとはいえ、俺の指に絡み付いたそれはしっとりとするばかりで粘着性が少ない。唾液までがお綺麗に出来てやがると、変なことを思う。それでも秘やかな孔のふちをゆるゆると虐めて、指を性急に進めた。感度の高い一点を探り、否応なしに総悟の身体を高めていく。 「ん、っ……、ぁあ……」 人為的にしかそこが泥濘るまないのは当然なのに、自分は何と愚かで酷い男だろうか。 彼の自尊心を勝手に誇りにし、崇高だと過信している。それが裏切られたと感じれば激情し、憤怒する。 それにも拘わらず、それをぶつける先はさもしい欲情で、こうして彼の尊厳を汚すことしか出来ない。 総悟の後孔は馴らされて受け入れることを知っている。他の誰でもない俺のもののかたちを知っている。 身体はそう高ぶるように躾られ、前は触られなくともしくしくと勝手に泣くのだ。 あさましい俺の思考とあさましい彼の身体。 「サイアクだな」 無理強いされた辛さだけでなく、誘発された熱に浮かされ始めて尚、見つめ返す総悟の瞳に吐きかけた言葉。 どうせ聞こえていないのだ。繰り返される抜き差しに総悟がはくはくと唇を動かしている。声でも出せばまだ可愛げがあるものを。ただ性器を突き刺したい欲求を優先させる作業に執着した自分を棚に上げて、そう思う。 苦々しくて、発作的に総悟の身体をひっくり返した。 見たくないものを見ず 聞きたくないものを聞かず 言いたくないことを言わず 感じたくないことを感じず 考えたくないことを考えない それがこいつに出来るというなら、何食わぬ顔でしている人斬りは初めから彼の意に添わないということになりはしないか。 こいつがそれを出来るというなら、初めから彼の意に添わない俺に抱かれるという行為を何食わぬ顔でしているということになりはしないか。 総悟に無体を強いることが出来るのは、彼の合意した享受があるからだ。明らかな契りを交わした訳ではないが、そうであると疑いもしなかった。 人を斬らせることも、情欲の相手をさせることも。 背徳を背負う白く滑らかな背中。その背骨のラインに沿って伝う汗を目で追いながら、それを決して撫ではせずに、ぐちぐちと淫らな孔の馴らしに終始する。本来、男女の交わりよりもひとつ手間なこの前戯を嫌だとも、面倒だとも思ったことはなかった。そこには当たり前の情があって、おおよそ信じ難いほどの情愛というものが迸るのだから。それなのに、お前は、自らを蔑んでいるとでもいうのか。こんなにも美しく生まれ堕ちたというのに。全てが俺のせいだと。 「あっ、ぁっ、……ぁぁ」 柔くなった後ろに3本目の指を差し入れ、押し返す内壁を広げにかかった。相変わらず欲望を満たす目的だけに強いる作業だと言い張って後ろを犯す。なかの指を捏ねるように器用に動かし、しこりへの刺激は焦らして与えれば、総悟の身体が色を帯び、うち震える。それに呼応して己の重たくなった腰からもぞくぞくとした興奮が背中へと這い上がった。 幾らか受け入れるには早い契機であるのを承知で待ち侘びている自らの猛りを後孔に擦りつける。 これだけ深く疑心に苛まれても、自分の欲望は惨めなまでに反応を示し、先走りが糸を引くのだから呆れたものだ。常日頃からよいようにされてきた彼の身体もきついと感じるくらいでは拒まない。窄まりに先端が掠るだけで呑み込む素振りを見せ、心許り撥ねつけるが、それより深く陰茎を誘い込み、男を煽る。 そうだ。彼はいつもそうなのだ。 粉塵の嵐の中で、ひとり立ち尽くす総悟を思い出す。外界と感性を断ち切って。凪いだ自我を保っている。頑なに本心を閉ざして。 憐れで、憐れで、仕方がない。 前触れもなしに猛りを穿った。聞こえないからと「挿れるぞ」と断りもせずに無遠慮に犯した。聞こえないなら腰のひとつでも撫でてやればいいのに、迫り上がって耳朶のひとつでも舐めてやればいいのに、酷くしたかった。 浅いところがきゅうきゅうと締め付けてくる。その反発に抗って分け入っていくのが心地好い。奥が嫌いな身体ではない。ぐちゃぐちゃに熱く沸騰したなかの体温が我を忘れさせる。腰の抽送に没頭し律動を激しくしながら、為すが儘に揺り動かされる総悟の孤独をただひたすらに哀憐した。 かわいそう かわいそう かわいそう お前はひとり ひとりぼっち 募る憐憫に打ち付ける自分勝手な欲、儚んでいるのは総悟なのか自分自身なのかあやふやになる。 痕が残るであろうほど強く掴んだ細腰にある掌を白い項が揺らぐ首筋へとこのまま移して、同じように強い力で握り締めたらどうなるだろうかと、ぼんやりと思う。思い通りにならないものをいっそ壊してしまいたいなんて陳腐な妄想が身体的な快楽の下では甘い誘惑に成り代わる。 「……ぁっ、……ゃぁ、」 あと寸分で腕が首へ伸びるかもしれない好奇心を孕みつつも、加虐的な興奮とは些か異なりそこからの快楽を拾うことが俺は出来なかった。それでも危うい均衡がよいスパイスとなって穿った陰茎の質量を増し、高みをひたすらに求めていく。 四つん這いの総悟は腕で身体を支えることを諦め、腰を突き上げるだけの格好で髪をぱさぱさと振り乱して首を振り、苦しそうに藻掻いている。何かを引っ切りなしに喘ぎ訴えているようだったが、はしたなく揺れる腰はいいところへの刺激を促している。そのちぐはぐな様子は扇情的であり、嫌悪と紙一重であり、これが後背位でなく顔を拝んでいたら、やはり首に手を掛けていたやもしれない、と自らの思考もちぐはぐなものとし、一層激しい律動をただ施し、己の解放をただ欲するに至った。 「あ、あああ……んぁ、ああああ」 抑え切れない官能がいつもより高い嬌声となって上がり、己の猛りを狂ったようにうねる内壁が締め付ける。どくんとした感覚に息を詰めたことで現へと引き戻されたのかもしれない。そこで自分が逐情したのだと気づいた。吐き出すだけとばかりに総悟のなかに放たれた精は一体どの感情の残滓だろうか。 「……っ、だっれ、がっ」 呻くような呟きがかさかさと耳を掠め、つまらない思考を断ち切った。目の前の呼吸が整わない背中を見て、それは喉奥が張り付いて声が出せないのだと、声が嗄れて掠れているのだとわかった。 「……ど、……この、だれが、かわいそうなんでィ」 「っ、総悟」 それと同時、吐精後の気怠く鈍い頭でも、この最も重要なことをすぐに理解するには足りた。 「お前、聞こえんのか」 それでも確認せずにはいられずに恐る恐る尋ねる。理解はしても、いつどの瞬間から、どんなきっかけで、どの程度、彼の耳は治ったのだろうと疑問が湧き出し混乱するものだ。 「勝手な勘違いしてんじゃねーよ、ひじかた」 喉の容態などお構いなしに無理矢理掠れた声量を徐々に増して怒鳴りながら、くしゃりと顔を顰め、視線を鋭く尖らせた般若のような形相の総悟が振り向き、髪を濡らす汗がきらきらと散る。 高ぶりの後、額や頬の輪郭に纏わりつく汗。真っ赤に腫らした瞳には涙のあと。ほてりとした唇には唾液が垂れる。 酷ぇ顔してやがる、と睨みを利かされていることも忘れて、まじまじと総悟の顔を見つめる。これが最中ならば、マズかったと不埒なことをつい考えてしまう。 すると、不意に総悟が上体をゆるゆると持ち上げ、緩慢ながら腕を差し延べて俺の頬を撫でた。途端に撓んだ彼の瞳に驚いていると、彼の親指が俺の目の縁をなぞり、その湿り気のする感触により一層驚いて瞠目する。 ……俺は泣いていたのか? 「酷い顔してますぜィ」 先程までの剣呑さは矛に収めたのか、総悟が少し揶揄するような微笑みを向ける。緊張の糸がぷつんと切れた。雁字搦めになっていた思考が緩んでいく。 「誰のせいだよ」 弱々しく、恥ずかしくも甘ったれた声が出た。どんなことをしてもきっと照れ隠しにもならない。今更ながら疲労が襲ってきて取り繕う気持ちも実は起きなかった。 「少なくとも俺のせいじゃあ、ありやせん。」 一転、総悟は心底呆れ、心底嫌な顔をしてむくれた。俺が開き直り、弄り甲斐がなくなればもう彼は面白くないのだ。 「こっちはあんたのせいでさァ」 戯けた調子ながら、これは些か深刻なのではないだろうか。顎で示した先、総悟のものからはとろとろとした白濁が惰性のように垂れてシーツに染みをつくっていた。 後ろだけでイったのだ。その余韻が長く細く続いている。前は一度たりとも触ってやらなかった。受け入れることを和らげる愛撫のあれこれも、口づけさえもしていない。 足りないことばかりだ。彼への思い。自分の至らなさ。すべてが足りない。こんなことでは何もかもが満たされない。 先程、総悟が触れた眦が熱く、ひりひりと痛む気がした。今度こそは自分が泣きそうなのも、もう泣いてはいけないのも、十分わかっていた。自分はどうしようもないやつだ。全くひとりよがりだ。 「戻しやがれ、このヘタレがっ!」 またもや、ぼんやりとしていた俺に総悟が叫ぶ。彼は後背位が嫌いだった。酷くしようとして態と選んだのだが、結果自分の醜態を晒さずに済んだというだけのことだ。いや、こうして子供じみたことをした時点で既に自らの未熟さを晒していたし、彼にはそれが知れていたのかもしれない。何より彼は暴れもせずに拒みもせずに俺のしたいようにさせたのだから。 「待てって、せっかくだ、ちゃんとしてやる」 「ああっ?」 総悟が思わず顔を引き攣らせる。まだ総悟のなかに俺は挿入ったままだ。腰のあたりから滑らかな背筋を舐め上げる。「んんっ……ゃぁ」途端にがくんと総悟が肘を折り、顔を突っ伏した。吐精した直後の身体は敏感で感じ入ってしまうのだろう。後ろからの目合ひは彼が嫌うのでほとんどしたことがない。見惚れるほどの彼の背をこうしてゆっくりと可愛がってやることもなかった。ずくりとなかのものが芯を再びもち、より質量が増す。 「んぅぅ……っ、ああ」 なまめかしい総悟の溜息を聞いて、気を良くした。その真白な背中がぱあっと赤みを帯びたのを合図として次々に口づけ、強く吸う。己がこの身体に犯した恥辱を雪ぐように赤い赤い美しく咲き誇る花を焼き付ける。 そして満ち足りるまで丁寧に堪能し、甘く溶け惚けるような目合ひをするために総悟を表に返した。見つめ合った総悟の瞳も赤く、その綻んだ眼差しが俺のひとりよがりを戒め、交わし合おうと誘いかけていた。 今晩、初めての口づけを唇に落として哀憐でなく愛憐を捧げ、その瞳に許されざる許しを請うた。 ⇒⇒⇒⇒5へ
https://w.atwiki.jp/koreori/pages/178.html
ディミジェヴトゥード(dimijevtud)は、2011年8月16日、ルニ・ヴァノネーメ(luni vanoneeme)が発案し、カキス・エルル・サシュ(Kakis Erl Sax)が他の人格と共に作成した人工言語である。2013年版では人工文字セグ・フォデン(seg foden)、2014年版では人工文字セグ・フィヴィ(seg fivi)により表記される。 英単語をハフマン符合的に使用頻度順に語形を生成し、後期制アルカや新生アルカの文法システムで運用する工学言語という実情がある一方、同人格群の神話体系に現れる古代鬼族の言語という設定のある架空言語としての側面や、個人用のネーミング言語としての面もある。 2013年3月に召喚節課題例文である『大きな鉄の木』の記述言語として選ばれ、文字・語彙・文法が拡張された。 テンプレート 概要 名称 音声母音 子音 音節構造 アクセント 文字ラテン文字 爪文字(seg foden) 爪文字(seg foden)成立史/発案(2013/03/05)/ターン数評価(2013/03/06)/dimijevtud 文字統計(2013/03/18)/大まかに字形決定(2013/03/19)/PC上での爪文字の字形決定(2013/03/20)/涙雫型から楔形へ(2013/03/21)/初のPCフォントの成立(2013/03/21)/初のPDF資料『大きな鉄の木2013』の成立(2013/03/22)/フォントデザイン決定へ(2013/03/23-24)/fodenフォントの文字一覧(2013/03/14) 尾文字(seg fivi) 尾文字(seg fivi)成立史/ターン数評価(2013/09/08)/ターン数評価(2013/09/09)/楔形から筆文字へ(2013/09/09)/フォント作成作業(2014/02/21-22) 語彙推定語彙数 文法統語 名詞/複数 代名詞/指示 冠詞 動詞/コピュラ/否定/時制/相/法/受動態/使役/敬語/自動詞化/仮定/動詞化/名詞化/形容詞化/生動詞と死動詞 文末純詞 格詞 形容詞/比較/最上級 副詞/副詞化接頭語 接続詞 文頭まわり 関係詞 疑問文/YES NO疑問文/疑問詞疑問文/反語 数詞/短数詞/長数詞/基数/序数 方言 あいさつ 辞書 実例ソノヒノキ冒頭文 主の祈り 『大きな鉄の木』2013年版 『大きな鉄の木』2014年版 [部分編集] テンプレート 2014/02/23 ディミジェヴトゥード dimijevtud 発音 IPA /dimiʒe̞βtɯ̹˕ːd/ 発案者/作成者 luni vanoneeme, Kakis Erl Sax 創案時期 2011年8月16日 設定と使用 古代鬼族語の参考言語の一つ『神々の宇宙漂流記』などのその他作品のネーミング言語 母語話者数 0名(2014/02/23現在) 表記体系 セグ・フィヴィ(seg fivi)、セグ・フォデン(seg foden)、ラテン文字 目的による分類 人工言語 ・芸術言語 架空言語, 工学言語 参考言語による分類 音声:日本語,英語。日本人の人工言語では最も一般的構成語彙:英語からハフマン符合生成のアプリオリ語形文字:アプリオリ文法:後期制アルカ, 新生アルカ, 英語語法:後期制アルカ, 新生アルカ, 英語 [部分編集] 概要 2011/08/17 使用目的:個人用暗号、架空言語、ネーミング言語 フィクションの設定としては、核戦争後の世界でどこかのシェルターで日系人がぽっと思いついたもの。 ゆえに語法レベルで日本語っぽい。 音声も日本人にそんなに無理がないものを選択している。 しかもアルカユーザーが作ったから、文法レベルでパクリが酷い。 語彙構成はhttp //www.wordcount.org/の順位でアプリオリ生成。 ゆえに語彙レベルで意味は英語っぽい。 にもかかわらず、たまたまそのシェルターが近隣地域の中で最強の軍事力・経済力・文化力・人口を抱えていたため、広範囲に普及してしまう。 将来、印欧語・中国語などの自然言語や、ユーロコピー系の人工言語やアルカ派生言語と共に、古代鬼族語の語彙構成に影響を与えるかもしれず。 [部分編集] 名称 dimijevtud 頻出単語語、ディミジェヴトゥード 2011/08/17 dimi 頻出 + jev 単語 + tud 言語 類義語:mitud [文化] 2011年8月16日にluni vanoneeme = Kakis Erl Sax が思いついた人工言語。英単語の頻度表をもとにハフマン符合的に語彙を自動生成する。 使用目的は架空言語。英語その他印欧語、中国語、エスペラントなどのユーロクローン系人工言語や、アルカなどと共に古代鬼族語の参照言語の一つという設定。 [部分編集] 音声 音韻一覧 21子音 5母音 t, l, n, s, k, m, x, f, v, c, d, p, h, z, g, b, j, w, q, y, r a, e, i, o, u l はじき音または流音 r 歯茎はじき音(外来語で使用) x 無声後部歯茎摩擦音 c つ q ちゅ 2011/08/17 作成 2013/03/12 ts → c , ch → q に変更 母音 5母音 日本語用ネーミング言語であるため、日本語族日本語派本土日本語東日本方言関東方言の発音に準ずる。 前舌 中 後舌 狭 i[i̞] (やや中舌より) u[ɯ̹˕] (非円) 半狭 半広 e[e̞] o[o̜ ̞] 広 a[ä] 2012/09/16 作成 子音 21子音 日本語用ネーミング言語であるため、日本語族日本語派本土日本語東日本方言関東方言の発音に準ずる。 l, f, vなど英語音のものもある。 t, l, n, s, k, m, x, f, v, c, d, p, h, z, g, b, j, w, q, y, r 両唇 歯茎 後部歯茎 硬口蓋 軟口蓋 口蓋垂 声門 破裂音 p[p] b[b] t[t] d[d] k[k] g[g] 鼻音 m[m] n[n] はじき音 r[ɾ] 摩擦音 f[ɸ] v[β] s[s] z[z] x[ʃ] j[ʒ] h[h] 接近音 w[β̞] y[j] 側面接近音 l[l] 破擦音 c/t͡s/ q/ʧ/ 2012/09/16 作成 2013/03/12 ts → c , ch → q に変更 音節構造 CVC音節も可能。 合成語のheuやhelzaのように二重子音・二重母音が発生しうる。 2011/08/17 作成 2013/03/10 合成語による二重母音・二重子音。 アクセント エスペラント式アクセントから最終母音にアクセントに変更 最終母音がuの時、仮名表記で無母音と区別しにくいため、最終母音を長く強く発音。 ネーミング言語は、仮名表記をした時の弁別性も考慮に入れる必要あり。 alu メニュー al (量が)多い 仮名表記ではアルー、アール 2011/08/21 作成 [部分編集] 文字 ラテン文字表記と、2013年3月19日~24日にかけて成立したオリジナル人工文字である爪文字(セグ・フォデン, seg foden)、2014年2月22日に完成した尾文字(セグ・フィヴィ, seg fivi)で表記する方法がある。 ラテン文字 ラテン文字26文字で表記する。rは、mitora, koreoriなどの外来語でのみ使用する。 2011/08/17 作成 2013/03/12 ts → c, ch → q, rは外来語のみ。爪文字作成予定 爪文字(seg foden) 2013/03/24 爪文字(セグ・フォデン seg foden)とは、2013年3月5日ごろ発案され、同19日~24日にかけて字形が決定された、dimijevtudの人工文字である。 segは文字、fodenは鉤爪の意味である。dimijevtudは架空言語設定では、古代鬼族語ということになっており、古代鬼族や彼らが生み出した亜人種がたいてい持っている鉤爪を粘土に押し当てて書きやすいように、緩い楔形文字のような形をしている。彼らの神々に相当するvanoneeme人格群も前足や鳥脚に鉤爪があるため、粘土板を使うときに都合が良い、という設定である。 実際には、『大きな鉄の木2013』から使用文字数統計を出し、少ないターン数で書けるように機械的に字形に音を割り当てた、工学言語的なアプリオリ人工文字である。 seg fodenフォント foden130324.zip 使用法:zipから取り出し、右クリック[インストール]で使用可能。Wordやワードパットなどで利用できる。 一覧表 foden_list.pdf 爪文字(seg foden)成立史 +爪文字成立史 発案(2013/03/05) 涙雫型。 猫爪や爪楊枝など先端が尖った円筒形の器具を粘土版に押し当てて筆記。 爪先の方向から見て、北、北西、西の3方向が可能。 運筆可能回数 16 8 6 =8 4 3 速度でいえば3 6 8 字形は統計データを出してから、速度順に決定 ターン数評価(2013/03/06) ○ターン数評価 押 (重複は3回までに) 長線化 (押の後にしか現れない) 45度ターン (最後は不可。後に押がなければならない。重複2回まで。ポディションが斜の時は1回まで、上と下の二方向あり) 水平移動 (最初と最後は不可。後に押がなければならない。重複不可) 終わりが斜または横の場合、復帰ターンを考慮する必要あり 1 1 押 2 2 押 押 3 2 押 長 4 2 ターン 押 → 3 5 3 押 押 押 6 3 押 押 長 9 3 押 ターン 押 → 4 7 3 押 水平 押 8 3 押 長 押 10 3 ターン 押 押 → 4 10 19 3 ターン ターン 押 → 5 11 4 押 押 押 長 20 4 押 押 ターン 押 → 5 12 4 押 押 水平 押 13 4 押 長 押 押 14 4 押 長 押 長 21 4 押 長 ターン 押 → 5 15 4 押 長 水平 押 22 4 押 ターン 押 押 → 5 23 4 押 ターン 押 長 → 5 20 49 4 押 ターン ターン 押 → 6 24 4 押 ターン 水平 押 → 5 16 4 押 水平 押 押 17 4 押 水平 押 長 25 4 押 水平 ターン 押 → 5 26 4 ターン 押 押 押 → 5 27 4 ターン 押 押 長 → 5 50 4 ターン 押 ターン上 押 → 6 18 4 ターン 押 ターン下 押 28 4 ターン 押 水平 押 → 5 30 51 4 ターン ターン 押 押 → 6 52 4 ターン ターン 押 長 → 6 29 5 押 押 押 長 押 53 5 押 押 押 ターン 押 → 6 30 5 押 押 押 水平 押 54 5 押 押 ターン 押 押 → 6 55 5 押 押 ターン 押 長 → 6 5 押 押 ターン ターン 押 → 7 56 5 押 押 ターン 水平 押 → 6 31 5 押 押 水平 押 押 40 32 5 押 押 水平 押 長 57 5 押 押 水平 ターン 押 → 6 33 5 押 長 押 押 押 34 5 押 長 押 押 長 58 5 押 長 押 ターン 押 → 6 35 5 押 長 押 水平 押 59 5 押 長 ターン 押 押 → 6 60 5 押 長 ターン 押 長 → 6 5 押 長 ターン ターン 押 → 7 61 5 押 長 ターン 水平 押 → 6 50 36 5 押 長 水平 押 押 37 5 押 長 水平 押 長 62 5 押 長 水平 ターン 押 → 6 63 5 押 ターン 押 押 押 → 6 64 5 押 ターン 押 押 長 → 6 5 押 ターン 押 ターン上 押 → 7 38 5 押 ターン 押 ターン下 押 65 5 押 ターン 押 水平 押 → 6 5 押 ターン 押 長 押 → 6 5 押 ターン ターン 押 押 → 7 60 5 押 ターン ターン 押 長 → 7 5 押 ターン ターン 水平 押 → 7 5 押 ターン 水平 押 押→ 6 5 押 ターン 水平 押 長→ 6 39 5 押 水平 押 押 押 40 5 押 水平 押 押 長 5 押 水平 押 ターン 押→ 6 41 5 押 水平 押 水平 押 42 5 押 水平 押 長 押 5 押 水平 ターン 押 押→ 6 70 5 押 水平 ターン 押 長→ 6 5 押 水平 ターン ターン 押 → 7 5 ターン 押 押 押 長→ 6 5 ターン 押 押 ターン上 押 → 7 43 5 ターン 押 押 ターン下 押 5 ターン 押 押 水平 押→ 6 5 ターン 押 長 押 押→ 6 5 ターン 押 長 押 長→ 6 5 ターン 押 長 ターン上 押 → 7 44 5 ターン 押 長 ターン下 押 80 5 ターン 押 長 水平 押→ 6 5 ターン 押 ターン上 押 押 → 7 5 ターン 押 ターン上 押 長 → 7 5 ターン 押 ターン上 水平 押 → 7 45 5 ターン 押 ターン下 押 押 46 5 ターン 押 ターン下 押 長 47 5 ターン 押 ターン下 水平 押 5 ターン 押 水平 押 押→ 6 5 ターン 押 水平 押 長→ 6 90 5 ターン 押 水平 ターン上 押 → 7 48 5 ターン 押 水平 ターン下 押 5 ターン ターン 押 押 押 → 7 5 ターン ターン 押 押 長 → 7 5 ターン ターン 押 ターン下 押→ 6 5 ターン ターン 押 水平 押 → 7 5 ターン ターン 押 長 押 → 7 6 押 押 押 長 押 押 6 押 押 押 長 押 長 100 6 押 押 押 長 ターン 押 → 7 6 押 押 押 長 水平 押 6 押 押 押 ターン 押 押 6 押 押 押 ターン 押 長 6 押 押 押 ターン ターン 押 6 押 押 押 ターン 水平 押 6 押 押 押 水平 押 押 6 押 押 押 水平 押 長 6 押 押 押 水平 ターン 押 6 押 押 長 押 押 押 6 押 押 長 押 押 長 dimijevtud 文字統計(2013/03/18) 順位 文字 大きな鉄の木2013 ソノヒノキ冒頭文 主の祈り 合計 割合 1 a 281 6 17 304 9.00% 2 e 251 6 16 273 8.08% 3 i 235 11 27 273 8.08% 4 o 227 8 11 246 7.28% 5 u 212 4 7 223 6.60% 6 l 187 7 13 207 6.13% 7 m 131 4 18 153 4.53% 8 v 133 5 3 141 4.17% 9 t 132 3 2 137 4.06% 10 k 126 4 5 135 4.00% 11 n 117 7 7 131 3.88% 12 z 106 4 15 125 3.70% 13 s 104 2 6 112 3.32% 14 g 100 4 6 110 3.26% 15 b 93 4 4 101 2.99% 16 j 89 3 4 96 2.84% 17 . 89 3 2 94 2.78% 18 d 78 2 6 86 2.55% 19 , 69 4 3 76 2.25% 20 f 60 0 2 62 1.84% 21 p 48 5 0 53 1.57% 22 r 40 0 0 40 1.18% 23 h 33 1 5 39 1.15% 24 q 34 0 2 36 1.07% 25 w 31 1 1 33 0.98% 26 c 24 0 3 27 0.80% 27 x 23 0 1 24 0.71% 28 y 22 0 1 23 0.68% 29 " 12 0 0 12 0.36% 30 ! 5 0 1 6 0.18% 31 ? 0 0 0 0 0.00% 合計 3092 98 188 3378 100.00% 大まかに字形決定(2013/03/19) 大まかに字形決定 %BB%FA%B7%C1%A5%E1%A5%E201.png 紙媒体に鉛筆やボールペンで書くための略式書体。 本来は、鉤爪、もしくは太めの爪楊枝のような器具で粘土板やタブレット(電化製品)に押し当てて書くことを想定した涙滴型字形を使う。 PC上での爪文字の字形決定(2013/03/20) PC上での爪文字の字形決定 涙雫型から楔形へ(2013/03/21) 爪文字を緩い楔形へ変更 爪楊枝、丸割り箸等でチェックした結果、涙雫型ではなく、緩い楔形が形成されたため。 初のPCフォントの成立(2013/03/21) 上の緩い楔形を元に爪文字フォント"foden"をTTEditで作成 大まかな使い方は書道家.comで。 画像インポート+微調整程度。 foden130321.zip zipの中身のttfを出して、右クリックして、インストールを押して利用。 小さいと潰れやすいデザインなのでサイズ16以上推奨 初のPDF資料『大きな鉄の木2013』の成立(2013/03/22) ○フォントデザイン関係 カンマを横線から縦線にデザイン変更 ピリオドを縮小、下へ 記号類は全体的に下下げ、 数字上上げ 棒の重複による消滅数を8pixから4pixへ。つまり点の大型化 iを3/6から4/6に拡大 棒を正確にx^2±1へ。つまり棒が鋭角化し、太くなった。 foden130322.zip ○pdf関係 大きな鉄の木2013 dimijevtud訳を作成。 大きな鉄の木20130322.pdf フォントデザイン決定へ(2013/03/23-24) 2013/03/23 点と線の間隔を4pixから3pixに縮小 斜め線の調整 カンマとピリオドと!と?の調整 rとhが縦に伸びる mなどの平行する棒は一部接続するように。離れていると別々に読んでしまうため 2013/03/24 ○フォントデザイン関係 通常小文字・数字を一段下げ。将来ダイアクリティカルマークを挿入するため 数字6を 34 5 押 長 押 押 長から、 40 5 押 水平 押 押 長へ。縦に長すぎるため 「"」をアポステリオリな形に変更。縦に長すぎてクドいため。 「0」を縮小簡略化 「2」の間隔あけ。「=」と競合するため 「#」 「$」 「%」 「 」 「 」 「(」 「)」 「*」 「+」 「-」 「/」 「 」 「;」 「 」 「=」 「 」 「@」 「[」 「\(バックスラッシュ)」 「]」 「^」 「_」 「`」 「{」 「|」 「}」 「~」追加 「$」はken(通貨、お金)が由来 「@」はzil(場所)が由来 「 」はsegal(ANDの言い換え表現)が由来 fodenフォントの文字一覧(2013/03/14) seg fodenフォント foden130324.zip foden_list.pdf 大きな鉄の木20130324.pdf これで今年分は決定稿と思われる。 尾文字(seg fivi) 2014/02/23 尾文字(セグ・フィヴィ seg fivi)とは、2013年9月8日ごろに可読性向上のため長線と短線の弁別を廃止した爪文字の改良案として考案され、同9月9日ごろから鉛筆や筆で描きやすいように字形を調整され、2014年2月21日から22日にかけて、字形の調整とフォント化を行ったdimijevtudの人工文字である。 segは文字、fiviは尾の意味である。 楔形文字時代の原形を残した大文字と、一筆書きできるように行書体になった小文字がある。 ○架空設定 『神々の宇宙漂流記』の世界観で神々および猫獣人からなる周辺民族に用いられたが、短線と長線の弁別の難しさが問題となった。そこでカキス神により改良爪文字が考案され、普及した。それが周辺民族の粘土板文化の衰退と毛筆の普及に伴い、ミトラ神が得意な毛筆に適した字形に調整された。楔形文字の原形を残した大文字とそれを崩して一筆書きできるようにした小文字が開発された、という設定である。 seg fiviフォント fivi140222.zip 使用法:zipから取り出し、右クリック[インストール]で使用可能。Wordやワードパットなどで利用できる。 一覧表 fivi_list140222.pdf 尾文字(seg fivi)成立史 +尾文字成立史 ターン数評価(2013/09/08) 可読性向上のため、長線化を廃止。h, p, tなど判別しにくいものが多かったため。 ○ターン数評価 押 (重複は3回までに) 45度ターン (最後は不可。後に押がなければならない。重複2回まで。ポディションが斜の時は1回まで、上と下の二方向あり) 水平移動 (最初と最後は不可。後に押がなければならない。重複不可。水平移動は2回まで) 終わりが斜または横の場合、復帰ターンを考慮する必要あり 1 押 2 押 押 3 曲 押 曲 3 押 横 押 3 押 押 押 4 曲 押 押 曲 4 押 曲 押 曲 4 押 横 押 押 4 押 押 横 押 5 曲 曲 押 曲 曲 5 曲 押 横 押 曲 5 曲 押 押 押 曲 5 押 曲 押 押 曲 5 押 横 曲 押 曲 5 押 横 押 横 押 5 押 横 押 押 押 5 押 押 曲 押 曲 5 押 押 横 押 押 5 押 押 押 横 押 6 曲 曲 押 押 曲 曲 6 曲 押 曲 押 曲 曲 6 曲 押 横 押 押 曲 6 曲 押 押 横 押 曲 6 押 横 曲 押 押 曲 6 押 横 押 曲 押 曲 6 押 横 押 横 押 押 6 押 横 押 押 横 押 6 押 曲 曲 押 曲 曲 6 押 曲 押 横 押 曲 6 押 曲 押 押 押 曲 6 押 押 曲 押 押 曲 6 押 押 横 曲 押 曲 6 押 押 横 押 横 押 6 押 押 横 押 押 押 6 押 押 押 曲 押 曲 6 押 押 押 横 押 押 ターン数評価(2013/09/09) 水平移動を廃止。2013年3月版のaaとmの判別が付き難いため。 ○ターン数評価 押 (重複は3回までに) 45度ターン (最後は不可。後に押がなければならない。重複2回まで。ポディションが斜の時は1回まで、上と下の二方向あり) 終わりが斜または横の場合、復帰ターンを考慮する必要あり 一画 縦 1 斜 3 横 5 二画 縦縦 2 縦斜 4 縦横 6 斜縦 4 斜斜 4 斜横 6 横縦 6 横斜 6 横横 6 三画 縦縦縦 3 縦縦斜 5 縦縦横 7 縦斜縦 5 縦斜斜 5 縦斜横 7 縦横縦 7 縦横斜 7 縦横横 7 斜縦縦 5 斜縦斜 7 斜縦横 9 斜斜縦 5 斜斜斜 5 斜斜横 7 斜横縦 7 斜横斜 7 斜横横 7 横縦縦 7 横縦斜 9 横縦横 11 横斜縦 7 横斜斜 7 横斜横 9 横横縦 7 横横斜 7 横横横 7 ○優先度 ターン数>画数>重複角度の有無>始点角度 01 縦 1 「a」 02 縦縦 2 「e」 03 斜 3 「i」 04 縦縦縦 3 「o」 05 斜斜 4 「u」 06 縦斜 4 「l」 07 斜縦 4 「m」 08 横 5 「数字1」 09 斜斜斜 5 「v」 10 縦縦斜 5 「t」 11 縦斜斜 5 「k」 12 斜縦縦 5 「n」 13 斜斜縦 5 「z」 14 縦斜縦 5 「s」 15 横横 6 「数字2」 16 縦横 6 「g」 17 斜横 6 「b」 18 横縦 6 「j」 19 横斜 6 「d」 20 横横横 7 「数字3」 21 縦縦横 7 「f」 22 縦横横 7 「p」 23 斜斜横 7 「r」 24 斜横横 7 「h」 25 横縦縦 7 「q」 26 横斜斜 7 「w」 27 横横縦 7 「c」 28 横横斜 7 「x」 29 縦斜横 7 「y」 30 縦横縦 7 「!」 31 縦横斜 7 「?」 32 斜縦斜 7 「数字4」 33 斜横縦 7 「数字5」 34 斜横斜 7 「数字6」 35 横斜縦 7 「数字7」 36 斜縦横 9 「数字9」 37 横縦斜 9 「数字0」 38 横斜横 9 「数字8」 39 横縦横 11 楔形から筆文字へ(2013/09/09) この当時、粘土板を利用する文化は絶えて久しいため、改良爪文字から毛筆で書きやすい尾文字の原形が登場した。 後の尾文字小文字に当たる文字は、楔形文字の斜め線の方向が左右逆である。粘土板の場合、左上から右下への線は書きやすいが、毛筆の場合、右下がりのラインは旁と隣接すると短縮するなどの制約があること、右利きの場合書きにくいなどの問題があったためである。 2013年9月10日には、楔形文字、楷書体、行書体の三字形が考案されている。 フォント作成作業(2014/02/21-22) 2014年2月21日、召喚節のことを考え、フォント化のための字形調整をおこなった。 大文字を楔形文字の原形を残した楷書体、小文字を上の行書体にしている。次の版と違い"!"と"?"が大文字型である。 2014年2月22日、TTEDITによりseg fiviフォント第一号が完成 seg fiviフォント fivi140222.zip 使用法:zipから取り出し、右クリック[インストール]で使用可能。Wordやワードパットなどで利用できる。 一覧表 fivi_list140222.pdf 大きな鉄の木20140222.pdf [部分編集] 語彙 [第一子音 5×20] [第一母音 1×5] [第二子音 100×10] [第二母音 1,000×5] [第三子音 5,000 ×10] [第三母音 50,000 × 5] 5.t, 10.l, 15.n, 20.s, 25.k, 30.m, 35.x, 40.f, 45.v, 50.c, 55.d, 60.p, 65.h, 70.z, 75.g, 80.b, 85.j, 90.w(yu), 95.q 00.なし 1.a, 2.e, 3.i, 4.o, 5.u 100.l, 200.n, 300.m, 400.v, 500.d, 600.z, 700.g, 800.b, 900.j, 000.y/w(ya, we, wi, yo, yu) 1,001以後使用 (aya) 1000.a, 2000.e, 3000.i, 4000.o, 5000.u, 6,000.l, 11,000.n, 16,000.m, 21,000.v, 26,000.d, 31,000.z, 36,000.g, 41,000.b, 46,000.j 51,000.y/w(ya, we, wi, yo, yu) エクストラ末子音t, s, k, r, x, f, p, h, ts, ch 3358 frequency = 55 + 3 +3*100 +3*1000 = d i m i 原理上無数に音節を増やして造語可能。第三母音までで約30万語の生成が可能。 だが、上のサイトにある86,800語が限界点 基本的に末子音はl, n, m, v, d, z, g, b, jに限られるが、機能語生成用に エクストラ末子音t, s, k, r, x, f, p, h, ts, ch10種が存在する。 英語にない語は、be動詞の人称屈折形とか、名詞の複数形とか、動詞の現代分詞・過去分詞とか、三人称単数系とかを欠番にして、そこに機能語を押し込む。 または、エクストラ末子音を使ったアプリオリ語彙を作る。 2011/08/20 CVCCVC音節からCVCVCV音節へ変更。 2013/03/12 50番台y → c/ts/、下二桁95番 wu → yu、000番台r→ y, w(ya, we, wi, yo, yu), ch→ qに表記変更。 2013/03/12 1001~1100番などの第二子音をrからy/w(ya,we,wi,yo,yu)に。 推定語彙数 2012/09/16 816語 2013/03/11 1,005語 2013/03/12 1,041語 2013/03/24 1,120語 2014/02/23 1,126語 [部分編集] 文法 統語 SVO NA 前置詞使用、節後置。 否定などの一部副詞は前置。 2011/08/17作成 名詞 人称・格・数による屈折は代名詞を除いて基本的になし。 2011/08/17作成 複数 複数はisで表す。名詞で終わる言葉ではsになる mede 猫 medes 猫たち gidel 虎 gidelis 虎たち 2011/08/27 作成 代名詞 単数 複数 一人称 la 私 mi 私たち 二人称 zi あなた pibo あなたたち 三人称 ku 彼 fe 彼ら 四人称 adug 人 si これ ti それ te あれ kul ここ mu そこ、あそこ 2011/08/28 二人称単数li → zi。三人称単数luを廃止し、三人称はkuに一本化。三人称複数ki→fe 2013/03/10 四人称adug追加 指示 後置。後期制アルカの勘で運用。 mug si この少年 mug ti その少年 mug te あの少年 2012/09/16 後置に 冠詞 定冠詞aと不定冠詞uがある a mede その猫 u mede ある猫 2011/08/26 作成 動詞 コピュラ naで表す。 la na mitora 私はミトラです。 si na neyo これはペンです。 過去時制や完了相でnaを省略し、過去接尾辞や完了接尾辞そのままを使うことがある。 qan nazel til ut zila 多くの些細な問題が起こる hob ak soj 太陽が現れた。 2011/08/27 作成 2013/03/11 繋辞過去におけるnatでなくutを使うなどの慣例 否定 soで表す。 si so na dem これは本ではありません。 la so sa neyo 私はペンを持ってません。 2011/08/27 作成 時制 過去は-utで表す。動詞で始まる場合、 si ut neyo これはペンだった hejut pida 楽しく暮らした。 a mede pobat pida その猫は楽しく会話した。 未来はfoであらわす。 lu bon fo hoj 彼は医者になるだろう。 意思未来はfuで表す。 la bon fu hoj 私は医者になる。 2011/08/27 作成 相 将前相guj ~しようとする bu guj 見ようとする nil guj 作ろうとする 開始相gim ~し始める bu gim 見始める nil gim 作り始める 経過相 -tol ~している butol 見ている niltol 作っている 完了相 -ak ~した buk 見た nilak 作った 継続相 -if ~してある buf 見てある nilif 作ったある 日本語同様、相の後に時制がつく bu gujut 見ようとした nil gujut 作ろうとした bu gimut 見始めた nil gimut 作り始めた butolut 見ていた niltolut 作っていた bukut 見た(過去完了) nilakut 作った(過去完了) bufut 見てあった nilifut 作ってあった 2011/08/28 作成 法 勧誘mut ~しよう、しましょう bu mut 見ましょう 提案hav ~したらどうですか ~しましょうか zi bu hav 見たらどうですか、la bu hav 見ましょうか 人称で区別する。 許可gab ~してもよい bu gab 見てもよい 不許可, 禁止 juvun ~を禁止する、~してはいけない bu juvun 見てはいけない 可能vi ~できる bu vi みられる 可能cal ~したい bu cal 見たい 不可能viso ~できない bu viso 見られない 不可能cava ~できない bu cava 見られない 反希望ugi ~したくない bu ugi 見たくない 必要、義務sil ~しなければならない bu sil 見なければならない 必要性大men ~する方がよい bu men 見る方がよい 必要性小 siva ~しない方がよい bu siva 見ない方がよい 経験xal よく~したものだった bu xal よく見たものだった 命令kev ~しろ kev bu 見ろ 禁止命令kevso ~するな kevso bu 見るな 依頼jiz ~してください jiz bu 見てください 禁止依頼jizso ~しないでください jizso bu 見ないでください 2011/08/28 作成 2013/03/12 可能yal → cal 不可能yava → cava 受動態 2011/08/28 som-で表す。 si azitud nilsomtol no mi この人工言語は私たちに作られている。 使役 qoで表す。 la qo ku sa dem e la 私は彼に私の本を持たせた 2011/08/28 作成 2013/03/12 cho → qo 敬語 自動詞化 後期制アルカ同様、「繋辞+動詞」構文 la vuja nuyu 私は皿を落とす。 nuyu na vuja 皿が落ちる。 2012/09/16 仮定 特に仮定形は存在しない。 ve la na kega, la toze ul o zi. もし私が鳥ならば、あなたのところへ飛んでゆく。 2012/09/16 作成 動詞化 名詞化 形容詞化 生動詞と死動詞 生動詞liは、電化製品から傘まで、いろいろなものの機能を起動させる動詞である。 死動詞kolは、電化製品から傘まで、いろいろなものの機能を停止させる動詞である。 2011/08/28 作成 文末純詞 格詞 xa 主格 ~が mo 対格 ~を e 属格、所有格 ~の o 与格、終点格 ~へ、~に ke 奪格、始点格 ~から ne 共格、随伴格 ~と共に、~と一緒に heu 様格 ~のように、まるで~のように le 利益格 ~のために no 受動態の動作主 ~によって ni 主格同格 ~として se 対格同格 ~と 2011/08/27 作成 2013/03/11 主格格詞xa, 対格格詞 mo を追加 2013/03/13 様態格 ni → heu。 主格同格ni, 対格同格se ~と 形容詞 形容詞は名詞に後置する。 kize fom 大きいパン kize wal 小さいパン 2012/09/16 作成 比較 「より~」のcoと、「~とくらべて」のjuで「co 形容詞 ju」で表す coは省略可能。 ku na co lone ju la 彼は私よりも背が高い 2011/08/28 作成 2013/03/12 yo → co 最上級 「yu+形容詞」で表す。 ku na yu lone ta si mod. 彼はクラスの中で一番背が高い 2011/08/28 2013/03/12 wu→yu 副詞 副詞は動詞に後置するのが基本だが、例外が多い。 2012/09/16 副詞化接頭語 2013/03/10 副詞化接頭語oxを追加。 maji 不思議な ox maji 不思議に 接続詞 i ~と。強連言。AND tum ~か、~か。AかBのどちらか1つ。強選言。XOR me ~か~。AかBのどちらか1つか、両方。弱選言。OR gona i mede 犬と猫 gona me mede 犬か猫、もしくは両方 gona tum mede 犬か猫、どちらか一方 2011/08/27 作成 2013/03/13 to ~である~、同格接続詞 文頭まわり 関係詞 thatに相当するteを使う。 la qazut naz te luzut mema zil vajad ha biv 私は、昨日大草原で馬を捕獲した少女と会った。 la qazut mema te naz luzut zil vajad ha biv 私は、少女が昨日大草原で馬を捕獲した馬と会った。 la ulut vajad te naz luzut mema ha biv (zil) 私は、少女が昨日馬を捕獲した大草原へ行った。 la zebat pul e jab ha biv te naz luzut mema zil vajad (ha) 少女が大草原で馬を捕獲した昨日、私は長の家にいた。 2012/09/16 作成 疑問文 YES NO疑問文 YESは丁寧なvalと略式のlulがある。 NOはcaがある。 疑問文でも特に語順は変化せず、最後にイントネーションを上昇させるのみ YES, NOの昨日は日本語同様、疑問文で示された命題が真か、偽かで判別する。 ku na luni? 彼はルニですか。 val, ku na luni. はい、彼はルニです。 ca, ku so na luni. いいえ、彼はルニではありません。 ku so na kakis? 彼はカキスではないのですか? lul, ku so na kakis. うん、彼はカキスじゃないよ。 ca, ku na kakis はい、彼はカキスです。 2011/08/28 2013/03/12 否定ya → ca 疑問詞疑問文 これも特に語順は動かない。wi (どのように)、hal (なぜ)は文頭につきやすい 誰ci 何va どこwa いつvo どのようにwi なぜhal 2011/08/28 2013/03/12 ye→ ci 反語 数詞 短数詞 pov-xe(十一), pov-en(十二), en-pov(二十), nel-pov(三十)のように、屈折なく結合させる漢数詞的命数法を用いる。 大きな数に関しては、pov-joj(十千=万)、qav-vovi(百×百万=億)のように西洋式の3桁区切りの命数法である。 百兆以上は、長数詞Bのozod(4)とvovi(百万)を足して、ozodovi(百兆), lozijovi(十京)と続く 0 yubi 1 xe 2 en 3 nel 4 bul 5 un 6 bin 7 dad 8 qoju 9 nug 10 十 pov 100 百 qav 1,000 千 joj 1,000,000 百万 vovi 10^9 十億 kule 10^12, 兆 lomam 10^15, 百兆 ozodovi 10^18, 十京 lozijovi ○十進法以上の対応 十二進法と十六進法に一部対応可能である。 11 naze 12 hada 13 xero 14 nuvi 15 uja 12^1 ダース tevi 12^2 グロス yezi 16^1 divi 16^2 バイト zobum 2011/08/30 作成 2013/03/12 wubi → yubi, choju → qoju, chav → qav 長数詞 短数詞の言い換え表現や、単位などに用いる。 ギリシャ語から引用した長数詞Aとラテン語由来の長数詞Bがある。 長数詞Aは数学・科学関連、単位などに用いられやすく、 長数詞Bは短数詞の大数合成や、それ以外の合成語に用いられやすい。 短数詞 長数詞A 長数詞B 0 yubi jemeg tiboda 1 xe cerov helad 2 en canu qodin 3 nel kunila negaya 4 bul medeg ozod 5 un wivoma lozij 6 bin biboya najina 7 dad jomom - 8 qoju juwiv pozul 9 nug wezed gibul 十 pov zazi kuyu 百 qav pelum gojov 千 joj qariv xulug M vovi kevom G kule gijav T lomam fizev P ozodovi nijula E lozijovi semaz 2011/08/30 2013/03/12 wubi → yubi, choju → qoju, chav → qav, yerov → cerov, yanu → canu, bibora → biboya, juriv → juwiv, chariv → qariv, chodin → qodin, negara → negaya, kuru → kuyu 基数 数を前置すると基数になる。 xe fel 一人の男 en felis 二人の男たち 2011/08/30 作成 序数 2011/08/30 数を後置するか、「~番目」を意味する接尾辞-zalをつけると序数になる fel xe / xezal fel 一番目の男 fel en / enzal fel 二番目の男 2011/08/30 作成 方言 未定 あいさつ [部分編集] 辞書 PDIC Win32版用とテキストファイルを同封 辞書 日付 語彙数 注記 dimijevtud120916.zip 2012/09/16 816語 dimijevtud130311.zip 2013/03/12 1,005語 改定前 dimijevtud130312.zip 2013/03/12 1,041語 改定後 dimijevtud130324.zip 2013/03/24 1,120語 「大きな鉄の木2013」PDF完成時 dimijevtud140223.zip 2014/02/23 1,126語 「大きな鉄の木2014」PDF完成時 [部分編集] 実例 ソノヒノキ冒頭文 2012/09/16 ディミジェヴトゥード(Kakis Erl Sax) pim bon zij, zij bon vez, vez bon dam, pi kig tojak vol. kum natol hul wiv. a pin na kid pegel vol, su ti na lin bo pegel mug si. 白は青へ、青は赤へ、赤は黒へ変わり、そして闇が世界を覆った。 一日はいつもと同じように終わろうとしていた。 しかし世界にとってなんでもないその日は、この少年にとっては非常に重要なものだった。 単語数 31 音素数 92 割合 2.968 主の祈り 2012/09/16 2013/03/12 改定修正 "dalo e gam" 主の祈り zam e mi te zeba zil fawe! 天にある我らの父よ! mi cal mam e zi xiluvsom 我らは汝の名が聖とされることを欲す mi cal hida e zi mal. 我らは汝の王国が来ることを欲す。 mi cal soyan e zi na li zil qizid kil fol bezol. 我らは汝の考えが天と同じく地でもなされることを欲す。 jiz jil kize vuma e mi o mi ha kum 毎日の我らのパンを今日我らに与え給え。 i, jiz hezu sigu e mi そして我らの罪を許し給え ni mi hezuk sigutel e mi 我らが我らの罪人を許したように i, jizso giz mi o ligal, そして我らを誘惑に導くなかれ、 su jis veda mi ke zoni されど悪より我らを解き放ちたまえ lil hida i zan i qibo e zi na godo 汝の王国と力と名誉は永遠であるゆえに nubon かくあれかし 『大きな鉄の木』2013年版 資料名 対応Ver. 注記 大きな鉄の木20130322.pdf 130324-2 初稿 大きな鉄の木20130324.pdf 130324-2 フォント修正版 2013/03/15 "laza fom mole" niltel kakis erl sax 『大きな鉄の木』 さく: 録霊60 u fuzo te guvis til pad zebat zil pel ha mim bo. guvis oz i iyo te pojat ke fula wonut guvis wig til zil kul. guvis wig nezsomut il le guvis te pojat ke fula, nezsomut hej mivo. 昔々あるところにたくさんの人々が住む星がありました。そこでは、機械から生まれた強くて頭のいい人々が、たくさんの普通の人々を支配していました。普通の人々は、機械から生まれた人々のために働かされ、苦しい暮らしを強いられていました。 ha pin pel, u guv wig nilut vija mole. adug te juja a vija mole wo vi zuz fa e bel a vol. ある日、ある普通の人が鉄の冠を作りました。この鉄の冠をかぶれば、世界のあらゆる知恵を知ることができます。 "ke zo, mi so davinsom fo no guvis te pojat ke fula!" 「これでもう機械から生まれた人々にいじめられないぞ。」 a guv te nilut a vija mole komak qino. su yubi bi adug xol vi gel a vija tum. ve ti tol bag, guv te juja jeg nim cilel. a guv te nilut a vija mole jeg ugi lil ku tida sil ve ti tol bag. dav ku qot u mug seno juja a vija mole qaya liva nela e a vija. pi a mug ak uya lil kom beni. 鉄の冠を作った人は喜びました。でも、この冠が本当に使えるのかどうか分かりません。もし失敗していたら、かぶったら死んでしまうかもしれません。鉄の冠を作った人は、失敗していたら作り直さなくてはならないので、死にたくありませんでした。そこでその人は、この冠の力を試すため、一人の夢見がちな男の子に鉄の冠をかぶせました。すると、その男の子は、目を回して倒れてしまいました。 a mug ak zavi, pi ku zebat zil habe jaga te yubi zeba. dav a mug komak xela lil habe. dav ku vavek hob zeba kul. ox maji, ku kezak vi tog e hob vesu milol wal ven hel sul. pi hob ak soj zil kul. 男の子が目を覚ますと、そこは真っ暗な何も無いところでした。男の子は暗くて怖がりました。なので、ここに太陽があると思い込みました。不思議と太陽はどんな仕組みなのか一番小さな粒の一つ一つまで理解することができました。すると、そこに太陽が現れたのです。 i, ku tolak bize so sa vam. dav ku vavek bize sa vam. pi, vam ak soj. そして、自分に体が無いことに気づきました。なので、自分には体があると思い込みました。すると体が現れました。 i, ku tolak bize tol govel o pulol. dav ku vavek iz zeba kul. pi iz ak soj. そして、自分が宙を漂っていることに気づきました。なので、ここに地面があると思い込みました。すると大地が現れました。 su yubi zebat zil iz, fawe zij sul so zebat. dav ku vavek fawe, kede, jaya, cug, xoz jala i seva jala, i sadas zeba kul. pi tis ak soj. でも、大地には何も無く、青い空もありませんでした。なので空、山、川、海、美しい野原や森、動物たちがここにあると思い込みました。するとそれらが現れました。 a mug dudatol, nilak fuda muje jala, komak pida o ti. 男の子は、歩き回って、次々と美しい景色を作って、それを楽しみました。 ha pin pel, a mug tolak bize if xog bel a vol den. a mug komak cugo. dav ku vavek sewe e poba zeba kul. pi, pobasewe qona e sad mede ak soj. a mug komak heu bize bon wal gal, su ku komak qino o pobasewe qona ak soj. a mug mamak bize se mitora lil ku dil mam ha poba. mitora i a mede pobat pida o helza. ある日、男の子は、自分がこの広い世界の中で一人ぼっちだと気づきました。男の子は寂しがりました。そこで、ここに話し相手がいると思い込みました。すると、猫のような愛らしい話し相手が現れました。男の子は、自分が少し小さくなったような気持ちになりましたが、愛らしい話し相手が現れたことを喜びました。話し合うときに名前が必要だったので、男の子はミトラと名乗りました。ミトラと猫は楽しく語らいました。 ha pin pel, mitora kinut xun e vun, dav a mede kinut bize gu sa cal vun. dav mitora vavek dinu, cedu, zam, mem, moge, joma, luna, luno, gage, kali, i fizos e a mede zeba. pi kus ak soj zil kul. mitora komak heu bize bon wal gal, su ku komut qino lil a mede kom bo qino. mitora zenut qava e vam e bize ox gal cona kus. kus kavak pul, hejut pida. ある日、ミトラが家族のことを話すと、猫は自分にも家族がほしいといいました。そこで、ミトラは、猫のおじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、兄、姉、弟、妹、おじさん、おばさん、いとこ達がいると思い込みました。すると彼らがそこに現れました。ミトラは、少し自分が小さくなったような気がしましたが、猫がとても喜んだので喜びました。ミトラは彼らに合わせて自分の体の形を少し変えました。彼らは家を建て、楽しく暮らしました。 ji si, vun e a mede gu calut zed, zedis calut vun e hel. dav mitora vavek kus zeba, dav jub ak nil. gulis e jub te sa leg e xojul kinak o mitora mo xib beg wam vegi i guvis te na qava e sada kaz le kin vi, mitora nilak tis he. guvis ak zad ox fuda, mitora komak heu vam e bize bonut wal tin ti, su mitora komak qino lil kus kom qino. その後、猫の家族たちも友達をほしがり、友達たちはそれぞれ家族をほしがりました。そこで、ミトラは彼らがいると思い込み、村ができました。冒険心のある村の子供たちは、ミトラに口を利くいろいろな動物の形をした人々や、隣の町などの空想を聞かせて、それらも作ってもらいました。人々は、次第に増え、そのたびに自分の体が小さくなるような気持ちになりましたが、彼らが喜ぶので、ミトラは喜びました。 a vol e sadas te kin vi tojut fuzo tayo bize ox jaga, mitora nilut fuzo vegi, dav a vol tojut ti ox jaga, i nujol vegi, nujolcanel vegi, nujolkezul vegi, juvi vegi, tojut fa tis ox jaga. mitora komak heu vam e bize bon wal tin nil guvis go, su ku so bajut ti lil ku bu vi vobu qino e kus. cu a vol, qan nazel til ut zila, su quma ut vejo, dav guvis hejut vib. 物言う動物たちの世界は、星を覆いつくし、隣の星を作れば、それを覆いつくし、隣の銀河、隣の銀河団、隣の銀河胞、隣の宇宙それらも全て覆いつくされました。新しい人々を作るたびに、ミトラは体が小さくなるような気持ちになりましたが、彼らの喜ぶ顔を見ることができるので気にしませんでした。この世界では、たくさんの小さな厄介ごとがおきますが、おおむね平和で、人々は幸せに暮らしました。 gibaj, zil vol pu, fulas dov gimut bize ox dal, nilat lada fom mole jal a mug te jujaf a vija mole. qaji e ti tojakut ox jaga tayo bize mo quma e a fuzo, dav guvis til jegut. a guv te nilut a vija mole foz gujut fulas, su ku xelesomut cilel. 一方、外の世界では、機械たちが勝手に動き出し、鉄の冠をかぶった男の子のまわりに大きな鉄の木を作りました。その根っこは星のほとんどを覆いつくし、たくさんの人が死にました。鉄の冠を作った人は、機械たちを止めようとしましたが、殺されてしまいました。 ha pin pel, u guv te pojat ke fula nilut guv e dod go te pojat ke fula. mug ti mamsomut se koreori. koreori na co oz i co iyo ju guvis e dod wig te pojat ke fulo, su ku davinsomut no meg lil qava e ku na sad o balom i jigun. ha pin pel, bonitel e ku kinut o koreori mo ti se, "kev uya a laza fom mole. dav meg so davin bon zi lobi." koreori vayat ti. ある日、ある機械から生まれた人が、新しい種類の機械から生まれた人を作りました。その男の子は、コレオリと名づけられました。コレオリは、普通の機械から生まれた人より強く、頭もよかったのですが、トカゲか恐竜のような姿をしていたので、みんなからいじめられていました。ある日、生みの親はコレオリにこういいました。 「大きな鉄の木を倒すんだ。そうすればみんなお前をいじめないよ。」 コレオリはそれを引き受けました。 koreori nijalut qaji mole fom nexo tudusom no qudil e fula. dav ku conit selil e a laza fom mole, ultat bize ke mozal e a laza o vol e ta laza. i ha hul e jiwe e zugi pol, dig koreori kubokut mitora. mitora sa hili e sad mede pim i fivi pim qemov e sad xabi i semul pol pim i hana vez, na qava qona e sad naz hebo. コレオリは、たくさんの機械の人形たちに阻まれながら、大きな鉄の根っこを辿りました。そして、大きな鉄の木の幹にたどり着くと、ウロから木の中の世界に入りました。そして長い旅の末、ついにコレオリは、ミトラに会いました。ミトラは、白い猫のような耳、狐のようなふさふさした白い尻尾、白い長い髪の毛と赤い瞳を持ち、小さな女の子のように愛らしい姿をしていました。 koreori kinak ti se, "la bon vi fo ve uya a laza fom mole i zi!" i koreori zeyak mitora noqen bon sezel dam. mitora bovak noqen bon gidel pim. sezel dam i gidel pim bovat mujo, fa te mitora nilut ak cozul. ha hul e bova e zugi pol bo, sezel dam pejak gidel pim. mitora gimusomak nela quma e ni canul, sanek i cavak. コレオリはこういいました。 「お前を倒して、大きな鉄の木を倒せば、俺は幸せになれるんだ!」 そうすると、コレオリは黒い龍となってミトラに襲い掛かりました。ミトラは、白い虎となって戦いました。黒い龍と白い虎の戦いはすさまじく、ミトラが作った全てのものは砕け散りました。長い長い戦いの末、黒い龍は、白い虎を打ち破りました。ミトラは、神としての力の大半を奪われて、逃げ去りました。 koreori komak qino lil pej "zo, yubi davin fo la." koreori amudak vol pu. pi guvis te pojat ke fula so zeba bon femiz. kus webonifut o wam e fawe. koreori bagak vim e ke a wam e fawe tayo nela e a laza fom mole. nuja, kus qez guj jaga a laza fom mole ne a fuzo. コレオリは、勝利に喜びました。 「これで誰も俺をいじめたりしないぞ。」 コレオリは外の世界をのぞきました。すると機械から生まれた人たちは地上からいなくなっていました。かれらは、空の町に移り住んでいたのです。コレオリは、大きな鉄の木の力を使って空の町からの声を聞きました。なんと、かれらは星ごと大きな鉄の木を焼き尽くそうとしていました。 "nil fu a vol e mi to quna nugul noqen tuvaz a vol tayo xanil e mi! balom te suno, mi magut zovem ku. ebo te wijev mi to quna nugul dal jula to balom suno! vuce, ku bugut ha e diz e mi he bu. ku sa xod cu si hi bu. mumto, kev jeg ne a laza kejul vewen!" 「我らの雷によって世界を浄化し、我ら選ばれし民の世界を築くのだッ!あのトカゲめ、まんまと騙されおったわ。トカゲの分際で我ら選ばれし民を冒涜する悪魔め。まぁ、我らの作戦の時間稼ぎにはなってくれたようだな。そこだけは存在価値があったようだな。さあ、忌々しい呪いの木とともに朽ち果てるが良いッ!」 koreori tolak bize zovemsomut, komak vebe. i ku komak teli mujo o guvis e zil a vol pu. koreori ciluk a laza fom mole, fobek nenu o fawe. wam fa e fawe juyasomak no nenu mole fom bol mini. gumul ku vedak qudil til e fula, labizak guvis e a fuzo. qaji e a laza fom mole tojak a fuzo tayo bize ox jaga, a fuzo bonak taza. コレオリは、自分が騙されたことに気づき悲しみました。そして外の世界の人間たちへの甚だしい憎しみが湧き上がりました。コレオリは、大きな鉄の木を揺すり、葉を天に飛ばしました。空の町は、大きな鉄の葉によって一つ残らず壊されました。さらにたくさんの機械の人形たちを放ち、この星の人間たちを皆殺しにしました。大きな鉄の木の根っこは星を覆いつくし、その星は静かになりました。 ji ti, koreori pubik vol juya e ta laza, vanumak ti o vol wig. i ku dima guj zugi godo ne a vol e a laza fom mole lil ku komak bon sibo. su ku bik mitora te bonif hon gig a vol te bonif wig. mitora nilut vol wal bo ji ku wedak koreori, padut si ox nuzi. zil vol e koreori, sadas zonam te kin vi te mitora nilut zebat, su kus col cava bon ve caneb so zeba bon cilel. dav mitora malifut qaya jeyun caneb o zil te kus pad. koreori luzu guj mitora qaya pej jaga. si ut miv pida nuz e lal dima godo. i lujod godo e kus na feb ha zo gu. その後、コレオリは、木の中の壊れた世界を直し、普通の世界に作りかえました。すると退屈になったので、この大きな鉄の木の世界ごと永い眠りに付こうとしました。しかし、小さな存在となったミトラが、時折普通になった世界に訪れていることを知りました。ミトラは、コレオリに負けた後、小さな小さな世界を作って隠れ住んでいました。コレオリの世界には、僅かにミトラが作った物言う動物たちがいましたが、魔法の力がなくなってしまうと生きられなくなってしまいます。だからミトラは、彼らの住むところに魔法の力を蒔きに着ていたのです。コレオリは、完全な勝利のためミトラを捕まえようとし始めました。それは、永い眠りに着く前の最後の楽しみでした。そして、今も彼らの永遠の追いかけっこが続いているのです。 jifafeg. めでたしめでたし。 『大きな鉄の木』2014年版 フォントを爪文字(seg foden)から尾文字(seg fivi)へ変更したのみ。 資料名 対応Ver. 注記 大きな鉄の木20140222.pdf 140223-1 尾文字化 dimijevtud 人工言語